【キングダム】李牧(りぼく)は最強の敵？最後は裏切りに走るのかも考察

キングダムは中国全土の天下統一を目指す始皇帝とそれを支えた武将・信の戦国物語が描かれており、李牧は信たちの前に最強の敵として立ちはだかり頭脳派なキャラクターとして存在感を放ちました。ここでは李牧の人物像や作中での立ち位置を紹介し、同時に『キングダム』の作品概要とあらすじについておさらいしていきます。

李牧（りぼく）は趙国における最強の武将『三大天』の一角を成す名将で、主に司令塔として活躍するキャラクターです。飄々とした言動でつかみどころがない人柄をしており、歴戦の武将であると同時に知略に長けた策略家の顔を持ち合わせています。キングダム作中では秦国最強の武将・王騎を討ち取ったことでその名が知られ、以降信たちと幾度となく戦っていくことになります。

キングダムは原泰久によって週刊ヤングジャンプに連載されている漫画作品です。古代中国を舞台に戦国七雄の戦乱を描いた武将時代劇作品として2006年より連載され、武勇と知略を丁寧に描いた戦や印象に残るキャラクターの活躍などが人気を博しました。2022年9月時点でコミックス累計発行部数9200万部を突破しており、アニメ化や実写映画化といったメディアミックスも展開されています。

戦災孤児として暮らしていた少年・信は同じ境遇を持つ漂と共に、下僕生活から抜け出すために『天下の大将軍』になるべく日々修行に明け暮れていました。そんな中、漂は秦の大臣に見いだされ仕官を果たしますが、わずか1ヶ月後に漂は信の元に戻り、命を落とす前に地図と大将軍の夢を信に託します。信は漂の死の真相を知るため地図に示されたところへ向かうことを決めると、人知れず戦乱の世へ足を踏み入れていくのでした。

ここからはキングダムにおける李牧が最強の敵と言われる所以についてまとめていきます。キングダムには戦の大局を見極め相手の意表を突くような策略家が多く登場していますが、その中でも李牧の実力はどの策略家よりも抜き出ていると言えます。

キングダム作中で敵として描かれている李牧ですが、その素性は非常に温和な性格をしており無意味な血が流れることを何よりも嫌っています。李牧は過去に最愛の親兄弟を戦争で失った時、無謀な突撃作戦を決行して勝利した代わりにすべての仲間を失いました。この過去がきっかけして慈悲深い人柄になったとされています。

李牧は趙国最強の武将に与えられる称号・三大天の名を冠しています。歴戦の武将として高い剣技を有しているのはもちろん、知略にも優れた隙の無い武将として評価されています。実際にキングダム作中では秦国最強の武将・王騎との戦いで知略をもって大将を討ち取っており、中国全土に彼の存在が知れ渡っています。

李牧はキングダム作中で最強の敵として描かれており、読者の間でもその認識を強く持たれています。ここでは李牧がそう思われるようになった理由や経緯について、実際にキングダム作中で描かれた李牧の活躍シーンを紹介しながらまとめていきます。

王騎は数々の戦場を荒らし続けた秦国伝説の六将軍で、キングダム作中でも『秦の怪鳥』と呼ばれ最強の存在として描かれていました。李牧はそんな彼と馬陽の戦いで対決しており、秦軍の裏をかいて王騎を誘い出すと三大天の1人・龐煖の手によって彼を討ち取りました。その功績を讃えられ李牧は君主を補佐する宰相に任命されました。

馬陽の戦いから1年後、呂不韋の招きによって李牧が秦を訪れるとそこで李牧は秦と趙の同盟を提言し、秦趙同盟が結ばれることになりました。信は師匠的存在でもあった王騎を討たれたことを根に持ち同盟締結に不満を抱いていましたが、その場を抑えられると信はいずれ自分が李牧を倒すと宣言しました。

秦が中華統一に動き出したことを察した李牧は、隣国六国を集めて合従軍を結成し秦を滅亡へ陥れようと画策しました。秦に向けて六国が同時に矛先を向けた合従軍は大胆ながら脅威的な策であり、秦軍の武将に多大な損傷を与えました。結果的にこの戦は秦の勝利となりましたが、合従軍の発起人だった李牧の存在はとても大きなものだったようです。

秦が趙攻略に動き出すと手始めに王都の要である鄴への進軍を開始しました。そこで李牧は秦軍総大将・王翦との対決になり、お互いの食糧を断つ兵糧攻め合戦を繰り広げました。信は李牧に対してこの戦いで討つと宣言し、李牧はそうなることはないと言い返すと、両国の将軍が命を落とすほどの激しい戦が展開されました。

ここからはキングダムにおける李牧の最後や裏切り者になる可能性についてまとめていきます。キングダムは中国史に記された人物や戦をモデルにしており、ファンの間ではキングダムに登場しているキャラクターがモデルと同じ最後を迎えるのではないかと予想されています。

李牧は『廉頗藺相如列伝』などにその名が記されています。趙の北方に当たる地で軍長官として駐屯していた武将で、戦国時代の将としては珍しく積極的な戦闘行為を好まない性格をしていました。騎馬民族匈奴の侵攻を討伐したことで趙の大将軍となり、度々侵攻してきた秦軍も撃破したことで『守戦の名将』と称えられるようになりました。

史実の李牧の最後は病死、暗殺死など様々な説が唱えられていますが、現在有力なのは李牧が邯鄲の戦いで苦戦してしまった際、秦に買収された郭開が李牧を裏切り者に仕立て上げ趙王に処刑を促したというものです。李牧が裏切り者になる可能性は低いでしょうが、史実通りの最後を迎える可能性はとても高いです。

カイネはキングダムオリジナルキャラクターであるため、李牧との関係や最後については史実から把握できません。ただし、カイネの存在が史実の李牧の最後を変えて生存させる、もしくは李牧の死を受けて敵討ちをする展開が描かれそうです。

ここからはアニメ版キングダムにおける李牧の声優と実写映画キャストについてまとめていきます。キングダムは2012年よりアニメ化が公開され、原作漫画を読まない人からも面白いと称されました。また、2019年、2022年には実写映画化が公開され出演キャストなどが話題になりました。

李牧を演じた声優は森川智之（もりかわとしゆき）さんです。低く硬質に響く声質の持ち主として人気があり、声優事務所・アクセルワンの代表取締役としての顔も持ち合わせています。学生時代に部活で声が大きいと言われていたことから当時はアナウンサーを志望していましたが、専門学校のパンフレットを見たことで声優に転換したと明かしています。

キングダムの実写映画はクオリティの高さが好評を呼び2作目の制作・公開がされました。その人気が続いていると2023年夏に3作目が公開されることが発表され、そこで李牧が登場するだろうと多くのファンに予想されています。SNS上では李牧のキャスト予想で盛り上がりを見せており、小栗旬や玉木宏、木村拓哉など名立たる俳優の名前が挙げられています。

李牧の人物像や作中での活躍、裏切り者と言われる最後などについてまとめてきました。キングダム作中で遺憾なくその存在感を発揮している李牧ですが、実際に彼の活躍シーンなどを見たファンからは様々なコメントが寄せられています。ここでは実際に寄せられているコメントを紹介しながら、李牧の評判についてまとめていきます。

キングダムファンの間で李牧は王騎を討った人物という印象を持たれているようでした。それまで王騎将軍はキングダム作中において絶対の存在として描かれ、彼が敗北することを予想していた人はほとんどいませんでした。それを李牧が知略で覆したとしたなら、ファンは彼に注目せざるを得ないでしょう。

李牧の人気は両極端で、知略に長けた最強の策略家として好きと語る人と王騎や信を追い詰めた嫌な敵と語る人とで意見が分かれていました。イケメンな見た目や人情溢れた人柄などは人気になる要因となりえますが、主人公に立ちはだかる敵という立場であること、それも王騎などを殺害しているところが嫌われる理由になっています。

李牧の最後についてファンの間でも様々な考察がされていました。考察勢の多くは史実通りの最後を迎えると予想している人が多く、彼の死が描かれる時はキングダム屈指の名シーンになるのではと思われています。また、カイネの存在が考察勢にとって複雑性を与えているようで、李牧の前に彼女が先に死ぬのではないかと多くの人が予想しています。

李牧は王騎を討ち取ったり合従軍を結成したりと幾度となく秦国を苦しめた存在であり、キングダムにおける最強の敵に相応しいキャラクターでした。これからも李牧の存在があらゆる場面で物語の展開を大きく左右することでしょう。今後キングダムを読む際は、李牧の活躍や裏切り者と言われる最後などに注目しながら見ていくと一層面白く感じられるはずです。