【千と千尋の神隠し】神様を一覧で紹介！お風呂に入る理由やモデルも解説

千と千尋の神隠しには、主要キャラたちの他にも多くのキャラが登場しています。中でも八百万の神様と呼ばれるキャラたちは、個性が強く人気が高いです。この記事では、油屋にやってくる八百万の神様についてやモデル、登場シーンを紹介していきます。

千と千尋の神隠しでは、八百万の神様たちが大勢油屋に来てお風呂に入っていきます。では、なぜ八百万の神様たちは、油屋にわざわざ来てお風呂に入っていくのでしょうか。実はこの神様たちが大勢集まってお風呂に入るお祭りが長野県で開催されており、その祭りがモデルになったといわれています。

モデルになったという長野県の祭りは、毎年12月に行なわれるものになり、「霜月祭」という名前です。霜月祭では日本中の神様に対して、お湯を差し上げるというコンセプトを持っています。テレビで霜月祭を知った宮崎駿監督は、千と千尋の神隠しに神様たちをお風呂に入れるという内容を思いついたのです。

千と千尋の神隠しの作中でも、湯婆婆が「八百万の神様たちが、疲れを癒しに来るお湯屋なんだよ」というセリフを話しています。セリフからも神様たちがお風呂に入りに来る理由が明確になっており、モデルとなった霜月祭と同じ意味を持っているといえるでしょう。

2001年7月に公開された千と千尋の神隠しは、日本歴代興行収入1位という功績を残しているジブリ作品の一つです。原作から脚本、監督まで宮崎駿が務めており、制作のきっかけになったのは宮崎駿監督の知り合いの10歳の娘でした。

千尋のモデルになったのもこの娘になり、宮崎駿監督の作品では初めて10代向けの映画となりました。また、知人の映画監督のおかげもあり、海外での放映もされました。2022年には舞台化もされて、今も尚愛され続けている作品となります。

引っ越し先へ向かう車の中に居る千尋は、転校することに納得していない様子を見せていました。引っ越し先付近で父親が道に迷ってしまい、不思議なトンネルを見つけます。探求心に満ちた父親と母親はトンネルの中に入っていき、千尋も後を追いました。

そこには不思議な世界が広がっており、父親と母親は飲食店のような場所で勝手に食事をしてしまい、豚の姿になってしまいます。両親を助けるために、千尋は不思議な世界で奮闘するのでした。

ここからは、千と千尋の神隠しに登場する神様の名前や特徴、モデルになったものまで解説していきます。主要キャラに注目しがちな千と千尋の神隠しですが、多くの魅力的な神様が登場しているため、目を向けてみてください。

千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様の中で、人気が高いのがおしら様です。おしら様の特徴は、巨体で身体の色は名前の通り真っ白です。頭には真っ赤な盃の形をしたものをかぶり、着衣は真っ赤なふんどしを付けています。見た目が大根に寄せているため、千と千尋の神隠しでは大根の神様として登場しています。

しかし、実際におしら様のモデルになったのは、主に東北地方で家の守り神として祀られている神様です。また、農業の神様としても有名なため、千と千尋の神隠しでは大根を模した見た目をしているといわれています。

鬼を模した見た目のおなま様は、秋田県で有名な神様のなまはげがモデルになっています。モデルのなまはげはもう少し怖い印象を受けますが、千と千尋の神隠しのおなま様はどこか優しい雰囲気をまとった鬼という印象でしょう。

しかし、見た目は優しそうな鬼でも片手には包丁を持っていたり、なまはげを連想させるには十分な神様です。なまはげと少し異なるのが、藁ではなく緑色の木の葉で全身を覆っていることでしょう。なまはげは怠け者や習慣を戒めるために訪れる神様になり、おなま様も同様の神様といえます。

八百万の神様のお台所様は、名前の通り台所の神様のような見た目をしています。大きな傘をかぶった姿で、傘のフチには台所用品となる包丁や鍋といったものがぶら下がっています。お台所様のモデルの神様は不明ですが、さまざまな地域で台所の神様と呼ばれている神様たちがいます。そのため、モデルは不明ながらもその中のどれか、もしくは複数を掛け合わせてできたキャラクターではないかといわれています。

千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様でも、あまり知られていないのがおすびさまです。おすびさまの見た目は鮮やかな赤、またはオレンジのような色合いで、黄金色の髪の毛のようなものが頭に生えています。油屋に居るからか元々かは謎ですが、上半身は裸になり模様の入ったふんどしを付けています。離れ目が印象的で、口元には髭のように身体の一部が飛び出ています。

おすびさまは、縁結びの神様として登場しました。モデルは不明ですが、全国各地に縁結びの神様はいるためモデルが居る可能性があるでしょう。おすびさまの縁は、恋愛だけではなく人間関係も含まれているとされています。また、おすびさまの名前は一般公募にて決定したという裏話もありました。

千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様の中で、かわいらしい見た目で人気を博したのがオオトリ様です。オオトリ様の見た目はひよこですが、身体は大きめです。目の焦点が合っていないため、どこか間抜けな表情が魅力的でしょう。他の八百万の神様に比べると、頭数が多いのが特徴です。仲間を集めて油屋のお風呂に入りに来ているのでしょう。

オオトリ様のモデルになった神様は不明ですが、存在する意味としては、生まれることなく亡くなったひよこが神様という存在になったといわれています。見た目は非常に可愛く人気の神様ですが、誕生の裏には悲しい現実が詰まっているキャラでもありました。

千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様の中でも、登場シーンが多いのがオクサレ様でしょう。オクサレ様はヘドロに包まれた身体で、油屋の温泉に入りに来ました。その正体は、高名な河の神でした。作中ではオクサレ様という名で登場しており、ヘドロの下には身体の中に多くのゴミを溜めていたのです。

その理由として、川に廃棄されたゴミを自分の身体に取り入れていたのでしょう。全てのゴミを出し切ったとき、ヘドロ姿のオクサレ様は龍の姿になります。龍の姿になったオクサレ様は、顔部分に面を付けて身体は半透明な白色をしています。

春日様はお札のような紙を顔部分に貼り付けて、宮司のような服装をしているのが特徴です。八百万の神様でもモデルがはっきりしている春日様は、春日大社の春日神がモデルとなっています。顔に貼り付けているお札も、春日大社で実際に付けている面をモデルにしているといいます。

春日大社は日本全国にあるため、日本各地から神様が集まっているのでしょう。集団でいる様子も見られます。移動時は宙に浮いて動いているため、どこかミステリアスな雰囲気を感じるでしょう。

千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様の牛鬼は、赤い身体で鬼のような見た目をしており角も生えています。牛鬼のモデルになったのは、西日本で有名な妖怪です。妖怪がなぜ八百万の神様として登場しているのかというと、妖怪の中でも神様の姿をした者もいることから、その神をモデルにしたといわれています。第一印象は怖いイメージを与えますが、よく見るとずんぐりむっくりな体型で可愛らしさも感じられるでしょう。

八百万の神様でも登場シーンが少ない一言主は、頭部分に「言」と書かれた冠をかぶっています。登場シーンが少ない一言主ですが、モデルになった神様がいます。その神様は、奈良県の葛城一言主神社に祀られています。名前にあるように、一言の願いであれば聞き届けてくれる神様です。

千と千尋の神隠しでも鍵を握っている神様が、ニギハヤミコハクヌシです。ニギハヤミコハクヌシは登場キャラであるハクの本名になり、漢字では饒速水小白主と書きます。ニギハヤミコハクヌシは琥珀川の神様になり、千尋が溺れた川でもありました。

ハクは自分の本名を湯婆婆に取られたことで忘れていましたが、千尋が思い出させてくれたため自分の名前を手に入れることができたのです。作中で、河の神であるオクサレ様が千尋に渡した苦団子がハクに効果があったのは、川繋がりだった可能性が高いといわれています。

ここまで千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様の特徴や名前、モデルとなった神を紹介してきました。ここからは、実際に紹介してきた八百万の神様たちが、作中のどこで登場していたのか紹介していきましょう。

おしら様の登場シーンは千と千尋の神隠しでも有名で、千尋が油屋に来たときにエレベーターで一緒になっています。千尋が人間でありながらも驚く様子もなく、かばうようにして千尋を隠しながら湯婆婆の元へ届けてくれました。

おしら様は子どもが好きな神様ということもあり、千尋を守ってくれたのかもしれません。見た目と行動も相まって、人気の出た八百万の神様です。その他にも、オクサレ様が大扉から帰るときにも、踊っている姿が見られました。

千と千尋の神隠しでのおなま様の登場シーンは、千尋が橋を渡るところです。4体ほどで玄関口の前におり、湯女たちに出迎えられている様子が見られました。表情はそれぞれ異なっており、なまはげがモデルのおなま様ですがあまり怖い印象はないでしょう。

千と千尋の神隠しの八百万の神様で登場シーンが一瞬ですが、印象に残るのがお台所様でしょう。お台所様の登場シーンは、千尋が息を止めて渡る橋の上に居ます。千尋とハクの前を歩いている、大きな傘をかぶった神様がお台所様です。

おすびさまも、千と千尋の神隠しでの登場は一瞬になります。千尋が油屋で働き始めた日、お風呂の掃除をするために番台へ薬湯の札をもらいに行きます。番台の蛙は千尋に札は渡さないと伝えており、そのときに奥を歩いている赤、もしくはオレンジの身体をした神様がおすびさまです。

オオトリ様は、他の八百万の神様に比べると多数で油屋に訪れています。そのため、分かりやすく登場しているといえるでしょう。オオトリ様の代表的な登場シーンは、多数でお風呂に入っている姿です。お風呂の中では少し狭そうにしながら大人数で浸かり、頭にタオルを乗せている者もいます。

お風呂の外では桶に泡を立てていたり、お風呂へ浸かるのを待っているオオトリ様もいました。目の焦点が合っていないため、どこか癒しを感じられるシーンといえるでしょう。

千尋の初めての油屋での客になり、大仕事をした相手ともいえる神様がオクサレ様でしょう。ヘドロまみれで油屋に辿り着いたオクサレ様は、リンが持っていた朝食を腐らすほどの異臭を放ちます。千尋はどうにか平然を保ってお迎えをして、お風呂へと案内をしました。客をもてなそうと奮闘する千尋でしたが、オクサレ様に薬湯をかけた際に、トゲと思われるものが刺さっていることに気が付きます。

千尋はトゲと思われるものを抜くため、湯婆婆や油屋のスタッフに協力を求めました。トゲが抜けた瞬間に、オクサレ様の身体からは大量のゴミが出てきたのです。ゴミが全て抜け出したオクサレ様は、「よきかな」と発したあと名のある川の神になり、龍の姿をして油屋の大扉から飛んで帰っていきました。そして、お風呂の支払いとして油屋に大量の砂金を残していきました。

千と千尋の神隠しでの春日様の登場シーンは、千尋が不思議な街に迷い込み、豚になった両親を見て逃げ出した先でした。船が町に辿りつき、船からゾロゾロと降りてきたのが春日様です。大人数で船から降りてくる姿は圧巻といえるでしょう。また、オクサレ様が帰った後は、他の神様とともに踊っている姿も見られました。

牛鬼は、リンが千尋をエレベーターに乗せようとした際、エレベーターの先客として乗っていた神様です。千尋と入れ違いで降りてきますが、3体の牛鬼はそれぞれ髪型や装飾が異なっていました。浴衣姿で歩いているところを見ると、すでにお風呂から上がったのではないかと考察できるでしょう。

千と千尋の神隠しでの一言主は、まず名前だけが登場します。厨房の蛙男たちが一言主の名前を出しており、その後オクサレ様が油屋に来た際に逃げていく神々の中に一言主は居ました。一瞬の登場シーンのため、見逃している人も多いことでしょう。

ニギハヤミコハクヌシはハクになるため、作中では多く登場しています。特に千尋を助けるシーンや、おにぎりを渡すシーンは多くの女性の心をときめかせました。白龍の姿もかっこよく、千と千尋の神隠しの登場キャラの中でも一番の人気を誇ります。

千と千尋の神隠しには多くの神様が登場しますが、その中でも印象的なおしら様とオクサレ様の声優を紹介していきましょう。

安田顕はTEAM NACSのメンバーになり、現在は多くのドラマや映画に登場している俳優です。1973年12月8日生まれの北海道出身、血液型はA型です。所属事務所はCREATIVE OFFICE CUEになり、1993年より活動を開始しています。

はやし・こば(小林郁夫)は1935年7月27日生まれの東京都出身です。2016年1月に敗血症のため亡くなっています。声優ではなく作曲家、編曲家として活動されていた人物でした。

大根の神様ことおしら様は人気が高いため、千と千尋の神隠しがテレビ放送されるとツイートする人が多いキャラです。おしら様の名前を知らない人も多く、大根の神様と呟かれることも多いでしょう。

オオトリ様は、一番有名なお風呂に入っているシーンが印象的という声があがります。お風呂に大人数で入っている姿が癒しという声もあり、人気の高さを伺うことができるでしょう。

千と千尋の神隠しの神様が発するセリフで、一番人気とされているのがオクサレ様が河の神へと姿を変えて呟く「よきかな」です。真似する人も多く、ツイートの最後に「よきかな」を付けたりする人もいます。

千と千尋の神隠しに登場する八百万の神様たちは、個性が溢れており可愛らしいタッチで描かれています。そのため、モデルとなる神様は怖い印象を受けても、千と千尋の神隠しでは可愛く見えることでしょう。ぜひ、神様に注目して、千と千尋の神隠しを見てみてください。