【もののけ姫】エボシが持つ壮絶な過去とは?たたら場についても解説
『もののけ姫』に登場するエボシは、壮絶な過去を抱えながらも人々がより良い暮らしができるようにするために努力し続けていた人物です。本記事では、『もののけ姫』で描かれていた内容を基に、エボシの人間性や過去の他に、エボシが指揮するたたら場についてまとめました。
目次
【もののけ姫】エボシとは?
『もののけ姫』には生存を果たした主要キャラクター以外にも、エボシ御前と呼ばれる重要な立ち位置に属するキャラクターが登場します。エボシ御前の活躍や演じていた声優について触れる前に、まずは簡単なプロフィールや『もののけ姫』の概要について簡単に振り返ってみましょう。
エボシのプロフィール
- 名前:エボシ御前
- 性別:女性
- 役職:工房集落「たたら場」指導者
『もののけ姫』に登場するエボシは、故郷を後にしたアシタカが作中で訪れた工房集落たたら場の指導者です。人々が平等で平和に暮らせる社会を目指し続けている人物で、そのために森の開拓を計画していました。そのため、森に住むサンや犬神たちと対立しています。
もののけ姫の概要
『もののけ姫』は、1997年にスタジオジブリから発表された劇場版アニメ作品で、監督・脚本は宮崎駿さんが務めています。映画のキャッチコピーは「生きろ」という非常にシンプルなもので、興行収入は193億円を記録しました。この記録は当時『E.T.』が保持していた記録を大幅に更新し、当時の日本歴代興行収入記録で1位になっています。
もののけ姫のあらすじ
中世の日本に存在していたエミシの村に住んでいた少年のアシタカは、ある日村を襲撃したタタリ神を退治します。その代償として、右腕にタタリ神の呪いを受けたアシタカは村を追放されました。その道中で多くの出会いを繰り返し、傷ついた山犬と1人の少女と出会います。この出会いをきっかけに、アシタカは自分自身に呪いをかけたタタリ神との因縁に決着をつけるための運命が動き始めました。
【もののけ姫】エボシの過去やたたら場を考察
『もののけ姫』に登場するエボシは、女性だけが働く工房集落たたら場の指導者であり、人々のために世の中を変えようと奮起している人物です。ここでは、エボシの過去やたたら場を率いる理由、それぞれのキャラクターとの関係性について詳しくチェックしてみましょう。
エボシの過去や生い立ち
立場の弱い者を気遣い、平等な世の中を願い続けるエボシですが、エボシもかつて本編では描ききれないほどの壮絶な過去を背負っていました。立場の弱い女性を保護するたたら場の指揮を取るエボシ自身もかつて海外に身を売られ、中国の倭寇を指揮する頭目の妻になっています。しかし、エボシはその立場を受け入れることなく頭目を殺害した上で財産と技術を強奪した上で日本へ帰還しました。その後、自分のように立場が弱い女性を保護するための場所を作り上げています。
エボシが統括するたたら場とは?
たたら場とは、かつて自分自身も身売りされた過去を持つエボシが立場の弱い女性を守るために作り上げた工房集落です。主に砂鉄から鉄を取り出すための作業所で、現代の製鉄所のような場所です。『もののけ姫』の主人公でもあるアシタカは、自身にかけられた呪いを解くためのヒントを得るための旅の途中、このたたら場へ行きつきました。
エボシと他のキャラの関係
エボシは、『もののけ姫』内にて多くのキャラクターとさまざまな関係を築きました。ここでは、実際に『もののけ姫』内で描かれていた内容を基に、エボシと他のキャラクターとの関係性について詳しくチェックしてみましょう。
エボシとたたら場の人たちの関係
たたら場で働く女性は、いずれも身売りされていた女性や病人のような社会的に立場の弱い人々です。そのような女性を保護し、積極的に力や職を与えて続けていました。たたら場で働く人々も、エボシに対して心から感謝している人々ばかりで、立場の弱い女性を救う救世主のような存在として描かれています。
エボシとサンの関係
たたら場を指揮するエボシは、『もののけ姫』のヒロインとして登場したサンの敵として描かれています。山神の元で育ったサンは大自然を守ろうとするのに対し、エボシは立場の弱い女性たちがより良い生活ができるように森の開拓を進めようとしました。お互いに譲れない考え方があるからこそ、作中では敵対する関係性として描かれています。
エボシとアシタカの関係
『もののけ姫』の主人公でもあるアシタカは、自身が受けた呪いの影響で育った村を出ることになり、旅の末にたたら場へ行きつきました。そこでエボシとサンが敵対する様子を見た上で、共存する術が無いものかと述べています。お互いの考えを受け入れることないエボシとサンの関係性とは違い、争うことなく平和に共存できる未来を望む関係を望み続けていました。
エボシのモデル
『もののけ姫』に登場するエボシには、モデルとなった人物が存在することが宮崎駿監督の手がけた著書『折り返し点』内で明かしています。エボシのモデルは立烏帽子(たてえぼし)といい、鈴鹿御前という名前でも有名な人物です。伝説上に存在する天女ともいわれている立烏帽子は、鈴鹿山に住む女盗賊と同一視されています。その立烏帽子がモデルとなり、エボシも壮絶な過去から脱却した女性として描かれることになりました。またエボシ御前の名前は、宮崎監督の所有する別荘の名前「烏帽子」からちなんでいます。
エボシが生存しない設定があった?
『もののけ姫』内で片腕を失いながらも生存を果たしたエボシでしたが、本当は生存しない設定もあったことが明かされています。『もののけ姫』の制作に携わった鈴木敏夫プロデューサーがインタビューにてエボシが死亡する設定を考えていたことが明かされました。しかし、宮崎駿監督はそれを受け入れることなく、生存する代わりに現在のシナリオに置き換えられたことを明かしています。
【もののけ姫】エボシの名セリフ
『もののけ姫』に登場するエボシは最後まで生存を果たしたキャラクターの1人ですが、その道中でも印象的な名セリフを多数残しています。ここでは『もののけ姫』内で実際に描かれていた内容を基に、エボシが残した名セリフについて詳しくチェックしてみましょう。
エボシの名セリフ①「皆よく見とどけよ…」
皆よく見とどけよ! 神殺しがいかなるものなのか
出典: ciatr.jp
シシ神を討伐するために、ジコ坊とともに神の森へ立ち向かいました。同行した者たちは神を討伐することに躊躇していましたが、エボシだけは石火矢を持って勇敢に立ち向かい、実際にシシ神に向かって石火矢を放っています。神や迷信に囚われて進展を恐れ続ける人々のために、自身が立ち向かうことで新たな一歩を踏み出そうとする勇敢なセリフです。
エボシの名セリフ②「さかしらにわずかな…」
さかしらにわずかな不運を見せびらかすな
出典: ghiblog.com
たたら場を襲撃したサンに対して、アシタカは正論を述べて宥めようとします。それに対してエボシは、アシタカに対して嫌悪感を感じたかのようなセリフを放ちました。エボシ自身も壮絶な過去を抱え続けながらも前に進み続けてきたからこそ、相反する考え方に対して異論を述べるかのような態度を示しています。一見すると冷たい印象ですが、エボシの持つ力強い考え方が現れたセリフです。
エボシの名セリフ③「みんなはじめから…」
みんな、はじめからやり直しだ。ここをいい村にしよう
出典: ciatr.jp
シシ神の討伐に成功しながらも、自身もモロからの復讐で片腕を失う重傷を負ってしまいます。ギリギリで生存を果たしたエボシは決死の思いでゴンザと共にたたら場へ帰還しましたが、そこには首を失ったシシ神の黒い液体の影響で変わり果てた姿へ変貌していました。そのような状況を前にしながらも、エボシはたたら場で働いていた人々を前に優しく仕切り直しを告げています。世の中を変えるために、人々の上に立つエボシの優しさや強さを感じた名セリフです。
【もののけ姫】エボシの声優
ここでは『もののけ姫』に登場するエボシを演じている声優について、プロフィールや経歴、過去の出演作品の情報を交えながら詳しくチェックしてみましょう。
エボシの声優は「田中裕子」
『もののけ姫』でたたら場の責任者を務めるエボシを演じているのは、女優の田中裕子さんです。田中裕子さんは1979年から活動している女優で、数多くの映画やテレビドラマに出演した経歴を持ちます。また、歌手としての活動歴もあり、『ザ・ベストテン』では司会の黒柳徹子さんの代役を務めたこともありました。また、声優として他のジブリ作品に出演した経歴なども持ちます。
田中裕子のプロフィール
- 名前:田中 裕子(たなか ゆうこ)
- 性別:女性
- 生年月日:1955年4月29日
- 出身地:大阪府池田市
- 職業:女優、声優
- 配偶者:沢田研二
- 所属劇団:文学座
- 所属事務所:アニマ出版
- デビュー年:1979年
田中裕子の主な出演作品
- おしん:田倉しん役
- 飛ぶが如く:西郷いと役
- 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜:中川栄子役
- Mother:望月葉菜役
- ゲド戦記:クモ役
【もののけ姫】エボシに対する世間での評判や人気
ここで『もののけ姫』に登場するエボシに対する世間での評判や人気について詳しくチェックしてみましょう。
『もののけ姫』を実際に視聴したファンからは、エボシの立ち振る舞いに好感を抱くという声があがっていました。エボシはサン達とは敵対する仲でありながらも、たたら場で働く人々のために努力し続けています。こういった真摯な姿が多くのファンに好印象を与える結果となりました。
エボシの声が好きで『もののけ姫』を視聴するというファンの声も見受けられました。演じている声優の声が良いことに加え、他の名作にも出演経歴をもつ田中裕子さんがエボシを演じています。元々のキャラクター性も良いことから、エボシは『もののけ姫』内でも高い人気を確立することになりました。
『もののけ姫』の世界観の複雑さや、差別意識に対して立ち向かい続けるエボシの姿に感銘を受けたというファンの声も見受けられました。『もののけ姫』内では世の中の不条理を表現したシーンが多く見受けられます。その中でも自分のやり方で世の中を良いものにしようとするエボシの姿は、ファンの間に好印象を与えていました。
【もののけ姫】エボシには壮絶な過去があった
『もののけ姫』に登場するエボシは、壮絶な過去を抱えながらも人々のために奮起し続け、多くのものを失いながらも生存を果たしたキャラクターだということがわかりました。このように『もののけ姫』には、それぞれの正義を掲げた魅力的なキャラクターが登場します。今後ジブリ作品を見返す際は、それぞれのキャラクターが抱えた過去や思い、そしてそれらを表現する声優の演技に注目しながら作品を楽しんでみましょう。
この記事のライター
桜井紅茶
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