【鬼滅の刃】舞台になる時代は大正?孤児が多いのも関係している?
『鬼滅の刃』は架空の世界ではなく、過去の日本を舞台とした漫画です。では、一体いつの時代を描いた物語でしょうか?本記事では、鬼滅の刃の時代設定や、他の作品との時代の比較をまとめています。鬼滅の刃の時代に起きた実際の出来事や、現代編についても紹介します。
目次
【鬼滅の刃】とは?
鬼滅の刃の作者
『鬼滅の刃』の作者は吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんで、福岡県出身の漫画家です。誕生日は1989年5月5日で、2014年に『文殊史郎兄弟』でデビューしました。鬼滅の刃は、吾峠呼世晴さんにとって初めての連載作品です。2021年にはアメリカのニュース雑誌『タイム』にて、「次世代の100人(TIME100)」に選ばれました。
鬼滅の刃の概要
鬼滅の刃は、人間と鬼との戦いを描いたバトル漫画です。週刊少年ジャンプで、2016年から2020年まで連載されました。2019年にはテレビアニメ第1期が放送され、アニメをきっかけに社会現象を巻き起こすほどのヒット作品となりました。2020年には劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』が上映され、日本歴代興行収入第1位を獲得しています。無限列車編はその後テレビアニメにもなり、さらに続いて遊郭編も放送されました。2023年には、刀鍛冶の里編の放送も決定しています。
鬼滅の刃のあらすじ
少年の竈門炭治郎は、炭焼きをしながら家族の暮らしを支えていました。ある日、炭治郎は炭を売りに町へ出かけました。翌朝炭治郎が家に帰ると、そこには鬼に惨殺された家族の姿がありました。唯一生き残った妹の禰豆子も、鬼と化してしまいます。炭治郎は禰豆子を人間に戻す方法を探すため、鬼殺隊に入隊することを決めます。鬼殺隊に入った炭治郎は多くの仲間と出会いながら、鬼との戦いに身を投じるのでした。
【鬼滅の刃】時代は大正?設定を考察
鬼滅の刃の時代は大正?
鬼滅の刃には、物語序盤に「手鬼」というキャラが登場します。手鬼と炭治郎の会話の中で、炭治郎が「今は大正だ」と言うシーンがあります。このセリフから、鬼滅の刃の舞台は大正時代であることがわかります。また、手鬼は「47年前、江戸時代の慶応の頃に捕えられた」とも言っており、このセリフからある程度の年代が絞り込めます。慶応から47年後は1912〜1915年であるため、鬼滅の刃は大正が始まったばかりの話といえるでしょう。
鬼滅の刃で孤児が多いのは大正時代が関係?
鬼滅の刃には多くの魅力的なキャラが登場しますが、主要キャラの半分は孤児や両親を失った子供という設定になっています。鬼滅の刃にこれだけ孤児が多い理由は、大正時代の歴史的背景を考えるとわかります。鬼滅の刃の主要キャラは14〜27歳までの少年で、生まれた時代は明治20〜30年頃です。この時代はストレートチルドレンが溢れていた時代で、東京にはいくつもの貧民街が形成されていました。
幕末から明治にかけては、日本国内でも内戦が勃発しました。それに加え、明治から大正時代には海外との戦争も起こります。これらの戦争により、貧民や孤児が急増してしまったのです。そのため、大正時代が舞台の鬼滅の刃にも、暗い過去を背負ったキャラが多く登場すると考察できます。
鬼滅の刃1話は大正何年?
鬼滅の刃の第1話が何年かは、手鬼との会話から推測することができます。手鬼が登場するシーンは1912〜1915年のうちのいずれかですが、鬼滅の刃の第1話はそこからさらに2年前の出来事です。1話目の時点ですでに大正時代だったとすると、鬼滅の刃第1話は1912〜1913年頃であったと推測できます。また、第1話では雪が降っており、炭治郎のセリフからも年末であることが伺えます。そのため、鬼滅の刃の第1話は、1912年の年末であった可能性が高いです。
鬼滅の刃無限列車編はいつ?
鬼滅の刃の第1話が何年かわかったところで、次は「無限列車編」がいつ頃の話か見ていきましょう。無限列車編では、月の形からおおよその日付がわかります。無限列車編で描かれた月は、その満ち欠けから月齢が23程度だと推測されます。月齢23とは、月が半月よりも少し欠けたくらいの形をしている状態です。無限列車編はストーリーの進行を見ると1916年であることがわかります。
また、人々の服装から、季節は冬であると推測できます。無限列車編が11月の出来事だとすると、月齢23前後の日付は11月18日〜19日になります。もしも12月であれば、月齢23前後の日付は12月19日です。月の高さや月の出の時刻などを考慮すると、無限列車編は1916年の11月18日の深夜から19日にかけての出来事だったと推察できます。
鬼殺隊が政府非公認だった理由
鬼滅の刃には、「鬼殺隊」という組織が登場します。鬼殺隊の人々は鬼と命がけで戦っていますが、政府からは公認されていません。鬼殺隊が政府非公認である理由も、鬼滅の刃の舞台が大正時代であることと関係しています。日本では1876年に廃刀令が発令され、軍人や警察以外は刀を持つことが禁じられました。鬼殺隊のメンバーは鬼と戦うために帯刀しているため、表立って活躍することができなかったのです。
また、大正時代は近代文化も発達してきた時代で、人々は「鬼」という非現実的な存在を信じないようになってきました。鬼滅の刃では田舎の人々はまだ鬼を信じていましたが、街頭が煌々と輝く都会では鬼を信じる人も少なかったでしょう。こういった時代背景もあり、鬼殺隊は政府非公認の組織として活動していたのです。
炭治郎たちの生年月日はいつ?
炭治郎と禰豆子の生年月日は、公式ファンブックにより明らかになりました。炭治郎の誕生日は7月14日で、年齢はファンブック発売当時で15歳です。禰豆子の誕生日は12月28日で、ファンブック発売当時は14歳でした。コミックス1巻の時点で、炭治郎の年齢は13歳と記載があります。
そのため、物語開始時の禰豆子の年齢は12歳だったことがわかります。第1話が1912年だったとすると、炭治郎の生年月日は1899年7月14日、禰豆子の生年月日は1900年12月28日となります。生まれた年は推定ですが、2人とも明治時代の生まれであることは確かです。
義勇と実弥はいつ死亡した?
鬼滅の刃では、呼吸を極めた剣士に特徴的な痣が発現するという設定になっています。痣が発現した者は、25歳になる前に亡くなるといわれています。義勇と実弥は鬼滅の刃最終回まで生き残ったキャラですが、2人とも痣が発現していました。最終決戦のときに義勇と実弥は21歳だったため、それから約4年後には死亡したことになります。2人が死亡したかどうかは定かではありませんが、もし死亡したとすると、1910年代の後半に亡くなった可能性が高いです。
大正時代の平均初婚年齢は?
鬼滅の刃に登場する主要キャラは、ほとんどが10代の少年少女です。炭治郎が入隊した鬼殺隊は、15〜25歳の隊士で構成されています。では、大正時代の平均初婚年齢は何歳だったのでしょうか?晩婚化が進んでいる現代と比べ、大正時代は多くの人が若くして結婚していました。大正時代の平均初婚年齢は、男性が27歳前後で女性が23歳前後です。まだあどけなさが残る炭治郎たちも、大正時代後期には結婚適齢期になっていたでしょう。
【鬼滅の刃】他の作品の時代と比較
時代の比較①ゴールデンカムイ
『ゴールデンカムイ』は、明治末期を舞台としたサバイバルバトル漫画です。戦争などの暗い歴史を忠実に描いており、明治から大正にかけての暗部がよくわかります。ゴールデンカムイの物語が始まったのは、日露戦争終結後の1907年のことです。杉元佐一が金塊を探し始めた数年後、炭治郎の家族は鬼に襲われることになります。
時代の比較②はいからさんが通る
大正時代の漫画といえば、『はいからさんが通る』を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?鬼滅の刃では孤児があふれていた暗い大正時代を描いていますが、はいからさんが通るでは華やかな大正ロマンを楽しむことができます。鬼滅の刃の登場人物たちは孤児などの貧しいキャラが多いですが、はいからさんが通るの登場人物たちは裕福な家庭に育っています。
そのため、同じ時代設定にも関わらず、作品のイメージもがらりと変わります。ただ、シベリア出兵や関東大震災など、大正時代に起きた大きな災いにもしっかり触れられています。はいからさんが通るの主人公の花村紅緒は、1918年で17歳でした。逆算すると1901年生まれとなり、ちょうど炭治郎や禰豆子と同年代であることがわかります。
時代の比較③インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』は、インディ・ジョーンズシリーズの3作目の映画です。物語序盤では、インディがまだ12歳だった頃の出来事が描かれています。この少年時代のエピソードが、1912年のことでした。1912年は、ちょうど鬼滅の刃の物語が始まった年です。国も設定もまったく違う2つの物語ですが、始まりの時代には共通点がありました。
時代の比較④タイタニック
世界的なヒット映画となった『タイタニック』は、史実をもとにした作品です。実際のタイタニックの沈没事故は、1912年4月に起こっています。鬼滅の刃の第1話は1912年の年末だと推察できるため、タイタニック沈没後に鬼滅の刃の物語が始まったことになります。タイタニックは豪華客船での物語であるため、孤児などが多く登場する鬼滅の刃とは世界観がまるで異なります。タイタニックと鬼滅の刃が同年代の物語だとは、作品を観ただけでは気づかないことも多いでしょう。
【鬼滅の刃】大正・昭和時代の出来事や時代背景
鬼滅の刃が大正時代の話だということがわかっても、大正時代がどのような時代だったか説明できる人は少ないでしょう。ここでは、鬼滅の刃の舞台となった大正時代や、その先の昭和時代の出来事や時代背景について解説します。実際にどのような出来事があったかを知っておくと、鬼滅の刃の世界をさらに楽しむことができます。
大正時代の出来事や時代背景
第一次世界大戦
大正時代で最も大きな出来事といえば、やはり第一次世界大戦でしょう。第一次世界大戦は、1914〜1918年にかけて起こった大規模な戦争です。ただ、第一次世界大戦のメインはヨーロッパ諸国の争いだったため、日本はそれほど大きな被害を受けませんでした。それどころか、ヨーロッパが戦っている隙に権益と勢力圏を拡大し、戦争特需の恩恵を受けることとなりました。
好景気となった日本ですが、インフレが続いたため庶民の暮らしは楽にはなりませんでした。孤児などが多かった鬼殺隊の隊士たちも、本来であれば生活に困窮していたことでしょう。しかし、鬼滅の刃では、産屋敷一族が柱に金銭的な支援を行っていました。この援助があったことで、隊士たちは生活に困ることはなかったと考察できます。
関東大震災
関東大震災は、1923年に起きた大規模な地震です。マグニチュードは7.9と推定されており、東京や横浜などの大都市は壊滅的なダメージを負いました。関東大震災では、10万人以上の死者や行方不明者が出ています。もともと孤児の多かった大正時代ですが、関東大震災でさらに孤児の数も増えたことでしょう。
鬼殺隊のメンバーも、巻き込まれていれば被害は避けられません。ただ、産屋敷家の当主は予知能力を持っているため、関東大震災も予知できたはずです。地震発生の予知が成功していれば、隊士たちは地震の前に避難することができたでしょう。
昭和時代の出来事や時代背景
日中戦争
日中戦争が起きたのは、1937〜1945年にかけてです。炭治郎たちがそのまま生きていれば、40〜45歳になっています。日中戦争は第一次世界大戦とは違い、日本が中心となった戦争です。そのため、米や砂糖などの必需品が手に入らなくなり、庶民の生活は急激に苦しくなっていきます。鬼殺隊の隊士たちは特権階級でも何でもないため、他の一般市民と同じく生活に窮していたことでしょう。
第2次世界大戦
第2次世界大戦は、1939〜1945年にかけて起きた世界規模の戦争です。日本でも働き盛りの青年たちが次々と徴兵され、そのまま命を落とす人も大勢いました。炭治郎たちは生きていれば、この時代にはすでに40〜55歳になっています。徴兵される人たちは20〜40歳程度の人たちが中心だったため、戦争に徴兵された可能性は低いでしょう。また、隊士たちの子供もまだ15歳前後だと考えられるため、子供たちが徴兵されることもなかったと推察できます。
高度経済成長期
戦争が終わってからの日本の復興は目覚ましく、1960年頃から高度経済成長期を迎えます。経済大国となった日本では、庶民の暮らしもそれまでとは比べ物にならないくらい豊かになっていきました。文明の発展に伴い、炭治郎が生業としていた炭焼きの仕事などは下火となっていきます。炭治郎がもし炭焼きを続けていたのであれば、この頃から違う仕事へと切り替えていた可能性もあります。
【鬼滅の刃】現代編はいつの時代?
鬼滅の刃の現代編とは?
鬼滅の刃には、現代編と呼ばれるストーリーが存在します。鬼滅の刃の現代編が描かれたのは、204話の最後から最終話の205話にかけてです。204話の最後では現代の高層ビルが姿を現し、205話から現代編が始まりました。現代編では、炭治郎たちの子孫と思われるキャラたちが日常生活を送っています。現代編はファンにとっても意外な展開で、多くの驚きの声が上がっていました。
鬼滅の刃の現代編は平成?
鬼滅の刃の現代編では、詳細な年代は明かされていません。ただ、作中にスマホが登場しているシーンがあるため、2015年以降を描いた話であることは間違いありません。また、現代編では、輝利哉が日本最高齢になってテレビに取り上げられていました。史実での最高齢は112歳であるため、この時点で輝利哉は113歳になっていると仮定できます。
1912〜1915年に行われた最終決戦のとき、輝利哉はまだ8歳でした。ここから113歳まで生きたとすると、105年後が現代編の舞台ということになります。1912〜1915年の105年後は、2017〜2020年となります。そのため、現代編は平成の終わりか令和を描いた物語であるといえるでしょう。
鬼滅の刃の現代編で登場した子孫キャラたち
鬼滅の刃の現代編には、多くの子孫キャラが登場します。まず、主人公の炭治郎とカナヲの子孫だと推察できるのが、竈門カナタと炭彦兄弟です。善逸と禰豆子のひ孫は、我妻善照と燈子です。善照は善逸が鬼との戦いを書き残した「善逸伝」という小説を読み、感動して涙を流していました。しかし、燈子のほうは、嘘小説と言って信じていない様子です。伊之助とアオイの子孫だと考えられるのが、嘴平青葉です。他にも煉獄家の子孫である桃寿郎や、宇髄天元の子孫である宇随天満も登場しました。
【鬼滅の刃】時代に対する世間での評判や人気
鬼滅の刃がホラー要素を含んでいることもあり、大正時代に怖いイメージを抱く人もいるようです。大正時代は第一次世界大戦や関東大震災などの大きな災害もあったため、なんとなく怖さを感じるのでしょう。
鬼滅の刃が大正時代の設定であるように、過去の日本を舞台とした歴史漫画は数多くあります。他の漫画と鬼滅の刃を比べて、その違いを楽しむコメントもありました。中でも、鬼滅の刃とゴールデンカムイの時代設定を比較している人が多く見られました。ゴールデンカムイの登場人物が洋装であるため、時代設定を勘違いしやすいという感想もありました。
鬼滅の刃が大正時代の話だと知って、ジャンプ漫画にしては珍しいという感想を抱く人もいました。近代作品は設定も難しく、子供受けしないこともあります。しかし、鬼滅の刃は大正時代という設定にも関わらず、大ヒット作品となりました。以前にも『るろうに剣心」というヒット作品があったように、今後も人気のある歴史漫画が生まれることでしょう。
【鬼滅の刃】時代は大正だといわれていた
鬼滅の刃は時代設定がある程度はっきりしており、キャラのセリフや人々の様子から大正時代であることがわかります。大正時代は日本が徐々に近代化した時代でもあり、大衆文化も西洋化していきました。しかし、都会には孤児が溢れ、田舎では貧困に苦しむ人々も多くいました。鬼滅の刃には大正時代の暗い影の部分が多く出てきますが、それでも人々は希望を捨てずに戦いました。命をかけて鬼と戦う炭治郎たちの姿は、平和な現代に生きる人たちにも勇気を与えてくれることでしょう。
この記事のライター
NR4712
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