【ブルーピリオド】名言や名シーンまとめ！主要キャラクターも合わせて紹介

ブルーピリオドは2017年8月号より連載を開始し、葛藤を抱く人間の心理描写がとてもリアルで、王道なスポ根ものとして面白いと評価されています。有名アーティストも影響を受けた本作についてしっかり把握しておくべきでしょう。まずはブルーピリオドの作品概要や作者についてまとめていきます。

ブルーピリオドを手掛けている作者は山口つばさです。山口先生は青年漫画家として活動している漫画家であり、本作はアフタヌーン四季賞2014年夏で佳作を受賞しました。また、ブルーピリオドの舞台である東京藝術大学は山口先生が卒業した大学であり、物語の構成やキャラクター設定がよりリアルになっている一因になっています。

ブルーピリオドは山口つばさによって月刊アフタヌーンに連載されている漫画原作の作品です。絵を描くことに目覚めた主人公を中心にストーリーが進行する青春群像劇で、2022年11月時点で単行本13巻までを刊行、同年10月時点で累計発行部数550万部を突破しています。この人気に伴いアニメ化や舞台化といったメディアミックスも展開されています。

矢口八虎は高成績な優等生ながらタバコや酒をする不良児で、人付き合いなどを適当にこなす内に無気力な生活を送るようになっていました。そんなある時、八虎は美術室に飾られていた1枚の絵に心を惹かれます。そうして美術に目覚めた八虎は東京藝術大学に入学することを目指して絵を描き続ける日常を送っていきます。

美術を題材にした作品と聞くと芸術的な作画と難解なストーリーを想像させるかもしれませんが、ブルーピリオドには美術の世界で戦う若者の努力が描かれたスポ根物でシンプルかつ感動的なエピソードが評価されています。ここではブルーピリオドにおける有名な名言や名セリフ・名シーンについて紹介していきます。

美術室の佐伯先生は八虎へのアドバイスとして上記のセリフを口にしました。言葉では表せないものを絵にして表現するという文化こそが美術であることを分かりやすく言い表しており、美術の本質が一言で判明した有名な名シーンです。

八虎は早朝の渋谷を『青い』と感じていました。渋谷の街は青いわけではなく爽やかさがある街並みというわけでもありません。それでも八虎が感じたことに違いはなく、そのことを森先輩は受け止めてくれました。自分の思いをありのまま表現していいということを教えてくれた有名な名シーンです。

八虎は美術室にあった絵を見たことをきっかけに美術に目覚めましたが、その絵を描いた人物が森先輩だと知りました。八虎は森先輩のセンスを褒めましたが、それに対して返したセリフが上記のものでした。森先輩の控えめな性格が一言で表れた有名なセリフです。

龍二は体が男性で心は女性のキャラクターで、常に自分の意志に逆らった生き方をしてきたことが嫌になり死んだほうがマシと思うようになっていました。この悩みはジェンダーに限ったものではありません。好きでもない仕事をしたり、本性を晒すことができずに生きている人は多く存在しており、性的な問題がいかに深刻であるかを龍二のセリフは表しています。

予備校の冬期講習に参加した八虎はそこで美術に打ち込む他の生徒たちと交流し、自分よりも才能に溢れた生徒の完成品に痛感してしまいます。そんな時に大葉先生は上記のセリフを八虎にかけてあげました。他人と比較されることより自分で納得できる作品を作るという考えは、美術に限らず心得ておきたいと思ってしまう人気あるセリフです。

美術に疲れて摂食障害で倒れてしまった人が、後になってお絵描き教室の先生になったことを桑名は八虎に伝えます。上記のセリフはその際に出たもので、必ずしも戦うことが正解というわけではないことを現実的に言い表した人気ある名シーンです。

藝術大学の2次試験を終えた八虎は、佐伯先生から試験の手応えを訊かれ上記のように返答しました。美術の難しさを痛感し試行錯誤を繰り返した上で発したそのセリフは、八虎の人生が本当に充実していることを表しており美術の面白さを表している有名な名シーンです。

冬期講習で八虎は世田介という天才の作品を目にし、自分が天才ではなくただの人間であることを痛感しました。その劣等感に対して龍二は上記のように切り返してあげました。この悔しさをバネに変えて再び八虎は前を向くようになったかっこいい名セリフです。

桑名は一家揃って美術系の人間であり、姉も現役で首席合格したことをコンプレックスに思っていました。そうして自分が挫折してしまった時、彼女は素直な思いを上記のセリフにして語りました。それまで優秀なキャラクターと評価されていた桑名が殻を破るきっかけになった有名な名シーンです。

勉強においては天才型である八虎は筆や道具の扱いに苦戦しますが、それを上記のように思って納得させました。美術といった技術が求められる世界は、入門書を見ただけで完璧に使いこなせることはあり得ず何度も使わなければ慣れることはありません。それを思い知った八虎はまず描き続けることを意識するようになります。

美術に出会う前の八虎は何でもこなすことができる優等生でした。しかし、誰かが自分をほめる度に虚しさを感じるようになり手応えのない人生に嫌気が刺していきます。上記のセリフの後に八虎は美術と出会うわけですが、八虎の心境が大きく変化したことが理解できる名セリフです。

美術の道に進むかどうか悩んでいた八虎に対して、佐伯先生は八虎は好きなことに対して本気で取り組める人であると評し、最後に上記のセリフをかけてその背中を押しました。どんな選択をしても結果は誰にも分かりませんが、努力できることはその人の可能性を無限に広げてくれる才能であると教えてくれた有名な名シーンです。

冬期講習にて天才との差を感じた八虎は、そこでへこたれるのではなく上記のように思って突き進むことを決意しました。正解がない世界では天才である人間とそうでない人間の差は顕著に出てしまうところがありますが、才能がない人間でも努力する気力を起こしてくれる魅力的な名セリフです。

予備校の3人でモルゾン美術館へ行った時、著名人たちの作品と比較してどこが違うのかと八虎は悩んでしまいます。それに対して橋田は上記のように話してみせました。美術の真髄は感じることですが、その絵にまつわる成り立ちや背景なども感じ方に影響を与えることを示した魅力的な名セリフです。

龍二は家族との関係が上手くいかず八虎も彼が悩みを抱いていることにモヤモヤした思いを抱いていました。そんな時に橋田から「溺れてるときの感覚は溺れている人同士でしか共有できない」と言われ、その後龍二から「溺れに行かない？」と誘われます。それに対して八虎は上記のように返答しました。八虎らしい考え方と龍二との関係が端的に表された有名な名シーンです。

龍二がふとした瞬間に「八虎みたいに努力している人には敵わない」と呟くと、八虎は努力することを恐怖から逃れるため、人と接する時に安心するためと話しました。八虎としてはコストを払って努力している人間よりも、コストをかけずに結果を出せる人間の方が魅力的な人物であり彼の行動原理がそのセリフに詰まっています。

猫屋敷先生は全力で取り組む人間に対しては優しく接しますが、そうでない人間には厳しく対応するところがあります。上記のセリフは猫屋敷先生が天才的な才能を持つ世田介に向けたものです。猫屋敷先生の人柄が表れた場面であり、世田介の才能を見抜いた名シーンでもあります。

藝術大学の受験が終了した後、八虎は我に返るように上記のセリフを口にしました。絵を描く前までの八虎は周りの雰囲気に合わせ、なるべくして優等生になった単調で無気力な生き方でした。その頃と比較すると八虎が大きく変わったことが窺える魅力的で人気がある名言です。

大葉先生は八虎に対してアドバイスすることが多いですが、上記の名言は特に人気があります。某バスケ漫画のパロディネタでクスリと笑ってしまうセリフですが、クリエイターなら思わず頷いてしまうような説得力があり一部の人からはかっこいいと称賛されています。

ブルーピリオドの名言が人気である理由には、そのセリフを口にするキャラクターが魅力的であることが関係していることでしょう。ブルーピリオドに登場しているキャラクターはどれも他作品では見られない個性が詰まっておりとても魅力的です。ここではブルーピリオドにおける主要キャラクターについてまとめていきます。

矢口八虎（やぐちやとら）はブルーピリオドの主人公です。優等生ながら無気力な生活を送っていた時、1枚の絵と出会ったことから美術に目覚めて美大入学を目指すようになります。勉学や友人付き合いなどは完璧ですが美術においては一般人であり、様々な壁にぶち当たりながら自分の最高傑作となる絵を描き続けていきます。

鮎川龍二（あゆかわりゅうじ）は八虎の同級生にして同じ美術部員です。身体が男性で心が女性のジェンダーでロングヘアと女性用化粧品でオシャレをした容姿が特徴的です。周囲からは「ユカちゃん」というあだ名で呼ばれており、八虎とは喧嘩するほど気を許し合える関係です。

高橋世田介（たかはしよたすけ）は八虎と同い年の天才少年です。八虎が参加した冬期講習にて彼と知り合い、以降ライバル的関係として描かれています。初めて描いたデッサンで学校中に噂が立つほどの才能を持っていますが、一方でコミュニケーションが苦手で友達ができないことを気にしています。

橋田悠（はしだはるか）は世田介と同じ美術コースに通っていたお下げ髪の青年です。ブルーピリオド作中で『絵描きフェチ』『美術フリーク』と称されるほど美術作品に関する豊富な知識を持っており、八虎と美術館に行った時にその一面が垣間見えました。八虎たちとは違って多摩美術大学に通っていますが、八虎よりも藝術大学に知り合いが多いとされています。

桑名（くわな）マキは予備校のクラスで八虎と一緒になった天才美少女です。一家揃って藝術大学出身というサラブレッドで、本人もコンクールで1位を取るほど絵の才能を持っています。体調不良だった八虎を助けてあげるような優しさがありますが、他人からの評価に重圧を感じている節があります。

森まるは八虎が所属する美術部の部長です。八虎からは「森先輩」と呼ばれており彼が美術にハマるきっかけとなる絵を描いた張本人でもあります。小柄で普段は頼りなさそうな言動をしていますが、絵に対する情熱は本物で八虎を驚かせるほどの気迫と集中力を見せています。本人曰く才能がなく努力を積み重ねた人物であり、武蔵野美術大学に推薦枠で合格します。

佐伯昌子（さえきまさこ）は八虎が通う高校の美術教師兼美術部顧問です。穏やかな物腰をした初老の女性教師で、笑いながら核心を突くような発言が多い飄々とした性格をしています。ブルーピリオド作中では壁に当たって悩み続ける八虎を教え導く存在として描かれており、美大の厳しさを説きながらも好きなことに向かっていけるよう応援しています。

ブルーピリオドはアニメや舞台などでも公開されていますが、その原作はアフタヌーンにて刊行されている漫画です。原作漫画では目の肥えた漫画好きな人でも本編の内容に魅入ってしまう要素が詰まっており、メディアミックスが展開されている現在でも原作が1番好きと思う人が大勢います。ここではブルーピリオドにおける原作漫画の魅力についてまとめていきます。

美術と聞いてスポ根をイメージする人は少ないかもしれませんが、実際の美術の世界は自分自身との戦いであり原作漫画では八虎を中心にキャラクターが成長していく様子が描かれています。八虎は元々努力ができる人間でしたが、努力だけでは表現できない世界があり戦略を立てたり道具を扱えるように試行錯誤する描写が原作漫画読者を熱くしてくれます。

八虎を初め美大を目指す受験生たちは美術と真正面から向き合うシーンが多く描かれており、その時の心理描写が秀逸でそのキャラクターの感情の揺れ動きが痛いほど伝わってきます。八虎は美術未経験だったからこその葛藤を抱く場面がありますが、たとえ美術を経験していない人であっても彼に感情移入してしまうことでしょう。

ブルーピリオドは原作を読んだ有名アーティストが影響を受けて歌を作ったことで大きな話題を呼びました。1つは人気ロックバンド・クリープハイプが制作した『栞』で、映画『14歳の栞』の主題歌にも選ばれました。もう1つは人気アーティスト・YOASOBIが制作した『群青』で、原作漫画を読んでから聴いてみると印象が大きく変わります。

これまでブルーピリオドの有名な名言についてまとめてきましたが、本作を愛読しているファンから名言や作品の評価はどのようになっているのでしょうか。ここではブルーピリオドファンが思う名言について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。

ブルーピリオドの名言は多くの読者に響いているそうで、名言に感動を受けたというコメントが多く寄せられていました。また、登場キャラによって挑むテーマや抱く葛藤などが異なっているためか、人によって好きになる名言やキャラクターが偏るようでした。

ブルーピリオドはストーリーや作画の完成度、読みやすいシナリオ構成といった部分が評価されていました。SNSを通じてブルーピリオドの魅力を伝えている人も多くおり、こうした布教活動によって本作が人気になったとも言えるでしょう。

原作漫画のみならず舞台やアニメの評価も高いです。漫画の魅力だったリアルな心理描写やスポ根の内容が舞台化などでも再現されており、とても完成度が高く続編の制作に期待している声も多く寄せられていました。

ブルーピリオドに描かれている名言は読者の心を揺さぶるほど奥が深く魅力的なものが多くありました。メジャーなコンテンツを題材にしたわけでもないのにかかわらず、これほど人気を博しているのは間違いなく原作漫画の名言やキャラクターの信念が読む人に感動を与えているからでしょう。