【スラムダンク】湘北高校のモデルは実在する？ライバル校も調査

湘北高校とは『スラムダンク』の主人公、桜木花道たちが通う学校です。湘北高校にはモデルとなった学校が存在するとのことで、ファンからの注目を集めています。ここでは湘北高校や『スラムダンク』の漫画やアニメについての概要を紹介します。

湘北高校は神奈川県の県立高校という設定になっています。湘北高校バスケ部は県大会予選敗退レベルの弱小チームでしたが、桜木花道や流川楓の加入、宮城リョータや三井寿の復帰によって県大会準優勝を果たします。その後、インターハイに出場し3回戦まで勝ち進みました。学科などは明らかになっていませんが、作中の描写から、おそらく普通科の学校ではないかと考えられています。

『スラムダンク』は1990～1996年に週刊少年ジャンプにて連載されたバスケットボール漫画です。シリーズ累計発行部数は1億2029万部（2013年2月時点）を突破しており、歴代ジャンプ作品の中でもトップ10に入る人気作品です。1993～1996年に放映されたTVアニメも大人気となりました。アニメのオープニングで登場した鎌倉高校前の踏切をはじめ、作品の舞台となった場所を「聖地巡礼」と称して訪れるファンも多いようです。

『スラムダンク』の物語は不良少年の桜木花道が湘北高校に入学するところから始まります。バスケ部主将の妹である赤木晴子に一目惚れした桜木は、彼女の勧めでバスケ部に入部します。バスケは全くの初心者だった桜木でしたが、地道な練習や試合を通して、その才能を開花させていきます。そして主将の赤木剛憲やスーパールーキーの流川楓、復帰した宮城リョータや三井寿と共に、チームをインターハイ出場へと導きます。

『スラムダンク』の舞台は実在する場所がモデルとなっていることが多く、桜木花道たちが通う湘北高校にもモデルとなった学校が存在します。湘北高校のモデルとなったのはどのような学校なのでしょう？外観や所在地、偏差値などを湘北高校と比較しながら解説します。

湘北高校のモデルとなったのは東京都立武蔵野北高校です。校舎の形が湘北高校と非常に似ており、外観のモデルとなっていることがわかります。武蔵野北高校側も『スラムダンク』の舞台となったことを認識しており、改修工事の際にイメージを損ねないよう配慮したというエピソードもあります。なお、「湘北高校」という名前については神奈川県立湘南高校がモデルになっているようです。

湘北高校のモデルとなった武蔵野北高校の偏差値は67で、学区内の公立高校の中では2番目の進学校です。一方、湘北高校の偏差値は53～55程度ではないかと考えられています。理由としては、不良少年だった桜木花道が受験前に猛勉強しても偏差値60台後半の進学校に入学するのは無理があること、作中で元バスケ部員の西川が湘北高校のことを「フツーの高校生が集まるところ」と述べていることが挙げられています。

作中の描写を見る限り、湘北高校バスケ部員の学力にはかなり開きがあるようです。不良少年だった桜木花道の学力は言うまでもありませんが、他のメンバーの学力はどの程度なのでしょうか？ここでは、湘北高校バスケ部のスタメンである赤木、宮城、流川、三井の学力について解説します。

バスケ部主将を務める赤木は、湘北高校ではトップクラスの学力を持っています。作中では物理の授業中に赤木が難しい問題を解き、クラスメイトから拍手喝采を浴びるシーンがあります。そんな赤木の学力は、神奈川県の高校生の平均よりも少し上くらいになるでしょう。学力的にはもう少し上の高校も狙えたかもしれませんが、元全日本選手である安西先生にバスケの指導を受けるため、湘北高校に入学したのではないかと言われています。

赤木以外のスタメンは赤点を4つ以上取ってしまうほどの成績ですが、その中でも宮城と流川に関しては地頭は良いと考えられているようです。宮城は勉強合宿でマネージャーの彩子に教わるとすぐに問題が解けるようになっていることから、勉強ができないのではなくやる気が無いだけだと考えられます。また、宮城のポジションであるポイントガードは頭を使えなければ務まらないことからも、宮城は決して頭が悪くないと言えるでしょう。

流川に関しても宮城同様に勉強に対するやる気がないだけだと考えられます。流川は早朝からバスケの練習に励んでいますが、その影響か授業中は眠ってしまっています。頭が悪いというよりも、バスケに熱中するあまり一切勉強していないため成績が落ちてしまったのでしょう。

三井は高校入学後に不良となってしまい、勉強を全くしていないことから成績が下がってしまったようです。しかし、中学時代はバスケ部主将を務めるなど真面目な生徒であったことから、勉学にもそれなりに取り組んでいたものと考えられます。中学時代から不良であった桜木と比べると基礎はできているでしょう。同級生たちが部活を引退した後も、大学推薦狙いでバスケ部を続けており、本来の学力は高いのではないかと考えられます。

『スラムダンク』には湘北高校のライバルとして多数の高校が登場します。作中に登場する高校には全て架空の名称が使われていますが、それぞれにモデルとなった学校が存在するようです。ここでは湘北高校のライバル校のモデルとなった学校を紹介します。

陵南高校は湘北高校のライバルで、魚住純や仙道彰が通う学校です。そんな陵南高校のモデルとなったのは、神奈川県立鎌倉高等学校です。アニメのオープニングに登場する踏切も、この高校の近くにあります。こちらも偏差値66と県内有数の進学校ですが、海に近い絶好のロケーションであることから、入学後に勉強する気が起こらなくなる「鎌ボケ」という言葉もあるそうです。

神奈川県王者である海南大附属高校のモデルとなったのは、湘南工科大附属高校です。この事実は『スラムダンク』の作者である井上雄彦先生がバスケの試合の解説中に話されたことがあるそうです。作中には海南大附属の高頭監督が扇子で仰いでいる描写がありますが、これは湘南工科大附属高校の昔の校長がいつも扇子を持っていたことに由来しているのではないかと言われています。

神奈川県No.2の強豪校である翔陽高校のモデルは神奈川県立松陽高校です。どちらも「しょうよう」と読みます。松陽高校も80年代に神奈川県で連続優勝するバスケの強豪校でした。また、応援スタンドの横断幕に「闘魂」という言葉が書かれていたという点も共通しています。一方で監督事情については正反対で、翔陽では主将の藤真健司が監督を兼務していましたが、松陽高校には国際審判の顔を持つ名監督がいたそうです。

インターハイ3連覇を果たした秋田の強豪校・山王工業のモデルとなった学校は秋田県立能代工業高校です。2021年4月に能代西高校と統合し、現在は能代科学技術高校という名前に変わっています。全国大会の通算優勝回数58回というバスケットの名門校で、日本人初のNBA選手となった田臥勇太選手をはじめ、多数のバスケ選手を輩出しています。ユニフォームのデザインや得意分野、応援スタイルなど山王工業との共通点が多いようです。

大阪府1位でインターハイ出場を決めた大栄学園のモデルとなったのは、同じく大阪にある大商学園高校ではないかと言われています。名前が似ていることが理由となっているようです。大商学園高校は1994年に全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会で優勝しており、プロバスケ選手や指導者も輩出しています。サッカー選手やプロ野球選手も多数輩出している学校です。

「愛知の星」こと諸星大率いる愛和学院は、県大会決勝で名朋工業に敗れるものの、その前年は全国ベスト4になるほどの強豪校です。そんな愛和学院のモデルとなったのは、愛知高等学校と言われています。元々男子校でしたが2005年に共学となりました。仏教系の学校で、趣のある校舎や中庭が特徴です。愛知高等学校は偏差値65の進学校ですが部活動も盛んなようです。

県大会決勝で愛和学院を破った名朋工業、そのモデルとなった学校は愛知工業大学名電高等学校です。バスケ部は1989年と1992年の2回、全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会で優勝しています。スポーツ関連設備がかなり充実している学校のようです。元メジャーリーガーのイチローさんの出身高校としても知られています。

王寺学院高校のモデルとなったのは、奈良県の東大寺学園高校ではないかと言われています。中高一貫の私立の男子校で、偏差値は78と奈良県No.1の進学校です。理事長が東大寺の僧侶とのことで、生徒は無料で東大寺を拝観できるそうです。部活動については、全国高等学校クイズ選手権に歴代最多出場を果たしている「クイズ研究部」をはじめ文化部の活動も盛んです。

長野県の上松商業高校のモデルとなったのは、同じく長野県にある松商学園高校です。商業科2クラスと普通科11クラスで構成される私立高校で、略して「松商（まつしょう）」と呼ばれています。部活がとても盛んで、野球では春夏ともに甲子園の常連校となっています。また、サッカー部も全国大会の常連で、Jリーガー2人を輩出しています。

全国ベスト8の強豪校である常誠高校については、2つのモデルとなった学校があると考えられています。1つ目は静岡県にある常葉大学附属常葉高校です。中高一貫の私立高校で、大学進学を目指す「特別進学コース」と保育・看護・医療と言った専門分野を極める「常葉大学進学コース」の2コースが設けられているのが特徴です。生徒は希望する進路に合わせて、1年次からいずれかのコースを選択するそうです。

常誠高校のモデルだと考えられている2つ目の学校は、同じく静岡県にある浜松学院高校です。こちらも中高一貫の私立高校で、生徒の向上心を引き出す「マイビジョン教育」を掲げているのが特徴です。学校法人・興誠学園が運営しています。常誠高校は常葉大学附属常葉高校の「常」と興誠学園の「誠」を組み合わせてつけられた名前だと考えられています。

洛安高校のモデルとなったのは京都府京都市にある洛南高校です。京都府内1番の進学校で、偏差値は72～75と言われています。体育系の部活動が二部制になっているのが特徴で、全国トップレベルの実績を誇る1部と体力づくりを目的とした2部のうち、生徒自身の目的に合った方を選ぶことができます。特にバスケ部、体操部、バレー部に関しては全国大会での優勝実績もある名門校です。

角鶴高校のモデルとなったのは香川県立丸亀高校です。地元では「丸高（まるこう）」と呼ばれています。偏差値は69で県内でも有数の進学校です。普通科の高校で、全日制・定時制・通信制があります。部活動も盛んで、陸上競技部・ソフトテニス部・ハンドボール部・なぎなた競技部・水泳競技部などで県総体上位の成績をおさめているそうです。アナウンサーの中野美奈子さんの出身高校でもあります。

博多商大附属高校のモデルとなったのは、福岡市内にある福岡大学附属大濠高校だと言われています。「中高一貫コース」「スーパー進学コース」「進学コース」と3つのコースがあり、偏差値は62～71とコースによって異なるようです。いずれも大学進学を目指すコースとなっています。部活動では、日本唯一の男子チアリーディング部があることが特徴です。

那覇水産高校は沖縄県糸満市にある沖縄県立沖縄水産高校がモデルだと言われています。全長56.97ｍ、最大人員75名搭載可能な実習船「海邦丸五世」を所有する水産高校です。地元では「沖水（おきすい）」と呼ばれています。部活動では1990年と1991年に2年連続で全国高等学校野球選手権大会にて準優勝を果たしています。

湘北高校の関連グッズが色々な場所で販売されているようです。カラーリング等の再現度も高く、『スラムダンク』の原作やアニメのファン達から注目を集めています。ここでは、特に注目度の高い3種類のグッズを紹介します。

湘北高校グッズで人気が高いものの一つが、バスケ部メンバーのフィギュアです。スタメン5人（桜木・流川・赤木・宮城・三井）に加え、「メガネ君」の愛称で親しまれているバスケ部副主将・木暮公延のフィギュアも販売されています。髪型や表情、ポージングはもちろん服のシワなど細部までリアルに再現されており、アニメファンも納得の仕上がりとなっているようです。

アニメでお馴染みの真っ赤なユニフォームも人気の高いグッズです。湘北高校バスケ部のユニフォームのデザインは、マイケル・ジョーダンも所属していたシカゴ・ブルズのユニフォームがモデルになっていると言われています。因みに、湘北高校以外の学校のユニフォームはNBAチームのユニフォームをモデルにしているとのことです。

ユニフォームと同じくバスケ部員達が着用しているジャージも人気を集めています。アニメのカラーリングが忠実に再現されており、胸には「SHOHOKU」という刺繍も施されています。ユニフォームよりも取り入れやすいデザインのためか、普段使いしている人も多いようです。

『スラムダンク』は魅力的なキャラクターが多い作品です。湘北高校のスタメンはもちろん、控えの選手やライバル校のキャラクターに魅力を感じる人も少なくありあません。そんな彼らと青春を謳歌するために湘北高校に通いたかったというコメントもありました。

湘北高校の偏差値については多くの人が疑問を抱いているようでした。赤木のような優秀な生徒がいる一方で、桜木のような不良が入学できてしまう湘北高校に対して、SNSでは「桜木は実は頭が良いのでは？」「赤木は進学クラスにいるのかもしれない」など様々な説が考察されていました。

台湾のアニメショップで湘北高校のユニフォームが販売されていたという目撃情報もありました。実は『スラムダンク』は海外でも人気の高い作品で、漫画は英語・中国語・スペイン語・韓国語に翻訳されています。また、アジア圏を中心にアニメも放映されているそうです。

湘北高校のモデルは都立武蔵野北高校だと言われています。外観がそっくりで、SNSには校舎の写真が多数掲載されていました。武蔵野北高校は偏差値の高い進学校ですが、湘北高校の偏差値については明らかにされておらず、ファンの間では「スラムダンク最大の謎」とも言われています。『スラムダンク』の映画公開が決まったことで、武蔵野北高校をはじめモデルとなったスポットへの注目度もさらに高まっていくことでしょう。