【キングダム】成蟜(せいきょう)の人生とは？史実では実在した？

成蟜は政と密接な関係を持っており、物語序盤では彼に対する強い憎悪から反乱を起こし自己中心的な人柄で国のすべてを手に入れようとしました。ここでは成蟜の具体的な人物像について紹介し、キングダムの作品概要とあらすじについてまとめていきます。

成蟜（せいきょう）は秦国の王族であり嬴政の異母弟です。生まれた時から時期王位継承権として周囲に持ち上げられていたため、王族に対して絶対のものを感じ平民を蔑むような性格になりました。平民出身の家臣を理由もなく殺害するような歪んだ思想を持っていましたが、反乱編以後はその考え方が変わっていき人間的に成長した姿を見せました。

キングダムは原泰久によって週刊ヤングジャンプに連載されている漫画作品です。古代中国に起きた戦乱の時代を舞台に秦の始皇帝と側近の武将・信の物語を描いたオリジナル戦記作品として話題を呼び、2022年9月時点で累計発行部数9200万部を突破しました。

古代中国にて、戦災孤児だった信と漂は下僕としての生活を強いられてましたが、いつか天下の大将軍になればその生活から抜け出せることを知ると日々修行を続けるようになりました。そして、漂の才能が認められると見事仕官を果たしました。しかし、わずか1ヶ月後に漂は深手を負った状態で信の元に戻ってくると、彼に地図と大将軍の夢を託して死亡します。思いを受け継いだ信は地図に記された場所へ向かい、そこで後に天下統一を果たす始皇帝と出会うのでした。

成蟜がキングダムに初登場した時はわがままで小物な悪党という印象を読者に印象付けましたが、しばらくして再登場を果たすと見違えるような人間性を披露し物語に強いアクセントを与えました。ここでは成蟜の人生や活躍、死亡する最後についてまとめていきます。

成蟜はキングダム序盤から嬴政の弟として登場しておりストーリー上最初の波乱を呼び起こした人物でもあります。具体的に成蟜がしてきたことや再登場後の活躍について、4つの区切りに分けて実際のエピソードを紹介していきます。

成蟜は元々自分に王位継承権があることを自慢に思っていましたが、突如現れた嬴政に継承権が奪われてしまい彼を憎むようになりました。その憎しみから彼の母が平民であることをおこがましいと考え、王族の血筋を引く者こそが相応しいという歪んだ思想を持ち始め反乱を起こしました。

反乱によって漂が死亡し政を玉座から引きずり下ろすことに成功した成蟜でしたが、政が山の民を味方につけて王都に戻ってくるとその戦いで成蟜は敗れてしまいます。最後まで玉座は自分のものだとわめいていた成蟜でしたが、それを政は「少しは人の痛みを知れ」と完膚なきまでに殴り続けるのでした。

反乱鎮圧後に成蟜は軟禁されていましたが、呂不韋との勢力争いにて再び本編に登場します。再登場した成蟜は合従軍との戦いで見せた政の活躍に強い影響を受けていたそうで、反乱を起こしていた頃の人柄から雰囲気が変わっていました。

公妃である瑠衣が屯留に里帰りしているところに趙軍が屯留を攻めていると知らせを受けた成蟜は、自ら軍を従えて屯留に向かい趙軍との戦いに臨みました。そこで成蟜は軍を束ねる将として活躍してみせ、部下に慕われる人物像を見せつけましたが、その戦に呂不韋の陰謀が企てられていると外部に「成蟜が謀反を起こそうとしている」という嘘を流されてしまいます。

屯留にいた蒲鶮（ほかく）に捕らわれてしまった成蟜は敵兵を脅して牢を抜け出し、何とか外へ脱出しようと試みます。外では成蟜に何かあったと勘付いた信と壁も救出に向かっていました。しかし、成蟜が逃げる先に蒲鶮が現れると成蟜は瑠衣を逃がすために自ら囮となり、蒲鶮と相打ちになって死亡してしまいます。

成蟜は最後の言葉として信に「政にとっての剣であり、盾であることを忘れるな」と言い残しました。反乱後に成蟜は信について調べていたそうで、彼の成長ぶりはいずれ政にとって最も頼りになると見込んでいました。その思いを聞いた信は「絶対に倒れねぇ」と言い返すのでした。

瑠衣に対しては「初めて会った時からお前に惚れている」「自分の一派をまとめあげ、政の元に一本化しろ」と言い残しました。この遺言は成蟜は最後まで瑠衣のことを愛し、政や秦国のことを思っていたことを示しており、彼は瑠衣や信に看取られながら息を引き取りました。

瑠衣は成蟜の遺言通り自らが成蟜一派を率いるリーダーとなり政の元に仕えることを宣言しました。また、成蟜一派は成蟜の死によって半分以上が立ち去ると思われていましたが、実際に残った人数は9割以上でした。

もし成蟜が死亡していなかった場合、政の弟としてその後も政陣営につき彼に協力していたことでしょう。元々政は呂不韋との政争のために成蟜を解放していたため、彼の存在によってその政争も早く決着していた可能性も考えられます。

キングダムに登場しているキャラクターのほとんどは中国史に実在していた人物をモデルにしており、成蟜もその内の1人として知られています。しかし、実在していた成蟜はキングダムの成蟜と大きく異なる部分があり、考察勢の間で話題になっています。

史実に実在していた成蟜は秦の荘襄王（そうじょうおう）の息子、始皇帝の弟、長安君の爵位にあったと記されています。人物像に関する記述はほとんど残されていませんが、屯留で蒲鄗の兵卒を従えて謀反を起こしたことがあり、そこで秦軍に敗れ死亡したとされています。なお、一部の説では場内で自殺したと噂されています。

史実でも始皇帝である政の弟と記されていましたが、キングダムではそれに付随して異母兄弟という設定が加えられています。物語序盤で起こした反乱も史実では記されておらず、キングダムオリジナルのシナリオとされています。なお、実在した成蟜がそのような人柄だったのかは不明です。

史実の成蟜の母親は韓の夫人だったという説が唱えられています。なお、政の母親は趙国の豪族の娘・趙姫であり、結婚した経緯は荘襄王が気に入ったからだとされています。このことから荘襄王は出身を気にせず気に入った女性と結婚し成蟜を産んだ可能性が考えられます。

史実での成蟜の妻に関する記述はほとんどなく、明確な情報は明らかにされていません。キングダムでは瑠衣という女性で、彼女は秦国随一の美女と言われていました。史実の方では成蟜に妻がいたかどうかも不明ですが、もしもいた場合キングダムのように国一番の美女だったのかもしれません。

キングダムはアニメ作品と実写映画作品としてもファンに親しまれており、それぞれ声優とキャストによる名演技が評判となりどちらもシリーズ化が継続しています。ここでは成蟜の声優とキャストについてそれぞれ紹介していきます。

成蟜を演じた声優は宮田幸季（みやたこうき）さんです。81プロデュース所属の男性声優であり、電話だと女性に間違えられるほど男性の割に高い声質をしていることが特徴的です。なお、その声質によって2007年には第1回声優アワードサブキャラクター賞を受賞しました。

成蟜を演じたキャストは本郷奏多（ほんごうかなた）さんです。スターダストプロモーション所属の俳優であり、色白で細身の容姿が特徴的で度々『神木隆之介』と間違えられることがあるそうです。『テニスの王子様』や『進撃の巨人』など、漫画原作の実写作品に多く出演しています。

成蟜の活躍や最後の死亡シーンが描かれた時、キングダムを愛読しているファンからは様々な反響が起き大きな話題になりました。ここではキングダムの成蟜に対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。

キングダムファンの間で成蟜は成長した後のギャップが印象深いようで、言動は昔のままでも政や国のために活動する姿がツンデレだと評されていました。物語序盤では悪党だったものの、成長後の活躍がその評判を覆したようです。

成蟜の死亡シーンに感動したというコメントがとても多く寄せられていました。最後に瑠衣への愛を言い残し、そして彼女からの思いに笑みを浮かべて息を引き取っていく瞬間はとても男前でかっこいい名場面でした。

成蟜の死亡シーンはアニメ版でも再現されており、その回のEDが特別仕様になっていたことが話題になっていました。キングダムには様々なキャラクターが夫婦関係を築いていますが、純愛で互いに向き合っていた夫婦は成蟜と瑠衣以外にあまりおらず、ファンの間でも人気が高いカップリングとなっています。

成蟜は物語の序盤は政の弟でありながら反乱を起こした独裁者でしたが、再登場した後は人柄が変わり王族としての威厳を残しながら死亡していきました。成長した後の彼の活躍や遺言は中華統一を目指す政の背中を後押ししたことでしょう。成蟜の波乱万丈な人生が気になる人はぜひキングダム本編をチェックしてみてください。