【風立ちぬ】菜穂子の死因を徹底考察!魅力や手紙の内容についても
本記事では、宮崎駿作品『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子の死因について、徹底考察しました。また、菜穂子の魅力や手紙の内容についても解説しています。さらに、声優情報もまとめたので、『風立ちぬ』や菜穂子が気になるという方はぜひ参考にしてください。
目次
【風立ちぬ】菜穂子とは?
スタジオジブリの長編映画『風立ちぬ』は、日本の代表的な戦闘機「零戦」を開発した航空技術者の堀越二郎を主人公にし、堀辰雄の小説をもうひとつの柱として着想された作品です。主人公の堀越二郎が実在の人物であるのに対し、ヒロインの菜穂子は堀辰雄の小説『風立ちぬ』に登場する少女がモデルとなっています。しかし、菜穂子は映画の終盤で死亡しました。そこで、本記事では菜穂子の死因を中心に、菜穂子のモデルや魅力を紹介します。
菜穂子のプロフィール
- 本名:里見菜穂子(さとみなおこ)
- 出身:東京の資産家
- 趣味:絵を描くこと
- 性格:明るく純真
風立ちぬの概要
『風立ちぬ』は、宮崎駿監督・スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画です。スタジオジブリの長編作品としては、初の実在人物をモデルとした作品であることが話題を呼びました。また、映画のキャッチフレーズ「生きねば。」は、フランスの詩人ボール・ヴァレリーの詩の一節「風立ちぬ、いざ生きめやも」からの引用であると同時に、宮﨑駿監督の代表作である『風の谷のナウシカ』とも大きなつながりがあり、力を尽くして生きることが必要という宮崎駿監督の思いがこめられています。
風立ちぬのあらすじ
少年・堀越二郎は夢を見ます。それは、飛行士の設計士であるカプローニの夢でした。やがて青年になった二郎は、汽車に乗っている最中に関東大震災に見舞われ、偶然同じ汽車に乗っていた里見菜穂子や侍女の絹を助けます。時は経ち、二郎は東京帝国大学を卒業すると、飛行機開発会社「三菱」に就職しました。チーフとして戦闘機を設計しますが、機体は空中分解してしまいました。意気消沈した二郎は避暑地のホテルで休養を取りますが、思いがけず菜穂子と再会します。
【風立ちぬ】菜穂子の死因や謎を考察
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子は、映画の終盤で死亡しました。当時では不治の病と言われていた結核を患っていたため、それが死因であると考えられていますが、一部で自殺したのではないかとも言われています。なぜそのような説が出てくるのでしょうか。ここでは、菜穂子の死因にまつわる謎を考察します。
菜穂子の死因
『風立ちぬ』では、ヒロインの菜穂子がこの世を去るシーンは描かれていません。自らの死期を悟った菜穂子は、山の療養所に戻りますが、バスには乗らず徒歩で駅まで向かいました。このことから、菜穂子は療養所には戻らず、どこか別の場所で自殺したのではないかと一部で言われるようになりました。また、主題歌の松任谷由実の「ひこうき雲」の歌詞に、「高いあの窓で、あの子は死ぬ前も空を見ていたの」という一節があります。「高い窓から飛び降りた」ことを示唆しているとして、自殺説の根拠になっています。
しかし、映画では、菜穂子と同じ服装の女性が列車に乗っているシーンがあります。また、堀越二郎が九試単座戦闘機の試験飛行で飛行場にいた時、試験飛行はうまくいったのに、突然はっとして山の方を凝視するシーンが描かれました。これは菜穂子がこの世を去ったことを告げる虫の知らせではないかと言われています。このような描写から、菜穂子はそのまま山の病院へ戻り、結核のため亡くなったと考えるのが自然であると考察されています。
菜穂子が山に帰った理由
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子は、映画の終盤、夫の堀越二郎を見送った後、置き手紙を残して山へ帰りました。偶然菜穂子とすれ違った二郎の妹は菜穂子を追いかけようとしますが、黒川夫人は彼女を引き止めます。そして、「女性としてきれいな部分だけ、愛する人に見てもらいたかったのだから、そのまま山へ帰らせてやりなさい」と諭しました。菜穂子は自分の死期が近いことを悟り夫の元にやってきましたが、美しい姿を見せて去ることで、その姿をとどめておいてほしいという願いがあったと考察されています。
菜穂子が山へ帰った理由として、映画の演出上の効果を考えたのではないかという考察もあります。菜穂子が山へ戻らなければ、菜穂子の死の場面を描く必要が出てきます。しかし、菜穂子が山へ戻ることにより、菜穂子の死を間接的に表現でき、ストーリーに余韻が生まれることになりました。
菜穂子の「生きて」のセリフの意味
映画のラストで堀越二郎の夢の中に現れた菜穂子は、二郎に「生きて」と呼びかけました。原案では「来て」というセリフだったそうですが、『風立ちぬ』のキャッチフレーズ「生きねば。」に沿うために「生きて」に変更したとのことでした。このことから、「生きて」のセリフは、自分との別れを受け入れて堀越二郎に新たな一歩を踏み出してほしいというメッセージを伝えていると考察されています。
菜穂子は原作小説のヒロインではない?
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子は、堀辰雄の小説から取られています。しかし、堀辰雄の小説『風立ちぬ』のヒロインは、実は菜穂子ではなく節子です。では、菜穂子という名前はどこから来たかと言えば、堀辰雄の別の小説である『菜穂子』から取られています。小説『菜穂子』の主人公は、映画『風立ちぬ』の菜穂子とは異なり、25歳の時に10歳年上の男性と結婚しました。結婚後3年が経ち、姑との暮らしが合わずに焦燥していましたが、かっ血し八ヶ岳山麓の病院に入院します。
小説の後半で、菜穂子は病院を抜け出して東京のホテルで夫と待ち合わせをしました。しかし、夫は母親のことばかり気にして、面倒を嫌がり、菜穂子をホテルに残して家に帰ってしまいます。菜穂子は療養所の寒さを考えながらも、新しい人生の道が示されたように感じていました。このように、療養所を抜け出して夫に会いに行く姿は映画の菜穂子と重なります。境遇や家庭環境は全く異なりますが、重い病を抱えながら限りある人生を生き抜こうとしているところは、映画の主人公の名前にふさわしいと言われています。
菜穂子のモデル
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子には、モデルとなる実在の女性がいます。この女性は、堀辰雄の婚約者の矢野綾子です。矢野綾子は1911年生まれで、広島女学校(現広島女学院高)から、女子美術専門学校(現女子美術大学)へ進学しました。1932年に専門学校を卒業しましたが、若くして結核を患い、療養生活に入ります。その最中の1933年に堀辰雄と出会い、翌年婚約しました。しかし、病が重くなり1935年に24才で亡くなっています。
【風立ちぬ】菜穂子の魅力
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子は、ジブリ作品のヒロインの中でも、とりわけファンの多いヒロインとして知られています。菜穂子の魅力はどういうところにあるのでしょうか。ここでは、人気のヒロイン菜穂子の魅力を解説します。
菜穂子の魅力①見た目がかわいい
菜穂子の魅力の1つ目は、見た目がかわいいことです。アニメの魅力の大きな部分を占めるのがビジュアルですが、その点、菜穂子のビジュアルは非の打ちどころがなく、多くのファンを得る原動力となっています。
菜穂子の魅力②物知り
菜穂子の魅力の2つ目は、菜穂子が物知りであることです。菜穂子は汽車の中で初めて堀越二郎と出会った時に、詩の一節を引用しました。その詩句とは、ポール・ヴァレリーの『海岸の墓地』の一節「Le vent se lève(風立ちぬ)」です。その詩を知っていた二郎は、続きの一節で応えていましたが、さりげなく知性を見せているところがヒロイン菜穂子の魅力です。
菜穂子の魅力③一途に堀越二郎を思っている
菜穂子の魅力の3つ目は、菜穂子が一途に堀越二郎のことを思っていることです。菜穂子は、汽車の中で堀越二郎と初めて出会ってから9年後に、避暑地の軽井沢で思いがけず再会しました。その時菜穂子が口にした言葉が「あなたはずっと王子様だった」です。この言葉から、菜穂子がいかに堀越二郎のことを一途に思っていたかがうかがい知れます。
菜穂子の魅力④弱さを隠さない
菜穂子の魅力の4つ目は、菜穂子が弱さを隠さないことです。菜穂子は堀越二郎を信じているため、自分の弱いところも隠そうとせず見せています。素直で隠し事をしないことも菜穂子の魅力です。
【風立ちぬ】菜穂子の手紙の内容
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子は、山へ帰る際、置き手紙を残しています。手紙の内容は映画の中では語られませんでしたが、内容に関してさまざまな意見が飛び交いました。そこで、ここでは、手紙の内容について考察します。
黒川夫妻への手紙の内容
黒川夫妻は、突然堀越二郎の元を訪れた菜穂子を温かく迎え入れ、祝言も挙げてくれました。また、黒川夫人は、仕事で家を空けることの多い夫二郎がいなくても寂しくないように気遣っています。そのような黒川夫妻に対しては、手紙で感謝の言葉を伝えていると考察されています。
加代への手紙の内容
堀越二郎の妹で医師でもあった加代は、菜穂子の病状があまりよくなく、顔色が悪いのを化粧で隠していたことを知っていました。そのような加代と菜穂子とは、医師と患者といった関係ではなく、本当の姉妹、友人というような関係であったと推察されています。そういうことから、手紙の内容も楽しかった思い出が綴られていたと考察されています。
堀越二郎への手紙の内容
夫の堀越二郎は、飛行機のこととなると、夢中になってしまい、周囲が見えなくなります。そのような二郎の最大の理解者であった菜穂子は、出会えて結婚し、幸せだったことに対する感謝の気持ちと、これからも夢を追い続けてほしいという願いを手紙に書いていたのではないかと考察されています。
【風立ちぬ】菜穂子の声優
ここまで、『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子の死因や魅力について考察しました。『風立ちぬ』では、多くのキャストが専門の声優以外から起用されています。主人公の堀越二郎も、『エヴァンゲリオン』や『シン・ゴジラ』などで知られる庵野秀明が担当し話題になりました。それでは、菜穂子はいったい誰が担当しているのでしょうか。
菜穂子の声優は「瀧本美織」
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子を担当したのは、女優や歌手として活躍している瀧本美織(たきもとみおり)です。瀧本美織にとって、アニメの声優はこの菜穂子役が初めてでしたが、ジブリ作品で一、二を争うヒロイン役にふさわしい素晴らしい演技でした。
瀧本美織のプロフィール
- 生年月日:1991年10月16日
- 出身地:鳥取県鳥取市
- 身長:161cm
- 血液型:O型
- 所属事務所:スターダストプロモーション
瀧本美織は小学生の頃から芸能界に興味を持ち、エイベックスのオーディションに応募して、SweetSのメンバーとして芸能界デビューをしました。2006年に解散後休業しましたが、17歳のときにスカウトされて、スターダストプロモーションに移籍しました。その後、2010年にNHK連続テレビ小説『てっぱん』でヒロイン村上あかりを演じ、現在ではお茶の間にもよく知られている女優です。
瀧本美織の主な出演作品
- 映画『彼岸島』ユキ役
- NHK連続テレビ小説『てっぱん』村上あかり役
- 民放ドラマ『美男ですね』桜庭美子(さくらばみこ)役
- BS時代劇『妻は、くノ一』織江役
【風立ちぬ】菜穂子に対する世間での評判や人気
ここまで、菜穂子の死因や魅力を考察しましたが、そのような菜穂子を世間ではどのように見ているのでしょうか。菜穂子の魅力についてはSNSで活発に語られています。そこで、SNSの投稿から菜穂子に関する評判を探ります。
『風立ちぬ』では、療養所で、菜穂子ら患者たちが毛布にくるまれて寒い野外に出されているシーンがあります。菜穂子に関する投稿の中で、この場面は意外にも多くの投稿があります。それだけ、映画の視聴者に対して強く印象づけられた場面だったという証拠になっています。
『風立ちぬ』に関する投稿の中でも取り上げられることの多い場面の1つです。結核患者の横で煙草を吸うのはどうかとも言われたシーンですが、この場面が一番好きだというファンが多いことは、投稿数から推し測ることができます。
『風立ちぬ』では、手紙が重要な役割を果たしています。堀越二郎が菜穂子に宛てた手紙と、菜穂子が残した3通の手紙はいずれも内容は明らかにされず、読む人の姿だけが描かれています。手紙の内容はどうしても気になるので、何が書かれているのだろうという投稿はSNS上に数多くあります。
【風立ちぬ】菜穂子の死因は結核だといわれていた
『風立ちぬ』のヒロイン菜穂子は、映画の中では直接死亡するシーンはありませんが、間接的に描写することで、存在感が印象付けられました。菜穂子の死因については、はっきり断定はできないものの結核ではないかと言われています。ジブリ映画の総決算とも言われる『風立ちぬ』は、何回見ても新たな発見があります。次に視聴する際は、菜穂子の魅力に注目してください。
この記事のライター
makkun402
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。