【エヴァンゲリオン】人類補完計画は物語の鍵になる？目的やゼーレの正体も

『エヴァンゲリオン』作中に出てくる人類補完計画について詳しく解説していきます。エヴァンゲリオンにおいて人類補完計画は、物語の要になっておりゼーレが計画しNERVが実行する最も重要事項です。簡単に説明すると、人類を肉体から魂を解放し一つの生命体にすることで他者との境界をなくしてしまいます。他者と個々の区別や喜怒哀楽がなくなることで争いがなくなります。人類の進化に干渉するもので、人類補完計画の遂行はゼーレと碇ゲンドウ共通の目標ですが、目的はそれぞれ異なるものでした。

『新世紀エヴァンゲリオン』は、庵野秀明先生によるSFやロボットアニメをテーマにしたアニメーション作品で1995年にテレビアニメ全26話が放送され、第三次アニメブームを巻き起こした大人気作品です。1997年にはテレビアニメ版の最終回とは別の結末を描いた劇場版が公開されました。2007年にテレビアニメ版とは違った設定の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ第一弾の『序』が公開され、2009年には『破』、2012年に『Q』、2017年に『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の公開をもってシリーズの完結を迎えています。

セカンドインパクトが起き世界の人口が半分に減少した西暦2015年、中学生の碇シンジはNERVの総司令を務める父・碇ゲンドウに呼ばれ、第3新東京市を訪れエヴァンゲリオンのパイロットになって使徒と戦うことを命じられます。零号機パイロット綾波レイの怪我を見て渋々エヴァに搭乗していたシンジですが、同級生たちの大怪我を目の当たりにし、次第に自分の意思でエヴァに搭乗するようになりました。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となるゼーレが行う人類補完計画の目的について解説していきます。物語の鍵となる人類補完計画は、ゼーレと碇ゲンドウそれぞれ目的が異なっていました。ゼーレが行う人類補完計画の目的は、サードインパクトを起こし全人類を統合しリリスの子の持つ「知恵の実」、使徒の持つ「生命の実」を与え、現在の出来損ないの状態から完全体つまり神に近い存在にすることだと考察されます。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵である人類補完計画の目的について解説していきます。エヴァンゲリオンの物語の中では、「一つの星に一つの生命体」という決まりがありますが地球にはアダムとリリスという大きく分けて2つの生命体が存在していました。地球に先に存在したアダム側は、リリス側が18億もの個体を持つことで出来損ないと捉え原始回帰を行い、一つの生命体となり神に認められる強固な存在となることを目的としています。

『エヴァンゲリオン』の物語の要「人類補完計画」が成功するとどうなる？について解説していきます。人類補完計画は、全人類が統合されることで個々の意識や他者との境界がなくなり、争いごとが起きないのはもちろんですが喜怒哀楽など一切の感情も失ってしまいます。セカンドインパクトによって人類補完計画が成功したことで、人類は肉体と魂から解放され死と無縁の不老不死の存在となり、物語の中ではL.C.L化（液体化）した描写があります。

『エヴァンゲリオン』に登場する碇ゲンドウが行う人類補完計画の目的について解説していきます。NERVの最高司令である碇ゲンドウにとって人類補完計画を行う目的とは、自分自身が完全体となって妻であるユイを復活させることです。最愛のユイを取り込んだ初号機に人類の魂を融合し、最強の個体つまり神のような存在に進化させ、もう一度ユイと碇ゲンドウ自身が1つになることが目的だと考察されます。

『エヴァンゲリオン』に登場するゼーレとは人類補完計画を秘密裏に進める組織です。テレビ版や旧劇場版では、組織は最高幹部12名で構成されており、ドイツ国籍のキール・ローレンツという人物がトップに君臨していると考察されています。ゼーレは、ドイツ語で魂という意味を持ち、エヴァンゲリオン作中ではモノリスという長方形型の物体として登場しています。

『エヴァンゲリオン』に登場するゼーレの正体について考察していきます。作中でゼーレの構成員は、旧シリーズでは人型と長方形型のモノリスとして登場していますが、サードインパクトでL.C.L化し体内にあった機械部分だけが残っていました。しかし新劇場版では、モノリスの姿でしか登場シーンはなく碇ゲンドウらの発言から定義から外れた機械に魂を宿す存在と明かされました。ゼーレの構成員は元は人間と同じ生命体でしたが、サードインパクト後の新劇場版では、機械に魂を与えられた存在だと考察されます。

『エヴァンゲリオン』に登場するゼーレの構成員の人数が新劇場版で減った理由について考察していきます。旧シリーズではゼーレ構成員の人数は12人でしたが、新劇場版では7体の登場のみとなっていました。ゼーレ構成員が減った理由はハッキリと明かされていませんが、セカンドインパクトが発生した際に何らかのトラブルがあり、そのせいで減ってしまったのではないかと考察されています。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となる人類補完計画にとって重要な要素①渚カヲルについて解説していきます。エヴァ随一のイケメンと言われる渚カヲルは、エヴァに搭乗するフィフスチルドレンとして描かれていましたが、その正体は第1使徒アダムの魂を持つ第17使徒タブリスでした。人類補完計画の発案者ゼーレは、第1使徒アダムの魂を持つ渚カヲルを使いサードインパクトを起こすために、エヴァのパイロットとしてNERVに送り込んでいました。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となる人類補完計画にとって重要な要素②綾波レイについて解説していきます。物語の序盤からエヴァ零号機のパイロットとして登場していた綾波レイの正体は、第2使徒リリスの魂を持つクローン体であることが明らかになっています。エヴァの主人公碇シンジの母であり、碇ゲンドウの妻である碇ユイに酷似した容姿をしています。人類補完計画の発動には、正体が第1使徒アダムの魂を持つ渚カヲルと第2使徒リリスの魂を持つ綾波レイが不可欠だとされています。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となる人類補完計画にとって重要な要素③エヴァンゲリオン「初号機」について解説していきます。人類補完計画を遂行するために必要なトリガーになる初号機は、第2使徒リリスを元に作られた汎用人型決戦兵器人造人間です。第1使徒アダムと第2使徒リリスによってサードインパクトを起こした後、アダムが所持する「生命の実」を取り出すことが目的であり、意図的にサードインパクトを起こすには魂のある初号機が必要だと考察されます。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となる人類補完計画にとって重要な要素④碇シンジについて解説していきます。エヴァ初号機のパイロットであり本作の主人公・碇シンジは初号機との高いシンクロ率を誇るキャラクターです。本来、人間はみなエヴァンゲリオンの作中ではリリンと呼ばれる存在ですが、エヴァのパイロットとなったチルドレンたちはリリンの域を超え、永久に年を取らない存在となってしまいました。物語の中では「エヴァの呪縛」という表現をしており、アスカとシンジはエヴァの呪縛にかかっているようです。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となる人類補完計画にとって重要な要素⑤ロンギヌスの槍について解説していきます。テレビアニメ版では終盤まで登場のなかったロンギヌスの槍は、螺旋状デザインで先端が二股に分かれている巨大な槍です。アダムに刺した際、卵まで還元させる力を持っていますが還元するために膨大なエネルギーを放出し、そのせいでセカンドインパクトが発生してしまい、その後ネルフが回収し管理しています。

生命を生み出す力を持つアダムとリリスの活動を停止させられるロンギヌスの槍は、使徒やエヴァンゲリオン、ATフィールドにも有効でチート級の強さを持つ武器としてファンの間で認識されているようです。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となっている「人類補完計画」の元ネタについて考察していきます。エヴァンゲリオンの作中にはキリスト教が元ネタになっているものが多く描かれていますが、人類補完計画の元ネタも「旧約聖書創世記」の命の木に登場するエデンの園にある2本の樹が人類の始まりであるアダムとエヴァだと考察されています。それぞれの樹には食べ続けることで神と同じ永遠の命を得られる「生命の実」と、創造主である神と同じ知を得られる「知恵の実」という2種類の果実があります。

本来、人類に食べることを許されたのは「生命の実」だけでしたが、禁断の「知恵の実」を食べてエデンの園から追放されてしまいました。さらに、人類補完計画は宮崎駿監督作品の「風の谷のナウシカ」からも構想を得ていると考察するケースもあるようです。

『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となる「人類補完計画」は、旧劇場版と新劇場版で異なる結末を迎えています。まずは人類補完計画の結末①旧劇場版について解説していきます。テレビアニメ版では、主人公たちが「おめでとう」と祝福の言葉を述べることで完結しており、視聴者にとっては謎の残る結末でしたがその後描かれた旧劇場版では、碇ゲンドウが目論んだ自身が初号機となって行う人類補完計画は失敗に終わり、ゼーレの人類補完計画が成功しています。

ゼーレの人類補完計画が成功したことで、エヴァの呪縛を受けリリンの域を逸脱してしまったアスカとシンジ以外の人類は、L.C.L化（液体化）し原始の海と呼ばれる状態へ還っている描写があります。

続いて、人類補完計画の結末②新劇場版：Qについて解説していきます。エヴァンゲリオン新劇場版は、「序」「破」「Q」「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」の4部で構成されました。旧劇場版と新劇場版の人類補完計画の目的に違いはありませんが、新劇場版では神が記した「死海文書」いわゆる予言書らしきものが発見されています。この時点で、人類補完計画後の人類の未来は2択となってしまいどちらも人類にとっては納得のできるものではなく、全く違った結末になるよう奮闘したのがヴィレと呼ばれるメンバーたちでした。

新劇場版では加持リョウジと渚カヲル含むヴィレメンバーは、人類にとって明るい希望のある未来を目指しサードインパクトを食い止めたため、結果的に人類補完計画は失敗に終わりました。そして碇シンジが中心となってネオンジェネシスを起こし、消滅してしまった生物を元に戻すことに成功しています。その代償として自身を犠牲にしようとするシンジですがその考えを汲み取っていたのか、初号機に取り込まれていたユイが代わりに生贄となり、シンジは現実世界に戻ることが出来ました。

「人類補完計画」はエヴァンゲリオンの物語の要となっているワードですが、ファンの間でも理解するのが難しいとして様々な考察があがっています。人類補完計画についてエヴァファンはどのように感じているのか評判や人気をまとめていきます。

エヴァンゲリオン旧劇場版で迎えた人類補完計画の結末は、あれ以外に考えられないという形で無事に完遂したが、新劇場版の4部公開を前に目指す形が旧劇場版と異なっているのではないかと考察するファンもいました。人類補完計画の結末の行方は多くのファンの考察熱をあげていたようです。

エヴァンゲリオンの物語の鍵となる人類補完計画は、ゼーレによるもの、碇ゲンドウによるもの、そして碇シンジが選んだものがあり旧劇場版で描かれなかった部分や分からなかった部分が新劇場版を観たことで分かったというファンもいました。

テレビアニメシリーズ、漫画、旧劇場版、新劇場版すべてに目を通しても、人類補完計画の正体や意味が分からなかったというファンもいました。物語の後半で登場した真希波・マリ・イラストリアスの正体についても、謎が残る結末だと感じているファンもいるようです。エヴァンゲリオンは、独自の世界観と設定が難しくテレビアニメからハマって見ているファンでもなかなか一度では理解できないと感じるようです。

人類補完計画は、『エヴァンゲリオン』の物語の鍵となっており、ゼーレが発案しNERVが遂行するものでした。ゼーレは、人類補完計画を秘密裏に進める正体不明の組織で旧シリーズでは12人おり、モノリスと呼ばれる長方形型の物体として登場していました。新劇場版では7人に減っており、サードインパクト後に登場していることなどから正体は人類とは違った生命体で、何らかのトラブルによって減少したと考察されています。ゼーレの人類補完計画の目的と、遂行するNERVの最高司令碇ゲンドウの目的が異なっていました。

碇ゲンドウは自身が主体となり人類補完計画を遂行し、愛する妻・碇ユイとの再会を目的としていました。ゼーレはエヴァとロンギヌスの槍、リリスとアダムを使ってサードインパクトを起こし人類をL.C.L化させ、リリスとアダムから取り出した「生命の実」と「知恵の実」を1つの個体となった人類に与え、完全体にすることが目的でした。さらに旧劇場版と新劇場版では、人類補完計画の行い方に違いがあり結末も異なったものとなりました。