【もののけ姫】シシガミの名前の由来とは?正体やモデルを徹底調査
『もののけ姫』に登場するシシガミは、本作で非常に大きな存在として描かれています。本記事ではシシガミの名前の由来やそこに込められた意味、モデルとなった動物について調査しました。また『もののけ姫』作中の描写をもとに、シシガミの正体や謎についても考察します。
目次
【もののけ姫】シシガミとは?
はじめにシシガミのおおまかなキャラクター解説と、宮崎駿監督の大ヒットアニメ映画『もののけ姫』について、作品概要およびあらすじを簡単に紹介します。シシガミの名前や姿のモデル、謎の正体、作中での具体的な活躍を解説する前に、まずは基本的な内容をおさらいしておきます。
シシガミ(シシ神)とは?
シシガミはシシガミの森に住む神で、自在に生命を与え奪うことができる力を持った存在です。月の満ち欠けに応じて誕生し、昼間は人の顔を持った鹿のような姿で森を歩いています。シシガミが踏み歩く地面の草は、枯れたり生やしたりを繰り返すなど神秘的な現象を起こし、水面を歩くこともできます。夜は後述するデイダラボッチに変わり、巨大な体で森をさまよっています。
もののけ姫の概要
『もののけ姫』は1997年公開された、スタジオジブリの長編アニメ映画作品で、監督は宮崎駿さんです。室町時代ごろの日本をモデルにした美しい映像と、それを彩る楽曲、環境破壊や差別などの社会問題も含んだ壮大な世界観が世界中で人気を博しました。興行収入193億円は当時の日本映画としては最大のヒット作となり、『もののけ姫』は公開から四半世紀以上たつ現在でも多くのファンを持つ作品です。
もののけ姫のあらすじ
主人公のアシタカはエミシの村に住む青年です。ある日村を襲うタタリ神を弓矢で討ち取った際、右腕に呪いを受けてしまいます。人間への憎悪から生まれたタタリ神の呪いを受けたアシタカは、アカシシのヤックルとともに村を出て西へと旅立ちます。アシタカは旅先でシシガミの森に住み人間から森を守ろうとする「もののけ姫」たちと、森を開拓し製鉄を行うエボシたちタタラ場の民との争いを知り、深くかかわっていきます。
【もののけ姫】シシガミの名前の由来やモデル
続いては、シシガミの名前の由来やモデルとなった動物などを紹介します。『もののけ姫』の世界にて圧倒的な力を持ち、作中で強い存在感を示すシシガミとは、いったいどのようなモチーフが存在するのでしょうか。『もののけ姫』の舞台の中心となるシシガミの森のモデルもあわせて紹介します。
シシガミの名前の由来や意味
シシガミの名前の由来ははっきりと明言されていませんが、宮崎駿監督のイメージボードでは初期のものに鹿神という字があてられているようです。文字通り鹿の神様のようなものであると推察されます。また神鹿と書いて「しんろく」と読み、これは神話に登場する神の使いの鹿で神社などでも像が建てられている存在です。古来から鹿を神の使い、もしくは神そのものとして考えられた伝説から、シシガミというキャラクターが作られたのではないかと推察されています。
シシガミのモデルの動物
シシガミのモデルとなった動物はカモシカではないかといわれています。カモシカは本州から四国、九州の山岳地帯に広く生息する動物で、中にはシシガミのように顔に体毛を生やす個体もいます。角は小さく、シシガミのように枝分かれしていません。『もののけ姫』に登場するシシガミはヘラジカのように大きく枝分かれした角、人間のような顔、とがった耳などを持っているため、カモシカだけでなくさまざまな動物をモチーフにしていると推察されます。
シシガミの森は実在する?
シシガミやもののけたちが住み、人間ともののけの戦いの舞台となった「シシガミの森」には、モデルとなった幻想的な場所が存在します。鹿児島県の屋久島にある白谷雲水峡がその場所とされており、『もののけ姫』のシーンで描かれるような神秘的な自然が広がっている場所として、屋久島には国内外から多くの観光客が訪れています。屋久島は貴重な自然環境が残されているため、1993年に世界自然遺産に登録されています。
【もののけ姫】シシガミの正体や謎を考察
ここからは『もののけ姫』作中におけるシシガミの正体や謎について考察します。さまざまな考え方を持って生きる人間や、人語を解すもののけたちと違いシシガミはいっさい言葉を発しません。したがって言葉から考えを読み取ることはできませんが、シシガミの行動や人間たちがシシガミに接触する目的から、その謎めいた正体を読み取っていきましょう。
シシガミがアシタカを助けた理由
アシタカはサンに恨みを持つタタラ場の女性の銃撃を受け、重傷を負ってしまいました。そしてサンによって森に運ばれたアシタカのもとに、シシガミが静かに現れます。命を与えたり奪ったりする力を持つシシガミは、火縄銃によるアシタカの傷をいやすのでした。しかしアシタカがタタリ神によって受けた右腕の呪いはそのまま残ります。シシガミは何も語りませんが、呪いを受けた生を、アシタカに全うさせるために生かしたのではないかと推察されます。
シシガミの首が人間たちに狙われた理由
シシガミの首はジコ坊を中心とする人間たちによって狙われます。シシガミの首には不老不死の力が宿っているという言い伝えがあり、その不老不死の力を得るためにジコ坊は天朝から遣わされました。これが人間がシシガミの首を躍起になって狙う理由です。また、シシガミの森を開拓しタタラ場を発展させたいエボシは、シシガミ討伐という利害が一致するジコ坊に手を貸します。このような理由からシシガミは複数の人間からその首を狙われることになるのでした。
シシガミの顔が変わる理由
アシタカたちの前に現れたシシガミは、人間のような眼をした顔を持っていました。しかし、エボシの火縄銃によって首を討たれた際、その目は縦にぐるっと回転し異様な変化を起こします。胴体から離れた首は、表情が人間のものから鹿のような姿に変わり、胴体は後述するデイダラボッチへと変化します。『もののけ姫』作中で顔が変わる理由は明確にされていませんが、ファンの考察などでは命を奪われ神から鹿の姿に戻ったのではないか、という意見が見られます。
【もののけ姫】シシガミの夜の姿とは?最後も考察
続いてシシガミが夜になると見せる別の姿について、その正体や変化の謎を考察します。前項に紹介したカモシカのような姿からシシガミはどのように変わるのでしょうか。また、シシガミやシシガミの森、アシタカたちが最後にどうなってしまうのかについて、『もののけ姫』のストーリー終盤のシーンを交えて見ていきます。
デイダラボッチとは?
シシガミは夜になると大きな半透明の巨体を持った「デイダラボッチ」へと姿を変えます。ゼリー状の巨大な体にゆらゆらとうごめく体表が特徴的です。手足のようなものはありますが、顔らしきものはありません。デイダラボッチは日本の伝承に登場する巨人で、ダイダラボッチ、ダイダラボウなどさまざまな呼称で呼ばれています。伝承では山や湖を作る存在であり、『もののけ姫』のシシガミ同様、神のような大きな力を持っていることが推察されます。
デイダラボッチが全ての命を奪った理由
首を飛ばされ、デイダラボッチになったシシガミは、体から大量の黒い液体を出し森を覆いつくします。液体に触れた草木は枯れ、人間や動物、もののけたちは次々と命を奪われてしまいます。無差別に命を奪っていくデイダラボッチは、前述の通りいっさい人間の言葉でしゃべることはありません。ただただ液体で森を侵食していくだけです。その真意は明らかではありませんが、森やその神である自身を破壊されたことに対する怒りなのでは、という意見が多いようです。
シシガミの最後やその後
デイダラボッチ(シシガミ)の怒りを鎮めようと、アシタカはサンと一緒にシシガミの首をデイダラボッチに向けて掲げます。首に向かって倒れ込むように近づくデイダラボッチは、首に接触するとともに朝日が差し込み、姿を消してしまいます。その後『もののけ姫』作中でシシガミが登場することはありませんでした。シシガミの行く末ははっきりとしませんが、森の草木は再度芽吹き、ラストにはコダマが一体姿を見せており、森が徐々に復活していく兆しが見られます。
【もののけ姫】シシガミに対する世間での評判や人気
シシガミの目の変化に言及する投稿が多く見られます。アシタカの前に現れたシシガミは、人間のような横についた眼で不気味に見つめますが、首が飛ばされた後は縦になり、輝きを失ったような描写が見られます。目の持つ印象を描き分ける『もののけ姫』のシーンの細かさは、数多くの名シーンの中でも、多くのファンにとって注目すべきポイントの一つのようです。
命を与えたり奪ったりできるシシガミのとてつもない力に関心を示す意見も、SNSなどで非常に多く見られました。幻想的なシーンが多い『もののけ姫』の中でも、シシガミが命を奪うシーンは「恐ろしいけど神秘的」「子どものころに見てトラウマになった」などといった意見もあり、シシガミは象徴的な存在であることがうかがえます。
シシガミが首を飛ばされ、デイダラボッチになった流れを考察する『もののけ姫』ファンも多いようです。アシタカとサンが首を返した際に朝になり、デイダラボッチは消えてしまいます。その後、シシガミの命によって森が再度復活し、アシタカの呪いやタタラ場の民の病気が治ったのではないか、という意見は『もののけ姫』の謎を考察する意見としてSNS上で複数確認できます。
【もののけ姫】シシガミの名前には深い意味があった
『もののけ姫』に登場するシシガミは神と名前がつく、超越した力を持つ存在でした。昼はカモシカをモデルにしたような姿で、夜は巨大なデイダラボッチとしてさまよい歩く正体は、『もののけ姫』の物語のキーとなっています。命を与え、奪う力は作中でも唯一のもので、人間だけでなく不思議な存在であるもののけとも一線を画す存在となっています。解釈や考察が分かれるほど謎を持った作品ですが、シシガミの正体は中でも大きな話題となっている神のようです。
この記事のライター
PP西村
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