【進撃の巨人】壁の中には巨人がいる?その理由は?真実や崩壊についても
『進撃の巨人』に登場する壁の中には、巨人がいることが明らかとなっており、本記事では壁の中に巨人がいる理由やその経緯を解説します。そして崩壊後に起こる「地鳴らし」の実態を詳しく考察し、壁の中の巨人に対する世間からの評判も紹介します。
目次
進撃の巨人とは?
『進撃の巨人』はとにかく衝撃的な場面の多い作品ですが、中でも「壁の中の巨人」が発見されるシーンは出色です。巨人避けのはずの壁に巨人がいたという展開には誰もが驚愕しましたが、その理由や経緯には、物語の核心に触れる重要な秘密が隠されています。それら壁の真実について知る前に、まずは『進撃の巨人』という作品や作者について見ておきましょう。
進撃の巨人の作者
壁の中の巨人が登場する『進撃の巨人』の作者は、漫画家の諌山創(いさやまはじめ)氏です。諌山氏は大分県出身の男性で、生年月日は1986年8月29日、2023年5月現在で36歳になります。漫画家デビューは2008年で、翌年の2009年9月から代表作である『進撃の巨人』の連載を開始しました。2023年1月には第50回アングレーム国際漫画祭で特別賞を受賞するなど、国際的な評価も高くなっています。格闘技観戦が趣味で、『進撃の巨人』作中においても随所にその影響が見て取れます。
進撃の巨人の概要
壁の中の巨人が話題となった『進撃の巨人』は、「別冊少年マガジン」2009年10月号から連載がスタートし、2021年5月号をもって完結しています。架空の世界を舞台とするダークファンタジー作品で、衝撃的で予想不能な展開の連続により、発表後すぐに大きな反響を巻き起こしました。コミックスは全34巻で、世界累計発行部数は1億部を超えています。
進撃の巨人のあらすじ
『進撃の巨人』は、巨大な壁に囲まれて暮らす人々と、謎の巨人たちとの凄惨な戦いを描く作品です。主人公の少年エレンは、突如出現した巨人に母を食い殺されたという経緯から、兵士となって巨人たちを全て駆逐する誓いを立てます。しかし戦いを経るに従い、エレンは壁の中身やそれが築かれた本当の理由など、思いもよらぬ世界の真実に向き合っていくことになります。
壁の中には巨人がいる?
『進撃の巨人』の基本的な舞台設定となる「三つの壁」は、当初文字通りの壁だと思われていました。しかし、物語の途中でその中には巨人が潜んでいることが明らかとなります。ここでは作中で壁の中の巨人が発見された経緯と、その具体的な構造などについて見ていきましょう。
壁の中の巨人にはミカサが気付いた
「三つの壁」の壁の中に巨人がいたということに最初に気づいたのは、ミカサでした。ことの発端は、「女型の巨人」であるアニの捕獲作戦にあります。巨人化した彼女とエレンとの戦いの余波で壁の一部が破損し、そこから中身が露出します。穴の中にミカサが見たものは、うつろな目つきの巨人の顔でした。しかもその視線はミカサを捉えたことから、巨人が生きたままの状態であることが判明します。
壁の中の巨人のことをニック司祭は知っていた?
三つの壁の中に巨人がいるということは、『進撃の巨人』の作中ではほとんどの者に伏せられていた秘密です。しかし、ごくわずかな人間だけはその事実を知っていました。「ウォール教」の司祭であるニックはその1人で、彼は露出した巨人に対し、日光を当てないよう周囲に強く進言します。「ウォール教」は壁自体を神格化する宗教で、壁の中の秘密を代々の神職者が受け継ぎ、守ってきたのでした。その進言どおりすぐに壁の穴は塞がれますが、後の崩落がこの時に予感されることとなります。
壁は硬質化能力で作られている?
このように、壁の中には大型巨人が潜んでいたわけですが、一体どのような作りになっているのでしょうか。実は壁の中の巨人は一体だけではなく、三つの壁のすべてで横並びにびっしり連なった構造となっています。それもただ並んでいるのではなく、「硬化能力」という結晶を創り出す力で体を固め、それを基礎として壁を築いたのでした。その理由や経緯は後に明らかにされますが、壁が崩落した時、世界は重大な脅威にさらされることになります。
壁の中の巨人や三つの壁が作られた理由と真実を解説
『進撃の巨人』では、クライマックスで壁が崩壊し、世界を大混乱に陥れることになります。このように物語の重要な鍵を握る壁の中の巨人ですが、果たしてこれらを用いて三つの壁が作られた理由は何なのでしょうか。その詳しい経緯など、壁に隠された真実について考察していきましょう。
三つの壁とは?
『進撃の巨人』において巨人と並ぶ代名詞とも呼べるのが、何度も触れている「三つの壁」です。これはそれぞれ「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」と呼ばれる三重の巨大な壁で、人類を巨人の脅威から守る防護壁とされています。物語開始時点から100年ほど前に作られたもので、壁外人類は巨人の侵略が理由で滅ぼされたと伝えられてきました。残った人類は壁の中の居住区から出ることなく、100年間ほぼ変わらぬ営みを続けています。
ウォール・マリア
「ウォール・マリア」は、三つの壁のうち最も外側に位置する壁です。主人公のエレンらは、このウォール・マリアに付属する「シガンシナ区」という区域で育ちました。外周はおよそ3,200kmに及び、三つの壁で最長となっています。『進撃の巨人』作中の年号で845年に、超大型及び鎧の巨人らによりこの壁の扉が破られます。それを理由に壁内人類はウォールマリアを去り、以後は「ウォール・ローゼ」と「ウォール・シーナ」のみが生存圏となりました。
ウォール・ローゼ
「ウォール・ローゼ」は、三つの壁のうち真ん中に位置する壁です。全長は2,400kmに及びます。845年の巨人侵攻後は、後のウォール・マリア奪還まで、壁内人類にとって生存圏の最外縁という位置づけとなりました。850年に再出現した超大型巨人に扉を破られますが、この時はエレンの巨人化によって辛くも侵攻阻止に成功しています。『進撃の巨人』の主要キャラクターである、ジャンやサシャらの出身地もここに属しています。
ウォール・シーナ
「ウォール・シーナ」は、三つの壁の一番内側に位置する壁です。王都ミットラスが置かれている領域であり、壁内世界の文字通り中心地にあたります。その他の壁内の人々からは「内地」と呼ばれ、最も安全で政治的な重要度も高いという理由で、ここで暮らすことが一種のステータスとなっています。その一方で地下にはスラム街が広がり、やはり『進撃の巨人』の主要キャラであるリヴァイはそこで育ちました。アニの捕獲作戦に際して壁の中の巨人が発見されたのも、ここウォール・シーナになります。
三つの壁が存在したのはいつから?
「マリア」「ローゼ」「シーナ」の三つの壁が築かれたのは、物語の始まりから100年前のことととされます。『進撃の巨人』作中の具体的な年号では、743年となっています。この年にエルディア帝国の王カール・フリッツは、下に述べるような理由でパラディ島という島へ渡り、三つの壁を作って他の一部のエルディア人と共に引きこもりました。
三つの壁が作られた理由と経緯
上で述べたように、『進撃の巨人』の作中年号で743年、エルディア帝国の王カール・フリッツはパラディ島へ渡って三つの壁を築きました。その経緯は以下のようなものです。フリッツ王はそれまでの巨人による専制支配に心を痛めたことが理由で、わざと内戦を起こし帝国の弱体化を図ります。そして「始祖の巨人」の力を継承した後は、戦いを拒否して一部のエルディア人を率い、パラディ島へ移住します。
パラディ島へ渡り三つの壁の中に閉じこもったフリッツ王は、「この地が攻められれば壁を崩壊させて“地鳴らし”を発動し、世界を滅ぼす」と宣言します。これは単なる脅しでしたが、外の世界にとっては無視できない脅威でした。さらにその上でフリッツ王は、「始祖の巨人」の力で壁内のエルディア人の記憶を操作し、以上のような経緯をすべて歴史から抹消します。このようにして、壁の中に外界と完全に隔絶された世界が出来上がったのでした。
壁の中の巨人が三つの壁を崩壊させた?地鳴らしを考察
『進撃の巨人』の終盤では、三つの壁の崩壊によって起こった「地鳴らし」が想像を絶する惨劇を引き起こします。一体「地鳴らし」とは何で、なぜそれが起こってしまったのか、壁の中の巨人とどう関係しているのかなどの真実について見ていきましょう。
地鳴らしとは?
『進撃の巨人』における「地鳴らし」とは、三つの壁が崩壊し、中の巨人たちが一斉に目覚めて行進を始めるという現象です。その行進は、すべての大地を踏みならして建物も生物も壊滅させるほどの威力を持っています。フリッツ王は、これを壁内人類の最終兵器として外界への脅しに使用しました。実際には前述のように使う気はなかったのですが、物語終盤でそれが実現してしまうこととなります。
地鳴らしをエレンが実行した理由
三つの壁を崩壊させ、「地鳴らし」を発動させた張本人は、『進撃の巨人』の主人公であるエレンです。エレンは腹違いの兄で王家の血を引くジークを利用し、巨人の硬質化を解いて壁を崩壊させました。エレンがそうした行為に走った一番の理由は、パラディ島のエルディア人が置かれた危機的状況にあります。このままでは、彼の最も大事な人々は外敵に滅ぼされてしまうとの想いから、「島外の人類を根絶やしにする」という究極の手段に訴えたのでした。
そして彼は、この悲劇的な結論が不可避であるということも知っていました。エレンの持つ「進撃の巨人」は未来を視る力があり、それを通じて自らの逃れられない運命を、数年前に察知していたのです。エレンは「人類虐殺」という行為に葛藤しながらも、仲間と自由への想いのために「地鳴らし」を引き起こすことになります。
地鳴らしを止める方法
『進撃の巨人』における「地鳴らし」発動の真実は上記のようなものですが、パラディ島の住民すべてがこれに賛同したわけではありません。エレンが最も守りたかったミカサやアルミンら仲間たちは、「地鳴らし」を絶対に阻止せねばならないと考えました。そのためにはエレンとの対決が避けられませんが、何よりエレンを虐殺者にしたくないとの想いから、島外勢力と力を合わせて困難な任務に立ち上がることになります。
地鳴らしの結末
発動されてしまった「地鳴らし」は、予想以上のスピードで進み大多数の都市を壊滅させます。残された人類も追い詰められますが、そこへ駆けつけたミカサとライナーらの奮戦で何とか全滅は免れました。そしてエレンは、想い人であるミカサ自身の手で葬られます。こうして壁内外の勢力の共闘で止められた「地鳴らし」ですが、終わってみれば人類の8割が死滅する大惨劇という真実が残りました。
壁の中の巨人に対する世間での評判や人気
『進撃の巨人』で各方面に反響を呼んだ「壁の中の巨人」ですが、具体的にはどういった感想が持たれているのでしょうか。その人気や評判などが気になるところです。ここでは、Twitter上の声から壁の中の巨人に対する印象などを探ってみました。
こちらは壁の中の巨人が姿を現すところまで視聴したという人の感想です。どういうことか理解できず、ひたすら混乱と興奮に巻き込まれている様子が伝わってきます。おそらくは、この場面を見た人のほとんどすべてに共通する感覚だと思われます。
『進撃の巨人』の作中で、壁の中の巨人の正体については詳しく触れられていません。そのため、中身が何者なのか気になる人は多いようです。元は人間だったことは間違いなさそうですが、「地鳴らし」後の運命も含めて謎となっています。
こちらは「壁の中の巨人が長生きしていた理由」を疑問に思うツイートです。100年間壁の中で生きながらえてきたというのは、やはり驚愕の事実ではあります。前述のように、壁の巨人は日光から遮られ、硬質化した状態で眠っていました。アニも硬質化したまま長期間地下で眠っていたので、巨人が長生きできた理由もそのへんにあるのだと思われます。
壁の中には巨人がいた
『進撃の巨人』における「壁の中の巨人」について考察してきました。巨人の侵攻を防ぐために作られたはずの壁が、実は巨人を利用した兵器であったという種明かしは、この作品の中でも屈指のセンスオブワンダーです。しかも、最後にはそれらがすべて動き出すという点で、二重の驚きをもたらしてくれます。「地鳴らし」発動前後はこうした衝撃展開の連続なので、未見の方はぜひご覧になってください。
この記事のライター
だいじろう
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