【かぐや様は告らせたい】お可愛いことは四宮かぐやの代名詞？使用シーンも

漫画、アニメ、実写と大人気作品となった『かぐや様は告らせたい』とは、どのような作品なのでしょうか。まずは『かぐや様は告らせたい』の作者、概要、あらすじについて紹介します。

『かぐや様は告らせたい』の作者は、赤坂アカさんです。赤坂アカさんは、1988年生まれ、新潟県出身の元漫画家です。『かぐや様は告らせたい』の連載終了と共に、漫画家としては引退し、現在は漫画原作者として活動しています。漫画原作者としては2020年より連載開始の『推しの子』でも大ヒットを飛ばしています。

『かぐや様は告らせたい』は2015年～2016年まで『ミラクルジャンプ』、その後2022年までは『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた漫画作品です。単行本は全28巻、総話数は271話です。作品のジャンルは学園ものの恋愛ラブコメギャグ漫画です。2020年には「第65回小学館漫画賞一般向け部門」を受賞しています。2019年にはアニメ化、実写映画化され、様々な層から人気を集めました。

主人公の四宮かぐやは、名門校である秀知院学園の生徒会で副会長を務める才色兼備な生徒ととして一目置かれる存在でした。生徒会会長の白銀御行に思いを寄せる四宮かぐやでしたが、プライドが邪魔をしてなかなか告白することができません。対する白銀御行も四宮かぐやに惹かれながらも、告白できずにいました。素直になれない2人は、相手に告白させるべく、日々頭脳戦を繰り広げることとなります。

『かぐや様は告らせたい』には度々「お可愛いこと」というセリフが登場します。作中で何度も登場し、四宮かぐやが白銀御行の発言や行動を見下すシーンに使用されるセリフです。四宮かぐやの代名詞とも言われているこのセリフについて紹介します。

「お可愛いこと」は、四宮かぐやの代名詞とされています。四宮かぐやは大財閥「四宮グループ」の令嬢であり、四宮家の人間として中等部～高等部入学当初は「氷のかぐや様」と呼ばれるほど人を寄せ付けない性格でした。そんな四宮かぐやのイメージ通りともいえる「お可愛いこと」は口元に手をあてながら、人を憐れむような目つきで使用されるセリフです。

実はこの「お可愛いこと」というセリフを四宮かぐやが発するシーンはほとんど無く、白銀御行のイメージとして脳内で再生されているセリフです。四宮かぐやとの頭脳戦で追い詰められた時や、劣等感を感じた時に、このイメージシーンは登場します。白銀御行の「お可愛いこと」のイメージパターンは多岐に渡り、様々なバリエーションがファンにも楽しまれています。実際に15巻で四宮かぐやに「お可愛いこと」と言われた白銀御行は大きなショックを受けることとなりました。

白銀御行の妄想イメージで四宮かぐやが使用する「お可愛いこと」というセリフは、とても便利なセリフとも言われています。作者の赤坂アカ先生は、貴族が人を見下す際の言葉をイメージしたとしていますが、イントネーションや表情を変えるだけで日常生活でも十分使用できる便利なセリフとして、ファンの間で評価されています。「可愛い」というフレーズがあることで相手を完全否定しないという点も便利なセリフと言われる理由のようです。

『かぐや様は告らせたい』を代表するセリフとも言われている「お可愛いこと」は、登場シーンによってバリエーションを変え、登場します。作中に数多く登場する「お可愛いこと」の使用シーンを、それぞれのエピソード毎に11シーン紹介します。

使用シーン①は、アニメ第1話のAパート「映画に誘わせたい」に登場します。四宮かぐやと白銀御行、2人の前に書記の藤原千花が映画のペアチケットを譲りに来ます。何気なく四宮かぐやを誘った白銀御行ですが、その映画は男女で観に行くと結ばれるというジンクスがあると知らされると、四宮かぐやへの好意がバレてしまうと慌て、誤魔化す方法を脳内でイメージします。その際に、四宮かぐやに「お可愛いこと」と言われる脳内イメージが登場しました。

使用シーン②は、アニメ第1話Bパート「かぐや様は止められたい」です。白銀御行は四宮かぐやにラブレターが届いたことを知ります。四宮かぐやがそんな物に応える訳が無いと高を括っていた白銀御行ですが、四宮かぐやはデートをするつもりであると藤原千花に伝えます。焦った白銀御行は四宮かぐやが他の男とデートに行くのを脳内イメージで止めようとします。その際イメージ内で、四宮かぐやが「私が他の人に取られるのが嫌なのですか、お可愛いこと」と言い放ちます。

使用シーン③はアニメ第1話Cパート「かぐや様はいただきたい」です。このエピソードでは、手作り弁当をめぐっての頭脳戦が繰り広げられます。白銀御行は弁当を持参し、藤原千花に分けてあげます。そのやり取りを見た四宮かぐやは嫉妬し、翌日豪華な弁当を持参し、白銀御行におかずを交換しようと提案します。しかし豪華な食材を差し出された白銀御行は、四宮かぐやに憐れまれているのではと妄想し、四宮かぐやに「お可愛いお弁当ですこと」と言われることを脳内でイメージします。

使用シーン④はアニメ第2話Bパート「藤原ちゃんは出かけたい」です。書記の藤原千花は、四宮かぐやと白銀御行に夏は生徒会でお出かけしようと提案します。その提案を聞き、海派山派での頭脳戦が開始します。海派の四宮かぐやに対し、泳げないことに劣等感を感じている白銀御行は、脳内イメージで四宮かぐやに「カナヅチだったなんて、お可愛いこと」と言われてしまいます。

使用シーン⑤はアニメ第2話Cパート「白銀御行は隠したい」です。白銀御行は、男子生徒から恋愛相談を受けます。白銀御行は恋愛経験ゼロにも関わらず、周囲から勝手に恋愛のエキスパートと思われていました。万が一、恋愛経験が無いことが四宮かぐやにバレてしまった場合「お可愛いこと」と言われるであろうと脳内でイメージします。その状況を打破するため、白銀御行は恋愛相談を受けることを決意します。

使用シーン⑥はアニメ第3話のAパート「白銀御行はまだしてない」です。白銀御行、四宮かぐや、藤原千花は生徒から没収した雑誌の中身を見て、「初体験はいつか」という話題になります。「初体験」を勘違いしている四宮かぐやは、自分は経験済みだと公表し、経験の無い2人にマウントを取ります。経験が無いと言い出せなくなった白銀御行は経験済みであると嘘をつこうとするが、脳内で見栄を張っていることを四宮かぐやに「お可愛いこと」と蔑まれるイメージを想像します。

使用シーン⑦はアニメ第4話Dパート「白銀御行は話したい」です。生徒会メンバーは、急遽フランス交換留学生歓迎会へ参加することとなります。ハンドブックでフランス語の予習をしてきた白金御行ですが、ほとんど話すことはできません。それに対し四宮かぐやと藤原千花は流暢なフランス語を披露します。自分だけがフランス語を話せないと知られたら、と焦った白金御行の脳内イメージにて四宮かぐやがフランス語で「お可愛いこと」と言う姿が再生されます。

使用シーン⑧はアニメ第5話Bパート「白金御行は見せつけたい」です。白銀御行は勉強こそ出来るものの、極度の運動音痴です。バレーボールの授業が始まるまでになんとか人並程度にできるようにとこっそり体育館でバレーボールの練習をします。このままでは「死にかけのアルパカ」のような姿を晒してしまい四宮かぐやに「お可愛いこと」と言われてしまうのでは、と脳内でイメージした際に登場します。

使用シーン⑨はアニメ第5話Cパート「かぐや様は差されたい」です。ある雨の日、相合傘をするために白銀御行と四宮かぐやの両者は傘を持っているにも関わらず、傘を忘れたと言ってしまいます。2人ともが傘を忘れては相合傘は成立しない為、白銀御行は前言撤回し「傘を持っている」と言うべきか悩みます。しかしそんなことをすれば「そこまでして私の傘に入りたかったんですか？まったくお可愛いこと」と四宮かぐやに言われてしまう、と想像したシーンで登場します。

使用シーン⑩はアニメ第6話Bパートの「藤原千花はテストしたい」です。書記の藤原千花は生徒会メンバーで心理テストをしたいと言い出します。「薄暗い道を後ろから肩を叩かれた、その人は誰か」という質問に生徒会メンバーが答える中、白銀御行が答えようとするも藤原千花がニヤニヤしているのを察知し、もしや答えは「好きな人」なのではと予想し、四宮かぐやに「お可愛いこと」と言われる場面を想像したシーンです。

使用シーン⑪はアニメ第10話Cパート「白銀御行は出かけたい」です。夏休みに四宮かぐやと出かける予定を組みたい白銀御行ですが、ここでも両者の頭脳戦が開始されます。以前、山か海かで論じられた旅行も立ち消えとなってしまっていたため、今回また旅行の話を持ち出そうものなら「本当に旅行に行けると思っていたのですか、お可愛いこと」と言われるに違いないと白銀御行の脳内イメージにて登場しました。

赤坂アカ先生のヒット作品『かぐや様は告らせたい』では、「お可愛いこと」と類似したセリフがいくつか登場します。中には白銀御行の脳内イメージ以外で使用されたセリフも登場します。

「お可愛い胸部だな」というセリフは、アニメ第2話Bパート「藤原ちゃんは出かけたい」に登場します。四宮かぐやは海で水着姿を披露し、白銀御行を悩殺しようと考えますが、藤原千花の豊満な体を見て焦りを感じます。藤原千花と四宮かぐやの体を見比べられたらきっと言われてしまうであろうセリフとして、四宮かぐやの脳内イメージで登場します。

「お可愛わわわわわ」というセリフは、アニメ第4話Aパート「かぐや様は愛でたい」です。歓迎会にコスプレをするという流れになり、四宮かぐやは白銀御行に猫耳を付けさせます。猫耳を付けた白銀御行を見た四宮かぐやが心の中で叫んだセリフです。「お可愛いこと」ではありませんが、実際に四宮かぐやが近いセリフを使用した貴重なシーンです。

「お似合いですこと」というセリフはアニメ第4話Aパート「かぐや様は愛でたい」に登場します。白銀御行の猫耳姿を見た四宮かぐやは、その可愛さに思わずニヤけてしまいますが、それを悟られないよう、必死に隠す際に使用したセリフです。

「お可愛いやつめ」のセリフはアニメ第11話Aパート「早坂愛は浸りたい」で登場します。ツイッターが題材となったこの回では、四宮かぐやは白銀御行のツイッターの鍵垢を見るためには、承認リクエストを送る必要があると知らされます。しかし承認リクエストを送るということは告白同然の行為であると四宮かぐやは考え、白銀御行にこのセリフを吐かれてしまうのでは、と想像した際に登場した妄想シーンです。

『かぐや様は告らせたい』のファンの中には、四宮かぐやが「お可愛いこと」と言っている姿が好きというファンが数多くいました。ほとんど白銀御行の脳内イメージではありますが、四宮かぐやファンとしてもこのセリフが登場するシーンは好評のようです。

『かぐや様は告らせたい』のコミックス読者の中には、四宮かぐやが実際に「お可愛いこと」と発した回数が少ないことに驚いている読者もいました。四宮かぐやのセリフとして認識されがちですが、実は白銀御行の脳内イメージがほとんどなのです。

原作、アニメ、実写ともに大ヒットとなった『かぐや様は告らせたい』ですが、中には話数が進むにつれ、白銀御行の妄想で登場する四宮かぐやの「お可愛いこと」の登場が少なくなることに物足りなさを感じているファンもいました。こういった意見からも「お可愛いこと」が作品を代表するセリフとして認識されていることがわかります。

『かぐや様は告らせたい』に登場する「お可愛いこと」というセリフは、白銀御行の脳内でイメージされたものが大半ですが、四宮かぐやの性格やイメージにピッタリであるため、四宮かぐやの代名詞として定着しています。「お可愛いこと」に着目して漫画やアニメを見返してみてはいかがでしょうか。