【エヴァンゲリオン】ガイウスの槍の能力は？ロンギヌスとカシウスについても

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』にてガイウスの槍が初めて登場すると、それまで登場していたロンギヌス、カシウスの槍に対抗する武器として利用されました。ここではガイウスの槍の詳しい概要をまとめていき、エヴァンゲリオンの作品概要とあらすじについてもまとめていきます。なお、本記事では作中最大のキーワードであるネオンジェネシスに関するネタバレを含んでいるため、閲覧する際はご注意ください。

ガイウスの槍はヴィレの戦艦であるAAAヴンダーを材料にして生み出された槍です。ロンギヌス、カシウスに次ぐ3本目の槍として登場し、2本が神によって遺されたものに対してガイウスの槍は人間の意志と知恵によって創りだされました。配色はそれぞれ石器の白と青銅器の明るい褐色、鉄の青灰色となっており、人類の歴史の歩みを3つの穂先に束ねた槍という発想が込められています。

エヴァンゲリオンは庵野秀明監督によって制作されたオリジナルアニメ作品です。巨大な人型兵器・エヴァンゲリオンのパイロットになった少年少女の物語が描かれており、1990年代に第3次アニメブームを巻き起こすほどの人気を博しました。2006年には新しい設定とストーリーでリビルドされたエヴァンゲリオン新劇場版が制作され、2021年には4作目となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』が公開されました。

西暦2000年9月13日に起きた大災害・セカンドインパクトによって世界人口の半数が失われると、その15年後に国連直属の特務機関NERVの総司令である碇ゲンドウは14歳の息子・碇シンジに巨大な汎用人型決戦兵器・エヴァンゲリオンのパイロットになって謎の敵・使徒と戦うことを命じました。命令に従ったシンジはその日から、使徒との戦いに身を投じていき様々な人と出会い、葛藤を感じながら、使徒のいない世界を作るために奮闘します。

エヴァンゲリオン作中では先にロンギヌスとカシウスの槍が登場しており、それぞれ神が遺していったものとして絶大な力を持っていることが語られましたが、ガイウスの槍はその2つに対抗できるほどの能力、そして役割を持っているものとして描かれています。ここではエヴァンゲリオンにおけるガイウスの槍の能力や役割・材料についてまとめていきます。

ガイウスの由来は神話の時代に古代ローマの軍人及び政治家、ガイウス・カシウス・ロンギヌスから来ていると言われています。古代ローマに存在した政治家のガイウス・ユリウス・カエサルは永久独裁官と称されるほどの野心家で、その3人をマルクス・ユニウス・ブルトゥスらと暗殺した首謀者の1人とされています。

ガイウスの槍はヴィレの戦艦であるAAAヴンダーを材料にして創られています。実際にガイウスの槍を見たマリは、それが人の知恵によって創られた『ヴィレの槍』と発言しており、AAAヴンダーを通じて神殺しの力が宿っているとされています。

ガイウスの槍は葛城ミサトを始めとする、様々な人間の意志と知恵によって創りだされました。AAAヴンダーを材料にしたのも後述する人類補完計画を阻止するために必要なもので、碇ゲンドウと交戦していた碇シンジの元に届けられました。

碇ゲンドウはユイに再び会いたいという個人的な野心から人類補完計画を開始し、エヴァンゲリオン第13号機とロンギヌスの槍を使うことでアディショナルインパクトを起こし全人類の塊を肉体化させようと企んでいました。その計画を阻もうと碇シンジはEVA初号機とカシウスの槍を持って交戦し、それを後押しするようにガイウスの槍が生み出されると、ユイと13号機はガイウスの槍によって貫かれ計画を阻止することに成功しました。

ガイウスの槍について語っていく上で、対の存在となるロンギヌスの槍とカシウスの槍は併せて理解しておきたい用語です。ここではエヴァンゲリオンの世界や物語の根幹を握るほど重要な存在である、ロンギヌスの槍とカシウスの槍の能力や役割、登場シーンについて紹介していきます。

ロンギヌスの槍は絶望の槍と呼ばれておりデストルドー（死）の象徴と称されています。アンチATフィールドを発生させることでATフィールドを無効化し破壊することが可能で、エヴァンゲリオンや使徒に投げつけるだけで倒すことができるという破格の威力を持っています。作品ごとに扱い方が異なっており、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』では碇ゲンドウがアディショナルインパクトを起こすために利用されました。

カシウスの槍は希望の槍と呼ばれておりリビドー（生）の象徴と称されています。二重螺旋構造の先が収束している形状をしており、作品によって扱い方が異なりますが、基本的にロンギヌスの槍の対となる性質や役割を持っています。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では13号機とセットで使えば全てを「やり直せる」と言われています。

ロンギヌスの槍とカシウスの槍はどちらも作品のキーアイテムとして扱われており、物語の重要な場面にて登場することが多いです。ここではロンギヌスの槍、カシウスの槍の登場シーンをそれぞれまとめていきます。

カシウスの槍は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のラストシーンにて登場しました。渚カヲルが月のベアニアベースで完成したエヴァンゲリオンMark.6を操り、衛星軌道上から投擲してサードインパクトを起こそうとしていたEVA初号機を凍結させました。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』ではシンジがゲンドウとの戦闘にて使用しています。

ガイウスの槍は物語の重要な鍵として扱われていますが、詳細な情報が明かされていないことから様々な謎を残しています。ここではエヴァンゲリオンにおけるガイウスの槍やシンエヴァのラストに関する謎を考察していきます。

元々神が世界にもたらした聖なる槍は6本あると語られていました。その内の4本はアダムスと共に起こされたセカンドインパクトによって消失しており、残りの2本はネルフ本部でリリスに刺さっていたものと月で建造されていたMark.6が保有しており、持つ者によって形状が変化するという特性によってそれぞれロンギヌスの槍、カシウスの槍に変化しました。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』のラストにてすべての使徒とエヴァンゲリオンが消滅した世界が実現しますが、新しく構築されたその世界に人類が蘇ることはありませんでした。なお、漫画版エヴァンゲリオンではLCL化によって魂だけになってしまった人間が再び肉体が復活して新たな世界に生まれ変わる描写がされました。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ』のラストにて碇シンジは真希波マリと結ばれるマリエンドを迎えています。真希波マリは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて初登場したエヴァチルドレンで、本編の随所に物語の根幹に関わる重要な行動を取っている謎多き人物でした。ファンの間では綾波レイやアスカといったメインヒロインではなかったことに驚きの声が多く寄せられています。

ガイウスの槍が物語の結末を左右するほど重要な役割を持っていることをまとめてきましたが、この存在に対してファンの間ではどのような印象を持たれているのでしょうか？ここではエヴァンゲリオンファンが思うガイウスの槍について、SNS上に実際に寄せられているコメントを参照しながらまとめていきます。

ファンの間ではエヴァンゲリオンにおける槍の存在や能力について理解できていない人が多く、内容が難しいというコメントが散見されました。ロンギヌス、カシウス、ガイウスの槍はそれぞれ神話にまつわるもので、有識者の間でも古代ローマに関する知識がないと理解できないだろうと言われていました。

内容を理解できなかった人の中にはガイウスの槍とヴィレの槍が別物と勘違いしていた人もいました。マリの発言や神が遺した槍は6本という情報が視聴者に混濁した情報を与えたのかもしれません。

ガイウスの槍については様々な考察が寄せられていますが、大体の考察はロンギヌスとカシウスの槍でやり直せるという能力を完結させられるのがガイウスの槍という結論に至っていました。2本の槍は神が遺したのに対し、ガイウスの槍は人間が生み出したという部分も興味深いところでしょう。

ガイウスの槍は碇ゲンドウの人類補完計画を阻止するために人間によって生み出され、計画の阻止と世界からエヴァンゲリオンを消し去るネオンジェネシス完遂に繋がる重要な役割を果たしていました。碇ゲンドウの野望を打ち砕くために様々な人の願いが込められた武器と言い換えることもできるでしょう。本記事でガイウスの槍について理解できたという人は、改めて劇場版を鑑賞してみるとよりストーリーを楽しめるはずです。