【ヘルシング】アニメがひどいといわれる理由は？原作の評価やネットの声まとめ

「ヘルシング」は青年向け漫画雑誌「ヤングキングアワーズ」で連載された漫画作品です。20世紀末の英国を舞台に、「吸血鬼」とそれに抗う組織達の戦いを描いたダークファンタジーとなっています。まずは「ヘルシング」の作者や、作品の概要について詳しく見ていきます。

「ヘルシング」の作者は漫画家の平野耕太さんです。平野耕太さんは「大同人物語」や「進め!!聖学電脳研究部」といった漫画作品を連載し、その独特のストーリー展開とギャグセンスから根強いファンを獲得していました。1998年から連載を開始した「ヘルシング」は10年近い長期連載となり、漫画家としての知名度を確立することになりました。

「ヘルシング」はアイルランド人の小説家であるブラム・ストーカーさんが手掛けたホラー小説「吸血鬼ドラキュラ」の登場人物、エイブラハム・ヴァン・ヘルシング教授の名前が由来となっています。英国で発生する不可解な吸血鬼事件を題材に、登場人物達の激闘を独特のタッチで描いていきます。2009年3月の時点で累計発行部数は400万部を突破しており、その凄まじい人気からアニメ化、OVA化など様々なメディア展開を続けています。

20世紀末の英国では「吸血鬼」による不可解な事件が多発しており、王立国教騎士団である通称・ヘルシング機関が対処に当たっていました。機関は吸血鬼を狩る吸血鬼・アーカードと吸血鬼に変貌した婦警・セラスを用いて事件を解決しようとしますが、ヴァチカン直属のイスカリオテ機関まで事件に介入し、そのなかで真の黒幕であるナチスの残党・ミレニアムの存在が浮上してきます。それぞれの組織が各々の思惑を抱き、凄惨な戦いが繰り広げられていきます。

「ヘルシング」はその凄まじい人気から2001年からアニメ版が放送されました。原作が人気であることからかなりの期待が寄せられたアニメ化でしたが、様々な理由からファンの間では「ひどい」という評価を受け、口コミが広まっています。アニメ版の「ヘルシング」がどのようにひどいのか、その理由を詳しく見ていきます。

アニメ版「ヘルシング」は原作から変更された設定がかなり多く、漫画版との相違にひどいという感想を抱くファンは多いようです。物語後半はほぼオリジナルストーリーと言ってもいい内容となっており、海外版が作成される都合上、ナチスが存在しなかったり、ひどい場合は関連する組織やキャラクターが登場しない場合もあります。アニメ版はその大幅な内容の改変に、原作ファンからひどいという評価を受けているのです。このため、原作改変されたアニメの代表格としても口コミが広まっています。

「ヘルシング」には個性的なキャラクターが多数登場していますが、なかでも凄まじい人気を誇るのが少佐と呼ばれる人物です。原作では数ページにわたる戦争についての演説を行い、面白い立ち振る舞いから読者に強烈なインパクトを与えました。しかし、アニメ版「ヘルシング」では彼が率いる組織・ミレニアムが登場しないため、少佐も登場することがありません。原作での人気キャラクターだっただけに、彼が登場しない展開にひどいという評価を下すファンも多いようです。

アニメ版「ヘルシング」については、作者である平野耕太さんもひどい評価を下しているという口コミが広まっています。平野耕太さんは第1話こそアニメ版を面白いと絶賛していていましたが、その後の展開の改変ぶりから出来がひどいと発言していました。特にアーカードと宿敵・アンデルセン神父の激闘がなかったことにされてしまい、神父役の声優である「野沢那智さんの無駄遣い」と憤りをあらわにしています。

様々な理由から「ひどい」と口コミされるアニメ版「ヘルシング」ですが、一方でアニメならではの面白い魅力もしっかりと兼ね備えています。また、「ヘルシング」は後にOVA版も展開されており、こちらもアニメ版とはまた異なった評価を受けています。アニメ版が持つ魅力と、OVAの評価について詳しく見ていきます。

「ヘルシング」のアニメは大幅なストーリーの改変や登場しないキャラクターがいたりと、原作ファンからもひどいという評価を受けてしまっています。しかし一方で、アニメ版だからこその面白い点もあり、一部のファンからは肯定的な評価を受けています。ここからは改めて、アニメ版「ヘルシング」の面白い魅力について見ていきます。

アニメ版「ヘルシング」は原作からの大きな改変が目立ちますが、一方で原作を読んでいなくてもしっかりとストーリーや背景が分かる仕組みになっており、アニメ版から「ヘルシング」を知ったファンにも楽しめるようになっています。既存のファンにこそひどい評価を受けていますが、一方で新規の視聴者にとっては非常に優しい作りとなっています。

アニメ版では原作から様々な点が改変されており、異なったストーリー展開にひどい評価を下すファンは少なくありません。一方で、いわばアニメオリジナルともいえる独特のストーリー展開が面白いという意見もあるようです。原作とは異なった思想や性格になっているキャラクターも多く、一部の視聴者はこのオリジナルの展開が面白いと感じています。

「ヘルシング」は後にOVA版も登場していますが、こちらはアニメ版のひどい評価とは打って変わってファンの間では非常に好評となっています。OVAが発売されるにあたり、原作通りの内容にすることや、主要キャストをアニメそのままにするといった点が告知されていました。アニメ版では省かれていたミレニアムも登場し、これによって人気キャラクターである少佐が登場したことも本作が好評な要因となっています。

アニメ版は様々な点からひどい評価を受けてしまった「ヘルシング」ですが、一方でキャラクターを演じる声優陣は非常に豪華です。後にOVA版にも引き継がれた配役ばかりで、キャラクターとマッチしていることから高い評価を受けています。アニメ版で主要キャラクタ―を演じた声優達について見ていきます。

「ヘルシング」の顔とも呼べる重要キャラクターの吸血鬼・アーカードを演じたのは、声優の中田譲二さんです。渋い声を活かした重厚な役柄を演じることが多く、「ゴールデンカムイ」の土方歳三、「呪術廻戦」の禪院直毘人といった役はもちろん、「ケロロ軍曹」のギロロといったギャグテイストなキャラクターも演じており、非常に幅広い演技を見せる声優です。

ヘルシング家の当主で、「ヘルシング機関」を率いる女性・インテグラを演じたのは、声優の榊原良子さんです。女性でありながら独特の低音を活かし落ち着いた女性の役を得意とする声優で、「風の谷のナウシカ」のクシャナ、「スペースコブラ」のアーマロイド・レディ、「機動戦士Ζガンダム」のハマーン・カーンなど、各作品を代表する有名ヒロインや敵役を演じています。

「ヘルシング」のもう一人の主人公とも呼べるキャラクター・セラスを演じたのは、声優の折笠富美子さんです。実力派声優の一人で、『GTO』の冬月あずさ役で声優デビューを果たしました。「最終兵器彼女」のちせ、「銀魂」の柳生九兵衛、「スイートプリキュア」の南野奏など、数々の有名アニメでメインヒロインやサブキャラクターを演じています。

「ヘルシング」でインテグラルの執事として活躍するウォルターを演じたのは、声優の清川元夢さんです。非常に長いキャリアを持つベテラン声優で、2022年に亡くなってしまいましたが、「新世紀エヴァンゲリオン」の冬月コウゾウ、「機動戦士ガンダム」のテム・レイ、「不思議の海のナディア」のネメシス・ラ・アルゴールなど、数々の重要キャラクターを熱演しました。

アニメ版「ヘルシング」で登場したオリジナルキャラクター・インコグニートを演じたのは、声優の山崎たくみさんです。二枚目な役はもちろん、三枚目やマスコットキャラクターまで幅広い演技を得意としています。「機動武闘伝Gガンダム」のジョルジュ・ド・サンド、「メタルギアソリッド3」のリボルバー・オセロット、「ONEPIECE」のカン十郎などを演じています。

やはり「ヘルシング」のアニメ版はひどい評価を受けている一方で、後に登場したOVA版の出来の良さを絶賛するファンも多いようです。OVA版は原作のストーリーを忠実に再現し、かつアニメ版から声優を引き継ぐなどファンの望む様々なポイントを押さえた出来となっています。原作のファンにとっても、OVA版は納得の出来だと口コミが広がっています。

ひどい評価を受けるアニメ版ですが、一方で原作から引き継いだキャラクターのかっこ良さは健在で、その魅力について触れる口コミも多いようです。「ヘルシング」はそのダークな独特の世界観と、強烈な個性を持つキャラクターたちが特徴で、アニメ版でストーリーが改変されていても、その魅力が失われることはありません。

「ヘルシング」はアニメ版の改変がひどいと口コミされる一方で、やはり採用されている声優の豪華さに心動かされるファンは多いようです。「ヘルシング」のセリフは独特の言い回しを用いたインパクト大な物も多く、声優の熱演によって命を吹き込まれ、その迫力や魅力に惹きつけられる視聴者は少なくはありません。

「ヘルシング」は凄まじい人気を誇る漫画作品ですが、一方でアニメ版はストーリーの改変やキャラクター設定の変更など、様々な問題点からひどいという評価を受けていました。その変更点については賛否両論な口コミも多い一方で、声優の豪華さやOVA版の完成度の高さも有名になっており、多くのファンが作品の映像化に大きな期待を寄せています。