【ファブル】ユーカリはアザミのパートナー！強さやヨウコとの関係も

まずはファブルのユーカリについて、キャラクタープロフィールを紹介します。殺し屋や暴力団が裏社会で暗躍する本作で、ユーカリとは一体どのようなキャラクターとして登場するのでしょうか。また、漫画『ザ・ファブル』の簡単な作品概要とストーリーについてもおさらいとして解説します。

ユーカリは作中で「ファブル」とあだ名される組織に所属する殺し屋の一人です。『ザ・ファブル』の16巻に登場したユーカリは、同じく組織の山岡によって自身の計画のために中国から呼び出されました。ユーカリという名前は帰国した際に山岡からつけられた名前で、本名は明らかになっていません。風貌は後ろに束ねたドレッドヘアーが特徴で、後述するアザミとはパートナー関係にあります。

『ザ・ファブル』は2014年から「週刊ヤングマガジン」にて連載された、南勝久さん原作の漫画作品です。本作は第一部として2014年から2019年、その後第二部『ザ・ファブル The second contact』が2021年から2023年まで連載され、シリーズ累計2,200万部の人気作品です。2019年と2021年の二度に渡り、岡田准一さん主演で実写映画化され、テレビアニメ化も発表されるなどメディアミックスも注目されています。

裏社会の中で「ファブル」（＝寓話）とあだ名される伝説の殺し屋組織に、とてつもない戦闘能力を持つ男が居ました。男はある日、大阪で新しい名前を持ち1年間一般人として暮らすよう、ボスから命令を受けます。同じ命令を受けたパートナーの女とともに二人は太平市に移り住みます。「佐藤明（アキラ）」、「佐藤洋子（ヨウコ）」という名前を得た二人は、組織と関係する暴力団・真黒組（まぐろぐみ）の庇護のもと、次々と襲い掛かる火の粉をかわしながら「普通の暮らし」を続けます。

続いては、ユーカリとアザミ、アキラとヨウコ兄妹との関係を見ていきます。「ファブル」と呼ばれる殺し屋組織に属する彼らの、敵か味方か状況によって入れ替わっていくという複雑に絡み合った関係を、作中の描写をもとに解説していきます。

アザミもユーカリと同じく、山岡から中国に呼び戻された「ファブル」の殺し屋です。アザミという名前もユーカリのように、山岡から急遽与えられた名前で本名はわかっていません。中国でパートナーとして仕事をしていた二人の役割は、アザミがメインの仕事の実行者でユーカリは運転手をしていました。ちょうどアキラとヨウコの関係と同じです。ファブルのメンバーは互いの素性や組織について深く関与しませんが、アザミとユーカリはある程度信頼関係を築いているようです。

アキラは山岡たちにさらわれたミサキを救うため、わざとユーカリに捕まります。ユーカリは強さを隠したアキラを、ボスの最高傑作とまで言われた殺し屋であると見抜けませんでした。さらわれた倉庫内でミサキに危害が加わろうというその時、アキラは山岡やユーカリたちに反撃を開始します。素手で戦いを挑んだユーカリはアキラに一方的に倒され、その力の差を見せつけられます。親代わりであった山岡の死亡後はアキラに全面的に協力することになりました。

山岡存命時のユーカリは、アキラやヨウコとは敵対関係にありました。しかし、アキラの説得によりボスから処分が下されなかったユーカリとアザミは、その後アキラやヨウコと反目することなく協力し合います。特にユーカリとヨウコの二人は、互いを弟（妹）のようなものだと言い合うほど、かつての戦いが嘘のように気の置けない関係になっています。

次にユーカリの強さについて、作中のシーンや登場人物のセリフをもとに解説します。超人的な戦闘能力を持つ「ファブル」の殺し屋たちの中で、ユーカリはどの程度の強さや能力を持ったキャラクターなのでしょうか。また、彼の過去や現在の状況についても見ていきましょう。

ユーカリは山岡に、その強さや殺し屋としての能力を点数化されています。山岡はアキラを10点とし、自身とアザミを8点、そしてユーカリとヨウコを5点と評価しました。もちろんこれはファブルという凄腕の殺し屋の中でのランクです。ユーカリは暴力団や半グレ、格闘自慢のキャラクターに対しては圧倒的な強さを見せています。地下格闘技のチャンピオンと倉庫で戦った際には、ハンデとして手足と掴みを封じ、手首のみで倒すという異次元の強さが垣間見えました。

ユーカリとアザミの上司である山岡は、かつて30人ほどの部下を抱えていました。しかし二人を除いてみな命を落とすという、壮絶な過去があります。ユーカリはそういった過酷な状況下で、山岡とアザミに対しては仕事の関係だけでなく、ある種家族のような感情を抱いていたことが言葉の端々に表れています。

山岡の死亡後、アキラはボスに自分と同様にユーカリとアザミも一般人として生かすよう提案します。一度は山岡に従いボスを裏切った二人ですが、ボスはこれを認め、ユーカリとアザミは組織の仕事を離れることになります。その後二人はアキラの紹介でオクトパスに入社し、一般人としての仕事を獲得します。さらに、副業として「レンタルおっちゃん」の仕事も始めます。顧客の無茶な要求にも応えながら仕事をして感謝を得ることにやりがいを見つけていくのでした。

ある時、ユーカリ、アザミ、黒塩（クロ）、川萩で食事をしていた際に、四人は冷蔵庫に入れっぱなしにしていた腐ったイワシの缶詰を食べてしまいます。次第にクロと川萩、アザミは腹を壊し、三人のトイレ争奪戦が始まります。その様子をヨウコは二階から眺め、爆笑しながら楽しみますがユーカリだけは平常通りです。三人と同様イワシを食べたはずですが変調はきたさず、本人も腹を壊した記憶がないと言います。ひょんなことから、ユーカリの胃腸が無敵であることが証明されてしまいました。

ここからはユーカリというキャラクターの内面について、もう少し詳しく見ていきます。ファブルと呼ばれ、裏社会の中でも伝説となっている殺し屋の一人であったユーカリはどのようなキャラクター性を持っているのでしょうか。本来恐ろしい人物であるはずのユーカリの、意外な一面にも注目してみましょう。

殺し屋として多くのターゲットを無情に殺めてきたユーカリですが、時に義理堅い一面も見せています。特に上司である山岡は親のような存在であったと言い、山岡のためにそのさらに上の人物であるボスにすら、一時は背いてしまいます。また、この時敵対していたヨウコにも誠意を示します。ヨウコは山岡に両親を殺されていることを慮り、山岡にヨウコたちの探している二郎のGPSの情報を渡すよう説得します。正々堂々としたユーカリの人物像がうかがえる場面です。

第二部でユーカリはアキラやアザミと同じく「レンタルおっちゃん」の副業を始めます。依頼者に時間料金で自分自身を他人にレンタルし、相談などを受ける仕事です。登録に際しアザミは満面の笑みで顔写真を載せますが、ユーカリは少し不気味なにやけヅラです。写真をみたオクトパスの社長・田高田は「腹立つ」と言い放ちます。

『ザ・ファブル』の一部のファンの間では、ユーカリがヒロイン化していると話題です。ファブルの殺し屋として恐ろしい強さを持ったユーカリですが、第二部ではルーマーの二人にさらわれ、アザミやアキラが救出に向かうといった状況などからそのように言われています。女性キャラのヨウコが非常に強くたくましいため、その対比も影響しているようです。ユーカリ自身の優しい一面が見え始めた第二部では、ユーカリのヒロイン的な面がファンに見出されていると推察されます。

ユーカリとヨウコの関係に注目する「ファブル」ファンの意見が多く見られます。同じ組織でありながら、第一部では敵対したり協力したりと複雑な関係となった二人でした。その後、ユーカリはヨウコを妹、ヨウコはユーカリを弟のようだと言います。互いに親しみを持ちつつも軽くマウントを取りたがる関係が、ほほえましいとSNSなどで評判です。

第二部『ザ・ファブル The second contact』で、アザミとユーカリが「レンタルおっちゃん」の副業を始めたという展開が面白いという感想も目立ちます。特に服を入れ替える趣味を持った、個性的な男性依頼者が登場した場面が人気です。第一部では殺し屋としての恐ろしい戦闘能力を見せた二人が、容赦なくギャグ展開で活躍するところも、「ファブル」の魅力のようです。

ユーカリのヒロイン化も話題となっています。恐ろしい能力を持った殺し屋であるはずのユーカリですがルーマーにさらわれ、ピンチを迎えるとある意味女性のヨウコより心配だとの意見も目立ちます。ただ強さや恐ろしさだけではない、ファブルの登場人物の深いキャラクターが垣間見えるファンの意見です。

ユーカリは「ファブル」とあだ名される伝説の殺し屋の一人です。第一部では親のように慕う山岡の指示の下、アキラと敵対しました。その後はアキラの説得の甲斐もあり、パートナーのアザミとともに一般人として生活を始めます。第二部でも新たな戦いに巻き込まれる彼らですが、時折人間味のある行動をとるユーカリは、ファンに愛されているキャラクターです。