【銀魂】永倉新八が志村新八のモデル？史実と比較してみた！

永倉新八は幕末の武士で、実在した人物です。永倉新八は江戸末期の戦乱時代を生き抜きました。そんな永倉新八と『銀魂』にはある関係があります。

永倉新八は、『銀魂』に登場する志村新八のモデルになった人物です。永倉新八と志村新八は、たしかに名前がよく似ています。ここではまず、二人の関係について詳しく触れる前に、志村新八について基本情報をまとめています。

志村新八は6月12日生まれの16歳で、身長166cm、体重55kgです。父が残した天堂無心流の道場、恒道館を姉の志村妙と共に守っています。しかし廃刀令の影響で門下生は去ってしまったため、道場を復興させるために万事屋で働いています。『銀魂』では主にツッコミを担当しています。

『銀魂』の初期設定では、志村新八は永倉新八でした。つまりモデルになった永倉新八の名前をそのまま使っていたのです。初期設定の『銀魂』はそもそも万事屋の坂田銀時ではなく、真選組の土方という人物が主人公でした。

しかし作者の空知英秋が土方歳三のことが好きで、キャラを崩したくなかったことから、坂田銀時という名前に変更されました。初期設定では真選組がメインに描かれているので、当然永倉新八(初期新八)も真選組に所属しています。

ここでは、『銀魂』の永倉新八(初期新八)の設定をまとめました。モデルになった史実の永倉新八や現在の志村新八と比べて、どのような違いや関係があるのかその特徴をまとめています。

永倉新八(初期新八)のルックスは志村新八とは全く異なります。志村新八の原型になった永倉新八(初期新八)の髪はつんつんしており、少しムスッとした顔をしています。

永倉新八(初期新八)は、剣術修行のために田舎から江戸へ上京してきました。江戸では天人に支配されている世の中であるにも関わらず、道場を開いている近藤と出会います。永倉新八(初期新八)がどのくらいの強いのかは不明ですが、後に真選組に加わるので戦闘力は史実の永倉新八に近いかもしれません。

永倉新八(初期新八)は、原型をさらにブラッシュアップしていき、坊主になったり、ちょんまげがついたりしたそうです。作者の空知英秋いわく、最後までデザインが決まらずに手がかかったキャラクターだったといいます。最終的にはメガネをかけて、現在の志村新八のキャラクターデザインに落ち着きました。

実は『銀魂』には永倉新七というキャラクターが存在します。永倉新七は二番隊隊長で、名前だけ出ているのでどのような人物なのかは分かりません。永倉新七の名前は、アフロ篇や真選組の構成が書かれた時に登場しています。ファンブックでは漢字の読みは「ながくらしんしち」と書かれていました。

ここではモデルになった史実の永倉新八がどのような人物なのか、また『銀魂』の志村新八との関係について詳しく紹介していきます。

永倉新八は、松前藩出身の武士です。1846年に神道無念流道場に入門し、18歳で免許を取得しました。その後、松前藩を脱藩して剣術修行の旅に出ます。江戸に戻ると坪内主馬にその実力を見初められ、道場師範代を任されました。その後、試衛館の食客となり、近藤勇と共に浪士組に参加しました。

新撰組結成後は二番隊組長と撃剣師範を務めました。剣の腕前は、沖田総司や斎藤一に並ぶほど強かったといわれています。また、新撰組時代には池田屋事件や油小路事件に関与しました。鳥羽・伏見の戦いでは、江戸へ敗走した時に近藤勇と意見が相違し、決別することになります。

ただ鳥羽・伏見の戦い以降は隊長代務を任されるなど、土方歳三からの信頼は厚かったようです。明治維新後は杉村きねと結婚して、杉村治備と名前を変えました。そして刑務所の看守に4年間剣術指導を行いました。退職後は剣術道場を開き、1909年には東北帝国大学農科大学の剣道部で指導するなど、晩年まで剣術師範を務めました。

史実の永倉新八は、志村新八のモデルだといわれています。しかし史実の永倉新八の経歴を見てみると、志村新八にはあまり似ていません。どちらかというと、志村新八のキャラクターデザインの原型となった永倉新八(初期新八)の方がよく似ています。ただ『銀魂』の6巻では、永倉新八が志村新八のモデルになったと書かれています。

史実の永倉新八と志村新八は、全てが似ていないわけではありません。そこで史実の永倉新八は本当に志村新八のモデルなのか、お互いの特徴を比較してみました。どんな所が関係しているのかに注目です。

剣の実力を比較してみると、永倉新八は15歳ですでに剣の才能を発揮しています。新撰組では「一に永倉、二に沖田、三に斎藤」といわれるほどで、多くの戦いを生き延びてきた新撰組最強の剣士でした。一方で志村新八は道場の息子ですが、真剣での戦いは紅桜篇が初めてでした。

ただ志村新八はどんな強敵や格上の相手でも逃げることはなく、立ち向かっていくタイプです。その時に、突発的に剣の才能を発揮するシーンもあります。永倉新八もまた、池田屋事件では仲間が次々と斬られたり昏倒する中で、深手を負いながらも防具がボロボロになるまで戦い続けました。このような侍としてのプライドがよく似ています。

志村新八は戦いから逃げずに向き合った結果、銀丿魂篇の2年後には沖田総悟と打ち合いができるまでに成長しました。志村新八は永倉新八ほど天才的ではありませんが、着実に力をつけています。ちなみに志村新八の道場の流派・天堂無心流は、永倉新八が極めた神道無念流と、食客を務めた試衛館の天然理心流がモデルになっています。

映画『銀魂 完結編』では、5年後の志村新八が登場しました。5年後にはさらに力をつけており、一瞬でゴロツキ達をなぎ倒すことができるほど強くなっていました。さらに性格もクールでかっこいいキャラになっており、より永倉新八に似てきているといわれています。

『銀魂』では永倉新八が志村新八のモデルになっていました。他にも『銀魂』のように、永倉新八をモデルにしたキャラクターが登場する作品があります。ここでは永倉新八が登場する作品を紹介します。

永倉新八がモデルとなったキャラクターが登場する作品は『るろうに剣心』です。『るろうに剣心』もまた、『銀魂』と同じ週刊少年ジャンプで連載されていた漫画です。明治時代を舞台に、政府の敵対勢力との抗争が描かれています。『るろうに剣心』では、史実通りそのまま永倉新八という名前のキャラクターが登場します。

永倉新八は東京編の回想などでもその姿は描かれていましたが、本格的に登場したのは北海道編です。史実通りに鳥羽・伏見の戦いでも生き残り、北海道編では元気な姿を見せています。

『るろうに剣心』は、「人斬り抜刀斎」と呼ばれる緋村剣心が主人公です。緋村剣心は昔、長州派の維新志士で幕末の戦争で活躍しました。明治維新後は逆刃刀を持つようになり、不殺を信条として流浪人になりました。

しかし、緋村剣心の後を継いで人斬りを行っていた志々雄真実が国家転覆を企んでいることが分かり、明治政府の要請で再び戦いに身を投じることになります。

『るろうに剣心』の永倉新八は気さくな人物です。史実どおり、江戸時代には新撰組に所属しており、二番隊組長を務めていました。北海道編では結婚し、改名して杉村義衛と名乗っていました。現在は剣術師範を務めています。

性格はおおらかでお調子者なところがあります。剣術の才能もまた史実どおり強く、緋村剣心でも勝てませんでした。ちなみに『銀魂』でも『るろうに剣心』パロディが描かれたことがありますが、この時志村新八は永倉新八ではなく斎藤一のような格好をしていました。

『銀魂』の物語は志村新八と坂田銀時が出会うところから始まり、アニメでは志村新八の語りから本編に移ります。このように志村新八は『銀魂』の語り手でもあるのです。このようなところも、永倉新八がモデルになっているのではないかと考察されています。実際に永倉新八は新撰組の生存者として、様々な資料を後世に残しています。

永倉新八は大正時代まで生きた人物で、大正時代の晩年に撮影された写真も残っています。そんな永倉新八がモデルなので、『銀魂』でも大正時代まで志村新八の活躍を見たいという方がたくさんいました。

『銀魂』ファンの中には、志村新八の誕生日に永倉新八のお墓参りに行っている方がいました。このように『銀魂』を読んだのをきっかけにモデルになった人物に興味を持ち、お墓やゆかりの地を訪れる人が多いようです。

『銀魂』の志村新八は永倉新八がモデルでした。それは志村新八の原型となった永倉新八(初期新八)の設定を見ればよく分かります。志村新八にも初期設定の名残があり、2年後篇では真選組の隊服を着るシーンまであります。

志村新八ファンの中には、モデルになった永倉新八のゆかりの地を訪れている方もいました。ぜひ『銀魂』を読んで、史実の永倉新八とどんな共通点があるのか比べてみてください。