【もののけ姫】サンのキャラ設定を徹底考察!アシタカとの関係や魅力も紹介
大ヒット作『もののけ姫』には、サンという謎に包まれた少女が登場します。この記事では、もう一人の主人公とも呼べるサンのキャラ設定を徹底考察します。また、『もののけ姫』の主人公アシタカとの関係や魅力についてもあわせて紹介していきます。
目次
【もののけ姫】サンとは?
『もののけ姫』は、ジブリ作品の中でも人気が高く、多くのファンがいる作品です。『もののけ姫』に登場する、山犬と共に暮らす少女サンとは、どのような人物なのでしょうか。まずはサンのプロフィールや作品の概要、あらすじを紹介します。
サンのプロフィール
サンは、作品のタイトルともなっている、人間たちから『もののけ姫』と呼ばれる15歳の少女です。赤子の時に人間に捨てられ、山犬であるモロの君に山犬と共に育てられます。ショートカットヘア、額と頬に赤い逆三角形の入れ墨が入っており、耳には大きな耳飾り、白い毛皮を纏っています。自然を破壊する人間相手に、山犬の一族として戦う少女です。
もののけ姫の概要
『もののけ姫』は1997年にスタジオジブリ制作、宮崎駿が監督を務めたアニメーション映画作品です。映画公開時のキャッチコピーは「生きろ。」です。興行収入193億を記録し、当時の日本映画歴代興行収入第1位を獲得する大ヒット作となりました。「第21回日本アカデミー賞」の優秀作品賞など数々の賞を受賞しています。日本での人気はもちろんのこと、海外でも高く評価された作品です。
もののけ姫のあらすじ
物語の舞台は中世の日本です。主人公のアシタカは、エミシの村に住む少年でした。ある日、タタリ神となった巨大な猪が村を襲います。アシタカはタタリ神をなんとか倒しますが、腕に呪いを受けてしまいます。そのタタリ神は、体の中に鉛の塊を撃ち込まれていました。アシタカは自身が受けた呪いを解くため、タタリ神がいたであろう地へと旅立つこととなります。
【もののけ姫】サンのキャラ設定
『もののけ姫』のサンは、登場するキャラの中でも特殊な境遇と立ち位置が設定されているキャラです。人間でありながら山犬や他の動物たちと共に生活し、森を守り、森と共に死ぬ覚悟のサンのキャラ設定について紹介します。
サンの仮面の意味
サンは、戦闘時には赤い仮面を装着します。その仮面は、目と口の位置が丸く空いた赤い仮面です。宮崎駿監督はこの仮面のことを土面と呼んでいます。土面は縄文時代の遺跡から多く発掘された物で、縄文人を象徴するものとして作中に登場したと考えられています。サンがこの土面をかぶることで自然と共に生きていた縄文人になり、自然を破壊する人間たちを否定するという意味が込められていると考えられています。
サンのタトゥーの意味
サンは、額と頬に刺青を入れています。この刺青については『ロマンアルバム』にて「決して流さぬ涙の代わりかも知れない」と語られています。サンの刺青は山犬の血でできているそうです。サンは山犬の一族であることの証と、刺青を入れることで人間とは決別しているという意味を表現しているとされています。また、サンの刺青については、アイヌの女性たちが刺青を入れる習慣を取り入れたとも言われています。
サンの名前の由来
サンという名前は、宮崎駿監督作の絵本『もののけ姫』に登場する「三の姫」が由来とされています。映画『もののけ姫』と内容は異なりますが、映画『もののけ姫』の初期設定版と言われている作品です。1993年に出版されたこの作品では、一匹のもののけと姫との愛の物語が描かれています。その姫が「三の姫」と呼ばれており、「三の姫」から「サン」となったようです。
サンの母親はエボシ御前だった?
実はサンの母親はエボシ御前だったという説が囁かれています。サンは、人間が森を侵し、それに怒ったモロの牙から逃れるために生贄として奉げられた少女です。エボシ御前はタタラ場を建設するため、森を切り崩しています。その建設途中でモロから逃げる際に、サンを生贄として奉げた可能性があると考えられています。また、サンがタタラ場を襲った際、手加減して戦っているように見えることも、娘だと気付いているから殺さないようにしたのではと考えられています。
サンの子孫は千と千尋の神隠しの主人公?
ジブリ作品『千と千尋の神隠し』の主人公の千尋が実は、『もののけ姫』のサンの子孫であるという説が浮上しています。『千と千尋の神隠し』『もののけ姫』はどちらも「日本書紀」「古事記」などを参考にしているという点で共通しています。また、千尋は湯婆婆に名前を書かされた際、自分の名前の「萩」という字の「火」を「犬」と書き間違えています。これは「山犬神」と関係の深いサンとの関係を示唆しているのでは、と考えられています。
【もののけ姫】サンとアシタカの関係やその後
『もののけ姫』の作中で、サンはアシタカと出会います。始めは人間であるアシタカを毛嫌いしていましたが、物語が進むにつれ、2人の関係性は変化していきます。ここからは、サンとアシタカの関係やその後について紹介します。
アシタカのプロフィール
アシタカは、北の地に住むエミシ一族の青年です。年齢は17歳で、いずれはエミシ一族の長となるよう育てられました。端正な顔つきをしており、タタラ場の女性からも「いい男」と言われています。無口で冷静沈着であり、その正義感の強さから村を救うため、タタリ神の呪いを右腕に受けてしまいます。アカシシのヤックルに乗っており、固い絆で結ばれています。弓の名手でもあります。右腕に受けた呪いを解く旅の道中でサン、山犬と出会います。
サンとアシタカの関係
サンがタタラ場を攻めた際、アシタカがサンとエボシ御前の間に入り、サンを連れてタタラ場を出ます。ひどい傷を負ったアシタカをシシ神様が生かしたことで、サンはアシタカを認め、看病します。2人は洞窟で体の関係を持ったと考える人もいますが、公式には明言されていません。2人でシシ神の首を返し、最後2人はお互いの気持ちを知確かめ合いますが、共に暮らすことはできないと、サンはアシタカに別れを告げ、サンは森で、アシタカはタタラ場で暮らすこととなります。
サンとアシタカのその後
サンとアシタカはお互い惹かれあっているものの、別々に暮らすと決断することで物語は終わります。サンとアシタカはその後、結婚したと言われています。『もののけ姫』の絵コンテに、最後2人が話すシーンで、映画ではセリフにはなっていない部分で、アシタカがサンにプロポーズをしていたことが描かれているのです。2人は結婚し、アシタカがサンと人間の仲介役をしていたのではないかと考えられています。
【もののけ姫】サンの魅力やセリフ
サンは物語のヒロインとあって、魅力に溢れており、ジブリ作品のファンからも人気を集めるキャラです。そんなサンの魅力とはどのようなところなのでしょうか。ここからは『もののけ姫』のサンの魅力や印象的なセリフについて紹介します。
サンの魅力
サンは一貫して自分を捨て、自然を破壊する人間を憎んでいます。しかし、時折アシタカや家族にしか見せない素顔もあります。自然と動物たちを守るため、人間と戦う時は勇ましくカッコいいサンが、時折見せる人間らしい部分を魅力に感じる人も多いようです。ここではサンの魅力2つを紹介します。
魅力①山犬に育てられた
サンの魅力1つ目は、山犬に育てられたという点です。人間がわが身を守るため、モロへ差し出した赤子がサンでした。サンは赤子の時から山犬と共に生活し、山犬の一族として生きてきました。山犬としての誇りと気高さを持つ少女です。しかし人間であるという部分を完全に消すことはできず、山犬にも人間にもなりきれないという苦しみをかかえています。強くかっこいい部分と少女の儚さを持ち合わせているキャラです。
魅力②優しいところもある
サンの魅力2つ目は、「優しいところもある」です。サンは人間を憎んでおり、人間に歩み寄ることは一切ありません。しかし、アシタカに対しては、口移しで肉を食べさせたり、破れた服を修復してあげるなど、優しい一面も見せています。サンが服を縫うシーンは描かれていませんが、サンとアシタカが洞窟で夜を過ごした後のシーンで服の穴が塞がっている為、サンがこっそり縫い合わせたと考えられています。
サンの名セリフ
『もののけ姫』にはたくさんの心に響く名セリフが登場します。サンも印象的なセリフをいくつか残しており、作品を盛り上げています。ここではその中でも特に印象に残るサンの名セリフを2つ紹介します。
サンの名セリフ①「アシタカは好きだ…」
アシタカは好きだ。でも、人間を許すことはできない
出典: mangakawiki.com
このセリフは物語の終盤、サンとアシタカでシシ神様に首を返し、森も元通りになり、アシタカの腕の呪いも消え去った後、サンとアシタカが2人で話すシーンで登場した名セリフです。このセリフに対し、アシタカは「それでいい。俺はタタラ場で暮らす」と答えています。サンのこのセリフには、アシタカが好きでもこれから人間と一緒に、何もなかったように暮らすことはできないという強い想いが込められているセリフです。
サンの名セリフ②「好きなところへ…」
好きなところへ行き、好きに生きな
出典: animebolg.com
この名セリフは、サンがアシタカをシシ神の森で介抱しているシーンで、ヤックルに向けて発したセリフです。ヤックルは瀕死の重傷を負ったアシタカを常に傍で見守っていました。そんなヤックルの姿を見たサンは、ヤックルにつけられた頭絡を外しながら、このセリフを発します。人の為に生きるのではなく、動物らしく自由に生きなさいという想いが込められているセリフです。
【もののけ姫】サンの声優
ジブリ作品では主要キャラを、声優を主軸にしている人ではなく、俳優や女優が担当するケースが多く見受けられます。『もののけ姫』でも声優を専用としているキャストではなく、俳優や女優を多く起用しています。ここからは『もののけ姫』のヒロイン、サンを演じた声優について紹介します。
サンの声優は「石田ゆり子」
サンの声優は、女優として活躍する石田ゆり子さんです。石田ゆり子さんは実はサンの声の他にも、アシタカの故郷であるエミシー族で、アシタカの許嫁だったカヤの声も担当しています。『もののけ姫』のアフレコ時は27歳だったそうです。石田ゆり子さんは『もののけ姫』以外にもジブリ作品に声優として参加した経験を持っています。
石田ゆり子のプロフィール
石田ゆり子さんは1969年生まれ、東京都出身の女優です。高校1年生の時に、スカウトされ、モデルとして芸能界入りします。1988年にドラマへ出演し、女優としての活動をスタートさせると、数々の作品に出演を続け、現在も第一線で活躍しています。2018年には、発表したフォト&エッセイ集が「オリコン年間本ランキング2018」の「写真集」部門で売上3位にランクインするなど、絶大な支持を集める人気女優です。
石田ゆり子の主な出演作品
石田ゆり子さんの主な出演作品は『逃げるは恥だが役に立つ』です。この作品はTBS系列で2016年に放送されたドラマ作品です。海野つなみさんによる漫画を原作としています。高い視聴率を記録し、「逃げ恥」として人気を集めた作品です。この作品で石田ゆり子さんは、主人公森山みくりの伯母である、土屋百合役を務めています。姪を溺愛するキャリアウーマンを演じています。
【もののけ姫】サンに対する世間での評判や人気
『もののけ姫』のファンの中には、サンが被っていた仮面が欲しかったという感想をあげているファンが多くいました。サンの被っていた仮面は独特の雰囲気があり、多くの人を魅了したようです。サンが仮面を装着している時は戦闘時が多いので、仮面をつけて戦うサンがかっこいいという声もありました。
ジブリ作品に登場する女性キャラの中でも『もののけ姫』のサンが一番好き、という声が多くありました。ジブリ作品には魅力的な女性キャラが多く登場しますが、その中でも強くてかっこいい、そして時に可愛いサンは人気を集めているようです。
『もののけ姫』のサンに憧れているという声も多くありました。中には、サンになりたくてコスプレを始めたというファンもいました。また、サンが山犬の兄弟に乗って走る姿にとても憧れ、自分も山犬に乗って颯爽と走ってみたい、という願望もあがっていました。
【もののけ姫】サンは山犬に育てられたヒロインだった
『もののけ姫』のサンは、ジブリ作品のヒロインの中でもかなり特殊な境遇で、山犬に育てられた設定のヒロインです。人間と自然の間に立ちながらも必死に生きる姿はたくさんの人の心に響いたようです。既に作品を観た人も、改めてサンのキャラ設定を知った上で観てみてはいかがでしょうか。
この記事のライター
yonekao
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