【耳をすませば】原作と映画の違いまとめ!漫画版の魅力やあらすじを紹介
アニメ映画の「耳をすませば」は非常に高い知名度を誇る作品ですが、実は過去に連載されていた漫画を原作にしています。「耳をすませば」について、原作の漫画と映画の違いや、最新作として公開された実写映画版の内容について、それぞれ詳しく見ていきます。
目次
【耳をすませば】とは?
「耳をすませば」は読書が好きな女子中学生が、偶然出会った同級生の男子と紡ぎ出す恋愛模様を描いた作品です。その高い人気からアニメ映画化もされている作品で、多くのファンを獲得しています。まずは高い知名度を誇る「耳をすませば」のアニメ映画について詳しく見ていきます。
耳をすませばのジブリ映画の概要
「耳をすませば」は1995年にアニメ映画が公開されています。映画版を手掛けたのは日本の有名なアニメーション制作会社・スタジオジブリで、1989年に連載されていた原作漫画に様々な脚色を加え、新たな物語を描いています。興行収入は約31億円となっており、いまもなお多くのファンを獲得しているアニメ映画となっています。
耳をすませばのジブリ映画の監督
スタジオジブリのアニメ作品のほとんどは、スタジオジブリ取締役でもある宮崎駿さんが監督を務めていましたが、「耳をすませば」ではスタジオジブリで長らくキャラクターデザインや作画監督を手掛けてきた近藤喜文さんが監督に抜擢されました。近藤喜文さんは本作を発表後の1998年に亡くなったため、本作が最初にして最後の監督作品となりました。
耳をすませばのジブリ映画のあらすじ
主人公・月島雫は読書が大好きな中学3年生で、父親が勤める図書館で本を借りるのが日課となっていました。ある日、雫は自分が借りようとする本の図書カードに、必ず「天沢聖司」の名前が記されていることに気付きます。ひょんなことから聖司と出会い、当初は張り合うような態度を見せていた雫ですが、徐々に彼が抱く「夢」や魅力に惹きつけられ、自身も中学卒業後の進路について悩み、行動するようになっていきます。
【耳をすませば】原作と映画の違い
「耳をすませば」のアニメ映画は非常に高い評価を受けており、その魅力から多くのファンを獲得しています。実は「耳をすませば」は漫画作品を原作としており、原作の漫画と映画ではいくつか設定やあらすじに違いがあります。ここからは原作漫画と映画版の違いについて、それぞれ見ていきます。
原作と映画の違い①雫と聖司の年齢
「耳をすませば」の主要人物として活躍する雫と聖司ですが、アニメ版では二人は中学3年生として自分達の進路について悩むシーンが度々描かれていました。しかし、原作の漫画版では中学1年生という設定になっています。これに伴いかなりあらすじも手を加えられていますが、これは2時間程の映画にキャラクター達の葛藤をより多く詰め込みたいという、制作陣の意向でした。
原作と映画の違い②聖司の兄の存在
「耳をすませば」で雫の恋の相手として登場する聖司ですが、彼の家系について触れられる場面はあまり出てきません。漫画版では彼の兄である「天沢航司」が登場しており、雫の姉と交際しているという意外な繋がりがあります。原作では雫達の恋路にも深く関わってくる存在として描かれますが、一方でアニメ映画版では登場シーンや存在自体がカットされてしまいました。
原作と映画の違い③ムーンとルナという二匹の黒猫
「耳をすませば」の中にはムーンとルナという二匹の猫が登場しますが、この猫達についても原作とは大きな変更点があります。どこか太々しい猫として描かれている二匹ですが、原作ではどちらも黒猫となっており、そのビジュアルにはかなり大きく手が加えられています。この猫は後にジブリ映画「猫の恩返し」にも登場したりと、ジブリ作品とは深い繋がりを持つキャラクターとなっていきます。
原作と映画の違い④聖司の夢
「耳をすませば」では聖司の「夢」に大きく焦点が当てられ、雫が動き出すきっかけにもなっていました。アニメ映画版では聖司は「ヴァイオリン職人」を目指し自身の進路を考えていましたが、原作である漫画版では「画家」を夢見る少年として描かれています。このため物語のあらすじも原作と映画では大きく変化しており、それぞれで異なった物語が描かれていきます。
原作と映画の違い⑤カントリーロード
アニメ映画版の「耳をすませば」では雫が作詞した「カントリーロード」がテーマソングとして有名になっています。しかし、原作の漫画版ではこの「カントリーロード」自体が登場しておらず、映画版のオリジナル曲となっています。本作ではプロデューサーとして活躍した宮崎駿さんが「故郷」というキーワードに関連し物語を発展させた結果、「カントリーロード」の曲を中心に登場人物達を動かすよう、あらすじを作り上げていきました。
【耳をすませば】原作の漫画版の魅力やあらすじ
「耳をすませば」は漫画版を原作としており、あらすじやキャラクターの設定など様々な相違点がみられました。ここからは漫画版の「耳をすませば」について、改めてあらすじや設定だけでなく、漫画版ならではの魅力についても見ていきます。
耳をすませばの原作者
原作である漫画版「耳をすませば」を手掛けたのは、漫画家の柊あおいさんです。柊あおいさんは同人誌作成などに携わりながら作家として活動し、1984年に「コバルト・ブルーのひとしずく」で漫画家デビューを果たしました。以降も「星の瞳のシルエット」や「銀色のハーモニー」といった数々の代表作を発表しており、「耳をすませば」のアニメ化をきっかけにスタジオジブリとも深い関係性を築き上げていきます。
耳をすませばの原作の漫画版のあらすじ
「耳をすませば」の原作漫画では、主人公・月島雫は中学1年生として描かれています。しかし、天沢聖司との出会いは映画版とほぼ同じで、図書カードに書かれた名をきっかけに彼の存在を知ります。聖司への思いを巡らす雫は、電車の車内で偶然出会った猫に惹きつけられ、気がつけば不思議な店・地球屋へと迷い込んでいきます。アニメ映画版同様、天沢聖司との出会いをきっかけに雫の「恋」が動き出していきます。
耳をすませばの原作の漫画版の魅力
「耳をすませば」の原作である漫画版は、中学生である雫が聖司との出会いによって「恋」に落ち、自身の進路や夢といった現実との狭間で葛藤をしていく姿を魅力的に描いています。誰しもに訪れる思春期の男女をラブストーリーの中で描きつつ、悩みながらも進んでいく不器用な姿に読者は強く惹きつけられていきます。映画版と原作ではあらすじも含め様々な点が変更されていますが、それぞれが魅力的な作品としてファンに愛されています。
【耳をすませば】その後を描く実写映画とは?
「耳をすませば」はアニメ映画版が公開されましたが、物語の「その後」を描く実写映画版も公開されています。大人として成長した雫や聖司が、それぞれの人生の中で辿りついた新たな悩みに立ち向かっていく姿が描かれています。ここからは実写映画版の「耳をすませば」について、作品の公開日やキャストなどを詳しく見ていきます。
耳をすませばの実写映画の公開日
「耳をすませば」の実写映画版は、2022年に公開されました。本作ではアニメ映画版で描かれた中学生時代を「あの頃」として再現しつつ、その10年後にあたる「今」を描いていく二重構成となっています。撮影には日本の神戸市が使われているほか、和歌山県のポルトヨーロッパなどがロケ地として使われています。
耳をすませばの実写映画はその後が描かれる?
「耳をすませば」の実写映画版では、中学校を卒業し大人となった雫と聖司の「その後」が描かれていきます。雫は中学卒業後も作家になるため努力を続けますがなかなかうまくいかず、人生の悩みを打破するためにイタリアにいる聖司の元へ赴きます。成長し時代が変わったからこそ立ちはだかる新たな「壁」を前に、大人となった雫と聖司は再び互いの葛藤をぶつけ合い、悩みながら進んでいきます。
耳をすませばの実写映画のキャスト
「耳をすませば」の実写版は10年後の雫と聖司を描いていますが、映画で彼女達を演じる俳優陣も実に豪華な顔ぶれが揃っています。雫役には清野菜名さん、聖司役には松坂桃李さんが起用され、大人になった二人を熱演しました。また、杉村竜也役に山田裕貴さん、原田夕子役を内田理央さんが演じており、雫達同様に大人となったかつての友人らが登場するのも、本作の大きな魅力の一つとなっています。
【耳をすませば】原作に対する世間での評判や人気
「耳をすませば」は原作とアニメ映画版ではあらすじなどにかなりの変更点が見られますが、一方でそれぞれの作品ごとに異なった魅力があり、各作品に込められた作り手の「色」に着目するファンもいるようです。アニメ映画版は原作とぴったり一致はしませんが、それぞれの設定だからこそ描くことのできる魅力に、読者や視聴者は惹きつけられています。
「耳をすませば」はジブリによるアニメ映画によって一気に有名になりましたが、一方で原作である漫画版も非常に魅力的で、映画公開前から原作を読んでいたファンも非常に多いようです。ジブリ映画には「耳をすませば」のように原作をベースに作られているものも多く、原作のファンはかつて見た物語がどのように映画化されるのかを興味深く見ているようです。
「耳をすませば」の原作漫画は連載途中で打ち切られており、アニメ映画版から原作を読んだファンはその経緯に驚いているようです。その上で映画版は原作のあらすじや流れをしっかりと汲んでおり、そこにジブリならではのオリジナリティを加味しているため、別物の作品でありながらそれぞれの魅力が際立つ結果となっています。
【耳をすませば】原作と映画には違いがあった
「耳をすませば」は原作の漫画、映画版とであらすじやキャラクターの設定など、様々な部分に違いがみられました。原作との相違点が多くみられる一方、映画版は漫画版のあらすじや流れをしっかりと受け継いでおり、物語の核となる魅力は決して損なわれていません。原作の漫画版、映画版の「耳をすませば」でそれぞれ表現されている魅力が、今もなお多くのファンを惹きつけ続けています。
この記事のライター
創也慎介
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。