【呪術廻戦】ハンターハンターのオマージュ?シーンや設定を紹介
『呪術廻戦』の作中では同じジャンプ作品である『ハンターハンター』で描かれた設定やシーンのオマージュが多数見られると言われています。そんな『呪術廻戦』の『ハンターハンター』オマージュについて、該当シーンの比較や設定の類似性をまとめていきます。
目次
【呪術廻戦】とは?
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の類似シーンを比較して見ていく前に、まずは『呪術廻戦』の作者や作品概要を見ていきましょう。
呪術廻戦の作者
『呪術廻戦』の作者である芥見下々(あくたみげげ)は、岩手県出身で、1992年生まれの漫画家です。幼少期から『週刊少年ジャンプ』を読んでおり、『BLEACH』を始めとした作品のファンでした。そして、友達と絵を描いたことがきっかけで漫画家を目指すようになり、集英社のジャンプ系統の雑誌でデビューしたことで、その後に『呪術廻戦』の連載に繋がりました。
呪術廻戦の概要
『呪術廻戦』は2018年に『週刊少年ジャンプ』で連載開始された少年漫画です。呪霊を祓う呪術師達の戦いを描く作品で、ダークな雰囲気と能力バトルが魅力になっています。2020年にはアニメ化もされ、2021年には作品の前日譚となる『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』がアニメ映画として公開されました。
呪術廻戦のあらすじ
虎杖悠二は異様に高い身体能力を持つ高校生の男子。ある日、学校に出現した呪霊に関わる事件に巻き込まれ、その過程でピンチを脱するために特級呪物「宿儺の指」を喰らい、力を手に入れます。しかし、それは同時に特級呪霊の両面宿儺を復活させることになり、その器となった虎杖は呪術師から危険視されることになります。
【呪術廻戦】ハンターハンターのオマージュ?
『呪術廻戦』は作品の設定やシーンから『ハンターハンター』の要素が非常に多いと言われています。そんな『ハンターハンター』の詳細と『呪術廻戦』に類似シーンが多い理由について紹介していきます。
ハンターハンターとは?
『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』は1998年から『週刊少年ジャンプ』に連載されている冨樫義博の少年漫画です。様々な物を追い求めるハンター達が念と呼ばれる能力で戦っていく作品です。1999年と2011年の2回にわたってアニメ化されており、2回目のアニメ化では2013年と2014年に劇場版作品も制作されました。
呪術廻戦はハンターハンターの影響を受けている?
『呪術廻戦』の作者である芥見下々は自身の漫画について影響を与えた作品について、幼少期にファンだった『BLEACH』の名前を挙げています。しかし、芥見下々が『BLEACH』の作者である久保帯人と対面インタビューを受けた際に、久保帯人から冨樫義博さんの影響の方が大きいと指摘されています。実際のところは両作品を含めて様々な作品の影響を受けていますが、同業者からも言われる程度には見られるようです。
呪術廻戦は著作権侵害に該当する?
『呪術廻戦』が『ハンターハンター』の類似性について、シーンによっては読者からパクリと言われてしまうほど同じように見えることがあります。しかし、『呪術廻戦』の類似性のある設定やシーンは、あくまでリスペクトを込めたオマージュであり、著作権侵害には該当しません。ただ、過剰に寄せ過ぎると本元に指摘されることはあるので、同じ連載雑誌だからこそ許されている部分もあります。
【呪術廻戦】ハンターハンターと似ているシーンや類似の設定を比較紹介
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の類似する設定やシーンは作中で複数見られ、その数の多さからオマージュを超えたパクリと思われてしまうことがあります。そんな『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の設定やシーンを比較して見ていきましょう。
似ているシーン①虎杖が黒閃を使うシーン
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその1は、虎杖悠二が渋谷事変で黒閃を使用するシーンと、ゴン=フリークスがジャジャン拳のグーを放つシーンです。ゴンのジャジャン拳のグーは、念能力として拳に念を込めて殴る技で、虎杖の黒閃も呪力を拳に込めて殴る技であることから、技の設定の時点で類似しています。そこから放つシーンのポーズについても類似していたのです。
似ているシーン②渋谷事変で惨劇を見た虎杖の表情
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその2は、虎杖悠二が渋谷事変で現場の惨状を見た時の表情と、クロロ=ルシルフルがヨークシン編でゾルディック家の2人と対峙した時の表情です。状況を比較すると、戦闘前であるところは共通していますが、虎杖とクロロが抱く感情は異なっています。ただ、表情を比較すると、線の描き方や黒目が多いところなどが類似しています。
似ているシーン③秤と虎杖が戦うシーン
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその3は、秤金次が呪力を発するシーンと、フィンクスが念能力を発動するシーンです。秤とフィンクスの見た目に類似する部分があり、該当シーンを比較すると腕の挙げ方や、オーラの出方など様々な部分が似通っています。
似ているシーン④東堂の能力
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその4は、東堂葵の術式である不義遊戯(ブギウギ)とゴレイヌの念能力です。東堂は手を叩くことで、範囲内の呪力を持つ物の位置を入れ替える術式を使用していますが、ゴレイヌも念で生み出したゴリラと、自分もしくは他人の位置を入れ替える能力になっています。詳しい設定を比較すると、微妙に違う部分もありますが、リスペクト元の可能性は高いと言えます。
似ているシーン⑤五条悟が虚式「茈」を繰り出すシーン
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその5は五条悟が虚式「茈」を繰り出したシーンです。こちらは明確な類似シーンは出てきていませんが、発動時の作画が『ハンターハンター』風味があると言われています。特に高専編で伏黒甚爾に対して繰り出している時の表情は『ハンターハンター』のワンシーンのようになっています。
似ているシーン⑥シン・陰流 簡易領域
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその6は、三輪霞のシン・陰流簡易領域とノブナガの円です。シン・陰流簡易領域の範囲内に入った相手を抜刀術で迎撃する技であり、ノブナガの円も間合いに入った相手を斬る技になっています。発動時のシーンを比較すると、抜刀術であることから類似する構えになっており、結果的に勝利を掴めていない点も共通しています。
似ているシーン⑦冥冥の能力を説明するシーン
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその7は、冥冥の黒鳥操術について憂憂が説明するシーンと、ヒソカの2つの念能力について説明するシーンです。能力的には全く異なる設定ですが、説明時の吹き出しや配置する構図が完全に意識したものになっています。
似ているシーン⑧真人が「それもそうだね」と言うシーン
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその8は、真人が「それはそうだね」というシーンと、ネフェルピトーが同じ台詞を言っているシーンです。台詞だけではなく、ポーズも似ている部分があり、『ハンターハンター』のシーンを強く意識したものになっています。また、ボロボロになった後の真人について、ネフェルピトーの念能力によって修復されたカイトに似ているとも言われています。
似ているシーン⑨伏黒甚爾にくっついている呪霊
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその9は、伏黒甚爾が体内に収納していた呪霊と、アベンガネが念能力で生み出す念獣です。能力の設定は異なっていますが、見た目が非常に似ており、体に巻き付く構図についても類似するシーンが見られます。
似ているシーン⑩表紙の七海健人
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の似ているシーンその10は『呪術廻戦』の単行本11巻の表紙に描かれた七海健人と、『ハンターハンター』の単行本11巻の表紙に描かれたクロロ=ルシルフルです。全体像の大きさなどは異なりますが、口元を手で隠すポーズが類似しており、同じ単行本の巻数であることから狙って寄せたことが窺えます。
【呪術廻戦】その他のパクリ疑惑の作品一覧
『呪術廻戦』は『ハンターハンター』以外の漫画作品についてもオマージュと思われるシーンが多く、あまりに類似していることからパクリ疑惑が出てくることがあります。そんな『ハンターハンター』以外のパクリ疑惑がある作品について紹介していきます。
パクリ疑惑の作品①バガボンド
掲載雑誌は違いますが、往年の名作漫画『バガボンド』についてもあるシーンが比較され、類似性が挙げられています。
バガボンドとは?
『バガボンド』は1998年から『モーニング』に連載されている井上雄彦の青年漫画です。吉川英治の小説『宮本武蔵』を原作としており、原作も創作要素が多くありましたが、漫画についてはさらにキャラクターや、物語のアレンジが加えられています。独特の設定と迫力ある作画は多くの漫画賞で評価されています。
バガボンドとの共通点
『呪術廻戦』と『バガボンド』の共通点は、虎杖悠二が集中した時に自然に涎が垂れた時の描写であり、『バガボンド』では主人公の宮本武蔵が太刀に集中するシーンが描かれています。『呪術廻戦』の方では涎がコマを跨ぐという演出も加わっていますが、他にはない特徴的なシーンであることからオマージュだと言えます。また、作中ではその他のシーンでも『バガボンド』を感じる描写があります。
パクリ疑惑の作品②幽遊白書
『ハンターハンター』の作者である冨樫義博が描いたもう1つの漫画作品『幽遊白書』についても『呪術廻戦』内でオマージュしているのではないかという設定やシーンが見られます。
幽遊白書とは?
『幽☆遊☆白書』は1990年から1994年に『週刊少年ジャンプ』に連載された冨樫義博の少年漫画です。子供を庇うために交通事故で死んでしまった主人公が、試練を経て蘇り、霊界探偵として活躍していく様子を描いていきます。霊や魔界などのオカルト要素がありつつ、中盤以降はバトル漫画としての要素が強くなっています。また、1992年から1995年にはアニメ化もされました。
幽遊白書との共通点
『呪術廻戦』と『幽遊白書』の共通点としては、作中の釘崎野薔薇の発言があります。虎杖悠二の中学時代の同級生である小沢優子が、肥満気味だった体系から細い体系になっており、その理由が身長が伸びたからと言いました。それに対して釘崎が同じような理由で見た目が激変した幽遊白書のキャラである佐藤黒子の名前を出しました。
作中で明確に他作品のキャラが出たことが初めてであり、佐藤黒子がマイナーなキャラであることから作者の『幽遊白書』好きが窺える描写になっています。その他にもオカルトな世界観や、主人公が物理攻撃主体で内に強大な能力を秘めていることなど、リスペクトを感じる設定やシーンがあります。
パクリ疑惑の作品③BLEACH
『呪術廻戦』の作者である芥見下々が幼少期に愛読書としていた『BLEACH』も作中の設定やシーンにおいて類似性があるのではないかと言われています。
BLEACHとは?
『BLEACH(ブリーチ)』は2001年から2016年に『週刊少年ジャンプ』に連載された久保帯人の少年漫画です。悪霊の虚(ホロウ)を対峙する死神の世界がある中で、主人公の高校生がひょんなことから死神代行として、事件の解決や強大な敵との戦いに挑んでいくストーリーになっています。2004年にはアニメ化もされており、その関連で4回のアニメ劇場版も制作されました。
BLEACHとの共通点
『呪術廻戦』と『BLEACH』の共通点としては、虎杖悠二が夏油傑にやられたシーンと黒崎一護が朽木白哉の千本桜にやられたシーンです。2つのシーンを比較すると、攻撃の表現や受けた後の体勢・構図が類似しており、完全にオマージュしたものになっています。その他にも作品の全体的な設定は『BLEACH』にもある要素が見られます。
パクリ疑惑の作品④うずまき
『呪術廻戦』の作者である芥見下々はホラー作品も好んでおり、そのことからホラー漫画の『うずまき』のオマージュも出てきましたが、こちらについては他のパクリ疑惑とは異なり、やや問題になっています。
うずまきとは?
『うずまき』は1998年から1999年に『週刊ビッグコミックスピリッツ』に不定期連載された伊藤潤二のホラー漫画です。黒渦町に住む主人公が、うずまきの呪いの騒動に巻き込まれていくストーリーであり、カタツムリや台風などあらゆるうずまきが呪いとして降りかかっていきます。2000年には初音映莉子の主演で実写映画化されており、アメリカでは『UZUMAKI』としてアニメ化が予定されています。
うずまきとの共通点
『呪術廻戦』と『うずまき』の共通点としては、夏油傑が使用した呪霊操術の奥義・うずまきです。この術式の発動時に後ろに人の顔のようなものが描かれたうずまきが出現していますが、その見た目が『うずまき』の作中に登場するものとほぼ同じになっていました。そして、単行本16巻の該当シーンではジャンプ掲載時の絵から修正されています。
この件について単行本内で芥見下々は、元ネタが『うずまき』であることを解説しつつも、パロディやオマージュとして説明であると言っており、後日承認ではありますが、伊藤潤二にも許可を貰ったことが明かされています。しかし、一部の読者やファンからは、後から許可を取れば何をしてもいいのかと疑問が呈されており、他のパクリ疑惑も含めて考え直すべきという意見も出ていました。
【呪術廻戦】とハンターハンターに対する世間での評判や人気
ここでは『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の設定やシーンの類似性について世間での評判を紹介していきます。作中で既視感を覚えた設定やシーンは読者やファンも比較して確かめており、様々な意見や感想があります。
『ハンターハンター』を読んだことがある人が『呪術廻戦』を読むと、設定やシーンで類似する部分が多いと納得したという意見が数多く見られました。他作品のオマージュもありますが、中でも『ハンターハンター』を思わせる描写は数多くあり、その点から『ハンターハンター』が好きなら『呪術廻戦』も楽しめるという感想も出てきています。
『週刊少年ジャンプ』に『呪術廻戦』がネームのような状態で掲載された際にも『ハンターハンター』と共通しているという感想が出てきました。『ハンターハンター』も過去に数回ネームのような状態で掲載され、単行本収録時には綺麗な状態になっているという前歴があるため、オマージュ描写だけでなく掲載スタイルまで類似してきたと話題になりました。
『呪術廻戦』と『ハンターハンター』の設定やシーンの類似性については、あまりに似すぎているため『呪術廻戦』を純粋に評価できないという声もありました。他作品のオマージュも含めてこのような否定的な意見は出ており、『うずまき』のパクリ騒動もあったことから、あまり良い印象がない人もりようです。
【呪術廻戦】はハンターハンターのオマージュが多かった
『呪術廻戦』の作中設定やシーンには『ハンターハンター』のオマージュが数多く散りばめられていました。その理由は、作者の芥見下々が幼少期から『週刊少年ジャンプ』を読んでおり、『幽遊白書』の作者も務めた冨樫義博のファンであるからです。これからの連載でも『ハンターハンター』や他作品を思わせる設定やシーンが出てくる可能性があるので、ストーリーだけでなく、作中の描き方にも注目してみましょう。
この記事のライター
十文字猛
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