【銀魂】陸奥の正体は夜兎族？過去やモデルとなった人物なども

陸奥は劇中での登場回数が少なく、正体など謎の多い人物です。しかしその正体は、快援隊篇で明らかになります。ここでは正体や過去を紹介する前に、まず陸奥に関する基本的なプロフィールをまとめています。

陸奥は7月7日生まれで身長158cm、体重44kgの女性です。いつも編笠を被っており、赤いマフラーとマントを着用しています。戦闘時は主に銃を使って戦います。

陸奥は、江戸時代末期を描いた『銀魂』という漫画に登場するキャラクターです。坂本辰馬が経営する快援隊商事の副官で、快臨丸の副艦長でもあります。

『銀魂』は万事屋を経営する侍の坂田銀時が主人公の漫画です。坂田銀時はある時志村新八と出会い、志村家が抱える借金問題に巻き込まれてしまいました。坂田銀時は借金の肩代わりに連れて行かれた志村妙を救うために、天人の船を襲撃して救出しました。それから志村新八は万事屋で働くようになり、共に江戸の問題や悩みを解決していきます。

陸奥が『銀魂』のアニメに初登場したのは23話です。23話は、神楽がくじの景品で宇宙旅行を当て、宇宙へ観光に行くストーリーです。しかし、観光中に宇宙船が攘夷浪士にハイジャックされ、操縦席が襲われます。

坂田銀時はたまたま同じ宇宙船に乗っていた坂本辰馬に操縦させようとしますが、操縦桿を壊して近くの星に墜落してしまいました。幸いみんな無事でしたが、砂地しかない暑い星だったので、暑さに弱い神楽は限界を迎えていました。そんな時に救助に駆けつけたのが快援隊の陸奥でした。

初登場の23話では陸奥の正体は謎のままでした。しかし、『銀魂』で陸奥がメインに描かれる快援隊篇で、陸奥の正体や過去など詳しく分かります。ここからは陸奥の正体や過去について詳しくまとめています。

陸奥の正体が判明するのは、原作の477話から480話の快援隊篇です。快援隊篇は、坂本辰馬が盛大に商いに失敗するところから始まります。坂本辰馬は開き直ってキャバクラで遊んでいましたが、そこに陸奥がやって来て落とし前をつけさせました。陸奥に坂本辰馬の居所を教えたのは坂田銀時でした。

その後、坂田銀時と陸奥は一緒に居酒屋で飲みながら過去の話をしていました。その後、坂本辰馬が陸奥の昔の仲間にさらわれてしまいます。坂田銀時と共に救出に向かった時、陸奥の正体が判明しました。

陸奥の正体は夜兎族です。ただ両親については詳しく描かれていないので、純血の夜兎族なのか、片親が夜兎族なのかは不明です。父親については宇宙海賊の総督で、星海坊主の友人であったことが分かっています。一方で陸奥の母の正体については劇中で全く触れられていません。

そのためファンの間では、夜兎と人間のハーフではないかと考察されることが多いようです。ちなみに陸奥は土佐弁を話しますが、土佐出身というわけではありません。土佐出身の坂本辰馬と長い時を過ごしていたため、陸奥にも方言がうつったのです。

夜兎族とは傭兵三大部族の一つで、戦うことを好む種族です。星海坊主、神威、江華、神楽、阿伏兎、鳳仙、孫老師なども夜兎族です。ちなみに神威率いる春雨の第七師団も夜兎族で構成されています。母星はすでに戦争によって住める場所ではなくなっているため、ほとんどの夜兎族は宇宙を転々としながら暮らしています。

見た目は人間とそっくりで見分けはつきません。ただ日光に弱いので、日よけの傘を持ち歩いていたり、肌を露出しない格好をしていることが多いです。また戦闘能力や治癒力が高いところが人間とは異なります。

坂田銀時が陸奥の正体を知った時、女性の夜兎族という共通した設定があるので、神楽の立場を心配しているシーンがありました。確かに二人は肌が白く端正な顔立ちをしているのに、戦闘力が高いところは似ています。またゲロインであるところが共通しています。

正体は同じでも、陸奥と神楽の性格は似ていません。陸奥はどちらかというと冷静で落ち着いた性格をしています。また身内に対しても容赦はせず、過去に海賊をしていたこともあって、夜兎族らしい非道な思考を持っています。一方で神楽は天真爛漫で明るい性格をしています。よく戦闘に参加しているものの、戦い自体が好きというわけではありません。

『銀魂』の477話では坂田銀時と話している中で、陸奥の正体と過去が語られました。陸奥は、坂田銀時が思わずツッコミながら叫ぶほど驚きの過去がありました。

陸奥は過去に、春雨と並ぶ勢力があった千鳥という宇宙海賊の第二師団副団長を務めていました。本人はバイト感覚で宇宙海賊をしており、火曜日から金曜日のシフトで副団長をしていました。この時まだ14歳だったのですが、父親が千鳥の総督ということもあって、仕方なく副団長をしていました。

ゲロインとは、嘔吐するヒロインのことです。陸奥の過去回想では、奴隷のオババが酒の飲みすぎで嘔吐する場面があります。オババが吐いた吐瀉物は、陸奥の教育係である団長の顔にかかってしまいました。それを見た陸奥も思わず吐いてしまいます。このシーンが描かれたことで、陸奥はゲロインと呼ばれるようになりました。

陸奥の過去回想では、その正体だけでなく坂本辰馬とどのようにして出会ったのかについても明らかになりました。坂本辰馬は商談に失敗して海に流されていた時、陸奥が率いる海賊の奴隷船に拾われます。このままでは奴隷になってしまうはずでしたが、坂本辰馬は突然「奴隷ごと船を買い取る」と言い出したのです。これが坂本辰馬との出会いでした。

坂本辰馬とは快援隊商事の社長です。宇宙で商売をしており、「快臨丸」という船の艦長をしています。ただ船は大好きですが、船に弱くいつも顔を青くして吐きそうになっています。また女遊びが好きで、放浪癖があります。

陸奥が坂本辰馬のパートナーになった理由は、過去の出会いに関係しています。当時海賊だった陸奥は奴隷として坂本辰馬を捕まえたものの、次第に坂本辰馬の人を喜ばせる商売に惹かれていきます。ある時、父が亡くなったことをきっかけに、団長が自分と奴隷を殺して船を乗っ取ろうと画策していることを知ります。

そこで陸奥は自ら囮となって、奴隷達を逃そうとします。しかし坂本辰馬は逃げませんでした。坂本辰馬は救出ポットで脱出したフリをして、人数が少なくなった船を奴隷達と共に乗っ取ったのです。そして陸奥はもう海賊ではなく仲間の一人であると坂本辰馬は言いました。それから二人は元奴隷たちと共に快援隊として活動するようになりました。

陸奥にはモデルになった人物がいます。陸奥のモデルは歴史上の人物です。ここでは陸奥のモデルになった人物についてまとめています。

陸奥のモデルになった人物は、陸奥宗光です。陸奥宗光とは幕末から明治にかけて活躍した政治家・外交官です。

陸奥宗光は1844年8月20日に生まれ、父の影響で攘夷志士として活動します。幕末には桂小五郎など攘夷志士の中でも有力な人物と関わるようになり、1867年には坂本龍馬の海援隊に入隊しました。

明治維新後は留学し、ロンドンで政治について学びます。1886年に帰国したあとは、第一次山縣内閣で農商務大臣に就任、第二次伊藤内閣では外務大臣に就任しました。外務大臣時代には「陸奥外交」と呼ばれる外交政策を行い、日英通商航海条約を締結しました。また日清戦争を開戦し、イギリスやロシアと中立を保ちました。

陸奥と陸奥宗光を比較すると、似ているところがたくさんあります。陸奥宗光は坂本龍馬の海援隊に所属していました。坂本龍馬とは常に一緒におり、互いを信頼し高く評価していたようです。坂本龍馬が暗殺された時は、不穏な動きをしていた三浦休太郎が主犯だと考え、天満屋事件を起こして復讐しようとしました。

坂本龍馬も博識な陸奥宗光のことを「先生」と呼んでおり、リスペクトし合う関係だったようです。一方で陸奥も快援隊に所属しており、坂本辰馬の右腕的な存在です。坂本辰馬に対する扱いは荒いですが、快援隊篇では一番信頼していることが分かります。

また陸奥宗光は、政治家時代に「カミソリ大臣」と呼ばれましたが、陸奥は快援隊で「カミソリ副官」という異名があります。このように陸奥宗光は人物のモデルになっている事が分かります。

陸奥のモデルになったのは陸奥守吉行といわれています。ただ、陸奥守吉行が本当にモデルになっているのかは定かではありません。しかし坂本辰馬のモデルである坂本龍馬に関係する人物なので、この人物がモデルではないかとファンの間では囁かれています。

陸奥守吉行とは摂津国住吉(大阪市住吉区)出身の刀工です。大阪で刀工の修行をして、後に土佐に移住しました。坂本龍馬がこの陸奥守吉行が打った刀「陸奥守吉行」を使用していました。坂本龍馬は刀好きでも知られており、「陸奥守吉行」を常に腰に差していたようです。

陸奥と陸奥守吉行の共通点は少ないですが、名前が似ているところと坂本龍馬に関係があるところが共通しています。主に名前のモデルになったといわれています。

陸奥は『銀魂』への登場回数は少ないものの、印象的な名言を数多く残しています。ここでは陸奥の名言を紹介します。

陸奥の名言「役立たずの艦長を消すチャンスぜよ。撃てぇぇぇ」は、元千鳥の第二師団団長の船に大砲を打った時のセリフです。元千鳥の団長に捕らわれた坂本辰馬を見た陸奥は、本音を隠すことなく「艦長を消すチャンス」と言って次々と砲撃をくらわせました。こうは言っていますが、砲撃を囮にして自ら敵船に乗り込み、坂本辰馬を救いました。

陸奥の名言「滅ぶのは貴様じゃ己の仲間を道具呼ばわりする者に将たる資格はない。侍の星をなめたらイカンぜよ」は、米堕卿と交渉している時のセリフです。陸奥は米堕卿に協力するフリをして蓮蓬の要塞に侵入していました。しかし米堕卿は「貴殿らの助けは必要ない」と言い、実は陸奥が米堕卿の命を狙っていることを見抜いていました。

陸奥は銃を取り出して米堕卿に向けますが、その後ろから部下達が陸奥に銃を向けていました。米堕卿は一人で乗り込んできた勇気を称え、特別にそこから地球が滅ぶ様を見せてやると言いました。この名言はその時に言いました。このセリフからも、坂本辰馬をリスペクトしていることが分かります。

陸奥の名言「覚えときィわしゃあのバカに拾われたんじゃなか。あん時宝石ば拾うたんはわしぜよ」は、元千鳥の団長を船ごと殴り飛ばした時のセリフです。団長は坂本辰馬を拉致しますが、圧倒的な夜兎の力の前では手も足も出ませんでした。一応坂田銀時が加勢に来ていましたが、陸奥は坂本辰馬と坂田銀時を敵の砲門に突っ込んで破壊します。

ほぼ一人で艦隊を壊すさまを見た団長は、それほどまでの力があれば父親以上の大海賊になっていたはずだと震えながら言います。そしてなぜ坂本辰馬の下についているのか、拾われた恩を返すためなのかと陸奥に問いました。それに対し、陸奥はこの名言で答えました。陸奥が恩や贖罪など関係なく坂本辰馬のもとについていることが分かるセリフです。

陸奥の名言「人を動かすのは武力でも思想でもなく、利益と絆…というワケか。実に奴らしいバカな商いじゃ」は、商い根性を見せる坂本辰馬の行動を見た陸奥のセリフです。米堕卿の要塞に潜入した坂本辰馬は敵と商談を始め、蓮地同盟を締結しました。そしてなんと米堕卿の部下達を味方につけたのです。

戦闘が好きになれない坂本辰馬らしい戦い方を見た陸奥は、この名言を言いました。ちなみに坂本辰馬も「人を動かすのは武力でも思想でものーて利益じゃ」と似たようなセリフを言うシーンがあります。坂本辰馬と陸奥が互いに理解しあっていることが分かるセリフです。

陸奥の名言「銀河中のキャバクラをハシゴし、ロクに帰ってこん奴を船長とは言わん。編集長と言う」は、米堕卿に対して宇宙超商船隊鉄侍カイエーンを起動させた時のセリフです。快臨丸は坂本辰馬の愛船でしたが、坂本辰馬が放浪している間に陸奥が勝手にロボットに改造していたのです。

坂本辰馬は船長である自分に黙って改造したことに文句を言いますが、陸奥はこの名言を言ってあるボタンを押しました。すると坂本辰馬は強制的に操縦席に送られました。このシーンは、いつも冷静にツッコミを入れる立場の陸奥が暴走するシーンでもあります。

陸奥の名言「商いの基本は営業から。金は足で稼ぐものなり」は、ロボットになった快臨丸ことカイエーンを操縦しながら言ったセリフです。カイエーンは元々商業用につくられたロボットなので、商業に利用できる機能しかありません。その機能を駆使して、神楽と陸奥が米堕卿のミサイルを蹴り返すシーンでこの名言を言いました。

陸奥の名言「プラカードでも、人の作った紙芝居でもない自分自身の裸の言葉で」は米堕卿を撃破する時に仲間と共に言ったセリフです。カイエーンは変形し、巨大な大砲になりました。

そして米堕卿を裏切った部下は白い布を脱ぎ、陸奥達はこの名言を言いながらレバーを引いて米堕卿を撃ちました。こうして陸奥の改造したロボットで、米堕卿との戦いに決着をつけることができたのです。

『銀魂』は2006年にアニメ化され、アニメ映画化も果たしています。陸奥の声優は子役時代から芸能界で活躍している人物です。ここでは、陸奥を演じた声優を紹介します。

アニメ『銀魂』で陸奥の声優を担当したのは渡辺明乃です。声優の渡辺明乃は、2006年から2018年の4シリーズ出演しました。

陸奥役の渡辺明乃は、1982年11月18日生まれの女性声優です。大沢事務所に所属しています。元劇団日本児童に所属していた子役で、2001年に声優デビューして以降は声優業メインに活動しています。可愛らしい10代からクールな大人の女性、また少年役までこなす演技の幅が広い人物です。

声優の渡辺明乃の主な出演作品には、『あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ』の樟葉楓子役、『かいじゅうステップ ワンダバダ』のゴモちゃん役、『Free!』の松岡江役、『青の祓魔師』の幼少期の燐役、『NARUTO-ナルト-』の多由也役、『狼と香辛料Ⅱ』のディアナ役、『To LOVEる-とらぶる-』の結城リト役などがあります。

『銀魂』は2017年に実写化されました。しかし、陸奥は残念ながら実写映画には登場しませんでした。なぜなら、主に陸奥が登場しない紅桜篇と真選組動乱篇が実写化されたからです。

『銀魂』のファンの間では、陸奥がもし今後実写化されるなら誰が適役か予想されています。ここでは、陸奥に適役といわれている女優について調査しました。

陸奥に適役といわれているのは柴咲コウです。柴咲コウは女優・歌手・実業家と幅広く活動している人物です。日本アカデミー賞の最優秀女優賞などを受賞しており、演技力の高い女優です。柴咲コウはクールな印象のある女優なので、陸奥のようにかっこいい女性キャラも演じることができるのではないかと期待されています。

陸奥に適役といわれているのは香里奈です。香里奈は元々モデルでしたが、2001年からは女優としてもデビューしており、数々のドラマで主役を演じています。ホラーからコミカルな役までこなせて、実写作品にも数多く出演しています。

見た目が似ているだけでなく、実写作品への出演経験も豊富で安定した演技ができることから、陸奥役に香里奈を推している方がたくさんいました。

『銀魂』の劇中で、陸奥はいつも笠を被っているので顔が分かりにくいのですが、実はとても美人です。美人なのに強くてかっこいいところが男女関係なく人気のようです。特に、アニメのエンディングで描かれた、チャイナ服姿やウェディングドレス姿の陸奥がファンからは好評でした。

陸奥は坂本辰馬の部下という情報しかなく、長い間謎が多い人物でした。そのため、快援隊篇で正体が判明した時は「まさかの夜兎族」と驚いている方がたくさんいました。確かに晴れの日も笠を着用していたり、肌を露出していないなど夜兎族である伏線が張られていましたが、その正体に気づいていた方は少なかったようです。

陸奥は男勝りな口調で話し、常に厚着しているので体系がよく分かりません。また陸奥のモデルは男性です。このことから、長い間陸奥が男性であると勘違いしていた方が多いようです。ちなみに初登場時に、一応女性であることが分かるセリフがあります。

ここではもしも陸奥が〇〇だったらと仮定し、警察・女医・嫁の三つのシチュエーションで考察していきます。

もしも陸奥が警察だったら、交渉人に向いていると考えられます。なぜなら、陸奥は『銀魂』の中でも比較的常識を持つキャラクターで、交渉だけでなく坂本辰馬の尻拭いも得意です。その性格はクールで、元海賊という経歴から容赦のない思考も持っています。そのため、犯人との交渉では隙を見せず、臆することなく交渉ができるはずです。

もしも陸奥が女医だったら、優秀で美人な女医として人気になるはずです。ただ、男勝りでサバサバした性格なので、コンプライアンス的に問題のある発言をする可能性があります。しかし坂本辰馬よりも部下に慕われているので、長年付き合いのある職場の人間との関係は良好だと考えられます。

もしも陸奥が嫁だったら、少しヘタレな夫でも立てることができる嫁になるはずです。陸奥は男勝りな性格で、本気で戦えば坂本辰馬よりも強いです。それに加えてリーダーとしての素質があるにも関わらず、快援隊では副官を務め、あくまでも坂本辰馬のサポートに徹しています。このような点から、一歩下がって夫を支える優秀な妻になると考えられます。

『銀魂』に登場する陸奥は夜兎族で元海賊、そして現在は快援隊の副官です。劇中では坂田銀時も、同じ夜兎族の神楽の立場を心配するほど魅力の詰まったキャラクターです。

土佐弁を話すので地球人だと思っていたファンは多く、まさか夜兎族とは思わなかったという声がたくさんありました。『銀魂』では主に蓮蓬篇・快援隊篇・烙陽決戦篇などで活躍シーンがあるので、ぜひ陸奥の登場回をチェックしてみてください。