【リコリコ】銃の種類を徹底考察！モデルの詳細や使い手についても紹介

「リコリコ」とは、秘密組織のエージェントとして活躍する2人の少女を主人公としたオリジナルテレビアニメ『リコリスリコイル』（Lycoris Recoil）の公式略称です。"リコリス"は彼岸花の意味であり、作中でエージェントの少女たちの呼び名でもあります。”リコイル”は銃の発砲後の反動を意味しています。直訳だと彼岸花の反動となりますが、作品のタイトルとしての意味を考察するのも視聴者への楽しみになっているようです。

『リコリスリコイル』（リコリコ）はA-1Pictures制作のオリジナル作品で、2022年7月より全13話がBS11、TOKYO MXなどで放映されました。作品は種類的にジャンルはガンアクションとなり、ストーリー原案を小説家・脚本家・漫画原作などの「アサウラ」が、キャラクターデザインを漫画家・イラストレーターの「いみぎむる」が手掛けます。 漫画・小説・舞台など各ジャンルの作品にもなっており、現在新作アニメの制作も決定しています。

リコリコのOP主題歌は、クララとカレンの2人組音楽ユニット「Claris」による『ALIVE』です。本編とともに話題になり、ファンにも大好評となった主題歌『ALIVE』は、アップテンポのシリアスな曲調に乗ってかっこいい歌詞が続きます。現在、最終話で流れたLycoRecoバージョンのアレンジ版と、THE FIRST TAKEでの歌唱バージョン を加えた完全生産限定盤が販売されています。

治安の良さを誇る日本の裏側では、秘密裏に犯罪者を抹殺・消去する"DA"という秘密組織が存在していました。DAでは女子高生に偽装した少女によって構成される暗殺者「リコリス」に任務を下し、治安を維持しています。歴代最強のリコリスといわれる「錦木千束」はDAの支部の1つ"喫茶リコリコ"に所属しています。底抜けに明るい看板娘という千束の元に、任務で問題を起こした「井ノ上たきな」がDA本部から左遷されてきました。次第に打ち解け、絆を深めていく2人は数々のトラブルを処理していきます。

リコリコという作品ジャンルの種類がガンアクションものであるため、錦木千束や井ノ上たきなをはじめとしてリコリスたちは拳銃などさまざまなモデルの銃器を使用します。これまでにもガンアクションというジャンルでのアニメ作品は存在していますが、リコリコほど詳細な銃の描写がなされている作品はそう多くはありません。ここではメインキャラたちの使用する銃の種類やモデルについて詳しく見ていくことにしましょう。

リコリコの主人公の1人、錦木千束が使う銃のモデルはデトニクスコンバットマスターです。近距離戦用にカスタマイズされたモデルで、近距離用のストライクプレートが装着されています。このモデルの特徴はコンパクトな銃身にハイパワーな45口径を持つところでしょう。コンパクトなのは衣服の下に隠して携帯することを前提に作られたモデルだからです。なお千束の銃の弾丸の種類は非殺傷弾という殺傷せずに無力化するものです。作中ではこの銃以外にグロック21やケルテックKSGといったモデルの銃も使用します。

リコリコのもう1人の主人公、井ノ上たきなの銃の種類はS＆W M＆P9Lです。S＆W M＆Pのモデルはポリマーフレームの銃で、M＆P（ミリタリー＆ポリス）の名が示す通り、軍や法執行機関での採用を想定して作られています。たきなのモデルはスタンダードモデルのS＆W M＆Pより全長・銃身長が長く、重量も重いタイプです。使用されている弾丸の種類は、他のリコリスたちと同様の9㎜パラベラム弾と推測され、S＆W M＆P9Lには17＋1発を装弾できます。たきなは他にもクリス ベクターSBRなどの銃も使用しました。

喫茶リコリコの店長で、かつてはリコリスの訓練教官を務めていたミカが作中で使っていた銃のモデルは、レミントンM700という小銃（狙撃銃）でした。1962年の登場以来、今持って一線級の実力を持った銃です。連射性でセミオートマチックライフルには劣りますが、集弾性の高さでは定評があり、ワンショット・ワンキルすなわち一撃必殺が求められるスナイパーに好まれる種類の銃です。作中でのミカはこの銃にスコープを装着して使用していました。

リコリコを単純に言い表してみると"美少女ガンアクションアニメ"になり、どちらかといえばありがちで平凡なテーマ設定と思われがちです。しかしリコリコの土台を支える設定は、説得力のある考え抜かれたものであるため、アニメファンからの評価が高い作品に仕上がっています。ここからはリコリコの土台を支える設定の中から、重要と思われるものについてを詳しくみていくことにしてみましょう。

DAは国を守る目的でテロリストや犯罪者を暗殺し、治安を維持するために組織された公的機密組織です。警察や公安公認の組織ですが国家の傘下に属せず、独立した特権を持っています。実行部隊のリコリスを訓練・育成する機関としての枠割をも担っています。本部は都心から離れた国有地内の山中にあり、関係者以外の人間はその場所を知りません。なおDAの正式名称は「Direct Attack」です。

犯罪者の処分を銃器使用によって行うという任務を遂行する、DAの実務部隊のエージェントたちが「リコリス」です。リコリスには犯罪を未然に防ぐために殺人の許可（マーダーライセンス）を与えられています。リコリスは社会から秘匿される存在であるため、エージェントは女子高生風の制服を着用します。なお任務の性質上、戸籍を持たない孤児を育成し、その孤児らがエージェントとして活動させる組織です。リコリスのエージェントは戸籍がないためにパスポートの使用ができないので、活動は日本国内に限定されます。

店名が作品タイトルの公式略称と同じである喫茶リコリコは、表向き和風純喫茶ですが実態はDAの支部の1つです。千束とたきなは店員として働いてもいます。和風とはいえ和洋折衷がコンセプトのカフェで、DAからの任務以外に一般客から護衛などの依頼も請け負います。常連客はいますがカフェとしての経営は苦しいようで、DAからの支援金でなんとか凌いでいるようです。所在地は錦糸町駅北口から少し行ったところにあります。なお地下は防音完備の射撃場になっています。

謎の存在アラン・アダムスの名義で活動する支援団体がアラン機関です。科学・文学・スポーツ・芸能などの才能ある子どもを無償で支援する活動をしています。ちなみにアラン機関の所属員には支援対象に接触してはならないという規則があります。なおアラン機関は裏面で銃取引などに関与していて、その実態がわかっていません。トレードマークとしてフクロウのようなチャームを使用し、支援を受けた子ども（アランチルドレン）にもこのチャームを贈ります。千束は人工心臓を贈られたアランチルドレンの1人でした。

ここからはリコリコの作中で活躍する、メインキャラたちを紹介しましょう。千束とたきなといった2人の主人公はもとより、個性あるキャラたちに魅力を感じずにはいられません。単なる敵と味方のガンアクションといったものではないリコリコの面白さを、登場キャラの一面から確認してみてください。

リコリコの主人公の1人で、歴代最強といわれる17歳のファーストリコリスです。幼少期から吉永シンジに殺しの天才と認められるほどの力の持ち主でありながら、死者を出さない戦闘に徹します。喫茶リコリコの看板娘で、人助けの天才ともいえるほどさまざまな依頼を受けては人助けをこなします。かつては先天性心疾患のために余命は長くなかったのですが、アラン機関から当時の最新型人工心臓を移植され、命を取り留めました。

もう1人の主人公である井ノ上たきなは、正確な射撃を得意とする優秀な16歳のセカンドリコリスでしたが、命令違反の責任を問われて喫茶リコリコへと左遷されてやってきました。感情の起伏がなく、無駄を嫌って合理性を信条としています。千束との出会いから次第に影響を受け、打ち解けていくうちに喫茶リコリコの一員として馴染んでいきました。かつては相手を殺すことに躊躇がなく、急所をピンポイントで射撃することも厭いませでしたが、千束から影響を受けてからは急所を外して射撃するようになります。

中原ミズキは27歳の喫茶リコリコ店員です。異性との出会いを求めてカフェ店員になりましたが、元はDAの情報部員を務めていました。千束との付き合いは長く、任務の際にはサポート役として実務部隊の輸送やターゲットの追跡および監視を行います。結婚願望が強くまた大酒呑みであり、晩酌しながら結婚情報誌を読むのは彼女の日課になっています。理知的な印象の美人であり均整の取れたスタイルをしていますが、性格的に残念なお姉さんです。ある意味、いじられキャラといえるでしょうか。

一見幼い少女のようで、年齢不詳なのがクルミというキャラです。その本当の姿はインターネット黎明期から活動している最強のハッカー「ウォールナット」でした。過去30年で何度も死んだという噂を立てられています。過去の依頼によって命を狙われ喫茶リコリコに身を隠している状況ですが、任務の際は押し入れ内のパソコンブースから千束やたきなをサポートします。店員ではあるものの基本的にはゲーム三昧で、手伝いすることは稀です。音楽の趣味は演歌という渋いジャンルを好むようです。

喫茶リコリコの店長のミカは、元DAの訓練教官を務めていました。教官時代は教え子たちからの信頼も厚く、現在でも千束の先生兼父親的な立場でもあります。任務の際はDAからの連絡を受けて千束を指揮する現場の指揮官として働きます。歩行用の杖を用いているので足が悪いと思われますが、これは自分の強さを悟らせないための演技であるようです。吉松シンジとは10年以上もの行き合いであるばかりか公私に渡るパートナーでした。喫茶リコリコではスイーツ作りに精を出し、絶品な味わいのコーヒーを提供しています。

春川フキはDAの東京支部に属する17歳のファーストリコリスです。たきなが千束のパートナーになる前のパートナーであり、千束とは幼い頃から旧知の中で、犬猿の仲だったようです。現在はパートナーとして乙女サクラと組んでいます。生真面目な性格で仲間思いですが、粗暴な言動をしています。小柄な体格を生かした高速移動からの戦闘では目を見張るものがありますが、千束の能力には及びません。なおDA以外の組織やその上位の組織についての詳細を千束と同程度には把握しているようです。

乙女サクラは15歳のセカンドリコリスで、たきなの後任として春川フキのパートナーに配属されました。勝ち気な性格でファーストへの昇格という目標を持つ野心家でもあります。悪気はないものの、たきなや千束を挑発する言動がしばしば見られます。度胸と決断力があり射撃が優秀ですが、お調子者で未熟さと軽率さがあるために射線が読まれやすいという欠点があります。

楠木はDAの司令官を務める女性です。赤髪のマッシュルームカットなど外観的な特徴や中性的な声質を持っている点などから性別不明に見えてしまいます。所属する組織の性質上、躊躇なく非情な命令を下すこともありますが、感情を表に出さないだけで冷酷な人間というわけではありません。嫌味を言ったりすることもありますが、千束やたきなに限らずリコリスたちを気にかける人間味を見せてくれる一面も垣間見えます。

喫茶リコリコの常連客で見た目ではビジネスマン、しかしアラン機関のメンバーというのが吉松シンジという人物です。物腰が柔らかで、情熱的な面を見せるものの狡猾なところもあるという、捉え所のないキャラといえます。千束のことを気にかけていますが、それは千束の最強の殺し屋としての才能を見出したことにより、その才能を活かすことが千束のためであると考えているからです。なお喫茶リコリコの店長ミカとは、以前からただならぬ関係でありました。

真島は千束やたきなたちリコリスにとっては敵となるテロリストです。常にバランスを気にしていて、日本の治安が良いことに対しバランスが悪いと考え、テロによる混沌をもたらそうとしています。かつて起こした事件の中で幼い千束と戦いましたが、制圧されたという過去があります。冷酷なテロリストであるもののアラン機関から支援を受けたアランチルドレンであり、同じアランチルドレンである千束に興味と執着心を持っています。

オリジナルアニメ作品として熱狂的に受け入れられた『リコリスリコイル』ですが、どういった点が人気となり好評だったのでしょう。美少女ガンアクションだった、エンタメ要素が満載だった、作品の設定が秀逸だったなどさまざま要因があったことは予想されます。ここではリコリコのファンやガンマニアからの評判などから、リコリコの人気について探っていきましょう。

昭和の頃から作品のテーマとして、美少女と銃という組み合わせは相性が良かったのでしょう。それを具現化した現在の最高作品がリコリコだといえるのかもしれません。宮崎駿作品のヒロインも超人的強さを持つキャラがいますけど、リコリコを作ったらどんな作品になるのか、妄想の範囲でなら色々膨らんでいくことでしょう。

見方によっては、いろんなマニア受け要素を盛り込んでみましたという作品にも受け取れるのかもしれません。しかしその要素をうまく組み込んだことで、リコリコは成功したのではないでしょうか。キャラだけでなく、日本におけるDAという組織の存在の合理性や、銃の緻密な描写といった点を取り上げても、ただのてんこ盛り作品とは一線を画す仕上がりだったと見る向きも多いです。

こだわりのガンマニアのご意見でした。いや、意見というより事実確認といったところでしょう。こうした感想を持たせて議論なり意見なりができるのも、リコリコでの銃の扱いが現実的なものであるからこそ可能となっています。いろいろな角度から楽しむことができるリコリコは、やはり良作ということができるでしょう。

ガンアクションが売りの『リコリスリコイル』ではキャラの魅力やストーリーなど、重要な要素がしっかり設定され、それが作品に反映されていることでより深くのめり込むことができます。そして何よりも、銃の描写がマニア心をくすぐってくるのがリコリコの嬉しいポイントといえるのではないでしょうか。登場する銃は全てが実際のモデルではありませんが、実際のモデルをカスタマイズしたリアルな存在感を見せてくれています。