ジブリ作品を年代順に一覧にして徹底紹介!あらすじや登場人物まで解説
当記事ではジブリ作品を年代順に並べ、一覧にして紹介しています。宮崎駿監督を第一人者とするジブリ作品は、名作と名高いものばかりです。「ジブリ作品が大好き!」という人も、「あまり知らない」という人も、以下の一覧を参考にお気に入りの作品を見つけてみてください。
目次
【ジブリ作品】とは?
スタジオジブリの概要
株式会社スタジオジブリは、主に長編アニメーション映画を制作する日本の会社です。1985年に徳間書店の出資により子会社として設立し、2005年に独立しました。名前の由来は「サハラ砂漠に吹く熱風」を意味する「ギブリ」であり、これを宮崎駿監督が誤読して「ジブリ」となったそうです。
スタジオジブリの宮崎駿をはじめとした監督たち
ジブリ設立当初は宮崎駿(みやざき・はやお)氏、高畑勲(たかはた・いさお)氏が監督する映画が大半を占めていました。2000年代以降は宮崎駿氏の息子・吾朗氏や米林宏昌(よねばやし・ひろまさ)氏らも監督を務めるようになります。監督の他にプロデューサーの鈴木敏夫(すずき・としお)氏、色彩設計の保田道世(やすだ・みちよ)氏らがおなじみのスタッフとして有名です。
ジブリ作品の魅力
スタジオジブリ作品は約40年もの間、多くの人々に愛され続けています。その理由は、なんといっても魅力的だからです。ジブリ作品一覧を紹介する前に、ここではまずジブリにはどんな魅力があるのか解説しておきます。
ジブリ作品の魅力①独自の世界観
一つ目の魅力はズバリ、独自の世界観です。ジブリ作品は、それぞれ趣向が異なります。例えば戦国時代を描いた「もののけ姫」と穏やかな昭和を描いた「トトロ」では、内容にはかなりのギャップがあります。しかしどの作品にもロマンやファンタジー、神秘的要素が盛り込まれており、形容し難い不思議な感動を見た人に与えるのです。
ジブリ作品の魅力②心温まるストーリー
ジブリ作品は、登場人物がとても人間的に描かれているのが特徴です。幼い子供たちの成長、思春期の悩み、大人の葛藤、お年寄りの優しさといった、等身大の人間像がリアルに映し出されています。そのためファンタジーなストーリーでありながら、そこにいる登場人物の人間関係、絆の物語は現実に生きる私たちが共感し、感動できるものとなっているのです。
ジブリ作品の魅力③自然との共生
ジブリ作品には一貫して「自然と共に生きる」という強いメッセージが込められています。『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』といった作品ではそれが非常に顕著であり、自然を傷つけ怒りを買う人間の姿もまざまざと描かれているのです。
ジブリ作品の魅力④綺麗なアニメーション
ジブリ作品は、背景・登場人物ともに美しいアニメーションで表現されています。影の色一つにもこだわりがあり、非常に細やかな色彩設定が施されているのです。そうして出来た背景は写真を上回るほど鮮やかな仕上がりとなっています。また、ジブリでは「風」を描くことが多く、登場人物の髪がなびく様子で心の動きを表現しているのも特徴的です。
ジブリ作品の魅力⑤音楽
ジブリ作品を彩る音楽といえば、久石譲(ひさいし・じょう)氏です。ジブリの成功は、久石譲の音楽なくして語れないとすら言われています。幻想的かつ、どこかノスタルジーで儚げな雰囲気のある久石譲氏の音楽は、ジブリ作品にはぴったりで、もはや日本では「知らずに生きていくことは出来ない」と言われているほどに有名です。
【ジブリ作品】年代順に一覧で紹介~1980年代~
ジブリ作品①風の谷のナウシカ
記念すべき1作目は、『風の谷のナウシカ』です。ナウシカは宮崎駿監督による漫画を原作としており、1982年に「アニメージュ」にて連載を開始し、1994年に完結しました。劇場版はその間に公開されています。漫画と劇場版には若干の相違点がある他、漫画では劇場版で描かれなかったその後のエピソードを見ることができます。
風の谷のナウシカの概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:1984年3月11日
- キャッチコピー:「少女の愛が奇跡を呼んだ」
風の谷のナウシカのあらすじ
『風の谷のナウシカ』は、人類が戦争によって文明を滅ぼした未来の地球が舞台です。大地は汚染され、生き残った人類は「腐海(ふかい)」の菌と蟲(むし)に怯えながら暮らしていました。そんなある日「火の七日間」によって地球を滅ぼした「巨神兵」の核を積んだペジテの避難船が谷に墜落し、ナウシカは巨神兵の復活を企むトルメキア軍の陰謀に立ち向かうことになります。
風の谷のナウシカの登場人物
ナウシカは「風の谷」の王妃です。自然を愛し、腐海に住む虫たちとも心を通わせています。また風を読む力があり、メーヴェというグライダーに乗って空を飛ぶことが得意です。ナウシカは剣士ユパ、城オジのミトたちと共に、トルメキアの陰謀を阻止しようと戦います。クシャナ殿下はトルメキア軍の皇女で、その襲撃を受けたペジテの少年アスベルは、ナウシカとは協力しトルメキアの野望と対立します。
ジブリ作品②天空の城ラピュタ
2作目は『天空の城ラピュタ』です。前作のナウシカはジブリ設立以前の作品であるため、スタジオジブリとしては、厳密には本作が最初の作品となっています。ジブリ作品を代表する冒険劇で、主題歌「君をのせて」やムスカのセリフを始めとする名言の数々はあまりに有名です。
天空の城ラピュタの概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:1986年8月2日
- キャッチコピー:「ある日、少女が空から降ってきた・・・」
天空の城ラピュタのあらすじ
主人公・パズーは、空から降ってきた少女を助けます。少女の名はシータと言い、「飛行石」という浮力を持つ不思議な鉱物を身につけていました。海賊や政府はこの飛行石を手に入れるため2人を追い、ついに飛行石はムスカ大佐に奪われます。パズーとシータは海賊と手を結び、ムスカ大佐を追って飛行船で空に浮かぶ城・ラピュタへと向かいました。
天空の城ラピュタの登場人物
スラッグ渓谷で見習いの機械工として働く少年パズーは、父が発見したというラピュタをその目で確かめることを誓います。シータはかつて存在したラピュタ王家の末裔で、政府特務機関のムスカ大佐は自分がラピュタ王となって世界を支配することを目論み、シータを利用しようとしました。ドーラ率いる海賊一家もシータを狙いますが、シータ救出にかけるパズーの思いを認め協力します。
ジブリ作品③となりのトトロ
『となりのトトロ』は、もともと絵本にするつもりで構想を練られていた作品でした。トトロやネコバス、まっくろくろすけといったキャラクターは主にぬいぐるみなどのホビーとしてグッズ化される機会が多く、鈴木敏夫氏はトトロについて「ジブリの稼ぎ頭」と語っています。
となりのトトロの概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:1988年4月16日
- キャッチコピー:「このへんな生きものは まだ日本にいるのです、たぶん。」
となりのトトロのあらすじ
草壁サツキ・メイの姉妹は、母の入院する病院の近くである田舎の村に引っ越してきます。ボロボロの新居を探索していると、まっくろくろすけ(ススワタリ)を発見しました。そんな家を「お化け屋敷」にたとえるメイは、ある日不思議な生き物を見つけます。生き物を追いかけたメイは、その先あったクスノキの穴に転がり落ち、そこでトトロと出会いました。
となりのトトロの登場人物
本作の主人公は好奇心旺盛な妹・メイ(4歳)と、しっかり者の姉・サツキ(12歳)です。母は入院中で、新居には大学教授を務める父と一緒に住んでいます。隣のおばあちゃんは面倒見がよく2人を可愛がり、孫のカンタはクラスメイトになったサツキを少し意識しているようです。メイとサツキはこの村でトトロ、まっくろくろすけ、ネコバスという不思議な生き物に遭遇します。
ジブリ作品④火垂るの墓
『火垂るの墓』は、野坂昭如(のさか・あきゆき)氏の小説を原作としています。エピソードは野坂氏の実体験が元になっており、題材は戦争です。全く趣の違う作品『となりのトトロ』との同時上映であり、当初は中編2本での公開予定でしたが、それぞれの上映時間が80分を越え最終的に長編2本での公開となりました。
火垂るの墓の概要
- 監督:高畑勲
- 公開:1988年4月16日
- キャッチコピー:「4歳と14歳で、生きようと思った」、「忘れものを、届けにきました」
火垂るの墓のあらすじ
『火垂るの墓』は、昭和20年の神戸を舞台としています。空襲により入院を余儀なくされた母に代わって、叔母が清太・節子の兄妹を養育することになりました。しかしそこは暖かい環境ではなく、母の死後叔母は更に2人を冷遇します。清太は節子を連れ家を飛び出し、共に防空壕で生活することしたものの、節子は徐々に衰弱していきます。
火垂るの墓の登場人物
清太(14歳)は妹に対して献身的ですが、家出後は病気で弱っていく妹の姿に耐えかねて盗みを働いてしまいます。妹の節子(4歳)はドロップが大好きで、死の直前はおはじきをドロップと勘違いしてしまうほどに衰弱していました。2人を引き取った叔母は清太たちに家出をけしかけたわけではありませんが、引き止めることもしませんでした。
ジブリ作品⑤魔女の宅急便
『魔女の宅急便』は角野栄子(かどの・えいこ)の児童小説を元に制作されました。宮崎駿作品の中では初めて他者の原作を用いたものであり、主題歌も書き下ろしではなく荒井由美(あらい・ゆみ)の楽曲が採用されています。
魔女の宅急便の概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:1989年7月29日
- キャッチコピー:「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」
魔女の宅急便のあらすじ
魔女の母を持つキキは、「13歳になったら魔女のいない街で修行を積む」という習わしに従って、満月の夜に旅立ちます。賑やかな港町コリコに到着したキキは、客の忘れ物を咄嗟に届けたことで、パン屋のおかみさんに気に入られ部屋を貸してもらうことになりました。そこで「空を飛ぶ」という特技を活かし、店番をしながら宅急便を始めます。
魔女の宅急便の登場人物
キキは魔女の母・人間の父を持つ少女で、黒猫のジジをお供に旅立ちます。性格はお転婆で、都会やパーティへの羨望を抱く素朴な女の子です。パン屋のおソノさんはサッパリと気立てが良く、キキの拠り所となっています。仕事中に知り合ったウルスラは、スランプに陥ったキキにヒントを与えてくれた友人です。少年トンボは魔女であるキキに興味を持ち、キキもまた徐々にトンボに心を開いてきます。
【ジブリ作品】年代順に一覧で紹介~1990年代~
ジブリ作品①おもひでぽろぽろ
90年代最初の作品は、『おもひでぽろぽろ』です。ファンタジー要素のない日常の風景をリアルに表現した作品で、主人公の少女時代(1966年)の様子を綿密なリサーチによって描き出しています。尚、本作では「27歳の主人公」を軸にストーリーが展開しますが、刀根夕子(とね・ゆうこ)氏の原作漫画に登場するのは少女時代のみとなっています。
おもひでぽろぽろの概要
- 監督:高畑勲
- 公開:1991年7月20日
- キャッチコピー:「私はワタシと旅に出る」
おもひでぽろぽろのあらすじ
物語の舞台は1982年の夏です。タエ子は休暇をとり、以前お世話になった義兄(姉の夫)の親戚の家に滞在することになります。タエ子は田舎へ向かう寝台や、滞在先で小学生時代の記憶に思いを馳せていました。そんな中、徐々に田舎での暮らしや滞在宅の息子・トシオに惹かれていきますが、田舎に永住する覚悟などないタエ子の気持ちは揺れ動きます。
おもひでぽろぽろの登場人物
本作の主人公・岡島タエ子は、東京の会社に勤務する27歳のOLです。タエ子は滞在先の家の息子・トシオ(25歳)の屈託のない人柄に絆されていきます。そんなトシオや温かい農家の人たちと過ごしながら、タエ子は小学5年生の頃の自分と向き合い、記憶を思い起こしていきます。そんな中で、彼女にとって忘れられない苦い記憶となっていたのが引っ越してしまった「あべくん」のことでした。
ジブリ作品②紅の豚
『紅の豚』は宮崎駿監督が「中年のために」と銘打って制作した映画です。これまで「子供のために」をモットーにしていた宮崎監督にとって初の試みとなり、当時はこれについてずいぶん頭を悩ませたと語っています。また、本作については続編の制作が検討されていたようです。
紅の豚の概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:1992年7月18日
- キャッチコピー:「カッコイイとは、こういうことさ。」「飛べば、見える。」
紅の豚のあらすじ
『紅の豚』の舞台は1920年代、ファシスト独裁下にあるイタリアのアドリア海です。かつて人間だったポルコ・ロッソは、とある呪いによって豚の姿に変えられてしまい、現在は賞金稼ぎとして生計を立てていました。そんなポルコの天敵である空賊は、カーチスという飛行艇乗りを雇います。カーチスはポルコとただならぬ関係であるジーナに気があることから、ポルコにライバル心を燃やし勝負を挑みました。
紅の豚の登場人物
飛行艇乗りの主人公ポルコ・ロッソは、もともとイタリア空軍のエースでした。空軍を辞してからは、賞金稼ぎの豚マルコ・パゴットと名乗っています。幼馴染のマダム・ジーナはポルコに思いを寄せており、ポルコを豚にしてしまった魔法を解く術を模索しています。若き飛行機設計技師フィオ・ピッコロは、「自分の仕事に責任を持つ」と言って半ば無理矢理ポルコに同行し、カーチスとの決闘に巻き込まれるのでした。
ジブリ作品③平成狸合戦ぽんぽこ
『平成狸合戦ぽんぽこ』は、”豚”を主人公にした紅の豚に続き、”狸”にスポットを当てた作品として話題となりました。ジブリ映画史上初のナレーション、実写、CGを取り入れた作品でもあります。
平成狸合戦ぽんぽこの概要
- 監督:高畑勲
- 公開:1994年7月16日
- キャッチコピー:「タヌキだってかんばってるんだよ」
平成狸合戦ぽんぽこのあらすじ
昭和40年、多摩丘陵には狸たちが暮らしていましたが、「多摩ニュータウン」開発計画が持ち上がったことでその生活が脅かされます。狸たちは開発を進める人間たちに対抗するため、元祖より伝えられる「化学(ばけがく)」の力を使って自分たちの縄張りを守ろうとするのです。ちなみにここで言う狸たちの化学とは、変身術を意味します。
平成狸合戦ぽんぽこの登場人物
本作の主人公は影森の正吉という狸で、「人間たちとの共存」を目指す穏健派のリーダー的存在です。それに相反する考えを持つのは鷹の森の権太で、彼は「自分たちの暮らしを脅かす人間たちは抹殺しよう」と主張する過激派のリーダーです。権太は人間を忌む他の狸たちと手を組み、玉砕する覚悟で人間への戦いを挑みます。
ジブリ作品④耳をすませば
「耳すま」の愛称で親しまれる『耳をすませば』は、少女漫画雑誌「りぼん」で連載された柊あおいの漫画を原作としています。宮崎駿氏は本作では脚本を務めており、姪の影響でりぼんを読んでいた際にたまたま原作漫画を読んだことから着想を得たそうです。
耳をすませばの概要
- 監督:近藤喜文
- 公開:1995年7月15日
- キャッチコピー:「好きな人が、できました。」
耳をすませばのあらすじ
月島雫(つきしま・しずく)は、友人と替え歌を歌っていたところを目撃した男子生徒に揶揄われます。初めは「いやなやつ」だと思っていましたが、のちにそれは図書カードで何度も目にした「天沢聖司(あまさわ・せいじ)」だったことが分かりました。バイオリン職人を目指す真っ直ぐな彼に心惹かれた雫は、自分も負けじと夢を追おうと小説を書き始めます。
耳をすませばの登場人物
読書好きな月島雫は、ファンタジー小説を好んで読む夢みがちな少女です。ちなみにこの一覧で紹介する『猫の恩返し』は、後に雫が書いた作品とされています。天沢聖司との出会いは偶然で、第一印象はよくありませんでしたが、次第に心惹かれていきます。西司郎は雫がたまたま辿り着いた「地球屋」のオーナーで、思春期特有の悩みに苛まれる雫に優しく寄り添ってくれる存在です。
ジブリ作品⑤もののけ姫
『もののけ姫』は興行収入193億円を叩き出し、当時の歴代興行収入の記録を更新した作品です。主題歌「もののけ姫」はカウンターテナーの米良美一が担当し、彼の神々しく印象的な歌声も話題を集めました。
もののけ姫の概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:1997年7月12日
- キャッチコピー:「生きろ。」
もののけ姫のあらすじ
山里に住む若者アシタカは、タタリ神から村を守った際に腕に呪いを受けました。呪いのアザは身体中に広がり、やがて命を奪うと宣告されます。アシタカは呪いを解く方法を探すべく、タタリ神の体を蝕んだ鉄のつぶての出所を突き止めるため旅に出ます。そうして辿り着いたのは西の地の製鉄所タタラ場で、そこに住む人間と森の獣たちの間には深い因縁が渦巻いていました。
もののけ姫の登場人物
アシタカは呪いを受け、村を追われてアカシシのヤックルとともに旅に出ます。辿り着いたタタラ場を統治するのはエボシ御前で、彼女は暮らしのために容赦無く森を切り開く一方、病者や売られた娘を引き取る慈悲深さを持った人物です。エボシ御前は森に住むシシ神の首を狙っています。そんなシシ神の森に住む山犬の母モロと、モロに育てられた少女サンは森を脅かす人間を強く憎んでいます。
ジブリ作品⑥ホーホケキョ となりの山田くん
『ホーホケキョ となり山田くん』は、ジブリ史上初のセル画を使用しない全編デジタルの作品です。デジタルでありながら水彩画のような淡い色調が特徴的で、本作を気に入った実業家の氏家氏のリクエストにより、『かぐや姫の物語』が制作されました。
ホーホケキョ となりの山田くんの概要
- 監督:高畑勲
- 公開:1999年7月17日
- キャッチコピー:「家内安全は、世界の願い。」
ホーホケキョ となりの山田くんのあらすじ
本作は山田一家の平凡な日常を描いたほのぼのストーリーです。のぼるの「両親が違う人間だったら、自分ももっと格好良かったかも」というぼやきから始まり、のの子の迷子エピソード、近所の公園にたむろする不良とのやり取りなど、穏やかな日々を俳句と共に綴った小話集となっています。
ホーホケキョ となりの山田くんの登場人物
本作は山田一家を描いた作品です。山田家は母まつ子、父たかし、祖母のしげ、兄のぼる(中2)、妹のの子(小3)の5人家族です。ここに無愛想なペットの犬・ポチを加えた5人と1匹で、平和に暮らしています。ちなみにのの子の担任・藤原先生は、主題歌を手がけた矢野顕子が務めています。
【ジブリ作品】年代順に一覧で紹介~2000年代~
ジブリ作品①千と千尋の神隠し
『千と千尋の神隠し』は興行収入316億円を記録し、当時の歴代興行収入の記録を塗り替えた伝説の作品です。2016年の「スタジオジブリ総選挙」では1位を獲得し、同年の9月に5か所の映画館にて再上映されました。
千と千尋の神隠しの概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:2001年7月20日
- キャッチコピー:「トンネルのむこうは、不思議の町でした。」
千と千尋の神隠しのあらすじ
荻野一家は引っ越しの車で移動中、奇妙なトンネルを見つけます。その先には誰もいない不思議な町がありました。千尋の両親は何の疑いもせず無人店の料理を食べてしまいますが、ここは八百万の神の住む禁域で、勝手に料理に手をつけた両親は豚の姿に変えられえてしまいます。そんな千尋の前に現れたのは、何故か彼女の名を知る不思議な少年でした。千尋は彼に導かれ、両親を救うため油屋で働くことになります。
千と千尋の神隠しの登場人物
千尋は10歳の少女で、わがままで無気力な「現代っ子」の典型です。トンネルを抜け異界に迷い込んでしまい、そこでハクという不思議な少年に出会います。ハクの助言を受けた千尋は両親を人間に戻すため魔女・湯婆婆(ゆばあば)に懇願し、彼女の経営する油屋に雇ってもらうことになりました。そこで突如現れた不気味な客・カオナシをもてなすことになります。
ジブリ作品②猫の恩返し
『猫の恩返し』は、一覧で先に紹介した『耳をすませば』の主人公・月島雫が書いた小説の世界という設定です。ちなみにこの作品は、『耳をすませば』の原作者・柊あおいが宮崎駿監督のリクエストを受けて執筆した『バロン 猫の男爵』という漫画を元にしています。
猫の恩返しの概要
- 監督:森田宏幸
- 公開:2002年7月20日
- キャッチコピー:「猫になっても、いいんじゃないッ?」
猫の恩返しのあらすじ
主人公のハルは、トラックに轢かれそうになっていた猫を助けました。その猫の正体は猫の国の王子で、ハルは助けたお礼として猫の国へと誘われますが、その裏にはハルを妃にしようという企みがありました。ハルは辛いことのある現実へ戻らず、猫として楽しく暮らしたいと思い始めます。
猫の恩返しの登場人物
吉岡ハルは、ラクロス部に所属する女子高生です。ハルが助けた猫の王子はルーンという名で、秘書ナトルはハルを猫の王国へと案内します。王国の思惑通り、ハルは身も心も徐々に猫化していきますが、そんな彼女を助けるべく現れたのが猫の男爵バロンでした。
ジブリ作品③ハウルの動く城
『ハウルの動く城』は、イギリスの小説家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作としたファンタジー作品です。映画オリジナルの設定や展開が盛り込まれていますが、これについてジョーンズは「素晴らしい」と評価しています。
ハウルの動く城の概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:2004年11月20日
- キャッチコピー:「ふたりが暮らした。」
ハウルの動く城のあらすじ
ソフィはある日、恐ろしいと評判の魔法使いハウルに出会います。美しく優しかった彼に思いを馳せていたその夜、ソフィは魔女の呪いによって90歳の老婆の姿に変えられてしまいました。姿を隠すため旅に出たソフィは、偶然にもハウルと再会します。
ハウルの動く城の登場人物
18歳のソフィは亡き父の後を継いで、帽子屋として働いていました。彼女に呪いをかけたのは荒地の魔女です。旅に出たソフィは、ハウルの住む動く城に住むことになりました。城はハウルと契約を交わした火の悪魔・カルシファーの力で動いており、マルクルという少年も同居しています。
ジブリ作品④ゲド戦記
『ゲド戦記』は、宮崎駿監督の息子である宮崎吾朗監督の記念すべき監督デビュー作品です。原作はアーシュラ・K・ル=グウィンのゲド戦記第3巻『さいはての島へ』であり、原案は宮崎駿監督の絵物語『シュナの旅』となっています。
ゲド戦記の概要
- 監督:宮崎吾朗
- 公開:2006年7月29日
- キャッチコピー:「見えぬものこそ。」
ゲド戦記のあらすじ
ゲド戦記の舞台は、魔法使いの生きる世界です。均衡を保っていた世界が崩れだし、棲み分けていたはずの竜が人間界で共食いを起こすなどの異変が現れ始めていました。魔法使いのゲドはその原因を探るべく旅に出ますが、そこで父親を殺した少年アレンと出会います。
ゲド戦記の登場人物
アレンは真面目な性格が災いし、世の闇に対して気を病んだせいで心の”光”を失い、父親を殺害してしまいます。路頭にまようアレンが出会ったのが賢人ハイタカ(ゲド)で、2人は災いの原因を突き止める旅に出ます。そんな折、アレンたちは顔に火傷のある少女テルーと出会いました。
ジブリ作品⑤崖の上のポニョ
『崖の上のポニョ』は、宮崎駿が型破りな作品作りを意識して制作した映画で、伏線やはっきりとしたストーリー構成がなく、謎の多い作品として知られています。公開当時は三ツ矢サイダーとタイアップしたCMが放送され、子役の大橋のぞみに注目が集まりました。
崖の上のポニョの概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:2008年7月19日
- キャッチコピー:「生まれてきてよかった。」
崖の上のポニョのあらすじ
宗介はある日、ジャムの空き瓶を拾います。瓶には不思議な生き物が挟まっており、助けてあげるとそれは魚の女の子でした。女の子はポニョといい、宗介とポニョは互いを好きになります。ポニョは人間なりたいと願いますが、それを叶えるには大きな課題をクリアしなければなりません。
崖の上のポニョの登場人物
ポニョは母グランマンマーレ(海の女神)と、父フジモト(魔法使い)に育てられた魚の女の子です。家出をしてきたポニョは瓶にすっぽりとハマってしまい、そこを宗介に助けられました。宗介は小型船の船長の父、老人ホームで働く母リサと暮らす幼稚園児です。
【ジブリ作品】年代順に一覧で紹介~2010年代~
ジブリ作品①借りぐらしのアリエッティ
2010代最初の作品『借りぐらしのアリエッティ』は、米林宏昌氏が初監督を務めたアニメーションです。脚本には宮崎駿監督も携わっており、メアリー・ノートンの『床下の小人たち』というファンタジー小説を元にしています。
借りぐらしのアリエッティの概要
- 監督:米林宏昌
- 公開:2010年7月17日
- キャッチコピー:「人間に見られてはいけない。それが床下の小人たちの掟だった。」
借りぐらしのアリエッティのあらすじ
小人のアリエッティは、両親と共に田舎の大きな屋敷の床下で暮らしていました。小人たちには「人間に姿を見られたら、引っ越さなければいけない」という習わしがあります。そしてある日、アリエッティは病気療養にやってきた少年の翔にその姿を見つかってしまいました。
借りぐらしのアリエッティの登場人物
アリエッティは14歳の小人の少女で、母ホミリー、父ポッドと一緒に暮らしていました。アリエッティを見つけた少年・翔は心臓が悪く、手術にも後ろ向きでしたが、明るい性格のアリエッティから勇気をもらいます。そんなアリエッティと翔のやりとりに、小人のスピラーはヤキモチを焼いているようです。
ジブリ作品②コクリコ坂から
『コクリコ坂から』は今回の年代順一覧の中では比較的新しい作品です。しかし原作漫画は1980年代になかよしで連載されたものであり、映画の時代設定は1963年となっており、古き良き時代の日本をテーマとして扱っています。
コクリコ坂からの概要
- 監督:宮崎吾朗
- 公開:2011年7月16日
- キャッチコピー:「上を向いて歩こう。」
コクリコ坂からのあらすじ
主人公は横浜に住む女子高生の松崎海(まつざき・うみ)です。海の学校では、「カルチェラタン」の愛称で親しまれる部室棟が取り壊される予定があり、それに対する反対運動が起こっていました。渦中に巻き込まれた海は、そこで風間俊(かざま・しゅん)という先輩と出会います。
コクリコ坂からの登場人物
港南学園高校2年生の海は、カルチェラタンの取り壊し反対運動がきっかけで3年生の新聞部部長・俊と出会いました。2人は次第に惹かれ合いますが、そんな折にとある事実が判明します。それは「2人とも澤村雄一郎という人物を父に持つ」というもので、それを知った2人は苦悶することになります。
ジブリ作品③風立ちぬ
『風立ちぬ』の公開後、宮崎駿監督はアニメーション監督からの引退を宣言します。のちにこれは撤回され、10年後に『君たちはどう生きるか』を公開する運びとなりますが、当初は「宮崎駿の最後の監督作品」として惜しむ声が絶えませんでした。
風立ちぬの概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:2013年7月20日
- キャッチコピー:「生きねば。」
風立ちぬのあらすじ
主人公の堀越二郎はパイロットを夢見るものの、近眼のためそれは叶いません。その代わりに「美しい飛行機を作る」という夢を見出しますが、時代は戦争へと向かい、二郎は戦闘機を作ることを余儀なくされました。そしてそんな折、妻の菜穂子は結核によって命を蝕まれていきます。
風立ちぬの登場人物
少年期から飛行機を愛していた堀越二郎は、夢の中で出会った設計士カプローニの励ましを糧に、自らも設計士を目指します。大人になった二郎は飛行機設計の学校に通い、ある日菜穂子と出会いました。菜穂子とはそれきりでしたが、数年後休養に訪れた避暑地のホテルで菜穂子と再会し、恋に堕ちます。
ジブリ作品④かぐや姫の物語
『かぐや姫の物語』は、高畑勲監督の遺作となった作品です。企画から8年をかけて制作されたこの映画は、先の一覧で紹介した『ホーホケキョ となりの山田くん』の技法を取り入れ、水彩のタッチを表現しています。
かぐや姫の物語の概要
- 監督:高畑勲
- 公開:2013年11月23日
- キャッチコピー:「姫の犯した罪と罰。」
かぐや姫の物語のあらすじ
『かぐや姫の物語』は、日本最古の現存する物語としてお馴染みの竹取物語がベースとなっています。ある日竹林で光る竹を見つけた翁は、その中から小さな女の子を取り出しました。子供のなかった翁は女の子を連れて帰り、嫗と共に大切に育てました。女の子は順調に成長し美しい女性となり、翁は彼女のためにと都に移住することを決め、やがて「かぐや姫」と呼ばれるようになります。
かぐや姫の物語の登場人物
翁、嫗に大切に育てられたかぐや姫は、捨丸という少年たちと共に豊かな自然の中で自由に暮らしていました。かぐや姫の更なる幸福を願う翁は、一家で都へ移り住むことを決めます。やがて美しいかぐや姫の元には5人の公達が求婚に現れ、御門が興味を示し接近してきます。
ジブリ作品⑤思い出のマーニー
『思い出のマーニー』はアリエッティに続く米林氏の監督作品です。イギリスの児童小説が元になっており、プロデューサーを務めた西村義明氏は本作を「次世代の先駆けとなる作品」と位置付けています。
思い出のマーニーの概要
- 監督:米林宏昌
- 公開:2014年7月19日
- キャッチコピー:「この世には目に見えない魔法の輪がある。 」「あなたのことが大すき。 」「あの入り江で、わたしはあなたを待っている。永久にー」
思い出のマーニーのあらすじ
幼少期の出来事をきっかけに心に癒えない傷を負っている杏奈は、喘息治療のためにとある海辺の近くの村にやってきました。そこには「湿地屋敷」と揶揄される無人の館があり、杏奈はその誰もいないはずの館でマーニーという少女と出会います。
思い出のマーニーの登場人物
佐々木杏奈は、札幌に住む中学1年生です。両親、祖母と立て続けに家族が亡くなった後、親戚同士で自分の養育をめぐって揉める場面を見てしまったことから、心に蓋をするようになってしまいました。そんな杏奈は絵を描くことが好きで、湿地屋敷で出会ったマーニーのことも描くようになります。
ジブリ作品⑥レッドタートル ある島の物語
『レッドタートル ある島の物語』は、ジブリの中でもかなり異色の作品です。全編を通して、息遣いや叫び声以外のセリフは一切ありません。また、その呼吸を演じた声優についての情報も一切明かされていないのです。
レッドタートル ある島の物語の概要
- 監督:マイケル・デュドク・ド・ヴィット
- 公開:2016年9月17日(日本)
- キャッチコピー:「どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?」
レッドタートル ある島の物語のあらすじ
嵐で海に投げ出された一人の男は、海洋生物や鳥以外誰もいない無人島に漂流してしまいます。そんな男の前に1匹の赤いウミガメが現れ、男は腹いせにそのウミガメを殴りました。そして数日後、死んだと思われたウミガメの体から一人の女性が姿を現します。
レッドタートル ある島の物語の登場人物
本作に登場する登場人物に関する情報は一切なく、なんと名前すらついていません。主人公は男、そのパートナーは女、二人の間にできた子供は息子となっており、赤い亀についてもウミガメということしか分かっていないのです。
【ジブリ作品】年代順に一覧で紹介~2020年代~
ジブリ作品①アーヤと魔女
『アーヤと魔女』は、ジブリ史上初かつ唯一の3DCG作品です。劇場公開よりも先にTV放映(簡易版)されるという珍しいパターンの作品で、新型コロナウイルスによって公開時期は約4ヶ月延期されました。
アーヤと魔女の概要
- 監督:宮崎吾朗
- 公開:2021年8月27日
- キャッチコピー:「わたしはダレの言いなりにもならない。」「私のどこが、ダメですか?」
アーヤと魔女のあらすじ
舞台は1990年代のイギリスです。孤児院で育った少女アーヤは、周囲の人間を思い通りに動かしわがままに生きてきました。そんなアーヤもついに引取先が決まりますが、アーヤを引き取ったのは何やら怪しい2人組です。この2人がアーヤを引き取ったのにはとある思惑があり、アーヤは2人の元からなんとか逃げ出そうと画策します。
アーヤと魔女の登場人物
アーヤは感情を包み隠さない性格で、狡猾な一面を持つ10歳の少女です。アーヤを引き取った2人はベラ・ヤーガという魔女と、マンドレークという大男でした。ベラ・ヤーガはトーマスという猫を飼っており、アーヤはトーマスと手を組んで脱出を試みます。
ジブリ作品②君たちはどう生きるか
『君たちはどう生きるか』は、『風立ちぬ』以来10年ぶりの宮崎駿監督作品です。吉野源三郎氏の小説からタイトルを引用していますが、ストーリーは全くのオリジナルとなっています。
君たちはどう生きるかの概要
- 監督:宮崎駿
- 公開:2023年7月14日
- キャッチコピー:「それでも、生きていく」
君たちはどう生きるかのあらすじ
太平洋戦争中、母を亡くした眞人は父と叔母の再婚により、母方の実家へ疎開します。屋敷のそばには不思議な塔が立っており、そこにはアオサギが住んでいました。眞人はアオサギに誘われ、塔に足を踏み入れ「下の世界」へと引き摺り込まれてしまいます。
君たちはどう生きるかの登場人物
眞人は新しい環境に馴染めず、父・勝一と再婚相手(母の妹)夏子にも壁を作っていました。アオサギの住む塔はかつて大叔父が建てたものですが、その大叔父は塔の中で行方不明となっており、世話役のばあやたちからは立ち入ることを止められています。静止を振り切って「下の世界」へと迷い込んだ眞人は、そこでキリコという女性やヒミという少女と出会いました。
【ジブリ作品】に対する世間での評価や人気
ジブリの作品を年代順で一覧にすると、ナウシカ、ラピュタ、トトロあたりは相当古い作品であることが明らかになります。しかしそれらの作品は今見ても斬新で、全く古さを感じさせないと多くの人に絶賛されているのです。ジブリ作品は良い意味で、「作品の年代順が分からない」と言われています。
今回の年代順一覧で紹介した作品の多くには、久石譲が音楽を添えています。ジブリ作品には、久石譲の音楽が欠かせません。それだけ久石譲の功績は大きく、彼の音楽なくしてジブリ作品のヒットはなかっただろうとも言われています。宮崎駿と久石譲が同じ時代に生まれたことは、もはや奇跡とも呼べる素晴らしい偶然です。ジブリファンは、この2人の天才の出会いに感謝の辞を述べています。
ジブリ作品といえば宮崎駿監督が第一人者ですが、高畑勲監督の作品を評価する声もかなりあがっています。宮崎駿作品がロマンやメッセージ性に溢れているのに対し、高畑勲作品は情緒的なのが特徴です。とりわけ女性の情緒を繊細に描くのが上手く、「おもひでぽろぽろ」「かぐや姫の物語」といった作品は、今回の年代順一覧で解説した中でも特に女性からの支持を得ています。
ジブリ作品を見ていると、「なぜかノスタルジックな気持ちになる」という人が多いようです。生きたことのない時代、行ったこともない場所なのに、懐かしい気持ちが溢れてくるという感想が多く、この現象には共感の声が集まっています。今回の年代順一覧で取り上げた作品には、いずれもそんな不思議な力があるようです。
【ジブリ作品】年代順に一覧でまとめてみた
歴代ジブリ作品を、年代順に一覧にして紹介してきました。皆さんの好きな作品はどれでしょうか。また、改めて気になった作品はありましたか。今回の年代順一覧で紹介したのはあくまで大筋であり、作品のほんの一部でしかありません。ジブリ作品の奥深さは実際に観て初めて味わえるものです。ぜひこの一覧を参考に、気になる作品を見て、ジブリの世界観を味わってみてください。
この記事のライター
HAYASHI*M
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