【ベルセルク】トラウマシーンといわれる蝕とは?何巻何話で見られるのかも紹介
『ベルセルク』のトラウマシーン「蝕」について紹介します。苛烈な描写の多い『ベルセルク』作中でも屈指のトラウマシーンとして知られる「蝕」について、そのグロい内容やあらすじなどを解説します。また、アニメ版の「蝕」と漫画版との違いなどについてもまとめています。
目次
【ベルセルク】とは?
『ベルセルク』は、国内外で圧倒的な人気を誇るダークファンタジー漫画の金字塔です。そのインパクトは絶大で、一般のファンはもちろん、他の漫画作品にもさまざまな形で影響を与え続けています。とりわけよく語られるのが、グロいトラウマシーンとして知られる「蝕」で、浸透度からして本作の代名詞と言っても過言ではありません。この「蝕」について見る前に、まずは『ベルセルク』という作品の基礎的な情報を紹介しておきましょう。
ベルセルクの作者
グロいトラウマシーンの「蝕」で有名な漫画『ベルセルク』の作者は、三浦健太郎です。三浦氏は1966年生まれの男性漫画家で、大学在学中の1985年に商業誌デビューしました。本格的な漫画家活動を開始した1989年から、代表作『ベルセルク』の連載をスタートさせています。以後は継続して同作の制作を続けてきましたが、残念ながら2021年5月6日、急性大動脈解離のために54歳で死去しています。
ベルセルクの漫画やアニメの概要
グロい「蝕」で大勢にトラウマを与えたダークファンタジー漫画『ベルセルク』は、1989年から「月刊アニマルハウス」で不定期連載を始め、その後は「ヤングアニマル」に掲載の場を移して発表され続けてきました。衝撃的なシーンの連続で世界的な話題を呼び、アニメ化も数度果たしています。連載途中で作者が死去したことで、一時は未完のまま終了かと思われましたが、作者の親友である漫画家・森恒二氏の監修によって最後まで続けられることが発表されています。
ベルセルクのあらすじ
『ベルセルク』は、中世ヨーロッパ的な世界を舞台に、巨大な剣を操る屈強な戦士・ガッツの死闘を描くダークファンタジー作品です。「使徒」と呼ばれる魔物との戦いに明け暮れるガッツの過去には、ある男との壮絶な因縁がありました。その男・グリフィスが起こした「蝕」という忌まわしい儀式のために、ガッツはすべてを失ってしまいます。ガッツは復讐のため、転生を経て復活したグリフィスを求めて旅を続ける…というストーリーとなっています。
【ベルセルク】トラウマシーンといわれる蝕とは?
大人気漫画『ベルセルク』には、さまざまな印象深い設定・場面がちりばめられていますが、中でも群を抜いたインパクトを持つのが、「グロい」と噂の「蝕」のシーンです。読者の大半にトラウマを植え付けた情け無用のこのシーンは、一体どういうものなのでしょうか。内容やあらすじを紹介していきます。
蝕とは?
漫画『ベルセルク』における「蝕」とは、ゴッド・ハンド(超常的な力を持つ存在)を生むための「降魔の儀」を指します。216年周期で出現する「覇王の卵」という深紅のベヘリットによって発動し、その所有者をゴッド・ハンドへと転生させる働きを示します。儀式には日食の発生が伴うことから、この名で呼ばれます。作中では、絶望に陥ったグリフィスの求めに応じる形で引き起こされました。
「蝕」が発生すると、その場にはドーム状の幕が降りて、内外の出入りは不可能になります。そして、その後には犠牲者に対する凄惨な仕打ちが展開されます。作中では、禍々しい使徒によって「鷹の団」のメンバーらは惨殺され、ガッツやヒロインのキャスカも肉体的・精神的に深い傷を負わされました。その様は「グロい」と表現するほかなく、大勢の読者にトラウマを植え付ける結果となっています。
蝕と転生の関係
前述のようにトラウマシーンの「蝕」は、人間をゴッド・ハンドへ転生させる儀式です。この転生にあたって欠かせないのが、他のゴッド・ハンドの存在になります。「蝕」が発動すると、ゴッド・ハンドらが幽界の各所から召喚され、その能力で新たに人間がゴッド・ハンドへと転生させられることになります。そしてその際には、転生者にとってかけがえのない存在が犠牲として捧げられることになります。
蝕の発生条件やベヘリット
『ベルセルク』の物語の根源とも言える「蝕」を起こすには、ある条件を満たす必要があります。それが、先にも触れた「ベヘリットの所有」です。ベヘリットは人の顔のようなものが刻まれた卵状の物体で、所有者の絶望や流血に感応し、幽界の扉を開く鍵として作用します。「蝕」を引き起こす固体は「覇王の卵」と呼ばれており、作中では前述の通り絶望するグリフィスの元に出現し、その力を解放しました。
蝕のトラウマシーンは何巻何話?
とにかくグロいということで、読者に計り知れないトラウマを与えた「蝕」のシーンですが、漫画『ベルセルク』では何巻に収録されているのでしょうか。「蝕」のシーンが収められているのは、漫画版『ベルセルク』12巻と13巻です。また、「蝕」はアニメ版でも触れることができます。アニメ版で「蝕」のシーンが描かれているのは、『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』の12話と13話になります。
蝕のトラウマシーンのあらすじ
トラウマシーンで有名な『ベルセルク』の「蝕」のあらすじは、次のようなものです。ガッツは、自分がその下を去ったことで転落し、果ては拷問で廃人状態となったグリフィスを助け出します。しかし、グリフィスは絶望のあまり「覇王の卵」を引き寄せ、「蝕」を起こしました。
その犠牲として選ばれたのが、ガッツとキャスカ、そして「鷹の団」の仲間たちです。彼らのほとんどはむごたらしく殺され、キャスカはゴッド・ハンド「フェムト」として転生したグリフィスに凌辱されます。ガッツは右目と左腕を失い、首筋には魔物を呼び寄せる「生贄の烙印」を刻まれることとなりました。
蝕のトラウマシーンはアニメと漫画で違いはある?
容赦ないグロい描写でトラウマシーンとなっている『ベルセルク』の「蝕」ですが、漫画版とアニメ版(『ベルセルク 黄金時代篇』)で違いなどはあるのでしょうか。結論を言えば、「特にない」ということになります。緻密な描き込みで凄惨な地獄が展開される漫画版と比べても、アニメ版の描写は遜色ありません。とりわけインパクトの強かったピピンやコルカスの最期に関しても、真向から忠実に再現しています。
【ベルセルク】トラウマの蝕のトラウマシーンの主な登場人物
凄惨なグロい描写でトラウマシーンとなっている『ベルセルク』の「蝕」ですが、具体的にどういった面々がその餌食にされたのでしょうか。ここでは、「蝕」に巻き込まれて苛酷な運命をたどることになった登場人物たちを紹介していきましょう。
蝕の登場人物①ガッツ
ガッツは『ベルセルク』の主人公であり、「蝕」によって運命を変えられた者の1人です。もともとグリフィスとは盟友の関係にありましたが、彼が「蝕」を起こしたことで、その関係も激変します。自分の肉体だけでなく、仲間の命や恋人キャスカの心も奪われてからは、人生のすべてをゴッド・ハンドとグリフィスへの復讐に捧げることとなりました。
蝕の登場人物②グリフィス
グリフィスは傭兵団「鷹の団」の団長で、豊かな才能と壮大な野心を持つカリスマ的な人物です。己の能力に加え、ガッツという強力な盟友を得たことで、「自分の国を持つ」という夢の実現へ近づきつつありました。しかし、ガッツが団を抜けたことをきっかけに運命は一転します。激しい拷問の末に再起不能の体となり、絶望にさいなまれたところでベヘリットが発動し、「蝕」が引き起こされました。
蝕の登場人物③キャスカ
キャスカは旧「鷹の団」の千人長であり、ガッツとは恋人の関係にあった女性です。団長不在となった後は、代理として団を率いていました。グリフィスに対しては強烈な思い入れがあり、ガッツとともに捕まった彼を奪還しますが、直後に「蝕」に巻き込まれてしまいます。その結果、ガッツの眼の前で「フェムト」と化したグリフィスに辱めを受けることとなりました。この場面は、『ベルセルク』における屈指のトラウマシーンとして知られています。
蝕の登場人物④ジュドー
「蝕」に巻き込まれ犠牲となったのは「鷹の団」のメンバーたちですが、ジュドーもその1人です。ジュドーは器用かつ目端の利く男で、「鷹の団」では参謀役を務めていました。ガッツに投げナイフの技を教えた人物でもあります。キャスカに対しては秘めた想いを抱いていましたが、彼女とガッツとの関係を慮って踏み込むことはしませんでした。「蝕」では最後までキャスカを護ろうとしますが、その想いもむなしく、ついに告白叶わぬまま使徒に殺されています。
蝕の登場人物⑤ピピン
ピピンはアジア的な容貌をした巨漢で、「鷹の団」の幹部の1人です。寡黙ながら思いやりのある性格で、危険に対して敏感な一面も持ちます。戦闘ではモーニングスターやウォーハンマーなどの得物を操り、団内ではガッツと並ぶ強力なパワーを誇ります。「蝕」においてはキャスカとジュドーを逃がそうと奮戦しましたが力尽き、その後背中を食い破られるなどトラウマ級の最後を遂げました。
蝕の登場人物⑥コルカス
コルカスも「鷹の団」幹部の1人で、元盗賊という経歴の持ち主です。ガッツが「鷹の団」に入るきっかけを作った人物でもありますが、その際の経緯などから、彼に対しては一方的な反感を抱いていました。理想を嫌う現実主義者で、一番になれないことに対しての屈折した感情を引きずっています。「蝕」に巻き込まれた際は、使徒に女性の幻影を見ながら殺されるという最後を遂げています。
【ベルセルク】トラウマシーンを描いた劇場版黄金時代篇のあらすじ
『ベルセルク』のトラウマシーンである「蝕」についていろいろ紹介していますが、漫画版だけでなくアニメの方も注目してみましょう。アニメで「蝕」のシーンを描いているのは、劇場版『ベルセルク 黄金時代篇』です。こちらはI~IIIの3篇に分かれていますが、それぞれのあらすじを紹介します。
あらすじ①黄金時代篇I 覇王の卵
劇場アニメ『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』の舞台は、100年間戦争が絶えない乱れた世界です。剣のみを頼りに生きる孤独な男ガッツは、傭兵団の「鷹の団」を率いるグリフィスと出会ったことで、そこへ加わることとなります。やがて力を増した「鷹の団」はミッドランド王国の中枢に食い入り、グリフィスも王の信用を増していきますが、それを快く思わぬ者もいました。グリフィスは命を狙われ、ガッツはその首謀者の暗殺に乗り出すことになります。
あらすじ②黄金時代篇II ドルドレイ攻略
劇場アニメ『ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』のあらすじは、次のようなものです。ガッツはグリフィスとの考えの相違を知って葛藤しますが、一方で反目しあっていたキャスカとの距離は縮まっていきました。そんな中、チューダー帝国の難攻不落の城塞ドルドレイを「鷹の団」の活躍で落としたことで、彼らの名声は一気に高まります。
しかし、その絶頂の最中にガッツは団を抜けると宣言し、グリフィスとの対決を制し去っていきました。グリフィスは失意から王への裏切りを働き、そのせいで捕らえられてしまいます。彼を待っていたのは、苛烈な拷問でした。そして「鷹の団」もまた、ミッドランド軍から追われる立場となってしまいます。
あらすじ③黄金時代篇III 降臨
続いて劇場アニメ『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』のあらすじです。「鷹の団」の前に再び姿を現したガッツに対し、キャスカは詰め寄ります。自分が去ってからのことを知ったガッツは衝撃を受け、キャスカらと共にグリフィスの救出に向かいました。何とかグリフィスは救い出したものの、拷問を受け続けた彼は、以前とは似ても似つかない姿となっています。己の現状を知って絶望するグリフィスの前に、一度無くしたベヘリット「覇王の卵」が現れ、それによってゴッド・ハンド転生の儀式「蝕」が発動されます。
【ベルセルク】トラウマシーンに対する世間での評判や人気
漫画とアニメの双方で大量のトラウマを生み出した『ベルセルク』ですが、そうしたシーンに対する世の中の反応はどのようなものなのでしょうか。ここでは、「蝕」をはじめとした『ベルセルク』のトラウマシーンに対する世間の印象などを探ってみました。
こちらは、テレビアニメ版『ベルセルク』の「蝕」で「どえらいトラウマ」を植え付けられたというツイートです。前述のように、アニメ版の「蝕」も原作漫画に劣らずグロい描写のオンパレードなので、こうした人は少なくないと思われます。まして心の準備もなく目撃してしまった場合、その衝撃度は計り知れないものであると予想できます。
こちらは漫画版『ベルセルク』の「蝕」のシーンを見て、「絶望感やトラウマ感」にさいなまれたという人のツイートです。「これ漫画か?」という感想も、おそらくは多くの人が感じたものでしょう。ここまで容赦ない表現は、ごくわずかな例を除いてそれまで存在しませんでした。間違いなく、漫画表現の一線を大きく踏み越えることになった画期的なシーンです。
『ベルセルク』には、「蝕」のほかにもいくつかグロいトラウマシーンが存在します。「断罪篇」の「ロスト・チルドレンの章」もその1つで、「大人攻撃」などに震え上がった人は少なくありません。上のツイート主は、変身後の森の守護者がトラウマになったもようです。なおこの「ロスト・チルドレンの章」は、完成度の高さから作中屈指の名編として知られますが、上記のようにタブー描写がてんこ盛りでアニメ化不能とも言われています。
【ベルセルク】蝕はグロいトラウマシーンだった
漫画・アニメにおける『ベルセルク』の「蝕」について紹介してきました。このように、慣れ親しんだ面々が次々に残酷な死を迎え、主人公やヒロインですら無慈悲な扱われ方をする「蝕」は、日本の漫画史上でも屈指のトラウマシーンとなっています。大勢の読者・視聴者を阿鼻叫喚の地獄に引きずり込むことなりましたが、その一方で、単に「グロい」「ショッキング」というだけではない魅力も備えています。
この丹念で周密なシーンがあったからこそ、『ベルセルク』という作品が大勢に迎え入れられたことは否定できないでしょう。実際に、今に至るまでファンは増え続けていますし、後続作品への影響も止むことがありません。作者の死という悲劇はありましたが、現在でも物語は継続中です。トラウマ覚悟で作品にトライしたいという方は、ぜひ漫画・アニメ双方をご覧になってください。
この記事のライター
だいじろう
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。