【呪術廻戦】呪胎九相図の9人を徹底解説！元ネタや親についても紹介

呪霊が生きる世界を作ろうとする呪詛師と、それを阻止するために戦う呪術師たち。呪胎九相図は呪詛師側が戦力増強を図るために生み出された生命体でした。ここでは呪胎九相図の概要を具体的にまとめていきます。また、本記事で取り扱う作品『呪術廻戦』についても概要とあらすじをまとめ、内容をおさらいしていきます。

呪胎九相図（じゅたいくそうず）は史上最悪の呪術師と呼ばれた加茂憲倫によって生み出された9体の呪物及びその総称です。明治時代、偽夏油こと加茂憲倫が在籍していたテラに呪霊との間に子どもを孕む特異体質の娘が現れると、彼女の体質に知的好奇心を刺激された偽夏油は彼女と呪霊の間に九度の妊娠をさせ、九度とも堕胎させました。堕胎された胎児たちは強い呪力を持った呪物として生まれ、百年以上に渡って封印され現代の時間軸までその存在が受け継がれています。

明治時代から現代になると、呪胎九相図の封印及び管理を呪術高専が行っていました。しかし姉妹校交流会の際中に襲撃が起きると、表で花御やその他呪詛師たちが暴れているのに乗じて真人が高専の裏に忍び込み呪胎九相図を盗みます。それを呪詛師陣営に持ち帰ると、真人は一般人に呪胎九相図を受肉させ9人の内3人を解放し自分たちの戦力に加えました。

呪術廻戦は芥見下々によって週刊少年ジャンプに連載されている漫画作品です。人の負の感情から生まれた呪霊が存在する日本を舞台に、呪霊から人々を守り世界の均衡を保とうとする呪術師たちの戦いが描かれた本作は、緻密で豊富な設定とジャンプ漫画の中で異例なシナリオ展開が話題を呼び2018年の連載開始以降、瞬く間に人気作品となりました。2022年8月時点で累計発行部数は7000万部を突破しており、現在もその記録が伸び続けています。

高校生の虎杖悠仁は、ある日学校に現れた呪霊から先輩を守るために立ち向かいます。呪霊を祓うには呪力が必要だと知った虎杖は、学校に封印されていた特級呪物・宿儺の指を食べることで覚醒。しかし、呪霊を祓えたものの彼の体は既に両面宿儺の器と化してしまい、宿儺を危険視する呪術界上層部から「すべての宿儺の指を食べてから死ぬ」という死刑宣告を言い渡されてしまいます。宣告を受け入れるしかなかった虎杖は、その力で多くの人を救うと開き直り呪術師として生きることを決めるのでした。

ここからは呪術廻戦における呪胎九相図の9人をまとめていきます。呪胎九相図は全部で9人の呪物が含まれています。呪術廻戦作中では主に3人の活躍が描かれていますが、ここではその3人のプロフィールなども併せてまとめていきます。

偽夏油によって堕胎された胎児は全部で9人おり、それぞれ試験官のような入れ物の中で標本状態のまま保存されていました。9人それぞれには番号と名称が割り振られており、一番は脹相、二番は壊相、三番は血塗、四番以降は膿爛相、青瘀相、噉相、散相、骨相、焼相とつけられています。呪術廻戦作中では真人が呪胎九相図を解放しますが、9人いる中で真人が解放したのは一番～三番までの3人のみです。

脹相（ちょうそう）は呪胎九相図の一番が真人の受肉によって生まれた九相図の長男です。見た目は人間そのもので両目の下に炭のような黒い筋が入っています。脱力感があり浮世絵離れした雰囲気を纏っていますが、兄弟に対する愛はとても深く脹相と同時期に生まれた壊相と血塗に対して「3人で1つだ」と長男らしく言葉をかけるシーンが描かれています。

壊相（えそう）は呪胎九相図の二番が真人の受肉によって生まれた九相図の次男です。人間の姿でモヒカン頭と筋肉質な裸体に蝶ネクタイ、更にはTバック着用という奇抜な格好をしており、アニメではTPOに引っ掛かったせいかTバックからタイツ風ズボンに変更されています。変態的な格好とは裏腹に性格は実に紳士的で、兄弟が傷つけられた時は人間らしく怒りを露わにしていました。

血塗（えちず）は呪胎九相図の三番が真人の受肉によって生まれた九相図の三男です。長男と次男が人間の見た目だったのに対し、血塗は呪霊に大きく寄った見た目をしています。見かけによらずどこか間の抜けた言動が特徴的で、楽しいことがただ好きという純粋な性格の持ち主でもあります。不気味な見た目に愛らしさがある血塗ですが、そんな彼でも生みの親である偽夏油には強い恨みを抱いています。

ここからは呪術廻戦における呪胎九相図の元ネタ・モデルについてまとめていきます。呪術廻戦は仏教やその他宗教の要素を思わせる描写が多く描かれていますが、呪胎九相図も仏教をモデルに生み出されたものだと言われています。

呪術廻戦の公式ファンブックより、呪胎九相図の元ネタは仏教絵画『九相図』から来ていると明かされています。九相図とは屋外に捨てられた死体が朽ちていく様を九段階に分けて描いた絵画であり、人の形をしていたものが腐っていき、獣や鳥に食い荒らされて最後は白骨化するという変遷が表現されています。

九相図は元々仏教の修行のために用いられたものです。悟りの妨げとなる煩悩を祓い、現世の肉体を不浄で無常なものと知るために絵画が使われていました。この九相観は奈良時代より日本に誕生したと言われており、九相図の絵画は鎌倉時代から江戸時代にかけて多くの芸術家によって描かれていったとされています。

九相図には人の死体が白骨化するまでの移り変わりが九段階に分けて描かれていますが、その九段階と呪胎九相図の9人がそれぞれ共通の要素を持っています。長男の脹相は一段階目のまだ人だった姿をしており、次男の壊相は腐乱が進んで皮膚が壊れ始め、三男の血塗は皮膚から脂肪や血液がにじみ出ている段階を表しているそうです。四番以降は以下のようになります。

ここからは呪術廻戦における呪胎九相図の母親と父親についてまとめていきます。呪胎九相図の始まりは明治時代に遡ります。その頃から呪術師や呪霊の存在が生まれていると、当時から最悪の呪術師と言われた偽夏油こと加茂憲倫の非道な行いによって呪胎九相図が生まれることになります。

呪胎九相図の母親は人間であり、呪霊の子を孕む特異体質を持っていました。明治時代の初めに偽夏油のいる寺を訪れると、彼の知的好奇心の虜となってしまい呪霊を相手に九度の懐妊、九度の堕胎をさせられます。なお、懐妊方法や堕胎に関する記述は一切破棄されており、特異体質持ちの彼女が何ものだったのかについても詳しく明かされていません。

呪胎九相図の父親は呪霊ですが、偽夏油の実験によって用いられたということ以外は情報が残されていません。等級や術式はもちろん、母親や偽夏油との関係も記述が残っていないため、詳しい概要は謎に包まれています。

呪胎九相図にとって偽夏油こと加茂憲倫は間接的な父親にあたります。偽夏油は呪胎九相図が生まれるきっかけを作った張本人であり、彼らを百年以上かけて封印した人物でもあります。偽夏油が彼らを生み出した理由は呪力の新たな可能性を見出すことでしたが、渋谷事変で五条を疲弊させる程度の戦力でしかなかった結果に失望していました。また、呪胎九相図の3人は母親の過去を知っており偽夏油に対して恨みを抱いています。

ここからは呪術廻戦における呪胎九相図と虎杖悠仁の関係についてまとめていきます。呪胎九相図の3人が本編に登場したのは姉妹校交流会が終わった後でしたが、そこから更に物語が進んでいくと呪胎九相図と虎杖悠仁に深い関係があったことが明らかにされました。

虎杖悠仁（いたどりゆうじ）は呪術高専1年生の呪術師で呪術廻戦の主人公でもあります。薄茶色のツーブロックでとてもノリがよくフレンドリーな性格をしています。特級呪物・宿儺の指を食べて両面宿儺の器になった張本人ですが、本来であれば宿儺の意思を抑えきれず即死するところを抑え込む耐性を持っていたため、五条から素質があると認められ呪術界に誘われました。

脹相の術式『赤血操術』には感応能力が備わっており、血の繋がった兄弟たちの危機を感じ取り弟たちに異変が起きたことを察知することができます。この能力は本来呪胎九相図の3人に反応するはずですが、作中で虎杖悠仁に反応する描写が描かれたことがあります。このことで虎杖が呪胎九相図かと思われましたが、143話にてそうではないことが判明しました。

結論から言うと虎杖悠仁と加茂憲倫は血縁者で、加茂憲倫は虎杖の父と結婚し悠仁の母親となっていました。そして呪胎九相図の中で脹相のみが『人間（母）＋呪霊（父）＋加茂憲倫（父2）』の関係であるため、脹相と悠仁のみ異母兄弟と言える関係になっています。加茂憲倫の関係図はとても複雑ですが、脹相の感応能力が悠仁に反応したのも2人が血縁者だったからです。

ここからはアニメ版呪術廻戦において呪胎九相図の3人を演じた声優についてまとめていきます。呪術廻戦本編にて主に活躍しているのは呪胎九相図の長男から三男の3人で、アニメ版でも彼らの活躍が描かれました。その中でも3人にあてられた声優が非常に豪華だと話題になっていました。

脹相を担当した声優は浪川大輔（なみかわだいすけ）さんです。9歳の頃から声優業に携わってきたという異例の実績を持っており、『E.T.』の吹き替え版で主役を演じたことをきっかけに大ブレイクした声優さんです。歳を取った現在でも少年や青年役を演じることが多く、爽やかさ溢れる若々しいボイスが魅力的です。

1976年4月2日の東京都生まれ。血液型はB型、身長は173cm、現在の所属事務所はステイラックです。小学生の頃に劇団こまどりに所属し洋画の吹き替えを演じていましたが、思春期に近づくにつれ仕事をサボるようになり一度は声優業から離れます。その後、就職活動で苦戦している時に自身の得意分野を思い出すと、再び声優界に戻り現在まで華々しく活躍しています。

壊相を担当した声優は檜山修之（ひやまのぶゆき）さんです。パワフルで兄貴声が特徴的な声優さんであり、これまでに出演した作品でも猛々しい叫びや咆哮、気合のこもった必殺技呼称がファンたちに評価されています。同業者からもその点において評価されていますが、叫びしかできないわけじゃないと反論することもしばしばあるそうです。

1967年8月25日の広島県生まれ。血液型はA型、身長は166cm、現在の所属事務所はアーツビジョンです。高校卒業後、第2志望だった声優になるために上京。当時は親から学費を出してもらえず自らの手で生活をやり繰りしていました。声優の専門学校で演技について学んでいくと1989年に『かいけつゾロリ』のOVA作品にてアーサー王時役として声優デビューを果たします。

血塗を担当した声優は山口勝平（やまぐちかっぺい）さんです。1980年代から第一線で活躍し続けているベテラン声優であり、ハイトーンで特徴的な声質とどんな役でも見事に演じ分ける演技力により数多くの作品で主演を演じています。

本名は山口光雄（やまぐちみつお）。1965年5月23日の福岡県生まれ。血液型はB型、身長は160cm、現在の所属事務所は悟空で山口さん本人が社長を務めています。19歳の頃に東京へ移住し専門学校で演劇を学び始め、劇団21世紀FOXに入団して舞台俳優として活動するようになります。声優として活動し始めたのは23歳の時で、初主演は1989年放送の『らんま1/2』の早乙女乱馬役でした。

呪胎九相図は偽夏油の非道な行いによって生み出された呪霊と人間のハーフで、作中では真人によって3人が解放されるも、内2人は悲劇的な結末を迎えてしまいます。この情報や出来事に対して呪術廻戦ファンたちはどのような印象を抱いているのでしょうか？ここでは呪胎九相図に対する世間での評判や人気を探るため、実際のコメントを参照してまとめていきます。

初めは異形な化け物として登場した呪胎九相図でしたが、彼らの生まれた理由や偽夏油の本性が明らかになっていくと呪胎九相図の3人が可哀そうだという意見が多く寄せられていました。3人は自分たちにとって都合がよかったことで真人たちの味方になったのですが、もしも虎杖たちがいる呪術師側だったらと願う声もとても多かったです。

作中で脹相と虎杖が異母兄弟だったことが判明するとそこから脹相のお兄ちゃんキャラが際立ち始めるのですが、ガラリと変わった雰囲気と虎杖に向ける愛情表現が愛くるしいと評判になっていました。一部の間では脹相のセリフでミームが作られているほどの人気ぶりを発揮しています。

アニメ版で呪胎九相図の3人が映像化されると、彼らにあてられた声優がとても豪華だと話題を呼んでいました。どの声優も他作品で主演を多く演じている大物声優で、中には声優きっかけで呪胎九相図を好きになったという人もいます。

呪胎九相図は人間と呪霊の間に産まれた異形の子どもたちで、彼らは加茂憲倫の単純な好奇心で生み出されたという可哀そうな存在でした。現在の呪術廻戦では3人の中で唯一脹相のみが生き残っている状態ですが、今後の彼がどのような行動を起こすのか期待が高まります。