【ナウシカ】王蟲(オーム)とはどのような存在?正体や性格について調査

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『風の谷のナウシカ』に登場し、強烈な存在感を示す王蟲について、その正体や性格について徹底調査しました。またナウシカたちの世界に登場する腐海や王蟲以外の蟲についても紹介しています。さらに王蟲に対する世間での評判もまとめています。

【ナウシカ】王蟲(オーム)とはどのような存在?正体や性格について調査

目次

  1. 【ナウシカ】王蟲とはどのような存在?
  2. 【ナウシカ】王蟲の正体や性格
  3. 【ナウシカ】王蟲とナウシカの関係や過去を考察
  4. 【ナウシカ】王蟲の統べる腐海とは?
  5. 【ナウシカ】王蟲に対する世間での評判や人気
  6. 【ナウシカ】王蟲は腐海を統べる番人のような存在だった

【ナウシカ】王蟲とはどのような存在?

『風の谷のナウシカ』に登場する、物語の象徴ともいえる存在が”王蟲”です。腐海に棲む蟲の中では最大の種族であり、成体の体長は80mに達します。これだけの大きさですから、人間からは畏怖の対象として認識されています。まさに蟲の王と呼ぶにふさわしい王蟲ですが、ナウシカの世界においてどのような存在として捉えればよいのでしょう。ここからは『風の谷のナウシカ』の中で、王蟲という存在の意味やその正体についてを調べていきましょう。

王蟲(オーム)とは?

腐海に棲んでいる蟲の中で最大の種族が王蟲です。体長80m、体高・体幅(最大)40m、体重8000tと現存する最大生物シロナガスクジラよりはるかに大きい体躯の持ち主です。脚を100本持ち、非常に硬い殻に覆われて脱皮をして成長するので、節足動物のようにも見えます。抜け殻は強度・弾性に優れ軽量なので、加工して戦闘機の外装や武具として、あるいはガラス代わりに重用される人間にとって貴重な材料です。また王蟲の持つ14個の目は王蟲の感情を表現していて、普段は青いのですが怒りなどで興奮すると赤く変色します。

風の谷のナウシカの概要

ナウシカが主人公のSFファンタジー『風の谷のナウシカ』は、徳間書店のアニメ情報誌「アニメージュ」1982年2月号に発表された漫画作品です。戦争によって文明が崩壊した1000年後の世界を舞台に、ナウシカたちの生き様が描かれました。作者は日本を代表するアニメ監督の宮崎駿で、漫画の連載は幾度かの中断期間がありましたが、1994年3月号に完結しました。コミックスは全7巻、累計発行部数は1760万部を突破しています。1984年におなじみの劇場版アニメが公開されますが、劇場版では物語は完結していません。

風の谷のナウシカのあらすじ

"火の七日間"と呼ばれる巨人兵による文明社会の破壊から1000年後の世界は、汚染された大地に異形の生命たちがはびこる菌類の森"腐海"が浸食している世界でした。腐海には巨大な蟲が多数生息し、菌類が有害な瘴気を放ちます。衰退してしまった人類には腐海の脅威に抗う術はなく、その侵食を避けるように生き延びていました。そんな中にあっても二大国のトルメキアとドルクは覇権を争います。この覇権争いに端を発した事件により、風の谷という小国とナウシカは大きな動乱に巻き込まれていくのでした。

【ナウシカ】王蟲の正体や性格

圧倒的な巨体は怪獣よりも大きいほどの王蟲は、1000年後の世界の住人とはいえ地球史上最大の生命体でしょう。ナウシカたちの世界の最終戦争および炎の七日間という破局的な状況が腐海や蟲を生み出してしまったことは想像に難くありませんが、王蟲の誕生も例外ではありません。その王蟲の正体や性格など、外面だけからではわからない謎について調べていきます。王蟲は最終戦争後になぜ存在したのか、劇場版『風の谷のナウシカ』では語られなかった正体や性格についての真実に迫りましょう。

王蟲の正体

王蟲の正体については、劇場版ではなく漫画版『風の谷のナウシカ』の終盤において判明します。その正体とは1000年前の旧世界の人間によって生み出された人工生命体というものでした。劇場版では王蟲が人工的に作られたという描写が漫画版の連載時期などの関係で描写されなかったため、漫画版を読んだ人や内容を知った人にしかわからない驚愕的なものとなりました。なお旧世界の人間がなぜ王蟲を作り出したのか、その理由については後述します。

王蟲の性格

王蟲は人工生命体ですが知性と感情があり、それに関係する性格もあるようです。ナウシカとの接触や行動から、普段は穏やかで優しい性格だとわかります。しかし怒らせてしまうと暴走するという性格も持ち合わせています。目の色が青から赤に変わらないよう、気をつけたいものです。なお劇場版でもわかるように、王蟲は他の蟲と比較すると特別な存在感がありますが、それは大きさによるだけではなく、王蟲に性格や感情があることに関係する印象でもあります。そして知性を持つことも大きく関係しているでしょう。

王蟲の伝達能力

王蟲には個々の感情や記憶などを共有する能力がありますが、意思を伝達するために"念話"すなわちテレパシーを使って行っているようです。念話による意思の伝達(会話)は、劇場版でも描写され、王蟲とナウシカが会話をするようなシーンがあります。またナウシカが幼い頃に守ろうとしていた小さな王蟲が、後の彼女を助けるために仲間に意思を伝えたのも念話によるものだと推測されています。原作漫画ではナウシカと王蟲の念話の様子がしっかりと描写されています。

王蟲のモデル

王蟲の外面上のモデルについては公式発表がありませんので、さまざまなものがモデルとして推測されています。主なモデル候補としては、モスラ(幼虫)・ダイオウグソクムシ・三葉虫・ダンゴムシなどが挙げられています。体型や体色などのモデルはそれぞれの候補から要素を取り込んでいるように見受けられます。トータル的にモデルとしたのは節足動物が多いでしょう。目については数こそ違いますが、カンブリア紀の生物オパビニアに似ています。王蟲は単一のモデルでなく、数種のモデルの集合体なのかもしれません。

王蟲の鳴き声はギターの音?

劇場版『風の谷のナウシカ』での王蟲の声の正体は、ギターの音色によるものでした。ギターを担当したのが元BOØWYのメンバーでギタリスト・歌手の布袋寅泰です。これはツイッターで本人が明かし、当時ファンの間で話題になりました。なお布袋寅泰が王蟲の声を担当することになったのは、劇場版の音楽を担当した久石譲から頼まれたことで実現したとのことです。世界的に有名なゴジラの鳴き声もコントラバスの弦を使用して作られましたが、架空の巨大生物の声は弦楽器が使われることが多いようです。

【ナウシカ】王蟲とナウシカの関係や過去を考察

『風の谷のナウシカ』の主人公ナウシカと、作品の象徴ともいえる王蟲には、劇場版のみだけではわかりづらい関係性があります。もちろん劇場版ではその関係性について、過去の描写などである程度はわかるような点もありますが、漫画版での描写を見ることによってナウシカと王蟲の関係や正体がはっきりと理解できることでしょう。ここからはナウシカと王蟲の関係についてその事実を明らかにし、さらに深く考察していきましょう。

王蟲の殻を利用してナウシカの剣は作られている?

前述していますが王蟲の抜け殻は非常に硬く、ナウシカが生きる時代に使用されていた超硬度セラミックよりも強度があります。弾性にも優れ軽量でもあるので各種の材料として使われ、ナウシカの剣も王蟲の殻から削り出して作られたものです。これは劇場版の序盤でナウシカ自らが口にしたセリフからもわかります。主要人物のユパの剣もナウシカと同じく、王蟲の殻を削り出して作られたものでした。

王蟲とナウシカの関係

劇場版では王蟲とナウシカの関係性ははっきりと物語られるシーンはありません。しかしナウシカの幼少期に王蟲との関係性を垣間見せる場面がが登場します。それは幼いナウシカが父親たちから、小さな王蟲をかくまうという回想シーンでした。幼いナウシカには王蟲がどういった生き物かは知らなかったと思われますが、友達という思いは持っていたでしょう。原作漫画では、ナウシカの母親が蟲使いの血筋ということが描かれいて、その素質がナウシカにも遺伝しているので王蟲とも親密なのだと考察されています。

ナウシカは幼い頃に小さな王蟲を可愛がっていた?

ナウシカの幼少期の回想では、ナウシカが王蟲と親しく遊んだり、父親たちからかくまう場面があります。ナウシカと王蟲の関係は親密なもので、弟や妹を可愛がっているような関係でもあることが想像できるでしょう。しかし詳細はわかりません。なお原作漫画によれば、ナウシカの母親は蟲使いの血筋であり、そのためナウシカには蟲の気持ちを理解できると明らかに判なっています。これらのことからも間違いなくナウシカは王蟲を可愛いと思っていたでしょう。

ナウシカの母親は蟲使い?

ナウシカの母親については、劇場版・原作漫画版とも謎多き存在で正体が不明です。なお彼女が蟲使いとして活躍する描写はありませんが、蟲使いの血筋であることは判明しています。それを証明するかのように、娘であるナウシカは蟲と親しんでいます。なおナウシカの母親は11人の子を産みましたが、末っ子のナウシカ以外の子をすべて亡くしています。ナウシカは母親も兄姉も腐海の毒によって亡くしていますが、その反面からかナウシカだけは毒への耐性が強いといえるのでしょう。

ナウシカの元ネタは虫愛づる姫君?

『風の谷のナウシカ』の作者であり劇場版の監督も務めた宮崎駿は、ナウシカのモデルとしてギリシャの抒情詩『オデュッセイア』に登場するナウシガアー王女と、平安時代の短編小説集『堤中納言物語』内の短編の1つ『虫愛づる姫君』を挙げています。ナウシカアーは名前以外にモデルとなる点があまり見出せませんが、虫愛づる姫君は虫好きという点でナウシカのモデルになっています。また観察眼の鋭さや豊富な好奇心などを持つ虫愛づる姫君の性格などは、まさにナウシカの性格のモデルそのものともいえるかもしれません。

ナウシカが可愛がっていた王蟲は生きていた?

劇場版でのナウシカの回想シーンで、ナウシカがかばっていた小さな王蟲は、父親たちによって連れ去られてしまいます。「殺さないで」とナウシカが懇願していたあの王蟲はどうなったのでしょうか。この点については、はっきりした結果がわかっていません。この直後でナウシカが"あの人"が生きているのかと尋ねるシーンになりますが、これは幼い時の王蟲を指しているという考察がありますが、どうやらペジテ市のアスべル王子を指すようです。

では、あの小さい王蟲は殺されてしまったのかというと、残念ながらその可能性が高いようです。しかし原作漫画で王蟲はナウシカに、自分たちは個であり全、全であり個であると伝えています。さらに、時空を超えて想いを伝えゆくと続けていました。これはすべての王蟲が個々の王蟲の記憶や感情を共有していることになります。だとすれば、小さな王蟲が殺されたとしても、すべての王蟲の中に生きているともいえるのかもしれません。

【ナウシカ】王蟲の統べる腐海とは?

王蟲をはじめとする蟲たちが棲み、王蟲が総べているのが腐海です。人間たちは瘴気を恐れているため、探究心旺盛で調査や研究をしたいナウシカのようなものしか、踏み入ろうとすることもありません。劇場版ではナウシカが重要な発見をしますが、原作漫画では腐海がどういった場所なのか、その正体が明かされています。ここでは腐海の正体について、掘り下げていきましょう。

腐海とは?

『風の谷のナウシカ』の世界を形成する一部として腐海は存在します。腐海は巨大な菌類が繁殖し毒ガスを吐き出すので、人間にとっては瘴気マスクなしでは立ち入ることはできません。腐海に生息する菌類と粘菌、各種の蟲たちが構成員となっています。劇場版ではナウシカたちによって、腐海は世界を浄化するためにあるのではないかという考えに至りました。そして漫画版で判明した事実によると、腐海は旧世界の生命工学によって生み出された人工の生態系であり、大気中の毒(瘴気)を無毒化するシステムでした。

腐海にいる蟲たち

腐海の住人の中で目を引く生き物といえば、王蟲に代表される蟲たちの存在であることは間違いありません。まるで古代生物へと先祖返りしたような大きさと独特な形状は、ナウシカや虫愛る姫君でなくとも興味や好奇心を駆り立てられずにはいられないでしょう。もっとも、虫嫌いな人にとっては卒倒ものの存在ではあります。ここでは腐海に棲む王蟲以外で代表的な人気の高い蟲を3種、紹介していきましょう。

腐海にいる蟲①ウシアブ

ウシアブは実在する昆虫にも同名のアブがいますが、およそモデルにしたとは言い難い形状をした翅蟲です。ずんぐりとした体型はまさに牛のようで、大きさも牛と同じくらいです。2対の翅と4対の脚を持っています。顔には1対の大きな目と7つの小さな目、触角状の4つの突起、鉄をも砕く歯があります。鳴き声は「ガチャガチャ」と、クツワムシのようです。劇場版ではトルメキア船に潜んでいたウシアブがナウシカの蟲笛によって腐海へ返されるシーンがありますが、漫画版ではナウシカを丸呑みしそうになる場面がありました。

腐海にいる蟲②大王ヤンマ

大王ヤンマはウシアブと同じく翅蟲の一種です。体長は人間と同じくらいで、2対の翅はヤンマの名の通り、トンボの翅と似ています。ただし4枚の翅を2対持っています。また脚は4対である点など、現存する昆虫とは違う特徴を持っています。全体的なフォルムはヤンマよりチョウトンボに似ているので、このトンボがモデルになっているかもしれません。しかし体型や顔を見る限り、やはりトンボの仲間ではなさそうです。腐海の森で異変が起きた場合、真っ先に現れて仲間を呼ぶという習性から「森の見張り役」と呼ばれます。

腐海にいる蟲③ヘビケラ

体長が数十mに達する大型の翅蟲がヘビケラです。ヘビのように細長い体ですが全体的なフォルムはムカデをモデルにしているかのように平たい形状をしています。2枚の翅を2対持ち優雅に飛行しますが、脚は持っていません。飛行速度はトルメキア軍の大型輸送機「バカガラス」よりも速いことが確認されています。ちなみに劇場版に登場する体長1mほどの地蟲のミノネズミは、ヘビケラの幼生です。5対の脚を持っており集団で行動し、獲物や外敵に跳躍して襲いかかります。

【ナウシカ】王蟲に対する世間での評判や人気

その大きさと圧倒的な数で、神々しいまでの存在感がある王蟲は、特に劇場版『風の谷のナウシカ』を象徴する存在です。強烈なキャラとして認知度が高い王蟲は、作品を見たことがなくても知っている人は少なくないでしょう。もっとも『風の谷のナウシカ』は劇場版が制作・公開されてからだいぶ時間が経ちますが現在でも広く知られている作品です。王蟲に対する評判や意見を見てみましょう。

王蟲は性格的に、怒りだしたら猪突猛進となってしまいます。これは案外多数の人々が自分と同じだと感じたようです。しかしそうだとすると、周りの人々には怒りがおさまるまで"大海嘯が来た"と恐れているのではないでしょうか?

劇場版を見て、王蟲の怒りは大自然の怒り、そう思っていた人は多いでしょう。まさかの王蟲が人工生命体だったという事実は、漫画版の読者に衝撃を与えるのに十二分な情報でした。さらには王蟲に限らず、腐海も地上に住む人間たちも意図的に作られたものだったのですから、それらすべてを知った人の驚きは相当なものだったと推測できます。

王蟲に限らず『風の谷のナウシカ』の全貌は、知り得た人の心にのみ留めておくということでしょうか。劇場版だけでは知ることができない、王蟲をはじめとする真の『風の谷のナウシカ』は、これから知る人のためにも口にしない方が、みんなの楽しみを守ることになるのかもしれません。

【ナウシカ】王蟲は腐海を統べる番人のような存在だった

王蟲とは自然が生んだ人間への脅威ではなく、旧世界の人間によって作り出された人工生命体でした。その役割は腐海を統べる番人というものであり、旧世界で発生した毒を無害にするためのシステムの一部だったものです。物語は漫画版で完結していますので、王蟲の正体を詳細に知ることも可能ですが、今後映像作品としての完結することも期待されます。それによって王蟲に新たな事実も出てくる可能性もありますので、ファンは再びナウシカの映像化を待ち望む声もあることは事実ですが、それは実現するでしょうか。

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