【ハンターハンター】キメラアント編が面白い？あらすじやエピソードを紹介

絶大な人気を誇る『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』の「キメラアント編」をみなさんもう読まれましたか？今回はそんな『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』屈指の名シーンの多い「キメラアント編」のメルエムの正体、ラストまでのあらすじなど「キメラアント編」の魅力を紹介しましょう！

「キメラアント編」とは漫画『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』18巻から30巻を指し、奇妙な生態をもつ「キメラアント」とゴンたちハンターとの激闘が描かれています。「キメラアント編」は王メルエムとコムギのラストシーンなど名シーンが多いのも特徴です。

そんな『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』は『幽遊白書』などで知られる「冨樫義博」先生の代表作のひとつで1998年から集英社の『週刊少年ジャンプ』で断続的に連載されています。

幻のゲーム「グリードアイランド」をクリアし、父親の「ジン・フリークス」に会いたいという願いを叶えようとした主人公の「ゴン・フリークス」はジンの計らいによりジンの弟子である「カイト」の元に相棒の「キルア・ゾディアック」と送られます。そうして「カイト」のハンターとしての仕事を手伝うことになった2人は「キメラ=アント」と呼ばれる暗黒大陸からきた正体不明の生物と邂逅することになるのでした…！

キメラアント編ではどんな新しい敵が登場するのか？キメラ=アントとはどんな生態と新要素をもつ存在なのか？ハンターハンターファンはキメラアント編に何を見出しているのか？この章ではキメラアント編の見どころについてみてみましょう！

『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』のそれまでの敵役は「念能力者」でかつニンゲンであることが多かったのが「キメラアント編」では「キメラ=アント」と呼ばれる正体不明の異種族と相対すことになり、世界観が一気に拡張され能力の読み合いなどの駆け引きも増えることになりました。

また「キメラアント編」に登場する正体不明の暗黒大陸産生物「キメラ=アント」は「摂食交配」という特殊な生態を持つことで食べたものの特性を継いでより成長することがミソになっていました。ただの獣相手でもなく念能力を使用しニンゲン以上のポテンシャルを有するキメラ=アント相手にどう立ち回るのかは見どころのひとつです。

文字通りの複雑化していく多彩な成長とそしてそのなかでも王メルエルの成長は精神までにも及び、捕食ではなくコムギという少女との出会いや交流で成長していくさまは「キメラアント編」の醍醐味になっています。

では早速そんな「キメラアント編」のラスト直前までのあらすじをネタバレは最小限にしつつダイジェストでご紹介していきましょう！

世界の果て…「暗黒大陸」と呼ばれる広大で過酷な地には捕食したものの特性を引き継ぐ小さな虫類が存在していました。その生物の正体は「キメラ=アント」。のちに「キメラアント編」で語られていく生物が外来種として流れ着いていきます。

そんな「キメラ=アント」のなかでも成長を続けた「女王蟻」が流れ着いたのはミネア連邦の西端「NGL自治区」にほど近い場所でした。そこで「女王蟻」は巣を作りながら周りのものを取り込んでいきます。

一方で主人公の「ゴン・フリークス」と相棒の「キルア•ゾディアック」は「グリードアイランド」のクリア報酬を使って移送した先で父の「ジン•フリークス」ではなく弟子の「カイト」と出会い、修行も兼ねてカイトの生物調査チームに同行しNGLに入国していました。

その先でゴンやカイトたちハンターは正体不明の生物と遭遇し交戦することになります。のちに「キメラ=アント」だと判明するこの生物群は獣人のような見た目など統一性のないそれは生態が掴めず苦戦を強いられます。

そんななかで巣の奥深くまで潜入していたハンターのポックルはキメラ=アントの1匹である「ネフェル=ピトー」に捕まり、世にも奇妙な拷問にかけられてしまい念能力の正体を吐かされてしまうのでした。このシーンは「キメラアント編」ファンのなかでもトラウマシーンのひとつになっています。

そしてついにポックルから念の本質を聞き出したネフェル=ピトーが狩りに出ます。その標的に選ばれたのはゴンたちハンターでありカイトはここでゴンとキルアを逃してピトーとの死闘に挑むことになります。

そして「キメラ=アント」の勢力を重くみたハンター協会からはプロハンターの「モウラ」や「ノヴ」が介入することになり次々と新登場したキャラクターや既存のキャラクターが入り乱れてNGL入りを果たしていきます。

そしてゴンとキルアは『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』の醍醐味でもありますがここでまた訓練を行いキメラ=アントへの対抗策を練ることにするのでした。ここでは「グリードアイランド編」で登場した「ビスケ（ビスケット=クルーガー）」も会長の「アイザック=ネテロ」の要請に応じて「キメラアント編」に登場しゴンたちを鍛えてくれます。

一方でキメラ=アントはどんどんと捕食するものの特性を凝縮する形で生まれた時点で強力な念能力使いという特異な個体が生まれてきます。なかでも「モントゥトゥユピー」と「シャウアプフ」は「ネフェル=ピトー」とあわせて「キメラアント編」きっての強敵たちとなります。

そしてついに女王蟻は「王」と呼ばれる最強の個体を産み落とすことに成功します。このキメラ=アントの「王」の侵攻によって人類は一気に劣勢となり「キメラアント編」の負の側面でもある悲劇がいくつも巻き起こることになるのです。

そんな王の誕生をうけて最上級のキメラ=アント個体である「護衛軍」は「女王蟻」と巣をあっさりと放棄し王を連れ立って新たなる地を求めることになります。

そしてついに捕食を経ながらキメラ=アントの「王」は「強者に出会い打ち勝つこと」を渇望してピトーたち護衛軍を引き連れながら、次から次へと集落をキメラ=アントは食い滅ぼすことになっていくのです。

そしてゴンの命運を左右する悲劇が訪れます。それはゾンビのように死んでしまった相手にすら蘇生治癒を行える「ネフェル=ピトー」によって「カイト」が無理やり復活させられそしてゴンたちの前に現れるというものでした。負ければ死に勝ってもカイトを殺すことになるという極限の状態がゴンの心を蝕んでいきます。

「ヨークシン編」で中心にいた「幻影旅団」もまた「キメラアント編」でも健在です。カイトとの死闘でゴンたちが苦悩するなか巣が作られた場所が故郷にほど近かった「幻影旅団」のメンバーはキメラ=アントの巣を襲撃しこちらも激闘を繰り広げることになります。

そして「王」と護衛軍たちは独裁国家「東ゴルドー共和国」の喉笛を齧りとり内側から傀儡国家に変えてしまいます。キメラ=アントに傀儡にされた国家は元の体質も合間って「人民の選別」という非道な悲劇へと駒を少しづつ進められてしまうのでした。

そんななかで「王」は自分の内側に燻る欲求の所以を知るために「軍議」と呼ばれるボードゲームの名手を次々に呼び寄せては敗北者を殺して食らうという残虐な行いをしていました。そのなかでついに「コムギ」という盲目の少女と一局を交えることになります。

そして「人民の選別」を行うという未曾有の大厄災を予見したハンターたちは協力して「王」の討伐と大虐殺の阻止のために準備を行うことになります。そこで「ノヴ」は自身の念能力を利用し先行して潜入を果たし、そこで恐ろしい事実と対峙します。

ネテロ会長とキルアの祖父でもあり伝説級の暗殺者でもあるゼノ＝ゾルディックの総攻撃を皮切りにハンターたちが東ゴルドーの首都宮殿へと突入を開始します。そのなかにはゴンやキルア、そして道中で知り合った仲間たちも含まれていました。

そして「キメラアント編」きっての悲劇的な邂逅は訪れます。ついに「カイト」を殺して蘇生させたネフェル=ピトーとゴンが最悪の形で会ってしまったのです。内に宿す深い悲しみと怒り、復讐心に蝕まれるゴンと本当の自分の存在意義に気付きつつあるネフェル=ピトーという出会うタイミングが違えばお互い幸せだったかもしれない組み合わせの激闘は「ゴンさん」というネットミームを生みながらも「キメラアント編」の名シーンとしてファンの心に刻まれています。

キメラ=アントたちの生まれて来た意味への気付きや激闘の末の哀愁と覚悟、そして王メルエムとコムギの問答など怒涛の展開とともにクライマックスを迎える「キメラアント編」のラストシーンに至るあらすじもつづけて紹介していきましょう！

自分の求めていたもの生きる意味を自問するかのように捕食する以外の道を見出だし始めていた王はついに最強のハンター「ネテロ=アイザック」との決闘に臨みます。お互い一歩も譲らない熾烈な闘いながら両者の間には明確な殺意とともに相手を敬愛し合うような空気があり、まさに武道者同士の問答のようなアツい駆け引きが繰り広げられるのも必見です。

そして王はこの闘いで確固たる自我や意義を得たかのように自身の名前を呟き「メルエム」が自分の名前なのだと噛み締めながら勝利へと肉薄するのです。長らく「王（英語翻訳版ではThe King）」としか個体名を持たなかったキメラ=アントが名を噛み締めるシーンに鳥肌が立ったファンは少なくないでしょう。

そして決死の覚悟で最期まで粉塵するネテロ会長と、ネテロ会長との闘いのなかで己との向き合い方に気付きはじめた王メルエムの両者の間に、キメラアント編きっての悲劇ともいえる運命の時が無常にも訪れます。

詳しい経緯はネタバレを回避するため敢えて伏せますが、それはネテロ会長の死と放たれた「貧者の薔薇」という蔑称をもつ有毒な大量破壊兵器の光による破壊でした。メルエムもこれにより致命傷を負いながらもそれでも心の奥底から求める答えを知るために宮殿へと引き返していきます。

そして宮殿に戻ったメルエムとネフェル=ピトーが繋ぎ、九死に一生を得た瀕死のコムギは最期にまた軍議を通して語らうことになります。このやりとりは「キメラアント編」の物悲しさやるせなさとそして溢れんばかりの生きる意味を問う重くもぐっとくる名言に飾られた至極のシーンとなっています。

そして貧者の薔薇の毒によって身を侵されていた王メルエムを看取ることで己も毒の影響を受けて亡くなったとされています。ほかの主要なキメラ=アントたちもまた貧者の薔薇の影響で死に絶えそして生き残ったキメラ=アントたちとハンターたちは各々の意志でそれぞれの道を選ぶことになるのです。

この章では最後に『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』「キメラアント編」に登場するキャラクターたちをSelvyスタッフセレクトで掻い摘んで紹介していきましょう！

「女王」は「キメラアント編」の序盤から中盤まで猛威を振るったいわゆる最初の１個体目のことです。女王蟻という呼称の通り人型のように二足歩行を可能にした蟻のような人外で正体不明のキメラ=アントの不気味さを前面に押し出したような存在になっていました。

女王蟻が最後に生み出したキメラ=アントにして「キメラアント編」の中核となってゆく敵キャラクターが「王」こと「メルエム」です。胸に秘めていたものの正体などただの異種族としてではない人間の根幹や成長の本質がメルエムとコムギを通して描かれていました。

「ネフェル=ピトー」はそんな王メルエムに絶対の忠誠を誓うキメラ=アント最強の一角です。猫のような見た目と挙動、そして狡猾で残忍な行いと終盤の成長など見所の多いキャラクターでもあります。

「シャウアプフ」は「ネフェル=ピトー」よりは後発のキメラ=アントで王の護衛軍の一角を担っているキメラ=アントです。美しい蝶のような見た目と独特の美意識を持っており王を過剰に美化する傾向があります。

「モントゥトゥユピー」は「シャウアプフ」と同時期に産み落とされた最上級のキメラ=アントの一角で無骨で言葉数は少ないものの王メルエムへの絶対的な忠誠を誓っています。「キメラアント編」屈指の強さをもつキメラ=アントでもありユピー戦を名シーンとしてあげるファンも少なくありません。

「コルト」は「キメラアント編」の比較的序盤から登場しているコンドル型のキメラ=アントです。女王派のキメラ=アントの1体でもあり「キメラアント編」最終盤でその魂の本質や正体ともいえるシーンが存在しファンにキメラ=アントのなんたるかを伝えることになりました。

「ヂートゥ」はチーター型のキメラ=アントでコルトと同じく序盤から中盤に登場したキメラ=アントの一体で交戦的な性格として描かれていました。キメラ=アントの本能を色濃く表したキャラクターでもあります。

「パイク」も蜘蛛型の形質を持った女王派のキメラ=アントで女王の巣を警護している少々奇怪な行動が目立つキメラ=アントでした。そして巣に侵入し迎撃を開始した「幻影旅団」と交戦することになります。

「イカルゴ」は東ゴルドーに潜入したキルアを殺そうとしたタコ型のキメラ=アントでキルアとの交戦時に心を打たれその後はキルアの友として作戦に同行することになります。

「ゴン＝フリークス」は『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』の主人公で「キメラアント編」では念願の父に繋がる人物「カイト」との再会を果たし束の間の回想を楽しみながらもキメラ=アントの襲撃に巻き込まれていきます。そして苦しい思い悲しい思いを経ながらも後戻りできない選択をすることになります。

「キルア・ゾディアック」は『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』最初期から登場するゴンの相棒のような存在です。しかしながら親友だというゴンに対して自分が真に親友になれるのか悩み葛藤するなど「キメラアント編」でも苦悩が描かれていました。キメラアント編ラストから次の「会長選挙•アルカ編」などでもゴンへの思いと覚悟が掘り下げられていきます。

「ノヴ」は「ハンター協会」からNGLに出向していたプロハンターで「パーム」の師匠でもあり、ゴンやキルアたちをサポートしながらモウラと共に東ゴルドー潜入を主導した実力者でもあります。その一方でキメラアント編が一筋縄ではいかない真理をノヴを通してファンも知ることになりました。

「パーム」は「ノヴ」の弟子として「キメラアント編」から登場したハンターで不気味な見た目と難解な性格を持つ美女です。ノヴのサポートのために先に潜入をした先で悲劇に見舞われますがラストでグッとくるキャラクターの1人でもあります。

「カイト」はゴンの父親である「ジン=フリークス」の弟子にあたるプロハンターでほっそりとした体躯と優しい性格で多くのファンの心を掴みました。「キメラアント編」随一の鬱シーンが彼を中心に巻き起こるとともにラストシーンではファンが仰天する展開が待っているのでした。

「アイザック=ネテロ」は『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』最初期から登場している「ハンター協会」の会長を務めるプロハンターで老獪な性格と朗らかな言動からコメディリリーフとして描かれてきたネテロ会長ですが「キメラアント編」ではより深掘りされ圧倒的な実力の正体が描かれることになりました。

「モラウ＝マッカーナーシ」は「ノヴ」とともにNGLに出向していたプロハンターで普段は「シーハンター」として活躍していました。「キメラアント編」では弟子の「ナックル」と「シュート」を伴い東ゴルドーへの潜入任務を主導しました。

最後に『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』「キメラアント編」の感想についてTwitterで少し覗いてみましょう！

アニメの『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』キメラアント編はエンディングへの入りと切り方がかっこよくて好きと評価しています。ラストシーンに向けての編集の妙もまたファンを楽しませました。

こちらの方は「キメラアント編」に込められたテーマは「時間軸•相対性理論」だと考察しています。「キメラアント編」に限らずですが作者の冨樫義博先生の描き方の深さやメッセージ性の強さがテーマ考察の余地を多く残しているとも言えそうです。

こちらの方は「キメラアント編」のラストシーンの良さについて語っています。コムギとメルエルの関係性の変化は多くのファンが感動している要素のひとつになっているのです。

『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』の「キメラアント編」の解説はいかがでしたか？考察すればするほど書き込まれたテーマやメッセージに心を打たれる『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』を読み返してみるのも楽しいかもしれません。