【進撃の巨人】地図について徹底考察！全滅地区や複雑な地形の背景とは？

進撃の巨人は巨人の脅威に主人公エレンを始めとした人類が立ち向かう物語が描かれていましたが、ストーリーが進行していくと世界に隠されていた秘密が解き明かされていき本作の醍醐味となりました。地図や全滅地区などを確認していく前に、まずは進撃の巨人の作者や作品概要をまとめていきます。

進撃の巨人を手掛けた作者は諌山創です。1986年8月29日に大分県にて生まれ、講談社のマガジングランプリにて佳作を受賞したことから2009年より『進撃の巨人』の連載を開始しました。作中には作者がサッカークラブにて抱いた劣等感や趣味の格闘技をモデルにしたキャラクターなどが織り込まれており、自作の評価を常にチェックする作家としても知られています。

進撃の巨人は諌山創によって別冊少年マガジンに連載されていた漫画作品です。人類を捕食する巨人の脅威に主人公たちが立ち向かうダークファンタジーな物語が話題を呼び、人の死を残虐に描いた作風や秀逸な伏線回収などが高く評価されました。コミックスの累計発行部数は1億1000万部を突破しており、アニメ化やゲーム化といったメディアミックスが展開されています。

シガンシナ区に住んでいた少年エレン・イェーガーは平穏な日常を送っていましたが、ある日超大型巨人が出現し壁が崩壊したことでその日常を失いました。侵入してきた巨人によって母親を捕食されてしまうと、エレンは全ての巨人を駆逐することを決意します。そうして3年の月日が経った時、その決意を本物にするためにエレンは友人と共に調査兵団の入団試験に臨むのでした。

進撃の巨人のストーリー序盤はエレンと巨人の戦いが描かれていましたが、物語が進行するとそこがパラディ島という島であることが判明し巨人や世界の歴史と深い関係を持っていることが明らかにされました。この事実によって進撃の巨人に描かれている地図が読者の間で重要視されるようになりました。ここでは進撃の巨人における地図についてまとめていきます。

エレンたちが生活していた壁を築いた世界はパラディ島と呼び、海を越えた先に広がる世界、通称壁の外の世界はマーレ大陸と呼びます。エレンたちが壁の外側に人類がいるかどうか疑問に思う描写がありましたが、実際に壁の外にはマーレ大陸に生活している人類が存在していたことになります。

マーレ大陸では巨人化能力を与えたマーレ人をパラディ島に送り込み、始祖の巨人の力を手に入れようとしていました。これによってパラディ島の人類たちは巨人の脅威に晒されることになり、巨人から身を守るために巨大な城壁を3つ築き上げました。

ウォール・シーナは3つの壁の中で最も内側に築かれた壁です。半径250kmに及ぶ大きさで城内の街を囲っており、王都から1番近い壁でもあります。名称の元ネタはユミルの三女・シーナから来ています。

ウォール・ローゼは3つの壁の中で真ん中の位置に築かれた壁です。半径380kmで囲われており、獣の巨人がウトガルド城を襲撃した際に登った壁として知られています。また、ベルトルトとライナーがエレンの前で真の姿を現した場所でもあります。名称の元ネタはユミルの次女・ローゼから来ています。

ウォール・マリアは3つの壁の中で最も外側に築かれた壁です。半径480kmの大きさで囲われており、本編の第1話にて超大型巨人によって崩壊した壁でもあります。18巻ではウォール・マリア奪還作戦が始まり、戦いの舞台として描かれました。名称の元ネタはユミルの長女・マリアから来ています

進撃の巨人に描かれている地図には全滅地区や複雑な地形が記されており、それらの存在や概念がストーリーの謎に繋がる場面がありました。ここでは進撃の巨人における地図の全滅地区や複雑な地形の背景に関する謎について考察していきます。

巨人によって全滅させられた地区は地図上に書き残されています。作中では1度トロスト区が全滅地区になり、奪還作戦を説明する背景に地図が描かれました。作中では描かれませんでしたが、シガンシナ区なども地図に残されていたと考えられます。

地図に描かれているマーレ大陸には凸凹とした複雑な地形が各所に描かれています。この複雑な地形には人類が生活する街が築かれていますが、凸の部分は巨人の囮として機能させており、巨人の特性を利用することで警備を効率化させています。

パラディ島の大きさは3つの壁の大きさからある程度割り出すことができます。3つある壁の全長は合わせて6972kmあり、領土は73万773平方kmあります。日本の場合、全長約3000kmと領土が約37万8000平方kmであるため、パラディ島は日本の倍ほどの面積であることになります。

3つの壁は145代フリッツ王が築き上げましたが、その目的は巨人の襲撃から人類を守るだけではなくマーレ国からの攻撃や侵略及び、パラディ島に住む人類にマーレ大陸の秘密を知られないため、更に物語の後半では他の国がパラディ島に侵攻した場合、世界を滅亡させる地鳴らしを発動させるという脅しのために築いたことが判明しました。

単行本のカバー裏には地図や文字が常に記されています。ここに記されている文字はユミル文字というもので、ユミル文字は180度回転させることで読めるようになります。実際にユミル文字を解読すると人類が新天地に向かった理由と、壁の中で世界を新しく作り直そうとする思想が描かれています。背景の地図は移動していった経緯が描かれていると考えられていますが、真実は定かではありません。

マーレ大陸のモデルはアフリカ大陸で、実在するアフリカ大陸の地図を反転させるとマーレ大陸の形と一致します。また、パラディ島のモデルはマダガスカルであり、こちらも反転させることでパラディ島の形と一致します。なお、パラディ島の設定はマダガスカル計画をモデルにしており、2つの国の関係性はナチスドイツが行った史実をモデルにしています。

パラディ島に築かれた壁の内側では街が形成されており、地区ごとによって構築されている施設や役割などが異なります。地区や施設ごとの特徴は本編にあまり描かれなかった部分でもあり、複雑に感じている人も多いことでしょう。ここでは進撃の巨人における壁の中の地区や施設についてまとめていきます。

ウォール・マリアの内側にはエレンたちが暮らしていたシガンシナ区を始め、本編ではあまり描かれなかったクィンタ区の存在が明かされています。2つの地区以外にも放棄された全滅地区や巨大樹の森が点在しており、それぞれ人類と巨人たちの戦いの舞台として描かれました。

シガンシナ区はウォール・マリアの南に位置する地区です。この地区は円形に囲われたウォール・マリアから飛び出すように構築されており、巨人の注意を引く囮の役割を担っています。エレン宅の地下室にはグリシャ・イェーガーが隠した世界の真実を記した手記が隠されており、ウォール・マリア最終奪還作戦にてエレンがそこに辿り着くことになります。

クィンタ区はウォール・マリアの西に位置する地区です。シガンシナ区同様、巨人たちをおびき寄せる突出区として機能しており、スピンオフ小説『隔絶都市の女王』におけるメイン舞台として描かれました。

ウォール・ローゼの内側にはトロスト区やウトガルド城が点在しており、ウォール・マリア陥落後は難民受け入れを巡って小競り合いが勃発するようになりました。物語の中盤における主要な戦場とも言えます。

トロスト区はウォール・ローゼの南に位置する地区です。超大型巨人の出現によって壁が崩壊し1度は全滅の危機に瀕しましたが、巨人化したエレンを利用した作戦によって崩壊部分に岩を置いて蓋をすることに成功しました。また、王政編ではリーブス商会が登場し王政打倒のための重要な役割を担いました。

ダウパー村はウォール・ローゼの南に位置する山奥の村です。サシャ・ブラウスの出身地であり狩猟を生業にする少数民族が生活しています。ウォール・マリアが陥落した後、難民が大勢流入したことによって森が都市開発されダウパー村の人々に悪影響を及ぼしました。

カラネス区はウォール・ローゼの東に位置する地区です。巨人を引き付ける囮の突出区であり、トロスト区の壁が岩で塞がれてからは調査兵団による壁外調査の出発地点として利用されました。

クロルバ区はウォール・ローゼの西に位置する地区です。巨人を引き付ける囮の突出区とされていますが、作中では詳細な内容がほとんど描かれておらず名前と突出区以外に情報がありません。なお、単行本刊行前は『ネドレイ区』と記されており、名称が変更された理由は不明です。

ラガコ村はウォール・ローゼの南に位置する村です。コニー・スプリンガーの出身地として知られています。突如ラガコ村に無垢の巨人が大量に出没した際にウォール・ローゼが崩壊してしまったと思われていましたが、調査の結果、獣の巨人が襲撃したことで脊髄液入りのガスが散布され住人全員が無垢の巨人に変えられていたことが判明しました。

ウトガルド城はウォール・ローゼの南に位置する古城です。城の状態は既に崩壊気味であり、ならず者の根城として使われていたとされています。作中では調査兵団の野営地として利用されていましたが、獣の巨人が奇行種を引き連れて夜襲を仕掛けた際に104期生以外の調査兵団が全滅するという悲劇が起きました。

ユトピア区はウォール・ローゼの北に位置する地区です。作中でユトピア区が直接描かれた場面はなく、アルミンの口からアニがユトピア区で拷問を受けていると発言したことで存在が明らかにされました。

ウォール・シーナはパラディ島における中心地であり、王都や最も安全な地区を意味する『内地』に配属されようと憲兵団を目指している人物が多くいます。また、最も安全な地点でもあることから巨人を見たことがない、或いは脅威に感じていない人が多く存在しており、随所で巨人を見て驚愕する住民の様子が描かれています。

ストヘス区はウォール・シーナの東に位置する地区です。作中では最も安全な場所と言われていましたが、女型の巨人の侵入を許してしまい奇しくも決戦の舞台となりました。また、女型の巨人との戦いによって壁の中に巨人が埋まっているという真実が明らかにされました。

ヤルケル区はウォール・シーナの西に位置する地区です。単行本9巻の35話にて名前と西の方角にあることが明かされました。都市の情勢や出身である登場人物は明かされておらず、突出区であることのみが描かれています。

エルミハ区はウォール・シーナの南に位置する地区です。壁を神として崇拝するウォール教のニック司祭がヒストリアの権利を訴えた場所とされています。また、ウォール・ローゼが崩壊した際にエレンたちがトロスト区に向かうまでにエルミハ区を経由しました。

オルブド区はウォール・シーナの北に位置する地区です。オルブド区の外壁にてロッド・レイスが巨人化した際に戦いの舞台となり、ヒストリア・レイスがトドメを刺したことで住民が彼女を支持するようになりました。戦いの後、ヒストリアはオルブド区の女王となっています。

北部レイス家領はヒストリア・レイスの出身地です。作中では領土内にある礼拝堂が襲撃を受けて全壊しかけたと描かれていましたが、その礼拝堂の地下には巨人によって作り上げられた地下があり、始祖の巨人継承の場として利用されていたという事実が隠されています。また、5年後に始祖の巨人を奪おうとしたロッド・レイスによってエレンが捕食されかけた場所でもあり、地下空間にある発光石が壁内工業を発展させました。

王都ミットラスは壁内の王が君臨するパラディ島の中心地です。作中序盤ではフリッツ王が玉座に座っていましたが、政治の実権は地方貴族のレイス家が握っており、そのことが発覚すると偽りの王だったフリッツ王を引きずり下ろすためのクーデターが発生しました。クーデター後はヒストリアが女王として即位しました。なお、リヴァイは王都の地下に広がるスラム街の出身です。

これまで進撃の巨人世界におけるマーレ大陸とパラディ島の地図についてまとめてきましたが、複雑な内容ながら大きな伏線が張られていた地図の存在についてファンはどのように思っているのでしょうか。ここでは進撃の巨人ファンが思う進撃の巨人の地図や世界観について、SNS上に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。

ネット上では、マーレ大陸とパラディ島のモデルがアフリカ大陸とマダガスカルであることを知ったことに驚くコメントが多く寄せられていました。大陸の形だけでなく大陸の設定やストーリーもモデルが存在していると、その事実に更に鳥肌が立ったというコメントなどがありました。本編を読んだ後にモデルの存在を知り、そのモデルと共通する部分を見つけた時は感動してしまうことでしょう。

一部のファンからは地図の詳細が分からずストーリーを理解できなかったという意見が寄せられていました。進撃の巨人においてマーレ大陸とパラディ島の存在は巨人の謎や歴史にまつわる重要な要素が絡んでいますが、あまりに複雑な内容であるため理解できない人もいたようです。

複雑な世界観や緻密に練られた伏線が評価されていることを受けて、進撃の巨人世界の全容を記した公式ファンブックを出してほしいという意見が散見されました。進撃の巨人ファンの間では伏線や謎を考察することが醍醐味とされているため、全ての内容を記したファンブックなどは需要がありそうです。

進撃の巨人に描かれている地図には様々な秘密が隠されており、何気ないような複雑な地形などにも深い意味が含まれていました。伏線回収やモデルが明かされる度に、それまでの描写がいかに綿密に描かれていたのかが分かっていき、本作にのめり込んでいったという人は多くいたことでしょう。