【キングダム】趙高(ちょうこう)とは?馬と鹿の話や死亡シーンについても
キングダムに登場する趙高は秦国に仕える宦官の1人で政の母親・太后の筆頭家臣として働いていたキャラクターです。本記事ではキングダムに描かれている趙高の人物像や能力、史実に記されている馬鹿の語源や死亡シーンについてまとめていきます。
目次
【キングダム】趙高とは?
秦国の第三勢力として後宮勢力の当主である嬴政の実母・太后がキングダム作中に登場すると、趙高は彼女に仕える宦官(かんがん)として作中初登場を果たしました。ここでは趙高の具体的な人物像をまとめ、キングダムの作品概要とあらすじについておさらいしていきます。
趙高のプロフィール
趙高(ちょうこう)は太后傘下家臣で後宮に仕える宦官です。太后の前では従順な姿を見せますが、時折自身の思惑を垣間見せる時があります。有している才能が高いことで太后のお気に入り秘書のように重用されており、実務面から毐国建国を担いました。なお、宦官とは去勢された男子で宮廷や貴族の家に仕えた者のことを指します。
キングダムの概要
キングダムは原泰久によって週刊ヤングジャンプに連載されている漫画作品です。中国の春秋戦国時代末期を舞台に天下統一を目指す始皇帝と側近の武将・信の活躍が描かれた戦記物で、2022年9月時点で累計発行部数9200万部に達するほどの人気を博しています。
キングダムのあらすじ
戦災孤児で下僕として暮らしていた2人の少年・信と漂は天下の大将軍になり下僕から抜け出すことを目標に日々修行に明け暮れていました。そんなある日、国の大臣に見いだされた漂が仕官を果たしますが、わずか1ヶ月後で信の元に戻ってくると漂は地図と大将軍になる夢を託して命を落としてしまいました。思いを受け取った信は地図に記された場所へ向かい、後に中華統一を果たす始皇帝・政と出会うのでした。
【キングダム】趙高の馬と鹿の話とは?史実を考察
キングダムの趙高は史実に実在した趙高をモデルにしていると考えられていますが、キングダムと史実の内容を比較すると異なるところがあり実は悪事を働いた人物として記されています。ここでは史実の趙高の生涯や『馬鹿』の語源となったエピソードについて解説していきます。
史実①趙高の出自
名前に『趙』の字がついていることから趙高は趙国に生まれたとされています。早くから太后に仕えていたそうで、当時から宦官として生活していました。なお、趙高が宦官になった理由は明確にされておらず、母親が罪を犯し趙高にも罰が与えられた、別の記録で『隠官』の可能性が出てきて実は宦官ではなかったなど、様々な説が唱えられています。
史実②胡亥の教育係だった
胡亥(こがい)とは始皇帝の末っ子で趙高は彼の教育係を務めていました。胡亥の生まれには2通りの記述があり、1つは紀元前230年生まれの21歳で即位、もう1つは紀元前221年生まれの12歳で即位と記されています。有力なのは後者と言われており政が中華統一を果たした後に趙高は胡亥を世話していたと考えられます。
史実③始皇帝の死
紀元前221年に中華統一を果たした始皇帝・政は全長12,000kmに及ぶ馳道を作らせ、新しい領土を見に行くための行幸に出かけます。そして紀元前210年に5回目の行幸が行われますが、巡幸中に始皇帝は発病してしまい長男・扶蘇に対して『葬儀を取り仕切るように』という文書を作成し同行していた趙高らに送るよう指示しましたが、同行者の1人・李斯が始皇帝の死を秘密にすることを決め文書が届けられることはありませんでした。
史実④胡亥を即位させる
趙高は始皇帝の意志に反し扶蘇を廃して胡亥が太子として立つという謀略を企てます。胡亥はそれを知って即位することを躊躇しますが、それに趙高は「断じて行えば鬼神も之を避く」と言い放ち胡亥を説得しました。
史実⑤李斯を巻き込む
趙高は秦代の宰相・李斯にも協力させようと「扶蘇が即位すれば扶蘇に親しい将軍の蒙恬が丞相となり、自分や自分の一族の立場も危うい」と吹き込みました。賢明な人柄で知られている李斯ですが、そんな彼でもこの言葉によって丸め込まれてしまいました。
史実⑥扶蘇を自決させる
趙高は始皇帝の文書を偽造し、それを扶蘇と蒙恬に使者を介して届けます。その文書には扶蘇の自決を促すような内容が記されていました。その文書に蒙恬は怪しいと感じますが、扶蘇は鵜呑みにしてしまい蒙恬が止める暇もなく自決してしまいました。
史実⑦蒙恬も自決させる
趙高は胡亥を宮中に籠もらせ、代わりに政務を自分で担うことで実権を握っていきました。そして趙高は蒙恬を陽周の監獄に繋ぎ、彼に誹謗や罪過を上げて弾劾していきます。そうして蒙恬は胡亥から自殺命令を受けたことでやむを得ず毒を飲んで自殺しました。また、その1年後に趙高は言いがかりをつけて蒙氏一族を皆殺しにしました。
史実⑧李斯を処刑する
腐心した趙高は大規模な増築や工事を進め人民に過重な労働を課すようになりました。当然人民たちは不満を爆発させていき、李斯は事態の把握及び対策と改革が必要と考え趙高と対立するようになります。そして趙高は紀元前208年に李斯を捕らえ、拷問をさせた後に腰斬の刑を与えました。
史実⑨馬と鹿の語源の話
趙高の独裁が影響して敗戦が続いていった秦国は崩壊寸前まで追い込まれます。そのことを胡亥は何も知らされていませんでした。しかし、咸陽のすぐ近くまで劉邦の軍勢が迫るとさすがに隠せないと思い、趙高は胡亥を殺害する計画を練り群臣たちに以下のように訊きます。
趙高は宮中に鹿を連れてくるとそれを珍しい馬と称しました。それを受けて胡亥が鹿ではないかと言い返しますが、群臣たちの中で趙高を恐れる者は馬、屈しない者は鹿と答え意見が二分化されました。結局趙高は余興と称してその場を納めましたが、後日鹿と答えた官吏を捕らえると全員を処刑しました。このエピソードが『馬鹿』の語源となっており、現在では違う意味で使われています。
史実⑩胡亥を弑逆する
紀元前207年に趙高は謀反を起こして胡亥を弑逆します。そして胡亥の死体から玉璽を奪い秦の帝位につこうとしましたが、側近や百官は趙高に従いませんでした。趙高は殿上に登ろうとしますがその時宮殿が三度崩壊を起こすと、趙高は天が自分に味方せず支配者になれないことを悟りました。
史実⑪子嬰と韓談によって殺される
帝位につくことを諦めた趙高は玉璽を子嬰に授けて彼を即位させ、全てを胡亥のせいにして自分は逃げようとしました。しかし、子嬰は趙高を強く憎悪しており、同じく彼を憎んでいた韓談らの決断によって趙高は子嬰の屋敷にて一族と共に殺害されました。
【キングダム】趙高の能力や最後
史実の趙高は始皇帝死亡後の秦をありのまま操ろうとした極悪人で、『馬鹿』の語源を生み出した張本人でもありました。そんな史実の視点からキングダムの趙高を見てみるとまるで違う人柄に驚くことでしょう。ここではキングダムにおける趙高の能力や最後についてまとめていきます。
趙高の初登場
初登場は185話ですが、本格的に活躍するのはキングダム38巻の405話からです。秦王の座を狙う第三勢力として嬴政の実母・太后が現れると、その側近にして秘書を務めている人物として趙高が紹介されました。
趙高の能力や実力
太后は毐国という1つの国を新しく建国し第三勢力に名を連ねましたが、その毐国建国に大きく貢献した人物が趙高でした。彼の能力は太后も高く評価しているそうで、「地方都市を国に作り変える骨格を作り上げた天才」「宦官になってなければ最年少で丞相まで上り詰めた逸材」と称しています。
趙高と太后の関係
太后は毐国の法や経理の権限を趙高にすべて一任しており、趙高に対して厚い信頼を寄せていることが窺えます。趙高も太后に対して従順な意志を示しており忠誠心を持っていると言えますが、時に自分の思惑を垣間見せることがあり腹の底が知れません。
趙高の最後は島流しで死亡?
加冠の儀が執り行われる日に毐国が反乱を起こしますが、政が向かわせた軍によって鎮圧されると反乱は失敗に終わります。反乱の首謀者は車裂きの刑に処され、反乱に関与した趙高含む四千人は蜀に島流しされることになりました。
【キングダム】趙高の声優
アニメ版キングダムは2022年4月時点で第4シリーズまで放送されるほどの人気を博しており、毐国反乱編も映像化されると趙高もアニメで登場し声優の演技が話題になりました。ここではアニメ版キングダムにて趙高の声を担当している声優についてまとめていきます。
趙高の声優は「竹内栄治」
趙高を演じた声優は竹内栄治(たけうちえいじ)さんです。アーツビジョン所属の男性声優で青年から中年までのキャラクターを演じることに定評があります。人柄は物腰柔らかく気さくで、ライブでは未経験だったダンスを披露するほどサービス精神が旺盛です。
竹内栄治のプロフィール
- 性別:男性
- 出身地:愛知県稲沢市
- 生年月日:1986年4月17日
- 身長:177cm
- 事務所:アーツビジョン
- デビュー時期:2010年代
竹内栄治の主な出演作品
- 太田一義(ダイヤのA)
- 聖真人(あやかし緋扇)
- ネブソック(ヒーリングっど♥プリキュア)
- 天国獄(ヒプノシスマイク)
- 穂高夏生(ボーイフレンド(仮))
【キングダム】趙高に対する世間での評判や人気
趙高がキングダム作中で見せた人柄や活躍には、キングダムファンから様々な反応が寄せられています。ここでは趙高に対する世間での評判や人気について、実際に寄せられているコメントを紹介しながらまとめていきます。
キングダムファンが趙高を初めて見た時はおどおどした態度からあまりパッとしないキャラクターに思われていました。史実の趙高を知っている人からするとまさかの人柄で驚きを感じたそうですが、能力の高さは史実通りで感心する声も寄せられていました。
SNS上では史実の趙高を知る人がかなり多く、史実においてかなり有名な人だったことが窺えました。秦を滅亡へ導いた人、馬鹿の語源を作った人などと言われており、悪人としてのイメージが強いようです。
キングダムでは蜀に島流しされた趙高でしたが、今後趙高が再登場するのではないかと囁く声が見受けられました。もしも再登場を果たした際は、史実に描かれた悪行や馬鹿の語源エピソードなどが描かれるかもしれません。
【キングダム】趙高はただの宦官ではなかった
キングダムに描かれている趙高は弱気に見える太后の宦官ですが、その中には優れた能力を隠し持っており簡単に無視できない存在感があるキャラクターでした。史実では秦を滅亡に導き馬鹿の語源を生み出したと記されており、まるで違う人柄だったことに驚く人も多かったことでしょう。もしも趙高が再登場した時は物語に大きな影響を及ぼすかもしれません。
この記事のライター
zeile
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