【ベルセルク】キャスカは鷹の団の紅一点!幼児退行してしまった理由は?
『ベルセルク』に登場する鷹の団の紅一点、キャスカについて紹介します。キャスカの壮絶な過去や強さ、主人公であるガッツとの関係を考察し、幼児退行の理由についても解説します。更にアニメ版『ベルセルク』でキャスカの声を担当した声優情報もまとめています。
目次
【ベルセルク】キャスカは鷹の団の紅一点
『ベルセルク』に登場する「キャスカ」とは、同作の「鷹の団」という傭兵団で紅一点の存在であり、千人長を務める剣士です。さらにはベルセルクのヒロインでもあります。その点では主人公「ガッツ」との関わりで最重要なキャラといえるでしょう。過酷な運命に翻弄されるキャスカですが、彼女はどんなキャラなのでしょうか。彼女の過去から現在までを考察してみましょう。
キャスカのプロフィール
キャスカは褐色の肌に黒い髪を持つ女剣士です。貧しい農家の生まれで、5人の兄姉を持つ末っ子でした。12歳の時に口減らしという理由で、とある貴族に下女として売られます。城に向かう途中で貴族から乱暴されかけますが、偶然通りがかったグリフィスに剣を与えられ、その貴族を殺します。そこからはグリフィスが率いる鷹の団に入団し、剣の腕を磨いていきました。ガッツが入団してくると何かと対立することになります。
ベルセルクの概要
「ヤングアニマル」の前身「月刊アニマルハウス」1989年10月号から連載を開始した『ベルセルク』は、三浦健太郎が描いた中世ヨーロッパを土台にした世界のダークファンタジー漫画です。不定期連載の期間もありましたが30年以上に渡って物語を展開し、テレビアニメ・劇場版などにも発展しました。海外でも人気を博した本作でしたが、2021年の作者永眠で掲載が途絶えます。しかし作者から生前、完結までのストーリーを聞いていた漫画家・森慎二の監修により「ヤングアニマル」2022年13号から連載を再開しました。
ベルセルクのあらすじ
『ベルセルク』は、友であった「鷹の団」団長のグリフィスに裏切られた主人公ガッツの復讐の物語です。グリフィスは「降魔の儀」によってゴッドハンド「フェムト」として転生していました。この時にガッツは鷹の団共々降魔の儀の生贄とされ、記憶喪失と幼児退行を発症したキャスカと生き残った経緯がありました。ガッツはその復讐のため、身の丈を超える大剣と大砲などの武器を仕込んだ義手を持ち、ゴッドハンドを探し出す旅を続けています。
【ベルセルク】キャスカの幼児退行の理由
キャスカは鷹の団の千人長という地位に着き、団長のグリフィスがいない時には代理を果たせるほどのリーダーとしての力量を持っています。しかし、ある時を境に幼児退行してしまいます。彼女がそうなってしまった原因とはいったい何だったのでしょうか。ここからはキャスカが幼児退行してしまった原因をベルセルクのストーリーからおさらいして、その理由についても考察していきましょう。
キャスカの幼児退行の理由はグリフィスとの行為
キャスカが幼児退行してしまった原因は「降魔の儀」が発端になります。降魔の儀とは人間が使徒に転生する儀式であり、グリフィスの場合は216年に1度の「蝕」が行われて使徒の長ゴッドハンドへと転生するものでした。そのための生贄がガッツと鷹の団です。またグリフィスはゴッドハンド「フェムト」へと転生し、ガッツの目前でキャスカを凌辱しました。キャスカは恋人の前で崇拝していた人に辱めを受けたことで精神を崩壊させ、幼児退行してしまうのです。
キャスカがガッツに言った「見ないで」という言葉の意味
ぶつかり合いながらもガッツと恋人同士になっていたキャスカにとって、蝕は地獄そのものでした。仲間は全て死亡し、生き残ったのはガッツと自分だけで周りは怪物しかいない中、憧れだったグリフィスに凌辱されます。しかもガッツに見せつける形で、です。抵抗できない状況でガッツに見ないでほしいことを伝えるるのがやっとでした。この発言に関しては、元々憧れだったグリフィスに抱かれることを拒めない、ある意味不倫同様の現場を見られたくなかったための発言ではないかという見方もあります。
キャスカの精神崩壊のその後
蝕での凄惨な出来事ののち、突如現れた髑髏の騎士によってキャスカとガッツは救出されます。キャスカの精神的ダメージはとてつもなく、精神崩壊をきたして記憶喪失と幼児退行を併発しました。記憶と人格を失ったキャスカは何も知らない幼児と同じように振る舞います。それは復活する兆しが見えないものでした。さらには降魔の儀の時に刻まれた生贄の烙印によって使徒に狙われる身となってしまったため、ガッツは世話になった鍛冶屋のゴドーにキャスカを預けることにします。
キャスカの幼児退行と記憶喪失は治る?復活した?
蝕での出来事で幼児退行と記憶喪失を患ったキャスカは、身の安全と失った心を取り戻し復活させるため、ガッツたちによってパックの故郷である妖精郷へと向かいます。妖精郷で花吹雪く王との謁見後、ファルネーゼとシールケの働きによってキャスカは心を取り戻し、記憶を蘇らせました。これでキャスカの復活かと思いきや、ガッツを見た途端に蝕での過去の記憶が戻ってしまい、パニックに陥ります。完全復活までまだ時間がかかりそうですが、キャスカの復活まで物語上で2年、現実世界の作者や読者には22年の時間が経過しています。
【ベルセルク】キャスカとガッツの関係
復活が待たれるキャスカに焦点を合わせると、避けて通れないのがガッツの存在です。ガッツは『ベルセルク』の主人公ですから触れるのは当然のことですが、前述したようにキャスカとは恋人同士の関係になっていました。ここではガッツのプロフィールとキャスカとの出会い、恋人になった理由などを見ていきましょう。
ガッツのプロフィール
『ベルセルク』の主人公ガッツは、息絶えた母親から生まれて数奇な過去を持つ人物です。大柄な体格よりなお大きな剣"ドラゴンころし"を携え、失った左腕部に武器を内蔵する義手を着けています。過去にはグリフィス率いる鷹の団に入団し、切り込み隊長役を務めて名を挙げました。そののちに"蝕"に遭い、右眼と左腕、そして鷹の団の仲間を失います。その際、キャスカととに生贄の烙印を押され、使徒や悪霊などにつけ狙われることになります。
キャスカとガッツの出会い
キャスカとガッツの出会いは、ガッツが鷹の団に入団したことがきっかけとなっています。鷹の団団長グリフィスの目にとまったガッツを、グリフィスが口説き、戦いに勝ったことで入団したのです。その当初ではキャスカの方が立場が上だったのですが、ガッツとは反目し合っていました。やがてガッツが鷹の団を自分の居場所として認識し始めてから、次第に惹かれ合うようになります。
キャスカとガッツは恋人同士になる
ガッツはグリフィスと対等な友になりたいと思うようになり、自分を高める理由で鷹の団を去って仲間やキャスカと離れることになりました。ガッツが去った鷹の団ではグリフィスが自暴自棄になり、それが元で犯した行為によって地下牢に幽閉され、団に崩壊の危機が迫ります。その現状を知ったガッツは鷹の団へと戻り鷹の団をまとめていたキャスカと再開し、一悶着を起こしたのちにお互いの気持ちを確かめ合って結ばれるのでした。
【ベルセルク】キャスカの壮絶な過去や強さ
恋人になったガッツとは違った理由ではありますが、キャスカもまた壮絶な過去を持っていました。こうした境遇をお互い自分に投影して2人は結ばれた面もあるでしょう。ここではキャスカの過去と、ガッツ入団前でもグリフィスに次ぐ鷹の団No.2としての実力を誇る強さについて触れていきましょう。
キャスカの壮絶な過去
先に述べた通り、過去のキャスカは貧しい農家の生まれで6人兄妹の末っ子でした。12歳の時に貴族へと売られていきます。城へ行く途中で凌辱されかけますが、偶然通りかかったグリフィスによって助かります。もっともグリフィスが直接助けたのではなく、キャスカに剣を与え、闘って自由を勝ち取るか否かを問うたのでした。その答えとして、キャスカは自由を獲得するために貴族を殺します。その後はグリフィスの鷹の団へと入団することになりました。
キャスカの強さや能力
グリフィスの登場によってキャスカは自身を守ることができました。こうした経緯で鷹の団に入団したので、グリフィスに対しては崇拝にも似た感情を持ちます。傭兵集団である鷹の団には男しかいません。その中で生き残るために、またグリフィスへの恩義と忠誠心を示すために、キャスカは自分に向いた戦闘術に磨きをかけます。剣の腕と俊敏な動きで千人長となり、グリフィスの副官的な地位にまで登りました。
キャスカの性格
鷹の団の副リーダーにまでなったキャスカについて、"蝕"以前は表面上気が強く勝ち気で男勝り、そして努力家という性格に見えます。また生真面目な性格であることもわかりますが、これは副リーダーとして相応しい理由といえるものでしょう。しかし本質的なところでは涙もろい点もあり、女性的な一面を覗かせる時もあります。ガッツと恋人同士になった時には年相応の女の子としての感情が表出します。
【ベルセルク】キャスカの声優
『ベルセルク』は1997年と2016年に2度のテレビアニメ化、2012年に映画化がされており、2012年の映画化から声優が一新されました。新作を機に声優陣を入れ替えることはアニメでは珍しいことではありませんが、その理由はどうあれ旧作ファンとしては残念に思う人もいるでしょう。ここではキャスカを演じた新旧の声優を紹介します。
キャスカの声優①宮村優子
1997年に放映された『剣風伝奇ベルセルク』でキャスカを演じたのは宮村優子でした。『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレーの役で特に有名になりましたが、エヴァのアスカとベルセルクのキャスカでは気の強さや勝ち気な点が共通する性格をもったキャラといえるかもしれません。一時期オーストラリアに移住していましたが、2018年から帰国して国内での活動を継続しています。
宮村優子のプロフィール
- 名前:宮村優子(みやむらゆうこ)
- 出身地:兵庫県神戸市
- 生年月日:1972年12月4日
- 血液型:O型
- 職業:声優・俳優・歌手
- 愛称:みやむー
宮村優子は高校時代から演劇部に所属するくらい舞台が好きで、高校卒業後は桐朋学園短期大学演劇科に進学します。演劇科卒業後は日本ナレーション演技研究所に入所しました。同じ短大出身の先輩が舞台役者から声優として活躍することを知り、自らも声優に挑戦することにしたそうです。また希望した劇団の入団テストに落選したこともあり、声優の仕事が増えていきました。現在ではインターナショナル・メディア学院の講師をするなど、多方面の活躍をしています。
宮村優子の主な出演作品
- 『勇者警察ジェイデッカー』(レジーナ・アルジーン/フェイ/ラン役)
- 『新世紀エヴァンゲリオン』(惣流・アスカ・ラングレー役)
- 『それいけ!アンパンマン』(ほおずきちゃん/カステラ姫役)
- 『エルフを狩るモノたちⅡ』(井上律子役)
- 『名探偵コナン』(遠山和葉役)
- 『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』(白鵬院綾乃エリザベス役)
- 『ポケットモンスター』(アカネ役)
- 『舞-HIME』(アリッサ・シラーズ役)
- 『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMETION』(惣流・アスカ・ランクレー役)
- 『ポプテピピック』(ピピ美役)
キャスカの声優②行成とあ
2012年から順次公開された映画『ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ-Ⅲ』では声優が一新され、全てのキャラが新しい声優によって演じられることになりました。今回キャスカを演じたのは行成とあです。アニメ声優としての活躍も多数ですが、洋画でも数多くの作品で吹き替えを演じています。
行成とあのプロフィール
- 名前:行成とあ(ゆきなりとあ)
- 出身地:長崎県
- 誕生日:5月11日
- 血液型:O型
- 職業:声優
- 趣味:食品サンプル集め
行成とあは、雑誌に掲載されていた日本ナレーション演技研究所の広告を見て、漠然と自分がこの研究所に入るんだろうと思ったことが声優になるきっかけだったといいます。ただすぐに日本ナレーション演技研究所へ入所したわけではなく、介護系の短大へ入学し卒業した後で週3回のクラスへ入所しました。ちなみに洋画の吹き替えではエリザベス・オルセンを担当することが多いようです。
行成とあの主な出演作品
- 『NARUTO-ナルト-疾風伝』(長門の母/木ノ葉隠れの里の忍/他役)
- 『宇宙兄弟』(青竹フミ/リンダ・クリフ/ティム/他役)
- 『ローゼンメイデン』(座長役)
- 『クレヨンしんちゃん』(鬼嫁役)
- 『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』(女刑務官役)
- 『名探偵コナン』(緑山咲役)
- 『アイアンマン3』(女エクストリミス1役)
- 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(チャールズの母役)
- 『猿の惑星 創世記』(トッド・ハンシカー役)
- 『ドラゴン・タトゥーの女』(リヴ役)
【ベルセルク】キャスカの名言
『ベルセルク』ではガッツをはじめとする多くのキャラが名言を生んでいます。もちろんその中にはキャスカの言葉も含まれています。ベルセルクの世界では人間の命が儚く脆いものであるがゆえ、懸命に生きるキャラの言葉に一層重みのある意味が含まれてきます。ここでは復活が期待されるキャスカの名言から、代表的なものを3つ紹介しましょう。
キャスカの名言①「理想や夢だけで…」
理想や夢だけで人の心は埋まらない!!
この時、グリフィスは幽閉され鷹の団も崩壊の危機に陥っていました。その窮状を知ってガッツは戻ってきたのですが、キャスカからガッツへの喪失感によってグリフィスが精神的ダメージを受けたことを知らされます。グリフィスはキャスカの崇拝対象で憧れの存在でした。それがガッツのせいで堕ちてしまったという理由で八つ当たり気味に攻めていましたが、この言葉は人間全てに当てはまるものではないでしょうか。
キャスカの名言②「おまえがいなきゃ…」
おまえがいなきゃだめなんだ
名言①に続けてキャスカが発したのが「グリフィスは…」の後の言葉です。ガッツは自分が去った後にグリフィスが自暴自棄になるとは思いもよりませんでした。これらの名言はキャスカがガッツに剣を向けながら叩きつけていたのですが、ガッツはこの言葉の理由を理解し、甘んじてキャスカの攻撃を身で受けました。このような状況を作り出したのはお前だと言われ、その理由で責任を取ったのではありませんが、けじめとして受けたのでしょう。
キャスカの名言③「私にも一つくらい…」
私にも一つくらいおまえがつけたキズが欲しいよ
グリフィスの件でガッツを責め立てていたキャスカは、精神的に疲弊して崖上から身投げしようとしますがガッツに救われます。この時のキャスカにとって、ガッツは憎しみの対象であるとともに愛情の対象となっていました。やがて2人はその場で結ばれます。そしてガッツはかつてのトラウマを吐露し、お互いが全てを曝け出したところでキャスカの口からついた言葉がこの名言でした。
【ベルセルク】キャスカに対する世間での評判や人気
『ベルセルク』のもう1人の主人公ともいえるキャスカについて、ファンはどのような思いを持っているのでしょうか。その感想は人それぞれではありますが、ここで世間の人のキャスカに対する評価や、人気を覗いてみましょう。知らなかった、気付かなかったキャスカに関する情報を新たに知ることができるかもしれません。
キャスカというキャラはどんな角度から見ても魅力的なキャラに仕上がっているのではないでしょうか。トップクラスの戦闘力、整った容貌、気か強く勝気な性格でも時折見せる女性らしさなど魅力のプラス要素が満載です。また完璧なようでスキがある点や素直さを正直に出す所など、かっこよく可愛いという形容にアクセントを付けれくれます。
同じ作品でも読み返すとそれまでの認識を覆されることがあります。以前の読みが浅かったのか、理解していなかったのか、誤認識していたのか、あるいは忘れていたとかいろいろ理由があるでしょう。ある程度物語が進んだところで過去のストーリーを読み返すと本当の意味がわかってくることもあります。たまには複数回読み返すことで本当の楽しさが理解できるようになるかもしれません。
『ベルセルク』は長く続く長編のストーリーで、キャスカの復活や最終的な結末が気になっていたファンは実に多かったに違いありません。しかし作者の三浦健太郎は物語を完結しないうちにこの世から旅立ってしまいました。落胆したファンは非常に多かったのですが、今後は作者の友人だった森慎二とスタップたちによる復活した連載での物語の完結に望みを託しましょう。
【ベルセルク】キャスカは鷹の団の紅一点だった
キャスカは鷹の団という傭兵団の中でたった1人の女性として存在しました。その理由は想像を絶するような過去によって物語られています。蝕という禍々しい出来事によって幼児退行と記憶喪失を発症し、完全とはいえないもののそこから復活しつつあります。作者が亡くなった今、混沌とした物語はどのような終焉を迎えるのか、とても気になるところです。果たして過去にけりをつけ完全復活するキャスカが登場するのでしょうか。
この記事のライター
zedafenrir
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