【千と千尋の神隠し】ハクの正体について考察!判子を盗んだ理由についても
『千と千尋の神隠し』のハクについて紹介します。スタジオジブリの大人気作『千と千尋の神隠し』に登場する、「ニギハヤミコハクヌシ」ことハクの正体を調査しました。また彼が龍の姿で判子を盗んだ理由や、千尋を知っていたのはなぜかなどについても合わせて解説します。
目次
【千と千尋の神隠し】ハクとは?
そのほとんどが高い人気を誇るジブリ映画の中でも、『千と千尋の神隠し』は別格の支持を集めています。さらにその中でも1番人気と言ってよいキャラクターが、龍の姿にもなる謎めいた「ハク」です。本記事ではハクの正体や千尋を知っていた理由などについて解説しますが、まずは基礎情報からお届けしておきましょう。
ハクのプロフィール
正体が気になる『千と千尋の神隠し』のハクは、劇中に登場する浴場「油屋」で働く少年です。見た目の年齢は12歳ほどで、おかっぱ頭に水干姿という出で立ちをしています。油屋の面々の中では珍しい美男子で、魔女の湯婆婆に弟子として仕えており、周囲からは「ハク様」と敬称で呼ばれています。主人公千尋のことはなぜか知っている様子で、迷い込んだばかりの頃から彼女をいろいろと助けています。
千と千尋の神隠しの概要
本名は「ニギハヤミコハクヌシ」だというハクが登場する『千と千尋の神隠し』は、スタジオジブリ制作、宮崎駿監督の長編アニメ映画です。2001年7月に東宝系で公開され、316億円以上の興行収入を上げる特大のヒット作となりました。これはそれまで歴代1位だった『タイタニック』のものを塗り替える成績で、『鬼滅の刃 無限列車編』に抜かれるまでその座を保持していました。上映時間は124分になります。
千と千尋の神隠しのあらすじ
油屋に来た理由などに注目が集まるハクが登場する『千と千尋の神隠し』は、10歳の少女・千尋を主人公とするファンタジー作品です。新しい町に引っ越してきた千尋は、思いがけず打ち捨てられたテーマパーク風の場所へ足を踏み入れます。しかし、実はそこは神々の集まる場所で、タブーを犯した両親は豚になってしまいます。途方に暮れる千尋の前に現れたのは、ハクと名乗る少年でした。ハクの助言により「油屋」という湯屋で働くことになった千尋は、さまざまな経験をすることになっていく…というストーリーです。
【千と千尋の神隠し】ハクの正体を考察
人気映画『千と千尋の神隠し』は説明されない謎を多く含む映画ですが、ハクの正体や龍の姿になる理由などもそれほど詳しく語られるわけではありません。ここではそうした謎の多いハクこと「ニギハヤミコハクヌシ」について、その正体や油屋で働いている理由などの点を考察していきます。
ハクの正体は「ニギハヤミコハクヌシ」
まずは『千と千尋の神隠し』におけるハクの正体からですが、彼は「ニギハヤミコハクヌシ」という名の神であり、以前千尋の住んでいた場所の近くを流れる「コハク川」という小川の主になります。劇中では人間の姿をしている時間が長いため誤解されがちですが、正体は神様であり、龍に変身できるのもそのためです。劇中では「白龍」と呼ばれていることから、おそらくは龍の姿が本来のものと考えられます。
ハクの正体は千尋の兄?
正体は「ニギハヤミコハクヌシ」という名の川の神という『千と千尋の神隠し』のハクですが、彼の正体候補としてもう1つ囁かれているものがあります。これは評論家の岡田斗司夫の説ですが、彼は「ハクは千尋の兄であり、川で溺れかけた幼い妹を助けようとして代わりに死んでしまった」と唱えています。劇中で描かれた川の中に差し伸べられる子供の手が千尋のものらしくないことや、千尋に対する母親の態度が妙に冷たいことなどがその根拠だということです。
それなりに説得力がある説ですが、だとすると彼にとっても両親のはずの千尋の父母のことを一切覚えていないのはなぜか、といった疑問も浮かび、今のところ推測の域を出ていません。
ハクが千尋のことを知っていた理由
川の神を正体とする『千と千尋の神隠し』の人気者・ハクは、異世界に迷い込んだ千尋を最初から献身的に助けてくれます。発見されそうになると身を挺してかばったり、油屋で働くための丁寧なアドバイスまでしてくれますが、それはひとえに彼が千尋のことを知っていたためにほかなりません。
自分の名前すら忘れたハクが千尋を知っていた理由は、「記憶はないものの、2人が過去に出会っていたから」です。昔川に流れた靴を拾おうとして溺れかけた千尋を、ハク=ニギハヤミコハクヌシが助けたという出来事があり、彼は意識の奥でそれをわずかに覚えていたのでした。
ハクが油屋に来た理由
『千と千尋の神隠し』の劇中で、釜爺はハクについて「“魔法使いになりたい”といって突然油屋に来た」と語っています。ハクが魔法使いになりたかった理由とは何でしょうか。これは想像するしかありませんが、可能性が高いのは「マンション建設のため埋められたコハク川を復活させる」という理由でしょう。また、「失った神としての力を取り戻す」という動機も理由として考えられます。
ハクが龍の姿になり判子を盗んだ理由
『千と千尋の神隠し』において、龍の姿に変身したハクは湯婆婆の姉・銭婆の元から「魔女の契約印」という判子を盗むよう強制されます。この行為の理由も気になるところですが、「銭婆の持つ判子は湯婆婆のものとは用途や効力が異なり、湯婆婆はその力を欲した」という考察が可能でしょう。銭婆の契約印があれば、もっと強大な権力を手にして勢力を広げられる、と湯婆婆は考えたのではないでしょうか。龍の姿のハクは、その手先として利用されたわけです。
ハクの本当の名前であるニギハヤミコハクヌシのモデル
人気映画『千と千尋の神隠し』のハクの正体や千尋を知っていた理由などを考察していますが、最後に「ニギハヤミコハクヌシ」という本名のモデルを紹介しておきましょう。この名前の由来は、古事記などに登場する神「ニギハヤヒ」にあると見られています。「ニギ」は豊かなさまを、「ハヤ」は勢いのあるさまを表す言葉で、これに「水」を表す「ミ」を付けて流れの早い川を表したと思われます。
【千と千尋の神隠し】ハクの最後やその後
龍の姿にもなり、正体は「ニギハヤミコハクヌシ」だという『千と千尋の神隠し』の人気キャラ・ハクですが、彼については物語の結末後どうなったかも気になるところです。ここでは、本作におけるハクの最後とその後について解説します。
ハクは八つ裂きにされた?
『千と千尋の神隠し』の終盤において、千尋と両親を帰すよう求めるハクへ湯婆婆は、「お前はその後八つ裂きにされてもいいんかい」と詰め寄ります。これを理由として、ファンの一部から「本当にそうなったのでは」という声も上がっていますが、真相はどうなのでしょうか。やはり想像の域を出ませんが、ハクはすでに自分の正体を思い出していることから、湯婆婆の呪縛を脱した確率が大です。つまり、八つ裂きの運命は避けられたと見て良いのではないでしょうか。
ハクの最後の言葉
上の考察を裏付ける証拠となるのが、『千と千尋の神隠し』のラストでハクが千尋に言ったセリフです。ハクは湯婆婆と話をつけて弟子を辞めると宣言し、「平気さ、本当の名前を取り戻したから」と続け、最後に「元の世界に私も戻るよ」と言っています。ということはやはり、正体である出自が蘇った以上、契約の縛りは無効とハクも自覚していたと考えて良いでしょう。
千と千尋の神隠しには幻のラストシーンがある?
人気映画『千と千尋の神隠し』には、限定的に公開されたという、次のような「幻のエンディング」が存在すると噂されています。人間世界に戻った荻野一家が新居へ向け車を走らせていると、すでに引っ越し業者が到着しているのが見え、それについて母親が愚痴をこぼします。新居に着いた千尋は、1人で周囲を歩いている時短い橋のある小川を見つけました。橋から川を眺めていた千尋は、ふとここがハクの新しい住処であると悟り表情を変える…という内容です。
結論を言えばこれは完全な都市伝説で、該当の別エンディングバージョンは存在しません。しかし丸きりウソというわけでもなく、実は絵コンテの段階では上記の終わり方が構想されていました。最終的に採用されなかったわけですが、その事実が巷で語られるうちに一部の人が錯覚を起こした、というのが真相のようです。
【千と千尋の神隠し】ハクのかっこいいセリフ
正体が白い龍の神様という『千と千尋の神隠し』の人気者・ハクは一挙一動が様になるキャラクターですが、口にするセリフもいちいちかっこいいものばかりです。ここでは一度は言ってみたいハクのかっこいいセリフから、代表的なものを一部取り上げて紹介します。
ハクの名セリフ①「嫌だとか…」
嫌だとか、帰りたいとか言わせるように仕向けてくるけど、働きたいとだけ言うんだ。辛くても、耐えて機会を待つんだよ。
『千と千尋の神隠し』におけるハクのかっこいいセリフ、まずは異世界に来てとまどう千尋に、この世界で生き延びるための方法を教える際のものです。この言葉に従ったことにより、千尋はなんとか危機を乗り越えることができました。それにしても、混乱するばかりの少女に懇切丁寧に働き口を世話しようとするその姿勢は、まさしく聖人としか言いようがありません。
ハクの名セリフ②「湯婆婆は相手の名を…」
湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。いつもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。
ニギハヤミコハクヌシ=ハクのかっこいいセリフ、2つ目は油屋で働くことになった翌日の朝、密かに千尋を呼び出し持ち物を返したハクが言ったものです。千尋は湯婆婆と契約する際名前を「千」に変えられたのですが、危うくそのまま本名を忘れそうだったところ、ハクの気遣いによりその危機を脱しました。心憎いまでの配慮で、さすが神様だと感心せずにいられません。
ハクの名セリフ③「つらかったろう…」
つらかったろう。さ、お食べ。
3つ目のハクのかっこいいセリフです。前述のものと同じ場面において、ハクは「元気になるようおまじないをかけた」というおにぎりを差し出します。あまりにいろいろなことがあって食事もろくにしていなかった千尋は、そのおにぎりを頬張りつつぼろぼろと涙をこぼします。そんな千尋にかけたのが上のセリフで、千尋と同じく観客の感情も激しく揺さぶられる、本作で最も印象的なシーンの1つとなっています。
ハクの名セリフ④「千尋、ありがとう…」
千尋、ありがとう。私の本当の名は、ニギハヤミ コハクヌシだ。
4つ目のハクのかっこいいセリフを紹介しましょう。映画のクライマックス、銭婆の元を訪れていた千尋を、龍の姿のハクが迎えにきます。その背に乗って帰路をたどりながら、千尋はかつて溺れかけた経験と、その場所である川の名前を口にします。その途端、龍から人の姿となったハクは上のセリフを発しました。こうしてめでたくハクは正体を取り戻し、観客の目にも2人と同じく涙が浮かぶこととなったのでした。
ハクの名セリフ⑤「さぁ行きな…」
さぁ行きな。振り向かないで。
『千と千尋の神隠し』のハクのかっこいいセリフ、最後のものを紹介しましょう。銭婆の元から戻り、湯婆婆の課した最後のテストにも無事正解した千尋は、ハクと手を取り合って両親の元へ向かいます。しかし、2人が一緒にいられるのは入り口の境界線まででした。そこでハクは上のセリフを言い、千尋を送り出します。最後の最後まで千尋を身を思いやるハクの優しさが胸に沁みる名シーンで、つないでいた手が離れる瞬間の映像が忘れがたい余韻を残します。
【千と千尋の神隠し】ハクの声優
『千と千尋の神隠し』のハクについていろいろ紹介していますが、「声」についても気になるという人は多いでしょう。涼し気でりりしい話し方が役柄にぴったりの声優は、一体誰なのでしょうか。ここではハクを演じる声優の情報をお届けします。
ハクの声優は「入野自由」
人気映画『千と千尋の神隠し』でニギハヤミコハクヌシことハクの声を担当しているのは、声優の入野自由(いりのみゆ)です。俳優・歌手としても活動している氏は、13歳の時本作のオーディションに合格しハク役を得ました。当時は声変わりした直後であり、「現在ではできない」と本人は語っています。
入野自由のプロフィール
『千と千尋の神隠し』でハクの声を務める入野自由は、1988年2月19日に東京都で生まれました。4歳の時に劇団ひまわりに入団し、子役として芸能活動を始めます。俳優デビューは1995年の舞台『コルチャック先生』でした。声優としてのデビュー作は、1996年の『逮捕しちゃうぞ』になります。2001年にはハク役のほか、テレビアニメ『パラッパラッパー』の主役も務め知名度を上げました。2009年には歌手としてもデビューするなど、多方面で活躍中です。
入野自由の主な出演作品
入野自由の『千と千尋の神隠し』ハク以外の主な出演作品には、前述の『パラッパラッパー』(パラッパ)のほか、『ハイキュー‼』(菅原孝支)、『おそ松さん』(松野トド松)、『アイシールド21』(小早川瀬那)、『機動戦士ガンダム00』(沙慈・クロスロード)、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(宿海仁太〈じんたん〉)などがあります。
【千と千尋の神隠し】ハクに対する世間での評判や人気
ここで少々目線を転じて、『千と千尋の神隠し』のハクの人気や評判というテーマを取り扱ってみたいと思います。ハクは世間からどのような見方をされているのか、その点をX上の投稿から調べてみました。以下のような意見が寄せられています。
最初はシンプルに「ハクかっこいい」という意見です。ジブリ映画にはほかにもストレートなイケメンが多数登場しますが、その中でもハクのかっこよさは別格と言ってよいでしょう。神様だから当然と言えばそれまでですが、顔面はもちろん包容力、神経の細やかさ、時に見せる近寄りがたい表情、いずれを取っても「理想の男」そのものです。
続いては、「小さい頃に“ありえないほど”作品を見ていたからハクが好き」という意見です。「様」付けの呼び方からして、いかにハクに心酔しているかが伝わってきます。ジブリ映画は繰り返し見られるものが多いのが特徴ですが、『千と千尋の神隠し』はその最高峰と言って過言ではありません。そしていつ見てもハクの魅力は変わることがなく、こうして多くのファンを虜にしています。
最後は「ジブリ嫌い」を公言する方のツイートですが、それでも『千と千尋の神隠し』は唯一見る作品で、しかもハクについては「理想の男」と断言しています。このツイート主のように、「ハクの握ったおにぎりが食べたい」と思う人が世界中にどれくらいいるのか想像もつきません。ジブリに反感を持つ人ですら虜にしてしまうハクの魅力の底知れなさを思い知らされます。
【千と千尋の神隠し】ハクの正体は「ニギハヤミコハクヌシ」だった
『千と千尋の神隠し』のハクについて紹介しました。このように、ハクの正体は人間ではなく川の神様で、「ニギハヤミコハクヌシ」を本名とします。白い龍の姿はおそらく本来の姿で、人間の姿が仮初のものと思われます。千尋を知っていたのは、その昔溺れそうな彼女を救ったことがあるというのが理由でした。こうした事実を知ってから見ても本作は十分に楽しめますから、未見の方はぜひ一度鑑賞してみてください。
この記事のライター
だいじろう
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