【鬼滅の刃】伊之助が被り物をしている理由とは?母との関係や生い立ちから考察
伊之助が、イノシシのハクセイを被り物にしているのは、なぜなのでしょうか。猪突猛進で突き進む伊之助の姿からは、想像できない悲しい過去に、理由があります。そこで、伊之助の生い立ちから、被り物をする理由を、考察していきたいと思います。
目次
嘴平伊之助とは
伊之助は、頭がイノシシで、上半身は裸、腰には鹿の毛皮、脚にはクマの毛皮を巻いていて、化け物と勘違いされる出で立ちです。本物のイノシシの頭を被り物にしているので、初めて会った人には、被り物だと判りません。しかも、鬼殺隊員の証である日輪刀を二本振りかざし、相手構わず斬り付けてきます。自分の事を山の王と名乗る伊之助とは、一体何者なのでしょうか。
嘴平伊之助のプロフィール
嘴平伊之助(はしびらいのすけ)4月22日生まれと、おくるみだった伊之助のふんどしに書かれていました。歳は15歳です。身長は164センチで、体重64キロとバランスのとれた筋肉質の少年です。人並はずれた身体能力の持ち主で、山の王であり、鬼殺隊員のひとりです。最終階級は、丙(ひのえ)で、獣の呼吸を習得している二刀流の剣士です。座右の銘は猪突猛進です。
鬼滅の刃の概要
鬼滅の刃は、鬼のはびこる世界を、少年の目線で描かれた、ダークファンタジーです。生きる意味や、死への恐怖、残されたものの悲しみを、時にはギャグをまじえて、シニカルに描かれています。TVアニメ化や映画化もされ、その人気のため、市場にも影響を与えました。少年ジャンプでの連載であるためか、倫理観に尊び、少年たちの道徳本にもなっています。
鬼滅の刃のあらすじ
時は大正時代。日本国には、千年もの昔から、人肉を食らう鬼が存在していました。そんな混沌とした世の中に、鬼を退治しようとする鬼殺隊という政府に公認されていない組織がありました。鬼殺隊には、各々の事情により少年達が、入隊してきます。竈門炭次郎もその一人でした。炭治郎は、鬼となった妹を人間に戻す方法を見つけるために、鬼殺隊に入隊しました。そして、炭治郎は、鼓屋敷で、この先仲間となる我妻善逸、嘴平伊之助と出会います。
伊之助が被り物をしている理由や素顔を隠す理由
伊之助は、寝る時も、お風呂に入る時も、いつでもイノシシの被り物をしています。そこまでして被り物をするのは、一体なぜなのでしょうか。それには、自身が名乗る山の王としての伊之助の生い立ちが、深く関わっています。伊之助の生い立ちを紹介しながら、イノシシの被り物をしている理由を考察していきます。
被り物をする理由①親猪の形見
赤子の時に、山の中に捨てられた伊之助は、イノシシに育てられました。子供を亡くして間もないイノシシは、伊之助を大事に育てました。伊之助自身も、イノシシを母と慕っていました。寿命の短いイノシシは(野生イノシシは、長くて10年)、伊之助が幼い間に死んでしまいました。伊之助の被り物は、その母イノシシの頭部であり、形見なのです。しかし、伊之助が幼い頃の被り物は、サイズ的に死んだ子供イノシシの被り物だと考えるのが妥当でしょう。
被り物をする理由②山の王だったから
伊之助は、宇髄天元に自分のことを山の王だと名乗っています。伊之助は、母イノシシ亡き後、ひとりで山の中で暮らしました。それこそ弱肉強食の生活です。伊之助は、獣との闘いの中で、山の王となるほどの武力を身に着けました。山では制する者がいなくなったため、制覇する対象を鬼にかえ、鬼殺隊に入ったほどです。独学で、獣の呼吸を身に着け、さらに鬼殺隊員から奪った刀を自在に操っていました。
素顔を隠す理由①美人なことを隠すため
素顔を隠すために被り物をしているという設定の登場人物は数多くあります。伊之助の素顔は、丹精な顔立ちをしています。他の物語では、美人な素顔を隠すという設定のキャラが被り物をする理由は、嫉妬されないため、モテないため、身分を隠すため、という事が多いです。伊之助は、そのどれでもありません。どちらかというと、他人の美しさに鈍感で、自分の美しさを恥ずかしいと思っています。
素顔を隠す理由②女顔が嫌だった
善逸との喧嘩の仲裁に入った炭治郎に頭突きされて、伊之助の被り物が脱げてしまった事があります。その時、素顔を見られた伊之助は、俺の顔に文句あんのかと、文句を言っています。伊之助は、女顔の素顔がコンプレックスのようです。女顔の少年は、優しそうに見えます。しかし、それは人の評価です。女顔は、闘いにおいて、弱い印象を与えます。相手を威嚇するには、邪魔な物でしかありません。
素顔を隠す理由③目線や表情を隠すため
伊之助は、被り物のおかげで、無限列車編で、魘夢を追い詰めたことがあります。魘夢は、相手の視線を利用した血鬼術を使う鬼でした。魘夢の目と視線を合わせた相手を強制的に眠らせる術なので、どこを見ているか分からない伊之助には、全く効果がありませんでした。被り物をしている伊之助の視線は、敵に悟られません。表情も読めません。被り物をしていると、戦闘中有利な状況を作り出せる事があるのです。
伊之助はポケモンのカラカラと同じ設定?
伊之助のキャラ設定が、ポケモンのカラカラの設定に似ていると、ツイッターで話題になりました。カラカラは伊之助同様、孤独で乱暴な性格をしています。また、伊之助が母イノシシの形見を被り物にしている所と、カラカラが母親の頭の骨を被り物にしているという所が、伊之助とカラカラの共通点になっています。
カラカラは、母親の死の悲しみを乗り越えると、進化するという設定なので、頭蓋骨は、母親のガラガラだということになります。また、骨の下のカラカラの素顔は、誰にも分からないという設定です。以上の事から、伊之助のキャラ設定とポケモンのカラカラの設定が非常に似ている事が分かります。
伊之助の過去や母との関係
伊之助は、両親を知りません。赤子の時に山に捨てられ、イノシシに育てられました。物心が付くころには、母イノシシの形見の被り物と共に、山の中で動物たちと山の王となり暮らしていました。伊之助の被り物には、伊之助の過去と母琴葉との関係が深く関わっているのです。
過去①伊之助の母である琴葉との関係
伊之助は、那田蜘蛛山の父蜘蛛との闘いに苦戦し、走馬灯の中に女性の幻想を見ます。この女性が、伊之助の母琴葉です。琴葉は、崖の上から、伊之助に泣いて謝っています。後に、琴葉が崖の上から赤ちゃんの伊之助を落としたという事が判明します。琴葉は、鬼におわれ、やむを得なく伊之助を落としました。琴葉は美しい女性でした。伊之助は、琴葉に似ています。
過去②猪に育てられた
山の中に捨てられた伊之助は、イノシシに育てられました。子供を亡くしたばかりのイノシシだったようで、伊之助を大切に育てました。伊之助も彼女を慕い、野生の世界で伊之助を守るために闘っていた母イノシシのことを尊敬していました。人の女性とは違い、母イノシシは、山の主とも言える存在でした。伊之助が、母イノシシのようになりたいと思うのは、当然のことです。母イノシシの形見は、伊之助の強さの象徴なのです。
過去③たかはるとそのおじさんとの出会い
伊之助は、母イノシシ亡き後、おじいさんの家におかきをおねだりに行っていました。その時、おじいさんが読み聞かせをしたおかげで、言葉を話せるようになったのだと、番外編に書かれています。(10巻151ページ)言葉遣いが悪いのは、おじいさんの孫のたかはるの影響です。たかはるは、一人で祖父の面倒を見ていた優しい青年でしたが、口がとても悪かったのです。
伊之助の被り物に対する世間での評判や人気
伊之助の被り物は、ストーリー上では化け物と間違えられたり、怖がられたりしていますが、世間の評価は、可愛い、こっちの方が好き、という意見が多いです。
また、無表情のはずなのに、前後のコマ割りや、他の登場人物の表情、情景などで推し量られる感情の伝え方が、心にほんわかするという意見もあります。
映画しか見た事がない人や、アニメや漫画を観た事がない人は、伊之助は、イノシシ男だと思っていた人もいました。
伊之助がもしも〇〇だったら
炭治郎が出会った時の伊之助は、自らを山の王と名乗る、独りよがりな野生児でした。しかし、鬼舞辻無惨との闘いでは、仲間意識の強い青年と成長していました。周りの環境に染まりやすい伊之助なので、現代に生きていたら、どんな人物になっていたかは、想像できません。鬼滅の刃の登場人物としての伊之助だったらどうなのかを空想したいと思います。
伊之助「彼氏」篇
美少年の伊之助と、イノシシ顔の伊之助、どちらも魅力的です。また、男らしくて、力持ちなので、頼りになります。不器用な優しさと、無邪気な理解力が伊之助の魅力です。伊之助が彼氏だと、楽しい日々が過ごせそうです。貧乏でも幸せに暮らせそうな気がしますが、やっぱり、伊之助の大好きな天ぷらを一緒にたべに行ったり、温泉でゆっくり過ごしたいです。
伊之助「警察官」篇
常識を知らないかと思えば、ある意味真理をついてくるので、法律に疑問を抱き、日々仲間たちと喧嘩をしていそうです。悪人を勝手に処刑し、法では裁けない人を逮捕したり、奇想天外な警察官になっている姿が想像されます。そんな伊之助には、炭治郎のような真面目な相棒が必要だと考察されます。
伊之助「営業マン」篇
負けず嫌いな性格で、器用で何でも熟す努力家な面もあるので、ハードワークも難なく熟したり、仕事もすぐに覚えたり、デキる営業マンになりそうです。常識を知らなくても、憎まれない得な性格をしているので、沢山のお客さんが付くのではないでしょうか。理解してもらえないお客さんと衝突することもあるかもしれませんが、そんな時は、周りの人がフォローしてくれるでしょう。
伊之助の被り物には色んな思いが込められていた
自ら「山の王」と名乗る伊之助の被り物には色んな思いが込められていました。それは、自分を育ててくれた母イノシシの大切な形見である事。その形見である被り物によってコンプレックスである自分の女顔を隠すという事。つまり、伊之助にとって被り物は宝物であり、強かった母イノシシと自分を繋ぐ絆です。粗暴な性格をした伊之助ですが、母イノシシの忘れ形見を守るその心根はとても優しい少年なのです。
この記事のライター
郷菜美
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