【ラピュタ】ドーラの人物像や家族構成を紹介！若い頃やモデルについても

『天空の城ラピュタ』に登場するドーラは空中海賊の女頭領というだけあり、賢くとても強欲で大胆な性格の持ち主です。しかし、作中ではシータやパズーのよき理解者となり面倒見がよく、根は優しい人物であることがわかります。夫は既に他界していますが、3人息子がおり、頼りない息子たちに肝っ玉母さんぶりを見せています。『天空の城ラピュタ』の監督宮崎駿が「ドーラは一番思い入れの深い人物である」と明かしています。

『天空の城ラピュタ』は1986年に公開された宮崎駿が監督、脚本、原作を務めたスタジオジブリ初製作の長編アニメーションです。本作は宮崎駿が監督を務めた長編アニメの3作目にあたり、興行収入は11.6億円に達し、さまざまな国で上映されています。この物語は宮崎駿監督が小学生時代に想像していた架空の話を骨組みとして製作され、基となる作品がない宮崎駿監督にとって初のオリジナルアニメ作品となりました。その後は金曜ロードショーなどで数年おきにTV放送され、今もなお幅広い年齢層に人気の作品です。

ある日、機会工の見習いとして働くパズーは空からゆっくりと降ってきた不思議な少女シータと出会います。シータは飛ぶ力を持つ飛行石を胸に下げ、その力を手に入れようと、ムスカや空中海賊ドーラ一家に追われていました。逃げる途中にシータはムスカに一度捕まりますがドーラ一家の助けもあり、パズーとシータは一緒に天空に浮かぶ島ラピュタを目指すことになります。しかし、そこで待っていたのはラピュタの力で世界征服を企むムスカでした。

ここからは、ドーラの人物像やモデルとなった人物を解説していきます。ドーラの若い頃は今からは想像できない見た目であることがわかり、度々話題になるジブリ飯についても紹介しています。またドーラのモデルとなった人物についてもクローズアップしています。今一度ドーラの魅力を再確認できるでしょう。

作中でシータが飛行船の中でテキパキと家事を進めていると、ドーラが自分の若い頃のようだと言います。それを聞いた息子たちはシータが「ママみたいになるの？」と驚きを隠せませんでした。しかし、飛行船の中のドーラの部屋には若い頃のドーラの肖像画が飾られており、それはとても美しい少女でした。そのため、ドーラがシータを自分の若い頃のようだと言ったのもあながち嘘ではないようです。また、映画公開35周年記念としてドーラの若い頃（18歳）のフィギュアが発売されました。

上述の通り、シータが自分の若い頃に似ているというドーラの発言から、最初の設定ではドーラとシータは親子関係だったという都市伝説があるようです。しかし、2人が家族になるとドーラもラピュタの王家の関係者になってしまうため、その設定はなくなったとのことです。家族の関係ではないにしても、シータは咄嗟にムスカの頭を瓶で殴ったり、パズーのために自分を犠牲にして嘘をついたりと意思が強く行動力もあるので、将来ドーラのような強く、頼りがいのある女性になるかもしれません。

スタジオジブリ作品といえば、見ていてよだれが出そうになるほど美味しそうなジブリ飯が各作品にあることで知られています。『天空の城ラピュタ』でも人気のジブリ飯があり、その中の一つが「ドーラハム」と言われるものです。作中ドーラ一家がパズーの家に乗り込んでくるのですが、その時にドーラが大きなハムを切らずにナイフを刺してそのまま豪快に口に運んだのがドーラハムです。一度はこのように豪快にハムを食べてみたいというジブリファンが「ドーラハム」を再現したレシピをネットにアップしています。

若い頃は美少女で勝気ながらも面倒見がよく、根は優しいドーラにはモデルが存在しました。実のところ宮崎駿監督のお母さんがモデルのようです。4人兄弟の次男として育った宮崎駿監督は6歳から脊椎カリエスという難病にかかり、寝たきりで手首しか動かせない生活を9年間も続けていました。その過酷な闘病生活を支えたのがドーラのモデルの美子さんです。宮崎駿監督の兄である新さんは大泉実成さんの著者のインタビューでモデルの美子さんについて「勝気な性格でしつけに厳しく、面倒見がよかった」とを明かしています。

新さんのコメントを聞くと、まさしく美子さんはドーラのモデルであり、宮崎駿監督が『天空の城ラピュタ』でドーラが一番思い入れのあるキャラクターだと語っていることに一層理解が深まります。

映画版『天空の城ラピュタ』の最後は天空に浮かぶ島ラピュタが崩壊し、ドーラ一家はパズーやシータと別れるところで話は終わります。実はその後のドーラ一家の話が小説版『天空の城ラピュタ』で少しだけ語られていました。ドーラ一家はパズーやシータと別れた約半年後に、「タイガーモス号」の代わりとなる飛行船を作り、軍の飛行船から報酬を奪うなどして相も変わらず空賊を続けていたようです。

ここからはドーラの家族構成とタイガーモス号の船員について詳しく紹介します。ドーラの家族は夫と3人の息子であり、ドーラも合わせると5人家族になります。また、家族以外の船員は6人いるので、現在タイガーモス号に乗っているのはドーラの夫を抜かした10人になるようです。

まずはドーラの家族である夫となる人物です。彼は既に亡くなっていて作中一度も登場していないので、どのような人物像なのか詳しくは語られていません。しかし、ドーラ同様、ドーラの夫も只者ではなく彼は天才科学者であり、ドーラ一家の母船であるタイガーモス号を作成した人物です。天才科学者がドーラ一家に入った経緯は半ば強引に連れ去られたということのようですが、根は優しく若い頃は魅力的だったドーラですから2人は惹かれ合い家族になったのかもしれません。

次に紹介するドーラの家族は息子たちです。ドーラには長男のシャルル、次男のルイ、三男のアンリと3人息子がいます。そして、息子たちの名前は歴代のフランス国王の名前からつけられているようです。作中彼らはドーラにどやされる場面が多いですが、ドーラの「いつまでたっても子供なんだから」というセリフからも息子たちへの愛を感じます。

まずは長男シャルルから紹介しましょう。シャルルは顔の周りを覆う口髭が特徴のガタイがよい筋肉自慢の大男で、年齢は30歳であり、作中ではパズーの親方ダッフィーと互角にやり合う姿を見せています。飛行船では料理を作るシータに花をプレゼントして手伝おうとするという外見からは想像がつかない優しい一面があります。また好物はプディングという可愛らしい嗜好の持ち主であり、次男のルイからは兄貴、三男のアンリからは兄ちゃんと呼ばれ長男らしく慕われているようです。

続いては次男のルイを紹介します。次男のルイは25歳で口の上にちょこんとのった髭が特徴的です。兄弟3人とも可愛いシータに興味を持ちますが、次男のルイが一番最初にシータに好意を持ったようです。しかし、なかなかシータに声がかけられずとてもシャイな性格の持ち主です。一説では、次男のルイだけドーラがスペインで一目ぼれした男の子供だという説があり、真偽は定かではありませんが一人だけ父親が違うと言われています。

最後に三男のアンリはシャルルやルイとは違い髭がない代わりに、顔にそばかすがあります。年齢は20歳でタイガーモス号の操縦を任されているので、どちらかといえば裏方役で作中あまり表立っての活躍はありません。兄弟の中でもこのアンリだけ作中でドーラに名前を呼ばれていないという少しかわいそうな役回りです。好物は特段なく、シータに好物を聞かれたときは「何でも食う！」と答えていました。

ドーラ一家には息子たちの他に機関士と5人の子分がいます。5人の子分はどのような経歴かは詳しくわかりませんが、小説版ではドーラに「素質を見込まれて世界から集められた」と明かされていたようです。ここでは少ない情報の中から出身国と外見的な特徴を紹介していきます。

ハラ・モトロはドーラの飛行船の機関士をしている人物です。いつも機関室にいてあまり出てこないことから、「モグラのじいさん」と呼ばれています。ハラ・モトロとドーラはドーラの父親の代からの関係で船長であるドーラと唯一対等に話ができる存在であり、ドーラからの信頼も厚い様子がうかがえます。

ドーラから素質を見込まれている5人の子分にも実はきちんと名前がつけられていました。その名前は「カ、キ、ク、ケ、コ」というものです。「カ」はポルトガル人で金髪に髭をたくわえ、右頬に傷があります。「キ」はエジプト人で右目に黒い眼帯をしています。「ク」は中国人で茶色い髭をたくわえています。「ケ」は日本人で黒く真っ直ぐ横に伸びた髭が特徴的です。最後に「コ」はセネガル人で長いなまずのような髭をなびかせています。「ク、ケ、コ」は特徴が髭のみなので、髭の形で見分けるしかないでしょう。

『天空の城ラピュタ』ではドーラという人物を体現したような魅力的なセリフをがたくさんあります。強くて優しいドーラのかっこいいセリフはジブリファンのみならず、多くの人の心に残るものでした。今回は数多くの魅力的なセリフの中で特に人気のあるものを3つ選出して紹介します。

上記のセリフはドーラがラピュタの宝を求めてシータとムスカの元へ向かうさいに、シータを助けるために自分も連れて行ってほしいというパズーに向けて放ったセリフです。連れて行かない選択もあったはずですが、ぶっきら棒でありながらも時間を与えて準備をさせるドーラの根っからの悪役になれない優しさが感じるシーンでした。

こちらはドーラの長年の空賊経験がものを言ったセリフです。ムスカから逃げるさいに、洞窟に身を隠している時にドーラがパズーとシータに言いました。普通なら何も物音がしなければ安全と思い進んでしまいますが、ドーラは長年の経験と危険を察知する研ぎ澄まされた感性から様子を見るよう促します。しかし、パズーとシータは大丈夫だと地上に出てしまったことで、ムスカに捉えられてしまいます。ドーラの空賊としての勘が冴えたかっこいいセリフです。

パズーがムスカからシータを助けに行くと、そこはもう既に火の海でした。このまま突進してもロボット兵の餌食になるだけど一度は撤退を考えますが、パズーが火の中の塔にいるシータを見つけます。その時にシータを助けに行くと覚悟を決めたドーラが言ったのが上記のセリフです。「男は度胸、女は愛嬌」ということわざがありますが、ドーラには愛嬌よりも「度胸」という言葉がぴったりです。

ここからはドーラの声優を紹介します。ドーラは最初は強欲で豪快なおばさんでしたが、シータやパズーと行動することになるとその懐の深い優しさが垣間見える魅力的な人物でした。そんなドーラを演じた声優は「姑役女優」として有名なあの人です。

『天空の城ラピュタ』の勝気で根は優しいドーラを演じた声優は初井言榮（はついことえ）さんです。初井さんは主に劇団員としての演技や映画やドラマに出演する女優として活動していたのでアニメの声優としての演技は『天空の城ラピュタ』のドーラが数少ない出演作になります。豪快に食事をするシーンではリアリティを出すためにハンカチを口に咥えて演技に挑みました。

『天空の城ラピュタ』のドーラ役を務めた初井言榮さんは1970年代後半から少しクセのある意地悪な姑や祖母役を多く演じていたことから「姑役女優」として幅広い世代に認識され知名度を上げていきました。また演じた人物のほとんどが実際の年齢よりの上の世代だっため、北林谷栄、鈴木光枝と並んで新劇界三大婆さん役女優の一人として映画やドラマを中心に活躍していました。

初井言榮さんは冷徹で意地悪な姑や祖母役を数多く演じ、いわゆる嫁いびりの元祖「姑役女優」として活躍しました。しかし、実際の性格は真逆で、温厚で優しい人柄だったため、厳しく折檻しなければならない場面でもどうしても優しさが出てしまい、見かねた監督が代行したという逸話もあるようです。厳しい姑や祖母というハマり役でも、役柄と実際の人柄が違いすぎて苦労したところもあるのかもしれません。

上記の投稿は「ドーラのような強いお母さんになりたい！」とご主人に話したところ、「そのままでいてほしい・・・」という答えだったようです。いつもは否定しないご主人が否定するということはよっぽど嫌だったのかもしれません。ドーラのような強い母は子供にとっては元気で頼もしいかもしれませんが、ご主人にとってはあまり好ましくなかったようです。

次の投稿はラピュタを見るたびにドーラが好きになるという投稿です。特に「40秒で支度しな」のセリフが勢いがあっていいと言っています。確かにこのセリフはきつい口調でも、愛があり優しいドーラの魅力的な人柄を表しているかもしれません。ジブリキャラの中でもドーラが好きという投稿も多かったです。

上記の投稿も「40秒で支度しな」というセリフに触れています。そしてこの方はいつも40秒で支度するようになったとのことです。真偽は定かではありませんが、ドーラは人生を変えるほどの影響力があったようです。ドーラは強いだけではなく、優しく、おしゃれな一面もあり魅力溢れるところが愛おしいと感じたとのことです。

ドーラは3人の息子のお母さんですが、ただ優しいお母さんというだけでなく、ダメな息子は蹴飛ばし、見込みがあればとことん力になってくます。また、口やかましいところはありますが、陰でフォローして見守ってくれます。豪快過ぎるところが玉に瑕ですが、ドーラを理想のお母さん像とする人は多いようです。

最後の投稿は、以前はシータのように強くて優しい女の子になりたいと思っていたが、今はドーラのように愛が深い強い女性になりたいとの投稿です。若い頃はシータの強くて可憐な雰囲気に憧れますが、歳を重ねるとドーラの懐が深い包容力に憧れを抱くようになるのかもしれません。しかしながら、シータもドーラも魅力的な女性に変わりはないでしょう。

本記事では『天空の城ラピュタ』に登場する男勝りで勝気な最強ママドーラについて紹介しました。ドーラは最初こそ金欲が強い豪快なおばさんでしたが、物語が進むにつれて、口は悪いものの実は面倒見が良く、優しい一面を持った魅力的な人物だということがわかりました。また宮崎駿監督が『天空の城ラピュタ』の中でドーラが一番思い入れのあるキャラクターあと明かしていたのは、ドーラのモデルが自身のお母さんだったからという事実がありました。

そして、ジブリファンからの評判も良く、ドーラのようなお母さんになりたいという方やドーラのように愛が深い女性になりたいという投稿も多かったようです。まだ『天空の城ラピュタ』でドーラの活躍を見ていないという方は一度ドーラの魅力に触れてみてください。